STEP4伝わる文章で書く/6-1/評価者に伝わる文章術
提案書は結論から書く ― 見出し直後の2行で「何をして、どうなるか」を評価者に示す
提案書を結論から書くとは、各見出しの直後2行以内に「何をするか」と「その結果どうなるか」を書き、理由・具体例・根拠をその後に続けることです。評価者は該当箇所の最初の数行で提案の中身をつかもうとするため、社会動向や自社紹介から書き始めると「要点が不明確」という印象が残ります。このページでは、入札・プロポーザルの企画提案書で使える提案書版PREP法のテンプレート、要約ボックスの3文型、結論先行への変換手順、結論が見つからない段落の診断法を解説します。
要点(結論)
提案書の各見出しの直後2行以内に「何をするか」「その結果どうなるか」という結論を書きます。理由・具体例・根拠はその後に続けます。段落・節・提案書全体のどの単位でも「結論→理由→具体例→結論」の順に並べ替えることで、評価者は数分で採点の根拠を見つけられます。
このページの目次
見出し直後の2行以内で結論を書く
評価者は、評価項目ごとに提案書の該当箇所を開き、最初の数行で「この会社はこの項目に何を提案しているか」を判断しようとします。背景説明や自社紹介から書き始めると、評価者は結論を探して読み進めなければならず、結論にたどり着く前に「要点が不明確」という印象が残ります。
提案書の結論先行とは、見出しの直後に提案の中身(何を・どうやって)と効果(どうなるか)を書くことです。背景や課題認識は、結論を支える材料として後ろに回します。
悪い例: 近年、行政手続きのオンライン化が全国的に進められており、住民の利便性向上への期待が高まっています。貴市においても窓口の混雑が課題となっていると認識しております。当社はこれまで多くの自治体でシステム導入を支援してまいりました。そこで本業務では、オンライン申請の利用促進に取り組みたいと考えております。
良い例: 本業務では、転入・転居など利用件数の多い5つの手続きをオンライン申請の重点対象とします。契約期間内に、5つの手続きのオンライン申請率を現状から10ポイント引き上げることを目標とします。具体的には、①手続きごとの入力画面の簡素化、②貴市ホームページと広報紙での周知、③利用状況の月次分析と改善提案の3点を実施します。
なぜ良いか: 悪い例は4文目でようやく提案の方向性が出てきますが、それでも「取り組みたい」という意向にとどまっています。良い例は1文目で対象を、2文目で数値の目標を、3文目で実施内容を示しているため、評価者は最初の2文を読んだだけで、何を対象にどこまで実現するかという採点の手がかりを得られます。目標は「目指します」ではなく「目標とします」と書き、成果を約束しすぎない形で数値を示しています。悪い例の1〜3文目(社会動向・課題認識・自社紹介)は、良い例では削除されるか、必要なら「理由」として結論の後ろに置かれます。
提案書版のPREP法
PREP法は、Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論の再提示)の順に書く文章構成の型です。ビジネス文書やプレゼンテーションで広く使われており、提案書にも応用できます。提案書では次のように置き換えると使いやすくなります。
| PREPの要素 | 提案書での中身 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| P:結論 | 提案する施策と効果 | 「〇〇を実施し、△△を実現します」 |
| R:理由 | 発注者の課題・仕様書の要求との関係 | 「仕様書が求める□□に対応するためです」 |
| E:具体例・根拠 | 手順、数値、類似業務の実績 | 「類似業務では××の手順で実施しました」 |
| P:結論の再提示 | 発注者にとっての効果・評価項目との対応 | 「これにより、□□の確実な達成を図ります」 |
最後のPは、本文が長くなる評価項目で特に効果があります。拾い読みをしている評価者が段落の末尾だけを読んでも、提案の要点を確認できるからです。短い項目では最後のPを省略しても構いません。
提案書版PREPの穴埋めテンプレート
