STEP4伝わる文章で書く/6-6/評価者に伝わる文章術

提案書の見出し・箇条書き・太字で拾い読みに耐える ― 見出しだけで内容がわかる文書の作り方

提案書の見出しと箇条書きは、評価者が拾い読みしても提案の要点と採点の根拠が伝わるように使います。評価者は見出しを追って気になった箇所だけを読むため、見出しは評価項目名に結論を添えたメッセージ型にし、並列の情報は箇条書き、因果関係は文章で書き分けます。このページでは、入札・プロポーザルの提案書を対象に、1ページ30秒を目安とした評価者の視線の動き、見出し文の作り方、箇条書きの粒度と並列性の揃え方、太字・下線・囲みの使用ルール、拾い読みテストの方法を解説します。

執筆:村井宗明(元文部科学大臣政務官・AIエンジニア)公開:更新:読了目安:約17分

要点(結論)

評価者は提案書を最初から最後まで通読するとは限らず、評価項目ごとに該当箇所を拾い読みします。見出しだけで内容がわかる、箇条書きと文章を使い分ける、強調を絞る、ページ冒頭に要約ボックスを置く、の4点で拾い読みに耐える文書にします。仕上げには「拾い読みテスト」で点検します。

このページの目次
  1. 見出しだけで内容がわかる
  2. 箇条書きと文章の使い分け
  3. 太字・下線の使いすぎに注意
  4. 評価者の視点:1ページ30秒の視線の動き
  5. 「見出し文」の作り方:名詞止めからメッセージ型へ
  6. 箇条書きの粒度と並列性の揃え方
  7. 箇条書きにするかどうかの判定手順
  8. 太字・下線・囲みの使用ルール(目安)
  9. ページ冒頭の要約ボックス
  10. 視線の動きに合わせたレイアウト
  11. 「拾い読みテスト」の方法
  12. 業務種別ごとの例文
  13. よくある失敗パターンと処方箋
  14. 書き換え手順(チェックリスト)
  15. AIに書き直させるときの指示例

見出しだけで内容がわかる

拾い読みをする評価者は、まず見出しを追い、気になった箇所の本文を読みます。見出しが「概要」「方針」「その他」のような分類名だけだと、評価者は本文を読まなければ内容がわかりません。見出しに評価項目名を入れたうえで、必要に応じて内容を表す短いメッセージを添えます。

悪い例(見出し):

  • 3. 実施方針
    • 3-1 概要
    • 3-2 詳細

良い例(見出し):

  • 3. 業務の実施方針:3つの方針で業務の目的を達成します
    • 3-1 方針1:利用件数の多い5つの手続きを重点的にオンライン化する
    • 3-2 方針2:職員の皆様の作業を確認・承認に限定する
    • 3-3 方針3:毎月の利用状況分析で改善を続ける

なぜ良いか: 見出しを読むだけで提案の骨格が伝わります。評価基準の項目名(「業務の実施方針」)を残しているため、評価者が該当箇所を探す手間もかかりません。目次を見出しだけで作ってみて、目次が提案の要約として読めるかどうかを確認すると、見出しの出来を点検できます。

箇条書きと文章の使い分け

箇条書きは、並列の情報を一覧で見せるのに向いています。一方、因果関係や理由の説明は、箇条書きにすると「なぜそうするのか」のつながりが消えてしまいます。次のように使い分けます。

箇条書きが向く内容 文章が向く内容
実施項目の一覧、成果物の一覧 課題とその原因の説明
体制メンバーと役割 施策を選んだ理由
スケジュールの節目 施策同士のつながり・効果が出る仕組み
要約ボックスの要点 前提条件や条件付きの約束

悪い例(理由まで箇条書きにしている):

  • 窓口の混雑
  • オンライン化
  • 5つの手続きを優先

良い例(理由は文章、実施項目は箇条書き): 窓口の混雑は、転入・転居など利用件数の多い手続きに集中しています。そのため、利用件数の多い5つの手続きを優先してオンライン化します。優先する5つの手続きでは、次の3つを実施します。

  • 入力画面の簡素化
  • 貴市ホームページと広報紙での周知
  • 利用状況の月次分析と改善提案

なぜ良いか: 悪い例は、課題(混雑)・方針(オンライン化)・対象(5つの手続き)という異なる種類の情報が同じ箇条書きに並び、因果関係が読み取れません。良い例は、因果関係を文章で示した上で、並列の実施項目だけを箇条書きにしています。箇条書きの各項目は、文末の形(体言止めか「〜します」か)を揃えます。同じ箇条書きの中で形が混ざると、読みにくくなります。

