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入札・プロポーザル用語集 ― 随意契約・予定価格・最低制限価格など公共調達の用語と根拠条文

入札用語集として、公共調達の提案書づくりで使う用語を、入札方式・評価と審査・契約と手続き・本書の用語の4つに分けて解説します。随意契約とは競争入札によらず特定の相手を選んで結ぶ契約、予定価格とは競争入札の落札価格の基準として発注者があらかじめ定める価格(業務委託など支出の契約では上限の基準)、最低制限価格とはこれを下回る入札者を落札者としない基準価格です。総合評価落札方式、公募型プロポーザル、企画競争、提案上限額、評価値なども、地方自治法施行令などの根拠条文とともに整理しました。制度の細部は団体ごとに異なるため、実際の案件では募集要項で確認してください。

執筆:村井宗明(元文部科学大臣政務官・AIエンジニア)公開:更新:読了目安:約8分

要点(結論)

公共調達の提案書づくりで頻繁に使う用語を、入札方式・評価と審査・契約と手続き・本ガイドの用語の4つに分けて説明します。制度の細部は国と自治体、また自治体ごとに異なるため、実際の案件では募集要項と各団体の規則を確認してください。

このページの目次
  1. 入札方式に関する用語
  2. 評価・審査に関する用語
  3. 契約・手続きに関する用語
  4. 本ガイドの用語

入札方式に関する用語

用語 説明
一般競争入札 参加資格を満たす者が広く参加でき、原則として予定価格の制限の範囲内で最も低い価格(売払いなど収入の原因となる契約では最も高い価格)を提示した者を落札者とする方式。国は会計法第29条の3第1項、自治体は地方自治法第234条第1項・第2項に定めがあり、どちらも一般競争入札が原則とされている(指名競争入札・随意契約は法令で定める場合に限られる)
指名競争入札 発注者があらかじめ指名した複数の事業者だけで行う競争入札。国は会計法第29条の3第3項・第5項、自治体は地方自治法施行令第167条で指名競争入札によることができる場合が定められている
総合評価落札方式 価格だけでなく、技術力や品質などの価格以外の要素も評価し、価格と技術の評価を合わせて最も有利な者を落札者とする競争入札の方式。国は会計法第29条の6第2項と予算決算及び会計令第91条第2項、自治体は地方自治法施行令第167条の10の2に根拠がある。自治体では、落札者決定基準を定めようとするときに、あらかじめ二人以上の学識経験者の意見を聴かなければならず(同条第4項、地方自治法施行規則第12条の4)、そのとき「落札者を決定するときにも改めて意見を聴く必要がある」との意見が述べられた場合は、落札者の決定時にも意見を聴く(同条第5項)
随意契約 競争入札によらず、発注者が特定の相手を選んで締結する契約。法令で定める場合(少額の契約、性質または目的が競争入札に適しない契約など)に限って認められる。国は会計法第29条の3第4項・第5項、自治体は地方自治法施行令第167条の2第1項に要件がある
公募型プロポーザル 広く参加者を募って提案書(募集要項では「企画提案書」という様式名で呼ばれることが多い)を提出させ、内容や業務遂行能力を審査して最も適した者を契約候補者に選び、その者と随意契約を結ぶ方式。自治体では地方自治法施行令第167条の2第1項第2号(性質または目的が競争入札に適しない契約)を根拠とする
指名型プロポーザル 発注者が指名した複数の事業者に企画提案を求め、審査で相手を選ぶ方式。参加者が限定される点が公募型と異なる
企画競争 主に国の機関で使われる呼び方で、複数の者から企画書などの提出を受けて審査し、最も優れた者を選ぶ方法。財務省「公共調達の適正化について」(平成18年8月25日財計第2017号、令和8年4月1日一部改正)で「複数の者に企画書等の提出を求め、その内容について審査を行う方法」と定義されており、会計法第29条の3第4項(契約の性質または目的が競争を許さない場合)に基づく随意契約の相手方を選ぶ手続きとして運用される。自治体のプロポーザル方式とほぼ同じ考え方
JV(共同企業体) 複数の事業者が共同で1つの業務を受注・実施するために結成する組織。単独では満たせない実績や体制を補える一方、構成員の責任分担や出資比率などの取り決めが必要

