付録1用語集 ― 予算・地方財政の基本用語
自治体予算の用語集209語|款項目節・繰越明許費・債務負担行為とは
本付録は、自治体の予算と地方財政に関する209の用語を五十音順に並べた用語集です。1用語を1見出しとし、定義・根拠法令・関連語の順に書いています。法令は令和8年度(2026年度)時点です。「みらい市」はこの記事の架空の自治体(人口約5万人、一般会計当初予算約230億円の一般市)です。
か
さ
- 歳計剰余金
- 財源配分
- 財源不足額
- 財政課
- 財政課長査定
- 財政課ヒアリング
- 財政健全化法
- 財政再生基準
- 財政状況資料集
- 財政調整基金
- 財政の硬直化
- 財政力指数
- 最低賃金
- 歳入歳出予算
- 財務会計システム
- 債務負担行為
- 裁量経費
- SaaS
- 査定
- 査定基準表
- 査定担当
- 査定調書
- 査定理由
- サマーレビュー
- 参考見積
- サンセット方式
- 暫定予算
- 時間外勤務手当
- 事業課
- 試行
- 事故繰越
- 自主財源
- 支出負担行為
- 執行率
- 執行留保
- 実施計画
- 実質公債費比率
- 指定管理料
- 事務事業評価
- 終期
- 住民参加型予算
- 受益者負担
- 首長
- 首長査定
- 需用費
- 条件付き査定
- 仕様書
- 将来負担比率
- 使用料
- シーリング
- 新規事業
- 人件費
- 人事院勧告
- 随意契約
- 出納整理期間
- 出納閉鎖
- スクラップ・アンド・ビルド
- 成果指標
- 政策的経費
- 性質別分類
- 生成AI
- 政府予算案
- 積算
- 専決処分
- 前年踏襲
- 総額査定
- 早期健全化基準
- 総計予算主義
- 総合計画
- 総保有コスト
た
は
委託料いたくりょう
委託料とは、歳出予算の節の1つで、業務を外部の事業者などに任せる経費です。施設の管理、システムの運用、調査、イベントの運営など幅広い業務が含まれます。予算査定では、仕様・人工・単価を確かめ、複数の参考見積や前年度の契約額と比べます(13-4参照)。
一時借入金いちじかりいれきん
一時借入金とは、歳出と歳入の時期のずれによる年度内の一時的な資金不足を補うため、自治体が金融機関などから短期間借り入れるお金です。借入れの最高額は予算で定めなければならず、その会計年度の歳入をもって償還しなければなりません(地方自治法第235条の3第2項・第3項)。
一件査定方式いっけんさていほうしき
一件査定方式とは、財政課が予算要求を事業ごとに1件ずつ審査し、査定額を決める方式です。全庁的な公平性と統制を保ちやすい一方、事業数が多いと財政課の作業量が膨大になります。部局に一般財源の上限を配る枠配分方式と組み合わせる自治体が多く見られます(6-2参照)。
一般会計いっぱんかいけい
一般会計とは、福祉・教育・土木・消防など自治体の基本的な行政サービスに関する収入と支出をまとめて経理する会計です。普通地方公共団体の会計は一般会計と特別会計に区分されます(地方自治法第209条第1項)。特定の事業で収支を区分する必要がある場合は特別会計を設け、それ以外は一般会計で経理します。
一般競争入札いっぱんきょうそうにゅうさつ
一般競争入札とは、契約の内容や参加資格を公告し、条件を満たす不特定多数の事業者を競争させ、最も有利な条件を示した者と契約する方法です。自治体の売買・貸借・請負などの契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約またはせり売りの方法で締結します(地方自治法第234条第1項)。
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-8)第9章 執行・補正・決算(9-1)第16章 査定を受ける側の実践(16-5)
一般財源いっぱんざいげん
一般財源とは、使い道が特定されておらず、自治体が自らの判断でどの経費にも充てられる財源です。主なものは地方税、地方交付税、地方譲与税、地方特例交付金で、臨時財政対策債も一般財源と同様に扱われます。使途が決まっている国庫支出金や地方債などは特定財源と呼びます。
一般財源総額いっぱんざいげんそうがく
一般財源総額とは、地方財政計画における、地方税・地方譲与税・地方交付税・臨時財政対策債などの使い道が決まっていない財源の合計額です。毎年12月の地方財政対策で、国が地方全体として確保する額が決まります。令和8年度の一般財源総額(交付団体ベース)は67.5兆円でした(7-4参照)。
本文で読む第4章 予算の一年(4-4)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-4)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-3)
EBPMいーびーぴーえむ
EBPM(Evidence-Based Policy Making、証拠に基づく政策立案)とは、統計データや効果検証の結果などの証拠に基づいて、政策の目的を明確にし、事業を立案・見直す考え方です。予算では、成果指標を設定し、事務事業評価やデータ分析を予算要求・査定の判断材料にする取組として広がっています。
裏負担うらふたん
裏負担とは、国や都道府県の補助金を財源とする事業で、補助金で賄われない部分を自治体が負担することです。例えば補助率2分の1の事業では、残りの2分の1が自治体の負担になります。法令上の用語ではなく実務上の呼び方です。
本文で読む第14章 事業タイプ別の査定(14-3)
AI統括責任者えーあいとうかつせきにんしゃ
AI統括責任者(CAIO:Chief AI Officer)とは、組織のAIの活用とリスク管理を統括する責任者です。国では各府省に置かれ、総務省の「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」は自治体にも設置を求めています(14-9参照)。
本文で読む第14章 事業タイプ別の査定(14-9)
役務費えきむひ
役務費とは、歳出予算の節の1つで、通信運搬費、手数料、保険料など、物ではなくサービスの提供を受ける経費です(地方自治法施行規則で定める節の区分)。郵便料や電話料、各種手数料などが含まれます(13-3参照)。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-3)
LGWANえるじーわん
LGWAN(総合行政ネットワーク)とは、地方公共団体を相互に結ぶ行政専用のネットワークです。地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が運営し、インターネットから分離された環境で安全に情報をやり取りできます。AIなどのサービスを導入する際は、LGWANから利用できるかがリスク審査の項目になります(14-9参照)。
オプトアウトおぷとあうと
オプトアウトとは、生成AIなどのサービスで、入力したデータをサービスの学習に使わせない設定にすることです。総務省の「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック」は、この設定の徹底を求めています(14-9参照)。