AIや担当者が下書きを書くときは、次の4つの空欄を埋めてから文章にすると、自然に結論先行になります。
【P】本業務では[施策]を実施し、[効果・目標]を実現します。
【R】これは、[仕様書の要求事項/発注者の課題]に対応するためです。
【E】具体的には、①[手順1]、②[手順2]、③[手順3]を行います。
[数値/実績/根拠]により、実現性を確保しています。
【P】これにより、[評価の着眼点の語句]を満たし、[発注者にとっての効果]につなげます。
テンプレートの【P】の1文目は、主語を「本業務では」「当社は」のどちらかに固定し、述語を「〜します」で言い切ります。【R】には「なぜその施策か」だけを書き、社会動向や自社紹介は入れません。【E】の「①②③」は3点までに絞ると、評価者が記憶しやすくなります。
要約ボックスの使い方
1つの評価項目に1ページを超えて割く場合は、見出しの直下に3〜5行の要約ボックス(枠で囲んだ要点)を置くと効果的です。要約ボックスには、提案の要点を箇条書きで書き、本文の該当ページを添えます。
要約ボックスの例:
- 重点施策:利用件数の多い5つの手続きをオンライン化の重点対象とする
- 実施内容:画面簡素化・周知・月次分析の3本柱(本文 p.8〜9)
- 目標:契約期間内に重点5つの手続きのオンライン申請率を現状から10ポイント引き上げる(p.10)
要約ボックスは、本文に書いていない新しい内容を入れない、本文の数値と食い違わせない、という2点を守ります。要約と本文の数値がずれていると、評価者は提案全体の信頼性を疑います。
要約ボックスの3文型
要約ボックスを箇条書きではなく文章で書く場合、次の3文型に収めると、どの評価項目でも同じリズムで要点を伝えられます。3文型は「何を/どうやって/どうなる」の順です。
| 文 | 役割 | 文型 | 例 |
|---|---|---|---|
| 第1文 | 何を(施策・対象) | 「本業務では[対象]に対し[施策]を実施します。」 | 本業務では、住民向け手続きのうち利用件数上位5つの手続きに対し、オンライン申請の重点化を実施します。 |
| 第2文 | どうやって(手段・体制・数値) | 「[手段①②③]により、[数値・頻度]で行います。」 | 画面簡素化・周知・月次分析の3本柱により、専任2名の体制で毎月改善を行います。 |
| 第3文 | どうなる(効果・評価項目との対応) | 「これにより[効果]を実現し、[着眼点の語句]に対応します。」(外部要因に左右される成果は「[目標値]を目標とし」) | これにより、重点5手続きのオンライン申請率を現状から10ポイント引き上げることを目標とし、評価基準の「実現性の高い実施手順」に対応します。 |
3文型のうち第3文は、評価基準の着眼点の語句(「実現性」「具体性」「妥当性」など)を1語入れる場所です。評価者は要約ボックスを最初に読むため、ここに着眼点の語句があると「この項目はこの提案で対応している」と早い段階で認識します。
評価者の視点:ここで点が分かれる理由
結論先行で点が分かれる理由は、評価者の読み方にあります。評価者は採点表の評価項目を1つ選び、提案書の対応する見出しを開き、「この項目の提案は何か」を数分で把握しようとします。このとき評価者の頭の中では、次の3つの問いが順番に浮かびます。
- 何を提案しているのか(施策の中身)
- それはこの評価項目の着眼点に合っているか(適合性)
- それはどの程度優れているか(他社との比較・加点)
結論先行の文章は、1と2の問いに最初の2行で答えます。評価者は残りの時間を3の判断、つまり加点の根拠探しに使えます。結論が後ろにある文章は、評価者が1の問いに答えるために本文の大半を読む必要があり、3の判断に使える時間が残りません。結果として「要点が不明確」「他社と比べて平凡」という印象だけが残り、中間の評価(5段階なら「標準」)に落ち着きやすくなります。
もう一つの理由は、評価の公平性です。評価者は複数社を同じ基準で比べるため、「各社がこの項目に何を書いたか」を一覧にして見比べることがあります。結論先行の提案書は見出し直後の2行をそのまま一覧に転記でき、結論が埋もれた提案書は評価者が要約し直す必要があります。要約し直す過程で、提案者の意図とは違う形に要約されるおそれもあります。