評価・審査に関する用語

用語 説明
評価基準 提案書や入札の内容を、どの項目について、どの観点で、何点で評価するかを示した基準。評価項目、配点、評価の着眼点などで構成される。自治体によっては「審査基準」「評価要領」とも呼ばれる
評価項目 評価基準を構成する採点の単位。「業務の理解度」「実施方針」「実施体制」「スケジュール(工程)」「品質管理」「独自提案」「類似業務実績」「見積」などが例で、提案書の見出しはこの順番と名称に合わせて作る
配点 評価項目ごとに割り当てられた満点。配点の大きい項目ほど、提案書で多くのページを割く
評価の着眼点 評価項目ごとに「何を見て採点するか」を示した文言。評価基準に「〜が具体的に示されているか」のように書かれ、提案書の見出しや本文にその語句をそのまま使うと、評価者が根拠を見つけやすくなる
評価段階 各評価項目を何段階で採点するかの区分。「特に優れている/優れている/標準/やや劣る/劣る」の5段階や、「優れている/標準/劣る」の3段階の例がある
技術点 総合評価落札方式で、提案内容・実施体制・実績など価格以外の要素に付けられる点数。プロポーザルでは「評価点」「技術評価点」などと呼ばれることもある
価格点 入札価格や見積額に基づいて付けられる点数。一般的に、低い価格ほど高い点数になる計算式が使われ、最も低い見積価格を基準に按分する式のほか、国の総合評価落札方式では予定価格を、自治体のプロポーザルでは提案上限額を基準にする式もある
評価値 総合評価落札方式で、技術点と価格点を組み合わせて算出する最終的な値。加算方式(技術点+価格点)や除算方式(技術点÷価格)などがある
最低基準点(足切り) 技術点などが一定の点数に達しない提案を、価格にかかわらず選定対象から外すための基準点
審査委員会(評価委員会・選定委員会) 提案書を審査・採点するために設置される会議体。自治体により「選定委員会」「評価委員会」などと呼ばれる。所管課の職員、他部署の職員、外部有識者などで構成されることが多い
評価者 審査委員会の委員として、採点表を使って提案書を採点する人。募集要項や評価基準では「審査委員」「評価委員」「審査員」「選定委員」などと呼ばれるが、本ガイドでは採点する人を「評価者」に統一して表記する
採点表 評価者が手元に置き、評価項目ごとの点数と根拠を記入する表。「評価シート」「採点シート」とも呼ばれる
一次審査(書類審査)/二次審査(プレゼンテーション・ヒアリング) 審査の2段階。一次審査では提出された提案書を審査し、二次審査では参加者が提案内容を説明し、評価者の質問に答える。一次審査で参加者を絞り込む案件と、全参加者が二次審査に進む案件がある
匿名審査 審査の公平性を保つため、提案書に社名やロゴなど提案者を特定できる情報を記載させずに行う審査。提出時に社名を伏せた副本を求める方式のほか、発注者が審査前にマスキングする方式もある
講評 審査委員会が審査結果について述べる総評や、提案ごとの評価のコメント。公表の有無や範囲は発注者によって異なる
契約候補者 プロポーザルの審査で最も優れていると評価され、契約交渉の相手方に選ばれた者。自治体により「受託候補者」「受注候補者」「優先交渉権者」「最優秀提案者」など呼称が異なる。契約締結後は「受託者」「受注者」と呼ぶ