本文で読む第14章 事業タイプ別の査定(14-9)
会計管理者かいけいかんりしゃ
会計管理者とは、現金の出納・保管や決算の調製など、自治体の会計事務をつかさどる職員です。普通地方公共団体に1人置かれ、長の補助機関である職員のうちから長が命じます(地方自治法第168条)。支出を命令する長と、実際に支払う会計管理者を分けて内部牽制(チェック機能)を働かせる仕組みです。
会計年度独立の原則かいけいねんどどくりつのげんそく
会計年度独立の原則とは、各会計年度の歳出はその年度の歳入で賄わなければならないとする原則です。自治体の会計年度は毎年4月1日に始まり翌年3月31日に終わり、各会計年度の歳出はその年度の歳入をもって充てなければなりません(地方自治法第208条第1項・第2項)。
会計年度任用職員かいけいねんどにんようしょくいん
会計年度任用職員とは、1会計年度を超えない範囲で任用される一般職の非常勤職員です(地方公務員法第22条の2)。令和2年度に導入されました。自治体の窓口や補助的な業務を担い、予算査定では任用の人数と期間が業務量に見合っているかが確かめられます(13-1参照)。
会計年度任用職員とは?意味・根拠法令・関連語を詳しく見る →
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-5)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-3)第11章 査定の設計(11-3)
概算要求がいさんようきゅう
概算要求とは、国の各府省が翌年度予算の見積りを財務省に提出することです。例年8月末に行われます。同じ時期に総務省は、翌年度の地方財政の課題と地方財政収支の仮試算を示します。自治体の歳入の見通しは、その後の地方財政対策で固まります(4-4参照)。
活動指標かつどうしひょう
活動指標とは、事業をどれだけ行ったかを測る指標です(例:講座の開催回数、パンフレットの配布部数)。アウトプット指標とも呼ばれます。事業の実施状況は分かりますが、住民の状態の変化までは分からないため、成果指標とあわせて設定します。
本文で読む第5章 春〜夏:計画と評価(5-3)
款・項・目・節かん・こう・もく・せつ
款・項・目・節とは、歳入歳出予算を区分する4段階の階層です。歳入は性質に従って款に大別して項に区分し、歳出は目的に従って款・項に区分しなければなりません(地方自治法第216条)。款と項は議会の議決の対象となる「議決科目」で、目と節は長が執行の段階で用いる「執行科目」です(地方自治法施行令第150条第1項第3号)。
監査委員かんさいいん
監査委員とは、自治体の財務事務の執行や事業の管理などを監査する独立した執行機関です。普通地方公共団体に置かれ、定数は都道府県と政令で定める市は4人、その他の市町村は2人で、条例で増やすこともできます(地方自治法第195条第2項)。
基金ききん
基金とは、自治体が条例に基づき、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、または定額の資金を運用するために設けるものです。根拠は地方自治法第241条第1項で、管理・処分は条例で定めます(同条第8項)。
議決ぎけつ
議決とは、議会が議案について意思を決定することです。予算を定めることは議会の議決事件とされています(地方自治法第96条第1項第2号)。首長は予算を年度開始前に議会の議決を経なければなりません(同法第211条第1項)。
基準財政収入額きじゅんざいせいしゅうにゅうがく
基準財政収入額とは、普通交付税の算定で、各自治体が標準的に収入できると見込まれる税収などを一定の方法で計算した額です。標準税率の100分の75に相当する基準税率で算定した地方税の収入見込額に、地方譲与税などを加えて算定します(地方交付税法第14条)。
基準財政需要額きじゅんざいせいじゅようがく
基準財政需要額とは、各自治体が合理的かつ妥当な水準の行政を行うのに必要な一般財源を、全国一律の方法で計算した額です。行政項目ごとに「単位費用×測定単位(人口・面積など)の数値×補正係数」で算定し、合算します(地方交付税法第11条)。
基本構想きほんこうそう
基本構想とは、総合計画の最上位に位置し、自治体の将来像と基本的な方向を示す部分です。平成23年の地方自治法改正で市町村の策定義務は廃止されましたが、現在も多くの自治体が議会の議決を経て定めています。基本構想の下に基本計画と実施計画が置かれます。
本文で読む第5章 春〜夏:計画と評価(5-4)
義務的経費ぎむてきけいひ
義務的経費とは、歳出のうち支出が義務付けられ、任意に削減することが難しい経費で、人件費・扶助費・公債費の3つを指します。人件費は職員給与など、扶助費は生活保護費や児童手当などの給付、公債費は地方債の元利償還金です。法令上の用語ではなく、性質別分類に基づき地方財政統計で広く使われる区分です。
行政評価ぎょうせいひょうか
行政評価とは、自治体の政策・施策・事務事業について、目的や成果指標に照らして成果を評価し、見直しにつなげる仕組みの総称です。事業単位で行うものは事務事業評価と呼ばれます。法令上の実施義務はありませんが、多くの自治体が予算編成と連動させています。
共同調達きょうどうちょうたつ
共同調達とは、複数の自治体が同じ情報システムや物品を一緒に調達し、費用と事務の負担を分け合う方法です。仕様書の作成や事業者の選定を分担し、契約は各団体が結ぶ形が一般的です。行政運営の効率化のために共同で調達する情報システムの導入・改修は、デジタル活用推進事業債の対象に含まれます。
本文で読む第15章 査定業務のDX(15-3)
組み替えくみかえ
組み替えとは、予算編成の過程で、ある事業を減らして生まれた財源を別の事業に回すことです。復活要求を認めてもらう際に、部内の他の事業を削って財源を生み出す方法としても使われます(7-6参照)。
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-2)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-6)第16章 査定を受ける側の実践(16-4)
繰入金くりいれきん
繰入金とは、他の会計や基金から資金を受け入れる歳入です。一般会計が財政調整基金を取り崩して受け入れる場合や、特別会計が一般会計からの繰出金を受け入れる場合に計上されます。一般会計からの繰出金は、受け入れる特別会計の側では繰入金になります。
繰越明許費くりこしめいきょひ
繰越明許費とは、歳出予算の経費のうち、その性質上または予算成立後の事由により年度内に支出を終わらない見込みのあるものを、予算の定めにより翌年度に繰り越して使用できるようにしたものです(地方自治法第213条)。会計年度独立の原則の例外で、あらかじめ予算で定める議決が必要です。
繰出基準くりだしきじゅん
繰出基準とは、公営企業などの経費のうち、一般会計などが負担すべき範囲を示した基準です。地方公営企業法第17条の2の経費負担の原則に基づき、総務省が毎年度「地方公営企業繰出金について」として通知します。基準を超える繰出しは、予算査定で解消の計画が求められます(13-7参照)。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-7)