結論先行への変換手順(段落・節・提案書全体)
下書きを結論先行に書き換える操作は、段落・節・提案書全体の3つの単位で行います。それぞれの手順は次のとおりです。
段落単位の変換(最も頻繁に使う操作)
- 段落の中から「〜します」「〜を実現します」で終わる文、または「①②③」のように実施内容を列挙している文を探します。これが結論の候補です。多くの下書きでは、段落の最後の文か最後から2番目の文がこれに当たります。
- 見つけた結論の文を段落の先頭に移します。
- 先頭に移した文の述語が「取り組みたいと考えております」「目指してまいります」などの意向表現なら、「〜します」に直します。
- 残った文のうち、「近年〜」「〜が高まっています」などの社会動向、「当社はこれまで〜」などの自社紹介は削除します。削除してよいか迷う文は、「この文がなくても結論の根拠が成り立つか」で判断します。成り立つなら削除します。
- 残った文(課題認識、仕様書との関係)を「これは〜に対応するためです」の形に整え、結論の直後に置きます。
- 手順・数値・実績があれば、理由の後に「具体的には〜」で続けます。
- 段落が8行を超える場合は、最後に「これにより〜」の1文で結論を再提示します。
節単位の変換(評価項目1つ分)
- 節の中の段落ごとに、上の段落単位の変換を行います。
- 各段落の先頭文(結論)だけを抜き出して並べ、節全体の流れとして読めるかを確認します。読めなければ段落の順序を入れ替えます。
- 各段落の先頭文を要約して、節の見出し直下に要約ボックス(3〜5行)を置きます。節が1ページ以内なら要約ボックスは省略して構いません。
- 節の見出しが「概要」「方針」などの分類名だけなら、要約ボックスの第1文を短くして見出しに添えます。
提案書全体の変換
- 各節の要約ボックスの第1文を集めて、提案書の冒頭に「提案の全体像」(1ページ以内)を作ります。
- 全体像の文と各節の要約ボックス、本文の数値が一致しているかを突き合わせます。食い違いがあれば本文を正として直します。
- 目次を見出しだけで読み、目次が提案の要約になっているかを確認します。なっていなければ、見出しに結論の語句を足します。
この3つの単位は、段落→節→全体の順に行います。全体から先に書くと、本文と要約がずれる原因になります。
「結論が見つからない段落」の診断法
下書きの段落に結論があるかどうかを判定する方法です。AIに下書きを点検させるときも、この診断法をそのまま使えます。
診断1:述語の判定 段落のすべての文の述語を抜き出します。「〜します」「〜を実施します」「〜を提出します」のような実施を表す述語が1つもない段落は、結論がありません。「〜と考えております」「〜が重要です」「〜が求められています」「〜と認識しております」だけで構成された段落は、課題認識や意見であって提案ではありません。
診断2:主語の判定 各文の主語を補ってみます。主語が「社会」「国」「貴市」「住民」ばかりで、「当社」「本業務」が主語になる文が1つもない段落は、提案者が何をするのかを述べていません。
診断3:削除テスト 段落を丸ごと削除して、前後の文章がつながるかを確認します。削除してもつながる段落は、提案の中身を持っていない可能性が高い段落です。背景説明だけの段落はほとんどがこれに該当します。
診断4:質問テスト 段落を読んだ後に「で、何をするのですか」と問いかけてみます。答えが段落の中にあれば結論があります。答えが別の段落や次のページにあるなら、その答えの文をこの段落の先頭に移す必要があります。
診断5:転記テスト 評価者が採点表の備考欄に「この項目の提案内容」を20字以内で書くとしたら何と書くか、を考えます。20字にできない段落、または20字にすると「オンライン化を推進」のように仕様書の文言の繰り返しにしかならない段落は、結論が弱い段落です。
診断1〜5のうち2つ以上に該当する段落は、結論がない、または結論が別の場所にあると判断し、変換手順を適用します。
業務種別ごとの例文