太字・下線の使いすぎに注意

太字・下線・色文字は、評価者の視線を集める強い手段です。しかし、1ページの中で強調箇所が多すぎると、どれが本当に重要なのかがわからなくなり、強調の効果が失われます。強調は1つの段落につき1か所程度を目安に絞り、対象は評価の着眼点に対応する語句・数値目標・差別化ポイントに限ります。手段ごとの使い分けと1ページあたりの目安は、後の「太字・下線・囲みの使用ルール(目安)」に示します。

悪い例: 当社は、豊富な実績と高い専門性を活かし、迅速かつ丁寧な対応で、職員の皆様の負担を軽減します。

良い例: 当社は、照会文書の案をすべて作成し、職員の皆様の作業を確認と押印のみに限定します。

なぜ良いか: 悪い例は強調が5か所あり、結果として何も目立ちません。良い例は、評価者に覚えてほしい1点(職員の作業範囲)だけを強調しています。強調箇所だけを拾い読みしても提案の要点がつながるかどうかを確かめると、強調の過不足を点検できます。

評価者の視点:1ページ30秒の視線の動き

評価者が複数社の提案書を限られた時間で読むとき、1ページにかけられる時間は30秒程度と考えて設計します(目安です。審査の形態によって異なります)。30秒で評価者の視線がたどる順序は、おおむね次のとおりです。

  1. 見出し(約3秒):評価項目と対応しているかを確認する
  2. ページ冒頭の要約ボックスや図表のタイトル(約5秒):この項目で何を提案しているかをつかむ
  3. 太字・数値・箇条書き(約10秒):採点の根拠になる語句を拾う
  4. 気になった段落の本文(約12秒):根拠を確かめる。読むのは全段落ではなく1〜2段落

この視線の動きから、点が分かれる理由が見えてきます。

  • 見出しが分類名だけだと、1の段階で「該当箇所がない」と判断され、本文を読んでもらえない
  • 要約ボックスがないと、2の段階で全体像がつかめず、3以降の拾い読みが散漫になる
  • 強調が多すぎると、3の段階で何を拾えばよいか分からず、結局本文を読まずに次のページへ進む
  • 本文の段落が長いと、4の段階で読む段落を選べず、冒頭の段落しか読まれない

拾い読みに耐える文書とは、この4段階のどこで読むのをやめられても、提案の要点と採点の根拠が伝わる文書です。

「見出し文」の作り方:名詞止めからメッセージ型へ

見出しには、「名詞止め型」(例:「実施体制」)と「メッセージ型」(例:「実施体制:専任3名で担当し、責任者は類似業務3件の経験を持ちます」)があります。評価項目との照合には名詞止め型が必要で、拾い読みにはメッセージ型が有効です。両方を満たす見出し文は、次の手順で作ります。

  1. 評価項目名を先頭に置く:評価基準の項目名・着眼点の名詞をそのまま使う
  2. コロンまたは読点の後に、その項目の結論を1文で添える:結論は「何を・どうする」または「何が・どうなる」の形にする
  3. 結論に数値か固有名詞を1つ入れる:数値があると見出しだけで採点の根拠になる
  4. 文字数を40字以内に収める:2行にわたる見出しは読まれにくい。入りきらない場合は、見出しを名詞止めにし、直下の要約ボックスにメッセージを移す
  5. 小見出しも同じ型にする:章の見出しだけメッセージ型で、小見出しが「概要」「詳細」のままでは効果が半減する
  6. 見出しだけを並べた目次を作り、提案の要約として読めるか確認する
名詞止め型 メッセージ型
2. 実施体制 2. 実施体制:専任3名で担当し、責任者は類似業務3件の経験を持ちます
3-2 品質管理 3-2 品質管理:成果物は担当者以外の品質管理者が全件確認します
4. スケジュール 4. スケジュール:要件定義を契約後2か月で完了し、稼働は年度内です
5-1 リスク対策 5-1 リスク対策:移行リハーサル2回でデータ不一致を本番前に解消します