繰出金くりだしきん
繰出金とは、一般会計から特別会計などへ支出するお金で、性質別分類の一区分です。国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療などの特別会計に対し、法令で定められた負担分(法定繰出)や、収支不足を補う分(法定外繰出)を一般会計から繰り出します。
経常一般財源けいじょういっぱんざいげん
経常一般財源とは、地方税・普通交付税・地方譲与税など、毎年度経常的に収入され、使い道が決まっていない財源です。経常収支比率は、人件費・扶助費・公債費などの経常的な経費に、この経常一般財源がどれだけ充てられているかを示す指標です。
本文で読む第3章 歳出の実態(3-4)
経常収支比率けいじょうしゅうしひりつ
経常収支比率とは、人件費・扶助費・公債費など毎年度経常的な経費に、地方税や普通交付税など経常的な一般財源がどの程度充てられているかを示す比率です。比率が高いほど財政が硬直化し、新しい事業や投資に使える余裕が少ないことを示します。
本文で読む第3章 歳出の実態(3-4)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-1)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-3)
経常的経費けいじょうてきけいひ
経常的経費とは、事務費、施設の維持管理費、継続事業の経費など、毎年度継続して支出される経費です。予算査定では、前年度の予算額・決算額との差と、その理由が主に確かめられます(11-2参照)。
継続事業けいぞくじぎょう
継続事業とは、前年度から引き続いて行う事業です。予算査定では、目的の達成状況、需要の変化、事務事業評価の結果、執行実績などを確かめ、同じ内容と金額で続ける理由があるかを判断します(14-2参照)。
継続費けいぞくひ
継続費とは、履行に数年度を要する工事などについて、経費の総額と各年度の年割額を予算で定め、数年度にわたって支出できるようにしたものです(地方自治法第212条)。会計年度独立の原則の例外で、年割額のうち年度内に支出を終えなかった額は、継続費の最終年度まで逓次繰り越して使用できます(地方自治法施行令第145条第1項)。
本文で読む第1章 予算の基本(1-1)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-4)第8章 予算案の発表と議会審議(8-1)
決算けっさん
決算とは、1会計年度の歳入歳出予算の執行結果を計数で示したものです。会計管理者は出納閉鎖後3か月以内(8月31日まで)に決算を調製して長に提出します(地方自治法第233条第1項)。長はこれを監査委員の審査に付し、その意見を付けて次の通常予算を議する会議までに議会の認定に付さなければなりません(同条第2項・第3項)。
決算カードけっさんかーど
決算カードとは、自治体ごとの普通会計の決算の状況を、歳入・歳出の内訳や主な財政指標とともに1枚にまとめた資料です。総務省が地方財政状況調査の結果に基づいて公表しています(18-3参照)。
決算認定けっさんにんてい
決算認定とは、首長が監査委員の審査に付した決算を議会に提出し、議会がその内容を認めることです(地方自治法第233条第3項)。多くの自治体では9月定例会で審議されます。
減額補正げんがくほせい
減額補正とは、補正予算で予算額を減らすことです。年度末に不用額が見込まれる事業の予算を減らし、財源を財政調整基金への積立てなどに回すために行われます。毎年度多額の減額補正が続く事業は、当初予算の見込みが過大でないかが査定で確かめられます(12-1参照)。
本文で読む第12章 査定の技法(12-1)
減債基金げんさいききん
減債基金とは、地方債の償還(返済)を計画的に行うための財源を積み立てる基金です。地方自治法第241条第1項に基づき条例で設置します。公債費が特定の年度に集中する場合や、繰上償還を行う場合に取り崩します。
本文で読む第2章 歳入の実態(2-6)
健全化判断比率けんぜんかはんだんひりつ
健全化判断比率とは、地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)に基づき毎年度算定・公表する4指標で、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率を指します。
公営企業会計こうえいきぎょうかいけい
公営企業会計とは、水道・下水道・病院など料金収入で経営する地方公営企業について、地方公営企業法に基づき企業会計方式(発生主義・複式簿記)で経理する会計です。予算は収益的収支(日々の営業)と資本的収支(施設整備・企業債償還)に分かれます。
公共施設等総合管理計画こうきょうしせつとうそうごうかんりけいかく
公共施設等総合管理計画とは、庁舎・学校などの建物と道路・上下水道などのインフラについて、長期的な視点で更新・統廃合・長寿命化を計画的に行うため自治体が策定する計画です。2014年(平成26年)に総務大臣から全自治体に策定が要請され、現在はほぼすべての自治体が策定しています。
公共施設等適正管理推進事業債こうきょうしせつとうてきせいかんりすいしんじぎょうさい
公共施設等適正管理推進事業債とは、公共施設等総合管理計画に基づいて行う公共施設の集約化・複合化、長寿命化、転用、除却などに充てることができる地方債です。元利償還金の一部が地方交付税の基準財政需要額に算入される(交付税措置がある)ため、施設の老朽化対策の財源として使われます。
公共施設等適正管理推進事業債とは?意味・根拠法令・関連語を詳しく見る →
本文で読む第3章 歳出の実態(3-3)
公債費こうさいひ
公債費とは、自治体が借り入れた地方債の元金と利子の返済、および一時借入金の利子に充てる経費です。性質別分類では義務的経費の一つで、目的別分類でも独立した款「公債費」として計上されます。過去の大型建設事業の借入れが後年度の公債費として現れるため、予算編成では今後の推移を見通すことが欠かせません。
後年度負担こうねんどふたん
後年度負担とは、ある年度に始めた事業や契約によって、翌年度以降に生じる支出の負担です。施設の維持管理費、システムの利用料、債務負担行為による支払い、地方債の元利償還金などが含まれます。初年度の金額が小さくても毎年の負担が積み上がる事業は、予算査定で慎重に判断されます。
本文で読む第2章 歳入の実態(2-4)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-4)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-1)
交付金こうふきん
交付金とは、国や都道府県が、一定の目的のために自治体に交付するお金の総称です。補助金と比べて使い道の自由度が高いものが多く、事業計画に基づいて交付されます。国の交付金は制度の再編が多いため、交付金を財源とする事業は終了後の財源も確かめます(10-5参照)。