同じ結論先行の原則でも、業務種別によって「結論」に当たる要素が変わります。IT導入では「導入するものと移行の進め方」、調査・計画では「調査設計と成果物」、イベント・広報では「企画の中身と到達目標」、窓口委託では「業務の進め方と品質基準」、研修では「研修設計と到達目標」が結論です。
IT システム導入
悪い例: 自治体のDX推進は喫緊の課題であり、既存システムの老朽化や職員の業務負担の増大が各地で指摘されています。貴市においても現行の文書管理システムは導入から10年が経過しており、操作性や保守性の面で課題があると伺っております。当社は長年にわたり自治体向けシステムを手がけてきた経験を活かし、貴市の実情に即した最適なシステムをご提案したいと考えております。
良い例: 本業務では、現行の文書管理システムを当社のクラウド型文書管理サービスに移行し、移行期間中も既存の決裁業務を止めずに運用を切り替えます。移行は、①現行データの棚卸し(契約後2か月)、②並行運用(3か月)、③本稼働(契約後6か月目)の3段階で進めます。貴市の現行システムは導入から10年を経過し、操作性と保守性に課題があると認識しています。そのため、職員の皆様の再教育を最小限にするよう、現行の決裁画面の操作順を踏襲した画面設計とします。
なぜ良いか: 良い例は1文目で「何に移行し、何を止めないか」、2文目で「3段階の手順と時期」を示し、3〜4文目で課題認識を「理由」として配置しています。悪い例の社会動向(DX推進・老朽化)は削除し、貴市の課題(10年経過・操作性)だけを理由として残しています。
調査・計画策定
悪い例: 人口減少と高齢化が進む中、地域公共交通のあり方を見直すことは多くの自治体に共通する課題です。本計画の策定にあたっては、住民の移動実態を丁寧に把握し、多様な関係者の意見を踏まえながら、実効性のある計画とすることが重要であると考えます。
良い例: 本業務では、住民の移動実態調査と関係者ヒアリングを基に、地域公共交通計画(計画期間5年)の素案を契約後8か月で作成します。移動実態調査は、無作為抽出した3,000世帯への郵送アンケート(回収目標1,000票)と、路線バス全便の乗降調査(平日・休日各1日)の2本立てで行います。関係者ヒアリングは、交通事業者・医療機関・商業施設・自治会の4分野から各2〜3者、計10者を対象とします。これらの結果を、計画の施策体系の根拠として第3章に整理します。
なぜ良いか: 悪い例は「重要であると考えます」で終わり、何をするかが書かれていません。良い例は1文目で成果物と期限、2〜3文目で調査設計(対象・方法・規模)、4文目で成果物への反映先を示しています。
イベント・広報
悪い例: 市制50周年という節目の年を市民の皆様と共に祝い、郷土への愛着を深めていただくことは大変意義深いことと存じます。当社はこれまで数多くの自治体イベントを手がけてまいりました。その経験を活かし、心に残る記念事業をご提案いたします。
良い例: 本業務では、市制50周年記念事業として次の3事業を企画・運営します。①記念式典(11月、定員800名)、②市民参加型の写真展(9〜12月、市内5会場を巡回)、③50年史のデジタル年表(貴市ホームページに常設)です。3事業の来場・閲覧者数の合計目標を延べ2万人とします。式典と写真展は終了後2週間以内に来場者アンケートの集計結果を報告し、年表は閲覧数を毎月報告します。式典に参加しにくい子育て世代や高齢者にも節目を共有していただくため、写真展と年表を式典と同じ比重で設計します。
なぜ良いか: 良い例は1〜2文目で3事業の中身・時期・規模、3〜4文目で目標と報告、5文目で設計の理由を示しています。悪い例の「意義深い」「心に残る」は評価者にとって採点の根拠にならないため、すべて削除しています。
窓口・業務委託
悪い例: 窓口業務は市民の皆様と行政との最初の接点であり、丁寧で正確な対応が求められます。当社は接遇を重視した人材育成に力を入れており、市民満足度の向上に貢献できるものと確信しております。
良い例: 本業務では、証明書発行窓口(3窓口)を当社スタッフ7名(常時4名配置)で運営します。繁忙期(3〜4月)は2名を増員し、待ち時間を平常期と同水準に保ちます。受付から交付までの処理時間は1件あたり平均8分以内を基準とし、毎月の実測値を報告します。交付誤りを防ぐため、交付前に別のスタッフが本人確認書類と交付物を照合する二重確認を全件で行います。