メッセージ型の見出しは、本文と矛盾しないことが絶対条件です。見出しに「専任3名」と書いて本文の体制表が2名になっていると、評価者は提案全体の信頼性を疑います。

箇条書きの粒度と並列性の揃え方

箇条書きは、項目同士が「同じ種類・同じ大きさ・同じ形」で並んでいるときにだけ読みやすくなります。次の3点で揃えます。

粒度(大きさ)を揃える 1つの箇条書きの中に、「施策名」と「施策の中の細かい作業」が混ざると、評価者は項目の重みを判断できません。大きい項目と小さい項目が混ざったら、小さい項目を大きい項目の下に字下げして階層化するか、文章に戻します。階層は2段までにします。3段以上の箇条書きは、拾い読みでは構造が追えません。

悪い例(粒度が混在):

  • 住民アンケートの実施
  • アンケート用紙の印刷
  • ワークショップの開催
  • 会場の予約
  • 報告書の作成

良い例(粒度を揃え、細かい作業は階層化):

  • 住民アンケートの実施(用紙の印刷・発送・回収・集計を含む)
  • ワークショップの開催(2回、会場手配を含む)
  • 報告書の作成

並列性(種類)を揃える 「課題」「施策」「効果」のように種類の異なる情報を同じ箇条書きに並べない、という原則です。種類が違う情報は、箇条書きを分けるか、表にして列で種類を分けます。

形(文末)を揃える 同じ箇条書きの中では、全項目を体言止めにするか、全項目を「〜します」にするかを統一します。項目が「作業の名前」なら体言止め、「約束する行動」なら「〜します」が向いています。文の長さも揃え、1項目は1行(40字程度)以内を目安にします。2行を超える項目が出たら、その項目は文章に戻すか、項目を分けます。

項目数の目安 1つの箇条書きは3〜7項目に収めます。2項目なら文章で書けます。8項目を超えると拾い読みで把握できないため、グループに分けて小見出しを付けるか、表にします。

箇条書きにするかどうかの判定手順

下書きのある段落を箇条書きにするかどうかは、次の判定で決めます。

  1. 段落の中に、並列の情報が3つ以上あるか? → なければ文章のまま
  2. その並列の情報は、順番を入れ替えても意味が変わらないか?(または順番そのものが手順を表すか?) → 入れ替え可能な一覧、または明確な手順なら箇条書き(手順は番号付き)
  3. 項目同士に「だから」「そのため」の因果関係があるか? → あれば文章のまま(因果は箇条書きで消える)
  4. 各項目が1行で書けるか? → 書けなければ文章のまま、または項目名だけを箇条書きにし説明を文章で続ける
  5. 箇条書きの前に、「なぜこの項目なのか」を示す導入文があるか? → なければ1〜2文の導入文を足す

表は、箇条書きの各項目が「名前・担当・時期・数量」のように複数の属性を持つときに使います。属性が2つ以上ある一覧は、箇条書きより表のほうが拾い読みしやすくなります。

太字・下線・囲みの使用ルール(目安)

強調手段には、太字・下線・囲み(枠線や網掛け)・色文字があります。使う場所と量の目安を決めておくと、文書全体の強調が統一されます。

手段 使う対象 1ページあたりの目安
太字 評価の着眼点に対応する語句、数値目標、約束の核心部分 3〜5か所(1段落1か所)
下線 仕様書の要求事項に対応する箇所の明示(「仕様書3.2対応」など) 2〜3か所
囲み(枠・網掛け) 要約ボックス、独自提案、注意事項 1〜2か所
色文字 差別化ポイントなど、文書全体で1種類の意味に限定 1〜2か所

使用ルールは次のとおりです。

  • 1つの文の中で、太字と下線を重ねない(重ねると意味が分からなくなる)
  • 1ページの強調箇所を合計で6か所以内に収める。超えたら重要度の低いものから外す
  • 強調する語句は、文の一部(名詞句や数値)にとどめ、文全体を太字にしない
  • 強調の意味(太字=約束、色=差別化 など)を提案書の冒頭に凡例として示すか、全体を通して一貫させる
  • 白黒印刷で審査される可能性があるため、色文字だけに意味を持たせない(太字や囲みと併用する)

ページ冒頭の要約ボックス

評価項目に1ページを超えて使う場合、ページの冒頭(見出しの直下)に要約ボックス(枠で囲んだ3〜5行の要点)を置きます。評価者が視線の2段階目で読む箇所であり、30秒で最も確実に読まれる部分です。拾い読みの観点からは、次の型で作ります。