本文で読む第2章 歳入の実態(2-1)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-4)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-5)
交付税措置こうふぜいそち
交付税措置とは、地方債の元利償還金や特定の経費の一部を、地方交付税の基準財政需要額に算入することです。交付税措置がある地方債は、実質的な自治体の負担が軽くなります。例えばデジタル活用推進事業債の交付税措置率は50%です(15-5参照)。
交付要綱こうふようこう
交付要綱とは、補助金の対象者、対象経費、補助率、申請と交付の手続などを定めた自治体の内部規程です。補助金交付規則とあわせて定められることが多く、明確な基準に基づいて交付するための根拠になります。予算査定では、終期の定めや成果指標の有無も確かめます(13-5参照)。
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-5)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-1)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-5)
骨格予算こっかくよさん
骨格予算とは、首長選挙が年度当初に近い場合などに、人件費や継続事業など義務的・経常的な経費を中心に編成し、新規事業や政策的経費は選挙後の補正予算に委ねる当初予算です。法令上の用語ではなく運用上の呼び方で、選挙後に政策的経費を追加する補正予算を「肉付け予算(肉付け補正)」と呼びます。
国庫支出金こっこししゅつきん
国庫支出金とは、国が自治体に使途を特定して交付するお金の総称で、国庫負担金、国庫補助金、国庫委託金に分かれます。国が負担する経費の区分は地方財政法第10条以下にあります。生活保護費や児童手当などの国庫負担金は法令で負担割合が決まっており、国庫補助金は国の政策目的に沿った事業を奨励するものです。
本文で読む序章 予算は「自治体の意思」(0-3)第2章 歳入の実態(2-1)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-5)
個別施設計画こべつしせつけいかく
個別施設計画とは、公共施設等総合管理計画に基づき、学校・庁舎・橋梁など施設ごとに、点検の結果や修繕・更新の時期と費用を定めた計画です。施設の改修や更新の予算査定では、個別施設計画に位置づけられているかが確かめられます(14-4参照)。
歳計剰余金さいけいじょうよきん
歳計剰余金とは、決算の結果、歳入総額から歳出総額を差し引いて生じた剰余金です。原則として翌年度の歳入に編入しますが、条例または議会の議決により、全部または一部を基金に編入できます(地方自治法第233条の2)。
財源配分ざいげんはいぶん
財源配分とは、翌年度に使える一般財源の総額を見込み、人件費・公債費などの義務的な経費、部局の裁量経費、政策的な経費などに割り当てることです。財政課が予算編成方針の前後に行い、個別事業の査定はこの配分の範囲で行われます(11-1参照)。
本文で読む序章 予算は「自治体の意思」(0-4)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-3)第11章 査定の設計(11-1)
財源不足額ざいげんぶそくがく
財源不足額とは、予算編成の過程で、歳出の要求総額が歳入の見込みを上回る額です。財政課は査定によってこの差を縮め、最後まで埋まらない分を財政調整基金の取り崩しなどで補います(7-6参照)。
財政課ざいせいか
財政課とは、自治体の予算編成、財源の確保と配分、決算、財政計画、地方債や基金の管理などを担う部署です。名称は自治体によって異なり、財政部・財政局のほか、小規模な町村では総務課の中の財政係が担うこともあります。予算編成では、全庁の予算要求を査定し、歳入の見込みの範囲に収まるよう調整します(7-2参照)。
財政課長査定ざいせいかちょうさてい
財政課長査定とは、財政課の査定担当者が作った査定案をもとに、財政課長が事業ごとの査定額を判断する段階の査定です。多くの自治体で、部長査定や首長査定の前に行われる事務的な査定の最終段階にあたります。結果は事業課に伝えられ、復活要求の出発点になります。
本文で読む第4章 予算の一年(4-3)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-5)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-6)
財政課ヒアリングざいせいかひありんぐ
財政課ヒアリングとは、予算要求を受けた財政課の査定担当者が、事業課から要求の内容を聞き取り、疑問点を確かめる場です。多くの自治体では11月下旬から12月中旬に行われます。事業の目的、執行率、積算の根拠、財源、後年度負担などが聞かれます(7-1参照)。
財政健全化法ざいせいけんぜんかほう
財政健全化法とは、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(平成19年法律第94号)の略称です。自治体に、実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率・将来負担比率の4つの健全化判断比率と、公営企業の資金不足比率を毎年度算定し、監査委員の審査に付したうえで議会に報告し、公表することを義務付けています。
財政再生基準ざいせいさいせいきじゅん
財政再生基準とは、財政健全化法が定める健全化判断比率の基準のうち、早期健全化基準よりも深刻な段階の基準です。実質赤字比率・連結実質赤字比率・実質公債費比率のいずれかが基準以上になると、財政再生計画を定め、国の関与のもとで財政の再建に取り組みます。市町村の実質公債費比率の財政再生基準は35%です。
財政状況資料集ざいせいじょうきょうしりょうしゅう
財政状況資料集とは、各自治体の決算額、財政指標、類似団体との比較などをまとめ、総務省がウェブサイトで公表している資料です。経常収支比率や将来負担比率の推移、類似団体の中での位置などが分かります(18-3参照)。
財政調整基金ざいせいちょうせいききん
財政調整基金とは、年度間の財源の不均衡を調整するために積み立てる基金です。地方自治法第241条第1項に基づき条例で設置し、税収などの一般財源が大きく伸びた年度に、その著しい超過額を積み立てること(または地方債の繰上償還等に充てること)は地方財政法第4条の3第1項が義務付けています。
財政の硬直化ざいせいのこうちょくか
財政の硬直化とは、人件費・扶助費・公債費などの義務的経費や経常的な経費が歳入の大部分を占め、新しい政策に使える財源が少なくなっている状態です。経常収支比率が高いほど、財政が硬直化していると判断されます。当初予算を基金の取り崩しなしに組めない状態が続くことも、硬直化のサインです。
財政力指数ざいせいりょくしすう
財政力指数とは、普通交付税の算定に用いる基準財政収入額を基準財政需要額で割った値の、過去3年間の平均値です。1を超えると、標準的な行政に必要な財源を自前の税収等で賄えることを意味し、普通交付税は原則として交付されません(不交付団体)。