なぜ良いか: 良い例は体制(人数・配置)、品質基準(処理時間・二重確認)、繁忙期対応を結論として先頭から並べています。「丁寧」「正確」という抽象語は、「8分以内」「全件二重確認」という基準に置き換えています。
研修・人材育成
悪い例: 職員の皆様がデジタル技術を使いこなし、業務改善を自ら進められるようになることは、持続可能な行政運営に不可欠です。当社の研修は、座学にとどまらず実践的な内容を重視しており、受講者からも高い評価をいただいております。
良い例: 本業務では、職員向けデジタル活用研修を次の3層で実施します。①基礎研修(全職員対象、90分×2回、オンライン)、②実践研修(各課1名の推進担当者30名対象、半日×4回、対面)、③成果発表会(年度末、1回)です。実践研修の到達目標は「受講者が自課の業務1つを対象に改善案を作成し、成果発表会で報告すること」とします。達成状況は受講者ごとに記録し、最終報告書に添付します。
なぜ良いか: 良い例は研修設計(対象・回数・形式)と到達目標を先頭から示しています。悪い例の「高い評価をいただいております」は根拠が示されておらず、評価者は確認できません。
よくある失敗パターンと処方箋
| 失敗パターン | 症状 | 処方箋 |
|---|---|---|
| 社会動向から書き始める | 「近年〜」「全国的に〜」で始まり、3文目まで提案が出てこない | 社会動向の文を削除するか、理由として結論の後に1文で置く |
| 自社紹介から書き始める | 「当社はこれまで〜」が各節の冒頭に繰り返される | 自社紹介は実績の評価項目に集約し、他の節では削除する |
| 課題認識で終わる | 「〜が重要と考えます」「〜が求められます」で段落が終わる | 「そのため当社は〜します」の文を足して段落の先頭に移す |
| 結論が意向にとどまる | 「取り組みたい」「目指してまいります」 | 「〜します」に直し、時期・回数を足す |
| 結論が複数に散らばる | 段落の各所に「〜します」があり、どれが主提案かわからない | 主提案を1つ選んで先頭に置き、残りは「具体的には①②③」にまとめる |
| 要約ボックスと本文のずれ | 要約で「月1回」、本文で「隔週」 | 本文を正として要約を直し、提出前に数値を突き合わせる |
| 見出しが分類名だけ | 「概要」「方針」「その他」 | 要約の第1文を短くして見出しに添える |
書き換え手順(チェックリスト)
- 各見出しの直後2行以内に「何をするか」「どうなるか」が書かれている
- 段落の先頭文の述語が「〜します」で言い切られている
- 「近年〜」「全国的に〜」などの社会動向の文が結論の前にない
- 「当社はこれまで〜」の自社紹介が結論の前にない
- 課題認識は「これは〜に対応するためです」の形で結論の後に置かれている
- 実施内容は「具体的には①②③」の形で3点以内にまとまっている
- 8行を超える段落は「これにより〜」で結論を再提示している
- 1ページを超える評価項目には要約ボックス(3〜5行)がある
- 要約ボックスの数値・固有名詞が本文と一致している
- 目次を見出しだけで読んで、提案の要約として成立している
AIに書き直させるときの指示例
あなたは自治体向け提案書の編集者です。評価者が採点の根拠を見つけやすい文章に整えるのが役割です。
次の提案書の段落を「結論先行」に書き直してください。
手順:
1. 段落の中から「〜します」「①②③」で実施内容を述べている文を見つけ、段落の先頭に移す。
見つからない場合は、段落の内容から「当社は〜します」の1文を作って先頭に置く。
2. 先頭文の述語が「〜したい」「〜を目指してまいります」「〜と考えております」なら「〜します」に直す。
3. 「近年〜」「全国的に〜」などの社会動向、「当社はこれまで〜」などの自社紹介の文は削除する。
4. 残った課題認識は「これは〜に対応するためです」の形にして、先頭文の直後に置く。
5. 手順・数値・実績は「具体的には、①〜、②〜、③〜」の形で理由の後に置く。
6. 段落が8行を超える場合は、末尾に「これにより〜」で結論を再提示する1文を足す。