  • 位置:見出しの直下。本文より前
  • 行数:3〜5行(箇条書き3〜5項目)
  • 内容:その項目で提案することを「何を・どれだけ・いつ」で1行ずつ。各行に本文の該当ページまたは段落番号を添える
  • 制約:本文に書いていない内容を入れない。本文の数値と一致させる
  • 見た目:枠線か薄い網掛けで囲み、文書全体で同じ体裁にする

要約ボックスの例(実施体制の項目):

  • 体制:管理責任者1名、担当者2名の専任3名(本文2-1)
  • 責任者の経験:同種業務3件、うち2件は人口5万人規模(本文2-2)
  • 常駐:責任者は週3日、市役所内の作業スペースに常駐(本文2-3)
  • 交代時の対応:担当者交代は1か月前に通知し、2週間の引継ぎ期間を設ける(本文2-4)

なぜ良いか: 4行で、着眼点になりやすい「人数」「経験」「常駐」「交代時の対応」が数値付きで分かります。評価者は要約ボックスだけで仮の採点ができ、本文はその確認に使えます。該当箇所の番号があるため、確認のために本文を探す手間もかかりません。

要約ボックスは本文の縮小版ではなく「採点の手がかり集」です。抽象的な方針(「万全の体制で臨みます」)を入れるのではなく、採点に使われる数値と固有名詞を入れます。

視線の動きに合わせたレイアウト

評価者の視線は、見出し→要約ボックス→強調・数値・箇条書き→本文の順に動きます。この順序に合わせてページを組みます。

  1. 1ページの構成を「見出し→要約ボックス→本文→図表」の順に固定する:ページによって順序が変わると、評価者は毎回探し直すことになります
  2. 1段落は4〜6行以内にする:長い段落は本文の4段階目で読み飛ばされます。段落が7行以上になったら、分けるか箇条書きにします
  3. 段落の1文目に結論を置く:段落の1文目だけを読んで意味が通るようにします。評価者は段落の冒頭しか読まないことを前提にします
  4. 数値は文中に埋め込まず、文の前半に置く:「〜を行い、〜した上で、月1回実施します」より「月1回、〜を実施します」のほうが拾いやすくなります
  5. 図表には結論を示すタイトルを付ける:「図3 業務フロー」ではなく「図3 業務フロー:職員の作業は承認の2か所のみ」のように、図を見なくても結論が分かるタイトルにします。「公用文作成の考え方」も、図表には分かりやすい位置に標題を付けるよう示しています
  6. 図表の直前または直後に、図表が示す結論を1〜2文で書く:図表だけでは採点の根拠として読み取りにくい場合があるためです
  7. ページをまたぐ段落・表を避け、余白を確保する:ページ末で段落が切れると、評価者は次ページの残りを読まないことがあります。ページ数の上限がある場合は、文字を詰めるのではなく内容を絞ります

「拾い読みテスト」の方法

書き上げた提案書が拾い読みに耐えるかどうかは、次の4つのテストで点検します。社内の、その提案書を書いていない人に依頼すると効果的です。

テスト1:見出しだけテスト 見出しだけを抜き出して目次にし、それを読んだ人が「この会社は何を提案しているか」を3つ挙げられるかを確認します。挙げられない項目の見出しを、メッセージ型に書き直します。

テスト2:30秒テスト 評価基準の着眼点を1つ渡し、提案書の該当ページを30秒だけ見せた後、ページを閉じてから「着眼点に対する提案内容」と「根拠になる数値」を言ってもらいます。言えなければ、要約ボックスか強調の位置を直します。

テスト3:強調だけテスト 太字・囲み・色文字の箇所だけを順に読み上げ、それだけで提案の要点がつながるかを確認します。つながらない場合は、強調の対象が着眼点とずれています。強調が多すぎて読み上げに時間がかかる場合は、強調を減らします。

テスト4:段落冒頭テスト 各段落の1文目だけを順に読み、提案の流れが理解できるかを確認します。理解できない段落は、1文目に結論を移します。

4つのテストの結果は、「評価項目名/テスト番号/指摘内容/修正内容」の表に記録します。修正後にもう一度テストし、全評価項目が4テストを通過してから提出します。

業務種別ごとの例文

ITシステム導入(見出しと要約ボックス)

悪い例:

  • 4. 移行計画
    • 4-1 基本的な考え方
    • 4-2 移行手順

(本文:当社は移行作業において安全性を最優先に考えており……)

良い例:

  • 4. 移行計画:リハーサル2回と全件突合で、本番移行時のデータ不一致をゼロにします
  • (見出し直下の要約ボックス)
    • 移行リハーサルを本番の2か月前と1か月前に計2回実施(4-2)
    • 2回目のリハーサルで件数一致と項目値の全件突合を実施(4-2)
    • 本番移行は土日に実施し、月曜朝の業務開始前に動作確認を完了(4-3)
  • 4-1 移行方針:旧システムの停止期間を土日2日間に限定します
  • 4-2 移行手順:リハーサル2回→全件突合→本番移行の3段階です
  • 4-3 移行当日の体制:技術者3名が現地対応し、障害時は1時間以内に一次回答します

なぜ良いか: 悪い例は見出しが分類名で、本文を読まないと何も分かりません。良い例は、章見出しで結論を、要約ボックスで数値と該当箇所を、小見出しで各段階の中身を示しています。評価者が要約ボックスまでで読むのをやめても、「リハーサル2回」「全件突合」「停止は土日2日」という採点の根拠が残ります。

調査・計画策定(箇条書きの粒度と並列性)

悪い例: 調査の実施内容

  • 住民意識調査
  • 調査票は郵送で配布する
  • 回収率を高めるため督促はがきを送付
  • 事業者ヒアリング
  • 計画への反映

良い例: 調査は、次の2つの方法で実施します。

  • 住民意識調査:無作為抽出2,000人への郵送調査。回収率向上のため、発送2週間後に督促はがきを送付します
  • 事業者ヒアリング:市内の主要事業者10社を訪問し、各60分の聞き取りを行います

2つの調査の結果は、論点ごとに整理して計画素案に反映し、反映状況の一覧表を資料編に添付します。

なぜ良いか: 悪い例は、調査の名前・配布方法・督促・反映という異なる粒度と種類の情報が1つの箇条書きに混ざっています。良い例は、箇条書きを「調査の方法」という同じ種類・同じ粒度の2項目に絞り、細かい手順は項目の中に収め、反映の仕方(因果を含む内容)は文章に戻しています。

イベント・広報(強調の絞り込み)

悪い例: 当社は、20年の実績を持つイベントの専門会社として、安全で魅力的な企画運営をワンストップで提供し、来場者満足度の最大化を実現します。

良い例: 当社は、企画・会場設営・当日運営・撤去までを一括して請け負います。貴市の職員の皆様の当日の役割は、開会式の進行のみです。安全対策として、来場者1,000人当たり警備員2名を配置し、救護所を1か所設けます。

なぜ良いか: 悪い例は強調が8か所あり、何が重要かが分かりません。良い例は、評価者に最も覚えてほしい「職員の役割の範囲」だけを強調し、安全対策は数値で示して強調に頼っていません。強調だけテストをすると、良い例は「開会式の進行のみ」が残り、提案の核心が伝わります。

よくある失敗パターンと処方箋

失敗パターン 症状 処方箋
見出しをメッセージ型にして評価項目名が消える 「5つの手続きのオンライン化で窓口を変えます」のような見出しだけで、評価項目名「業務の実施方針」がなく、評価者が該当箇所を探せない 「評価項目名:メッセージ」の形で両方を入れる
要約ボックスが採点の手がかりになっていない 「万全の体制で臨みます」「丁寧な対応を心がけます」のような方針だけが入っている 要約ボックスには数値・固有名詞・該当箇所番号だけを入れる
箇条書きだらけで理由が消える 全文が箇条書きで「なぜその施策か」が消え、実施方針の理解度や妥当性の項目で点が伸びない 各箇条書きの前に、理由を述べる1〜2文の導入文を置く
ページ数制限のために文字を詰める 文字サイズを小さくし、余白を削って1ページに収めたため、拾い読みの段階で読まれない 内容を絞り、1評価項目1〜2ページの中で見出し・要約ボックス・本文・図表の構成を保つ

書き換え手順(チェックリスト)

  • 1. すべての見出しに評価項目名(または着眼点の語)が入っているか
  • 2. 章見出しと小見出しの両方がメッセージ型(結論+数値)になっているか
  • 3. 見出しだけを並べた目次が、提案の要約として読めるか
  • 4. 1ページを超える評価項目に、見出し直下の要約ボックス(3〜5行・本文参照付き)があるか
  • 5. 要約ボックスの数値が本文と一致しているか
  • 6. 各段落の1文目が結論になっているか。段落は6行以内か
  • 7. 並列3つ以上は箇条書きになっているか。因果関係は文章で書かれているか
  • 8. 箇条書きの粒度・種類・文末が揃っているか。項目数は3〜7か。階層は2段以内か
  • 9. 1ページの強調が6か所以内で、太字と下線が重なっていないか
  • 10. 図表にメッセージ型のタイトルがあり、直前か直後に結論の文があるか
  • 11. ページをまたぐ段落・表がないか
  • 12. 4つの拾い読みテスト(見出しだけ・30秒・強調だけ・段落冒頭)を通過したか