最低賃金さいていちんぎん
最低賃金とは、最低賃金法に基づき、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低額です。都道府県ごとの地域別最低賃金が毎年改定されます。自治体の委託料の人件費や会計年度任用職員の報酬の単価に影響するため、予算の積算と査定で改定を反映します(11-3参照)。
歳入歳出予算さいにゅうさいしゅつよさん
歳入歳出予算とは、1会計年度の一切の収入(歳入)と支出(歳出)の見積りを款・項に区分して示したもので、予算の中心となる部分です。一会計年度における一切の収入および支出は、すべて歳入歳出予算に編入しなければなりません(地方自治法第210条、総計予算主義)。
財務会計システムざいむかいけいしすてむ
財務会計システムとは、自治体の予算編成、予算の執行(支出負担行為・支出)、決算などの財務会計事務を処理する情報システムです。予算編成と執行の機能が一体となったものが多い一方、予算編成・行政評価の機能に特化したシステムと連携させる自治体もあります(15-4参照)。
財務会計システムとは?意味・根拠法令・関連語を詳しく見る →
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-1)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-1)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-4)
債務負担行為さいむふたんこうい
債務負担行為とは、翌年度以降に支出が生じる契約などを今年度に結ぶため、予算で期間と限度額を定めておくものです。歳出予算の金額、継続費の総額、繰越明許費の金額の範囲内のものを除き、自治体が債務を負担する行為には、予算で債務負担行為として定めておく必要があります(地方自治法第214条)。
裁量経費さいりょうけいひ
裁量経費とは、事業の実施の可否や規模を自治体や部局が判断できる経費です。枠配分方式をとる自治体では、部局ごとに裁量経費の一般財源の上限を配り、部局長の判断で事業を選ばせます。部局裁量経費などとも呼ばれます(11-1、11-5参照)。
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-2)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-6)第11章 査定の設計(11-1)
SaaSさーす
SaaS(Software as a Service)とは、事業者が提供するソフトウェアを、インターネットなどを通じてサービスとして利用する形態です。自治体が自らシステムを所有するのではなく利用料を支払う形になり、制度改正への対応を事業者が行うものもあります(15-5参照)。
本文で読む第15章 査定業務のDX(15-4)
査定さてい
査定とは、各部局から提出された予算要求の内容を財政課や首長が精査し、計上する金額を決定する作業です。法令上の手続ではなく運用で、多くの自治体では財政課担当者のヒアリング、財政課長査定、部長(副市長)査定、首長査定と段階的に行います。必要性・緊急性・効果・財源・後年度負担・公平性などの観点から判断します。
査定基準表さていきじゅんひょう
査定基準表とは、備品の更新基準、経常経費の上限の目安など、財政課が査定の判断をそろえるために内部で使う基準です。公表されないことも多く、標準単価表とあわせて、担当者による判断のぶれを防ぎます(11-3参照)。
本文で読む第11章 査定の設計(11-3)
査定担当さていたんとう
査定担当とは、財政課で予算要求の査定を受け持つ職員です。部局ごとに担当する「部局担当」と、委託料や情報システムなど経費の種類ごとに全庁を横断して確認する「費目担当」を組み合わせる自治体があります。査定担当は、要求の点検、ヒアリング、査定案の作成、財源不足額の計算を行います(7-2、11-6参照)。
査定調書さていちょうしょ
査定調書とは、財政課が予算要求の事業ごとに、要求額・査定額・査定の型・査定理由・条件などを記録する書類(または財務会計システム上の記録)です。法令で様式が定められたものではなく、各自治体の運用です。査定理由は内示の際に事業課へ伝えられ、翌年度の予算要求の出発点になります。
本文で読む序章 予算は「自治体の意思」(0-4)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-6)第12章 査定の技法(12-2)
査定理由さていりゆう
査定理由とは、財政課が予算要求の査定額を決めた理由です。査定調書に記録され、内示の際に事業課へ伝えられます。「何を根拠に、どの数字をどう変えたか」が分かるように書くと、事業課が翌年度の要求や再提案で何をすべきかが分かります(12-6参照)。
本文で読む第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-2)第12章 査定の技法(12-4)第15章 査定業務のDX(15-1)
サマーレビューさまーれびゅー
サマーレビューとは、夏の時期に、翌年度の予算編成に先立って、大型事業や新規事業の方向性を財政課・企画部門・事業課で協議する取組です。法令上の制度ではなく、各自治体の運用です。秋の予算要求の前に論点を整理しておくことで、査定の手戻りを減らします(5-5参照)。
参考見積さんこうみつもり
参考見積とは、予算要求の積算の根拠とするために、事業者から取る見積りです。契約のための見積合わせとは別のものです。取得する社数を定めた法律はなく、各自治体の予算編成方針や事務の手引きで扱いが決まります(6-5参照)。
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-5)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-1)第12章 査定の技法(12-2)
サンセット方式さんせっとほうしき
サンセット方式とは、事業や補助金にあらかじめ終期(終わりの年度)を設け、終期が来たら効果を検証して、継続・縮小・廃止を判断する仕組みです。法令上の制度ではなく、各自治体が予算編成方針や補助金の交付要綱で定める運用です。
本文で読む第14章 事業タイプ別の査定(14-2)
暫定予算ざんていよさん
暫定予算とは、年度開始までに当初予算が成立しない場合などに、一会計年度のうちの一定期間に必要な経費だけを計上する予算です(地方自治法第218条第2項)。首長選挙の時期などで本予算の議決が年度開始に間に合わないときに編成します。
時間外勤務手当じかんがいきんむてあて
時間外勤務手当とは、正規の勤務時間を超えて勤務した職員に支給する手当です(地方自治法第204条第2項)。予算査定では、過去の実績(人数・時間)に基づいて必要最小限で見積もられているかが確かめられます。業務の効率化で時間外勤務が減れば、歳出の削減につながる効果になります(14-7参照)。
本文で読む第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-6)第13章 経費別の査定方法(13-1)第14章 事業タイプ別の査定(14-7)