文体はです・ます調。元の文章にない数値や実績は追加せず、不足している箇所は[要確認:○○の数値]と記す。
出力は書き換え後の段落のみとし、解説は付けない。
よくある質問
Q背景や課題認識を先に書かないと、唐突な印象になりませんか。
課題認識そのものが評価項目になっている場合は、課題認識の見出しの中で課題を結論として先に書きます。施策を提案する項目では、施策を先に書き、課題は「この施策が必要な理由」として後ろに置くほうが採点しやすくなります。唐突さが気になる場合は、結論の文の中に「貴市の〇〇という課題に対し」と課題を一句で織り込むと、順序を変えずに文脈を示せます。
Q結論先行にすると、各節の書き出しが「本業務では〜します」ばかりになり単調になりませんか。
単調で構いません。評価者は各節の冒頭を見比べて採点するため、形がそろっているほうが比較しやすくなります。変化をつけたい場合は、主語を「本業務では」「当社は」「〇〇については」の3種類程度で使い分ける程度にとどめます。
Q下書きをAIに結論先行にさせたら、元の文章にない数値を補ってしまいました。
指示文に「元の文章にない数値や実績は追加せず、不足箇所は[要確認]と記す」の一文を必ず入れます。結論先行の変換は「並べ替えと削除」の操作であり、「追加」は人が確認した情報だけで行います。
検索でよくある疑問
Q提案書版のPREP法とはどんな型?
P(結論:提案する施策と効果)→R(理由:仕様書の要求や発注者の課題との関係)→E(具体例・根拠:手順・数値・類似業務の実績)→P(結論の再提示:発注者にとっての効果と評価項目との対応)の順に書く型です。最後のPは本文が長い項目で特に効果があり、短い項目では省略できます。Eの①②③は3点までに絞ります。
Q提案書の要約ボックスには何を書く?
1つの評価項目に1ページを超えて割く場合、見出しの直下に3〜5行の要約ボックスを置き、提案の要点を箇条書きにして本文の該当ページを添えます。本文に書いていない新しい内容を入れない、本文の数値と食い違わせない、の2点を守ります。文章で書く場合は「何を/どうやって/どうなる」の3文型にし、第3文に着眼点の語句を1語入れます。
Q結論がない段落はどう見分ける?
5つの診断で見分けます。「〜します」など実施を表す述語がない(述語の判定)、「当社」「本業務」が主語の文がない(主語の判定)、削除しても前後がつながる(削除テスト)、「で、何をするのですか」の答えが段落内にない(質問テスト)、採点表の備考欄に20字以内で転記できない(転記テスト)段落は、結論が弱い段落です。
参考資料
法令・制度の記述は、次の一次資料・公的資料で確認しています。
- 文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」(令和4年1月7日)
- 文化審議会「公用文作成の考え方(建議)」本文・解説(令和4年1月) https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/93651301_01.pdf ※一文の長さ(50〜60字ほど)の目安は建議本文ではなく「(付)解説」Ⅲ-3「ア 一文を短くする」(解説p.32)にある。このほか、文の書き方(Ⅲ-3:一文の論点を一つにする、3つ以上の情報は箇条書、主語と述語の関係、接続助詞・中止法の多用回避、受身形・二重否定の抑制)、標題・見出しの付け方(Ⅲ-2)、結論を早めに示す(Ⅲ-4)、略語・図表の標題(Ⅰ-6)、専門用語・外来語の扱い(Ⅱ-2・Ⅱ-3)、曖昧さを避ける(Ⅱ-5)を参照
- 文化庁「文化審議会建議『公用文作成の考え方』について」(令和4年1月)
- 文化審議会国語分科会「新しい『公用文作成の要領』に向けて(報告)」(令和3年3月12日)
- 国土交通省「建設コンサルタント業務等におけるプロポーザル方式及び総合評価落札方式の運用ガイドライン」(平成27年11月、令和5年3月一部改定)
- 京都府「公募型プロポーザル方式 事務マニュアル」(令和5年11月)
- 大阪市「公募型プロポーザル方式ガイドライン」(令和4年3月)
- 福島県「公募型プロポーザル方式評価項目及び評価基準表」(河川改修事業CM業務委託の例、令和2年)