AIに書き直させるときの指示例

あなたは自治体向け提案書の編集者です。評価者が採点の根拠を見つけやすい文章に整えるのが役割です。
次の提案書の下書きを、評価者が1ページ30秒で拾い読みしても要点が伝わる形に整えてください。
手順:
1. 各見出しを「評価項目名:結論(数値か固有名詞を1つ含む・40字以内)」の形に書き直す。評価項目名は次の評価基準の語をそのまま使う:[評価項目名と着眼点を列挙]。
2. 1ページを超える評価項目には、見出し直下に要約ボックスを作る。箇条書き3〜5行、各行は「何を・どれだけ・いつ」+本文の該当見出し番号。本文にない内容は入れない。
3. 各段落の1文目を結論にし、段落を6行以内にする。
4. 並列3つ以上は箇条書きにし、粒度・種類・文末を揃え、項目数は3〜7、階層は2段以内にする。因果関係の説明は文章のまま残す。箇条書きの前に導入文を1〜2文置く。
5. 太字は1段落1か所・1ページ5か所以内とし、着眼点の語句・数値目標・約束の核心だけに付ける。文全体の太字は解除する。
6. 図表のタイトルを「図N 名称:結論」の形にし、直後に結論の文を1文添える。
7. 書き直し後、「見出しだけを並べた目次」と「太字箇所だけを並べた一覧」を別に出力し、それぞれが提案の要約として読めるか自己点検した結果を1行ずつ添える。
文体はです・ます調。内容の追加や削除はせず、情報が不足している箇所は[要確認]と記す。

よくある質問

Q図や表を多く入れれば拾い読みに強くなりますか。

A

図表は拾い読みに有効ですが、図表だけでは採点の根拠として読み取りにくい場合があります。図表の直前か直後に、図表が示す結論を1〜2文の文章で書き添えると、拾い読みでも意図が伝わります。図表のタイトルも「図3 業務フロー:職員の作業は承認の2か所のみ」のように結論を含めると効果が上がります。

Q要約ボックスを全ページに置くと、くどくなりませんか。

A

要約ボックスは評価項目ごとに1つ、1ページを超える項目に限って置きます。半ページで終わる項目は、段落の1文目を結論にすれば足ります。全ページに置くとボックスの価値が下がり、評価者が読み飛ばすようになります。

Q提案書の様式が指定されていて、見出しの文言を変えられない場合はどうしますか。

A

様式の見出しはそのまま使い、見出しの直下に太字の1文(結論)を置くか、要約ボックスで代用します。様式の見出しが評価項目名と一致していることが多いため、照合の面ではむしろ有利です。メッセージは見出しではなく、見出し直下の1文で伝えます。

検索でよくある疑問

Q箇条書きにするか文章で書くかはどう判断する?

A

並列の情報が3つ以上あり、順番を入れ替えても意味が変わらない一覧、または明確な手順なら箇条書きにします。項目同士に「だから」「そのため」の因果関係がある場合や、各項目が1行で書けない場合は文章のままにします。箇条書きの前には1〜2文の導入文を置き、属性が2つ以上ある一覧は表にします。

Q提案書の太字は1ページに何か所までがよい?

A

目安は、太字が1ページ3〜5か所(1段落1か所)、強調箇所の合計で1ページ6か所以内です。対象は評価の着眼点に対応する語句・数値目標・約束の核心に限り、文全体を太字にしません。太字と下線を重ねない、白黒印刷で審査される可能性を考えて色文字だけに意味を持たせない、という点にも注意します。

Q提案書のメッセージ型の見出しとは?

A

評価項目名を先頭に置き、コロンの後にその項目の結論を1文で添えた見出しです。例:「実施体制:専任3名で担当し、責任者は類似業務3件の経験を持ちます」。評価項目との照合と拾い読みの両方に対応できます。結論に数値か固有名詞を1つ入れて40字以内に収め、本文と矛盾させないことが絶対条件です。

参考資料

法令・制度の記述は、次の一次資料・公的資料で確認しています。