事業課じぎょうか
事業課とは、福祉・教育・道路など、住民向けの事業を実際に担当する部署の総称です。原課(げんか)とも呼ばれます。法令上の用語ではなく実務上の呼び方です。予算編成では、事業の必要性と積算を整理して予算要求書を作り、財政課のヒアリングと査定を受けます(10-2参照)。
試行しこう
試行とは、効果が十分に確かめられていない事業を、対象地域や期間を限って試しに行うことです。予算査定の結論の型の1つとして使われ、対象・期間・指標・拡大の判断基準を先に決めておくことが大切です。試行の結果は、翌年度に事業を拡大するかを判断する根拠になります(12-4、14-1参照)。
事故繰越じこくりこし
事故繰越(法令上の表記は「事故繰越し」)とは、年度内に支出負担行為(契約など)をしたものの、避けがたい事故のため年度内に支出を終わらなかった経費を、翌年度に繰り越して使用することです(地方自治法第220条第3項ただし書)。繰越明許費と異なり事前の議決は不要ですが、天候不良や災害など避けがたい事故による場合に限られます。
本文で読む第1章 予算の基本(1-1)第9章 執行・補正・決算(9-4)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-1)
自主財源じしゅざいげん
自主財源とは、地方税、使用料、手数料、財産収入など、自治体が自らの権限で収入できる財源です。地方交付税や国庫支出金、地方債などの依存財源と区別されます。団体補助金の査定では、補助を受ける団体の自主財源の確保の状況も確かめられます。
支出負担行為ししゅつふたんこうい
支出負担行為とは、契約の締結や補助金の交付決定など、自治体の支出の原因となる行為です。支出負担行為は、法令または予算の定めるところに従って行わなければなりません(地方自治法第232条の3)。予算が成立していても、支出負担行為の段階で予算残額、契約の相手方、金額の妥当性を確認して、はじめてお金を使う約束ができます。
執行率しっこうりつ
執行率とは、予算額に対して実際に支出した額(決算額)の割合です。例えば予算額1,000万円の事業で決算額が800万円なら、執行率は80%で、使わなかった200万円が不用額になります。法令上の定義はなく、予算の執行状況を見る実務上の指標です。
執行留保しっこうりゅうほ
執行留保とは、予算に計上されている経費について、補助金の採択や財源の確定などの条件が整うまで執行を止めておくことです。法令上の用語ではなく、各自治体の運用です。条件付き査定とあわせて使われます(12-5参照)。
本文で読む第12章 査定の技法(12-5)
実施計画じっしけいかく
実施計画とは、総合計画(基本構想・基本計画)の施策を具体化するため、今後3年程度に実施する事業と事業費を示す計画です。法令上の策定義務はなく(2011年(平成23年)の地方自治法改正で基本構想の策定義務も撤廃)、運用によります。多くの自治体では毎年度見直す「ローリング方式」を採り、夏ごろに事業の追加・修正を行います。
実質公債費比率じっしつこうさいひひりつ
実質公債費比率とは、公債費とそれに準じる経費(公営企業の償還に充てる繰出金など)が、標準財政規模を基本とした額に占める割合を示す指標で、過去3年間の平均値です。地方公共団体の財政の健全化に関する法律(財政健全化法)に基づく健全化判断比率の一つで、早期健全化基準は25%、財政再生基準は35%です(財政健全化法施行令第7条…
指定管理料していかんりりょう
指定管理料とは、公の施設の管理を指定管理者(民間事業者や団体など)に任せる指定管理者制度(地方自治法第244条の2第3項)で、自治体が指定管理者に支払う経費です。協定に基づいて見積もり、予算査定では利用実績と、修繕費などの負担の分担を確かめます(14-5参照)。
事務事業評価じむじぎょうひょうか
事務事業評価とは、自治体が実施する個々の事務事業について、目的・成果・コストなどを点検し、継続・改善・縮小・廃止などの方向性を判断する行政評価の手法です。法令上の義務ではなく運用ですが、多くの自治体で導入されています。前年度の事業を対象に春から夏にかけて評価し、結果を秋の予算編成に反映させる流れが一般的です。
終期しゅうき
終期とは、事業や補助金に、あらかじめ設ける終わりの年度です。終期を迎えたら効果を検証し、継続・縮小・廃止を判断します(サンセット方式)。予算査定では、新規事業や団体補助金に終期の設定を求めることがあります(14-2参照)。
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-4)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-1)第11章 査定の設計(11-3)
住民参加型予算じゅうみんさんかがたよさん
住民参加型予算とは、住民が事業を提案したり、予算の使い道の選定に投票などで関わったりする仕組みです。東京都の都民提案、三重県の県民提案予算、杉並区の区民参加型予算などの例があります(18-3参照)。
受益者負担じゅえきしゃふたん
受益者負担とは、特定の住民が利益を受ける行政サービスについて、その費用の一部を利益を受ける人に負担してもらう考え方です。自治体は、分担金(地方自治法第224条)、施設の使用料(第225条)、手数料(第227条)などを徴収できます。予算査定では、受益者負担が適切に設定されているかが公平性の観点から確かめられます。
首長しゅちょう
首長とは、都道府県知事と市町村長のことです。地方自治法第139条により、都道府県に知事、市町村に市町村長が置かれます。予算については、首長が予算を調製して議会に提出し(同法第211条第1項)、議会の議決を経て執行します。予算編成の最終段階では、首長査定で新規事業の採択と予算全体の収支を判断します。
首長査定しゅちょうさてい
首長査定とは、財政課長査定や部長査定の結果を踏まえ、首長(知事・市町村長)が予算案の最終的な姿を決める査定です。多くの自治体では1月に行われ、新規事業の採択、公約や重点施策の反映、財政調整基金の取り崩し額など予算全体の収支を判断します(7-5参照)。
需用費じゅようひ
需用費とは、歳出予算の節の1つで、消耗品費、燃料費、食糧費、印刷製本費、光熱水費、修繕料などの経費です(地方自治法施行規則で定める節の区分)。予算査定では、使用量と単価に分けて確かめ、物価の上昇は単価で反映します(13-3参照)。
条件付き査定じょうけんつきさてい
条件付き査定とは、補助金の採択や制度の確定など、査定の時点で決まっていない条件が満たされた場合に限って執行できるものとして、予算を計上する査定の方法です。条件と、満たされなかった場合の扱いは査定調書に記録します(12-5参照)。
仕様書しようしょ
仕様書とは、委託や工事、物品の購入で、自治体が求める業務の内容・量・水準・成果物などを示す文書です。入札や契約の前提になり、予算要求の段階で仕様が過大だと、委託料も過大になります。予算が議決された後、発注の前に仕様書を作ります(16-5参照)。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-4)第15章 査定業務のDX(15-5)第16章 査定を受ける側の実践(16-3)