契約・手続きに関する用語

用語 説明
予定価格 発注者が競争入札の落札価格の基準としてあらかじめ定める価格。業務委託など支出の原因となる契約では上限の基準となり、競争入札では原則として予定価格を超える価格では落札できない。国は予算決算及び会計令第79条・第80条に作成と決定方法の定めがあり、自治体は地方自治法第234条第3項で「予定価格の制限の範囲内」で契約の相手方を決めると定めている
提案上限額 プロポーザルで発注者が示す、見積額の上限。募集要項では「事業規模」「契約上限額」などと表記されることもある。上限額を超える見積を失格とする例が多く見られる
最低制限価格 契約の内容に適合した履行を確保するため、これを下回る価格で入札した者を落札者としない基準として、あらかじめ設定される価格。自治体では地方自治法施行令第167条の10第2項に根拠があり、工事または製造その他についての請負契約で、価格のみで落札者を決める方式に設定できる(指名競争入札にも準用。同令第167条の13)。国の会計法令には最低制限価格の制度はない
低入札価格調査 あらかじめ定めた調査基準価格を下回る入札があった場合に、すぐに落札者を決めず、その価格で契約内容に適合した履行ができるかを調査する制度。国は会計法第29条の6第1項ただし書と予算決算及び会計令第85条・第86条、自治体は地方自治法施行令第167条の10第1項に根拠がある(自治体の調査基準価格や調査の手順は、各団体の要綱などで定める)
競争入札参加資格 入札に参加するために、発注者ごとに事前に審査・登録を受けておく資格。国の物品・役務では全省庁統一資格(有効期間3年)、自治体では各団体が定める資格審査がある
参加表明書 プロポーザルで、参加の意思と参加資格を満たしていることを発注者に届け出る書類。提案書の提出に先立って期限が設けられるのが一般的で、提出がないと提案書を受け付けてもらえない
募集要項 プロポーザルや入札の参加資格、手続き、日程、提出書類、審査方法などを定めた文書。自治体によって「実施要領」「募集要領」「公募要領」「公募要項」などと呼ばれ、本ガイドでは「募集要項」に統一して表記する
仕様書 発注する業務の内容、範囲、成果物、満たすべき水準などを定めた文書
質問書(質疑) 公告後、募集要項や仕様書の内容について参加希望者が書面で質問し、発注者が回答する手続き。回答は参加者全員に公表されることが多い
正本・副本 提案書の提出部数のうち、押印や社名記載のある原本を正本、審査用の複製を副本と呼ぶ。匿名審査では副本に社名を記載しないよう求められることがあり、作り分けの規定は募集要項で確認する
非選定理由の説明 プロポーザルで選定されなかった参加者が、その理由について発注者に説明を求める手続き。期限や方法は募集要項で定められ、「通知日の翌日から起算して7日以内」のように短い期限を置く例がある
情報公開請求 情報公開法や自治体の情報公開条例に基づき、行政機関が保有する文書の開示を求める手続き。他社の提案書などは、法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある部分(法人等情報。情報公開法第5条第2号)が不開示となることがある

本ガイドの用語

用語 説明
要件一覧表 募集要項・仕様書・評価基準・質問回答の要件を1行ずつ抜き出し、要件ID(文書記号+連番。B-02、S-03、E-04、Q-05など)・原文(抜粋)・区分(必須/任意/提案要求/参加資格/手続き/評価)・関係する評価項目・対応ページ・対応状況・担当を並べた表。原文は要約せず、提出前の最終照合にも使う
勝ちテーマ(提案コンセプト) 提案全体を一言で表す中心メッセージ。30字程度にまとめ、提案書の冒頭、各評価項目の結論、プレゼンテーションで繰り返し示す

よくある質問

Qプロポーザルは「入札」と呼んでよいのですか。

A

厳密には、プロポーザルは価格の競争ではなく契約の相手方を選ぶ手続きで、選ばれた者と随意契約を結びます。ただし、実務や情報サイトでは入札と合わせて「入札案件」として扱われることも多く、どちらの呼び方も見かけます。

検索でよくある疑問

Q随意契約とは?プロポーザルとの関係は?

A

随意契約とは、競争入札によらず発注者が特定の相手を選んで結ぶ契約で、少額の契約や性質・目的が競争入札に適しない契約など法令で定める場合に限られます。自治体では地方自治法施行令第167条の2第1項に要件があります。公募型プロポーザルは、提案内容を審査して契約候補者を選び、その者と随意契約を結ぶ方式で、同項第2号を根拠とします。

Q予定価格と最低制限価格の違いは?

A

予定価格は、発注者が競争入札の落札価格の基準としてあらかじめ定める価格で、支出の原因となる契約の競争入札では原則としてこれを超える価格では落札できません。最低制限価格は、契約の内容に適合した履行を確保するため、これを下回る価格の入札者を落札者としない下限の基準です。自治体では地方自治法施行令第167条の10第2項に根拠があり、工事や製造などの請負契約で価格のみで落札者を決める方式に設定できます。

Q総合評価落札方式の評価値とは?

A

評価値は、総合評価落札方式で技術点と価格点を組み合わせて算出する最終的な値です。技術点と価格点を足す加算方式や、技術点を価格で割る除算方式などがあります。技術点は提案内容や実施体制、実績など価格以外の要素の点数、価格点は入札価格に基づく点数です。最低基準点が設けられている案件では、技術点がそれに届かない提案は、価格にかかわらず選定対象から外れます。

参考資料

法令・制度の記述は、次の一次資料・公的資料で確認しています。