将来負担比率しょうらいふたんひりつ
将来負担比率とは、地方債残高、債務負担行為に基づく支出予定額、公営企業や第三セクターへの負担見込み、退職手当の負担見込みなど、一般会計等が将来負担すべき実質的な負債が、標準財政規模を基本とした額に占める割合を示す指標です。
使用料しようりょう
使用料とは、自治体が、公の施設の利用や行政財産の使用の許可に対して徴収するお金です(地方自治法第225条)。使用料の額は条例で定めます(同法第228条第1項)。地方税などとともに自治体が自らの権限で収入できる自主財源で、受益者負担の考え方に基づいて設定されます。
本文で読む第2章 歳入の実態(2-1)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-4)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-3)
シーリングしーりんぐ
シーリング(ceiling、上限)とは、予算要求の段階で、前年度予算額などを基準に要求額の上限を設定する手法です。「前年度比5%減」のように上限を下げるものをマイナスシーリングと呼びます。法令上の制度ではなく予算編成方針で示される運用で、歳出全体の抑制が目的です。
新規事業しんきじぎょう
新規事業とは、前年度までの予算に計上されていなかった事業です。実績がないため、予算査定では、課題の実態、自治体が担う理由、翌年度に始める理由、後年度負担を1件ずつ審査します。効果が確かめられていない場合は、対象や期間を限った試行とされることがあります(14-1参照)。
人件費じんけんひ
人件費とは、歳出の性質別分類の1つで、職員の給料・手当、議員報酬、退職手当、共済費などの経費です。扶助費・公債費とともに支出が義務付けられた義務的経費に含まれます。給与改定(人事院勧告や人事委員会勧告)や職員数によって増減します(13-1参照)。
人事院勧告じんじいんかんこく
人事院勧告とは、人事院が国家公務員の給与を民間の給与水準に合わせるために、国会と内閣に行う勧告です(国家公務員法第28条など)。例年8月に行われます。地方公務員の給与は、都道府県・指定都市などの人事委員会の勧告と国の動向を踏まえて改定されるため、自治体の人件費の見込みに影響します(10-3参照)。
随意契約ずいいけいやく
随意契約とは、入札によらずに、自治体が特定の相手を選んで結ぶ契約です。地方自治法第234条第2項と地方自治法施行令第167条の2により、予定価格が一定額以下の場合など、政令で定める場合に限って認められます。少額の基準額は令和7年に引き上げられました(6-5参照)。
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-5)第9章 執行・補正・決算(9-1)第12章 査定の技法(12-2)
出納整理期間すいとうせいりきかん
出納整理期間とは、翌年度の4月1日から5月31日までの2か月間で、前年度中に確定した債権・債務の収納や支払を行う期間です。普通地方公共団体の出納は翌年度の5月31日をもって閉鎖すると定められていることに基づきます(地方自治法第235条の5)。
出納閉鎖すいとうへいさ
出納閉鎖とは、前年度の歳入歳出に関する現金の出し入れを締め切ることです。普通地方公共団体の出納は翌年度の5月31日をもって閉鎖します(地方自治法第235条の5)。出納閉鎖後は前年度の収入・支出ができず、決算の数値が確定していきます。会計管理者は出納閉鎖後3か月以内に決算を調製して長に提出します(同法第233条第1項)。
スクラップ・アンド・ビルドすくらっぷあんどびるど
スクラップ・アンド・ビルドとは、新しい事業を始める(ビルド)ときに、既存の事業を廃止・縮小する(スクラップ)ことで財源を生み出す考え方です。多くの自治体の予算編成方針で、新規事業・拡充事業の要求の前提とされています。
成果指標せいかしひょう
成果指標とは、事業によって住民や地域の状態がどう変わったかを測る指標です(例:講座の参加者の運動習慣の変化)。KPI(重要業績評価指標)として設定されることも多く、事業の活動量を測る活動指標と区別されます。予算要求や査定では、成果指標と目標値、その測り方が判断材料になります。
本文で読む第5章 春〜夏:計画と評価(5-3)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-4)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-1)
政策的経費せいさくてきけいひ
政策的経費とは、新規事業、拡充事業、重点施策など、政策的な判断を必要とする経費です。予算査定では、必要性・効果・後年度負担を1件ずつ審査します。経常的な経費とは別の枠で要求させる自治体もあります(11-2参照)。
性質別分類せいしつべつぶんるい
性質別分類とは、歳出を経費の経済的な性質によって分類する方法で、人件費、物件費、維持補修費、扶助費、補助費等、普通建設事業費、公債費、積立金、繰出金などに区分します。人件費・扶助費・公債費を義務的経費、普通建設事業費などを投資的経費と呼びます。
生成AIせいせいえーあい
生成AIとは、文章・表・画像などを作り出す人工知能です。予算業務では、要求書の下書き、積算の点検、過去資料の検索、想定問答の作成などに使われます。予算の要否や金額はAIに決めさせず、出力した数値や条文は原典で確かめます(18-2参照)。
本文で読む第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-4)第14章 事業タイプ別の査定(14-6)第15章 査定業務のDX(15-6)
政府予算案せいふよさんあん
政府予算案とは、国の翌年度予算について内閣が閣議決定した案です。例年12月下旬に決定され、同じ時期に地方財政対策もまとまります。自治体は、政府予算案と地方財政対策を受けて、地方交付税や国庫補助金の見込みを修正します(7-4参照)。
本文で読む第4章 予算の一年(4-4)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-4)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-6)
積算せきさん
積算とは、予算要求額を単価×数量などの根拠に分解して計算することです。地方公共団体は、法令の定めに従い、合理的な基準により経費を算定して予算に計上しなければなりません(地方財政法第3条第1項)。単価には標準単価表、前年度の契約額、参考見積などを用います(6-5参照)。
専決処分せんけつしょぶん
専決処分とは、本来議会の議決が必要な事項を、長が議会に代わって処分することです。議会が成立しないとき、特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかなときなどに行うことができ、次の会議で議会に報告して承認を求めなければなりません(地方自治法第179条第1項・第3項)。
前年踏襲ぜんねんとうしゅう
前年踏襲とは、予算を前年度と同じ内容・金額で要求し、編成することです。手間が少なく継続性も保てる一方、事業の必要性や効果を見直す機会が失われやすくなります。終期の設定や事務事業評価との連動が、前年踏襲を見直す手段になります(10-1参照)。
本文で読む序章 予算は「自治体の意思」(0-3)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-1)第14章 事業タイプ別の査定(14-2)
総額査定そうがくさてい
総額査定とは、細かな積算を求めず、過去の予算額・決算額などを参考に、経費の総額で査定額を決める方法です。学校の修繕料や備品など、件数が多く1件ごとの金額が小さい経費で使われます。京都府京丹後市の予算見積り要領は、総額査定とする経費について業者からの見積書の取得を原則として控えるよう求めています(11-2参照)。
早期健全化基準そうきけんぜんかきじゅん
早期健全化基準とは、財政健全化法が定める健全化判断比率の基準で、1つでも基準以上になると、財政健全化計画を定めて財政の健全化に取り組まなければなりません。市町村の場合、実質公債費比率は25%、将来負担比率は350%、実質赤字比率と連結実質赤字比率は財政規模に応じた率が基準です。
総計予算主義そうけいよさんしゅぎ
総計予算主義とは、一会計年度における一切の収入と支出を、すべて歳入歳出予算に計上しなければならないとする原則です(地方自治法第210条)。収入と支出を相殺して差額だけを計上する「純計予算」を認めず、財政の全体像を議会と住民に明らかにする目的があります。
総合計画そうごうけいかく
総合計画とは、自治体の長期的なまちづくりの方向と施策の体系を示す最上位の計画です。多くの自治体で、基本構想・基本計画・実施計画の3層で構成されます。かつては地方自治法で市町村に基本構想の策定が義務付けられていましたが、平成23年の改正で義務は廃止され、現在は各自治体の判断で策定されています。
総保有コストそうほゆうこすと
総保有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)とは、情報システムやAIサービスなどを導入してから使い終えるまでにかかる費用の総額です。初期費用だけでなく、利用料、保守、研修、他のシステムとの連携、データ移行、更新・解約の費用までを含めます。法令上の用語ではありません。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-8)第14章 事業タイプ別の査定(14-6)第15章 査定業務のDX(15-3)
単独事業たんどくじぎょう
単独事業とは、国や都道府県の補助を受けずに、自治体が自らの財源で行う事業です。地方単独事業とも呼ばれます。補助事業と比べて自治体の判断で内容を決められる一方、財源の多くは一般財源や地方債になるため、予算査定では必要性と後年度負担が厳しく確かめられます。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-2)第14章 事業タイプ別の査定(14-3)第15章 査定業務のDX(15-5)
地方交付税ちほうこうふぜい
地方交付税とは、自治体間の財源の不均衡を調整し、どの地域でも一定の行政サービスを保障するため、国税の一定割合を自治体に配分する仕組みです。原資は所得税・法人税の33.1%、酒税の50%、消費税の19.5%、地方法人税の全額で(地方交付税法第6条第1項)、総額の94%が普通交付税、6%が特別交付税です(同法第6条の2)。
地方債ちほうさい
地方債とは、自治体が資金調達のために負担する債務で、返済が一会計年度を越えて行われるものです。歳出は地方債以外の歳入を財源とすることが原則で、公営企業の経費、出資金・貸付金、借換え、災害応急・災害復旧・災害救助事業、公共施設の建設事業などに限り地方債を財源にできます(地方財政法第5条。
地方財政計画ちほうざいせいけいかく
地方財政計画とは、内閣が毎年度作成して国会に提出し公表する、翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込額です(地方交付税法第7条)。全国の自治体財政の「標準的な姿」を示し、地方交付税総額や一般財源総額を確保する役割があります。12月下旬の地方財政対策を経て、例年2月に閣議決定されます。
地方財政対策ちほうざいせいたいさく
地方財政対策とは、国の予算編成の過程で翌年度の地方財政の収支見通しを立て、財源不足の補てん方法などを決める措置です。総務大臣と財務大臣の折衝を経て、例年12月下旬の国の予算政府案に合わせて決定・公表されます。
地方財政白書ちほうざいせいはくしょ
地方財政白書とは、地方財政の状況を国会に報告するために毎年度作成される報告書の通称です。地方財政法第30条の2に基づき、内閣が地方財政の状況を国会に報告します。総務省が作成し、全国の自治体の決算の状況、財政指標の推移などが分かります。
本文で読む第3章 歳出の実態(3-1)
地方自治法ちほうじちほう
地方自治法とは、地方公共団体の組織と運営の基本を定めた法律です(昭和22年法律第67号)。予算・決算・収入・支出・契約・財産などの財務に関するルールは、同法第2編第9章「財務」に定められています。会計年度独立の原則(第208条)、予算の調製と議決(第211条)、決算の認定(第233条)などが、予算業務の根拠になります。
地方税ちほうぜい
地方税とは、自治体が地方税法と条例に基づいて住民や企業から課税・徴収する税で、自治体の最も基本的な自主財源です。市町村税の主なものは、市町村民税、固定資産税、軽自動車税、市町村たばこ税、都市計画税です。使途が自由な一般財源で、予算編成では実績、経済見通し、税制改正などを踏まえて税務課が見積もります。
中期財政見通しちゅうきざいせいみとおし
中期財政見通しとは、今後3〜5年程度の歳入・歳出を推計し、財源不足額や基金残高、地方債残高の推移を見通す資料です。法令上の作成義務はなく、多くの自治体が予算編成方針とあわせて作成・公表しています。
本文で読む第2章 歳入の実態(2-6)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-1)第8章 予算案の発表と議会審議(8-2)
超過負担ちょうかふたん
超過負担とは、国の補助金などの算定の基礎となる単価や数量が実際より低いために、本来の負担割合を超えて自治体が負担する部分です。地方財政法第18条は、国の負担金などの額を、事務を行うために必要で十分な金額を基礎として算定するよう定めています。補助事業の積算では、超過負担の有無を確かめます。
長期継続契約ちょうきけいぞくけいやく
長期継続契約とは、電気・ガス・水の供給、電気通信役務の提供、不動産の賃借、条例で定める物品の借入れや役務の提供などについて、債務負担行為を設定せずに翌年度以降にわたって結ぶことができる契約です(地方自治法第234条の3、地方自治法施行令第167条の17)。各年度の支払いは、その年度の予算の範囲内で行います。
月割り計上つきわりけいじょう
月割り計上とは、年度の途中から始める事業の予算を、実際に事業が動く月数分だけ計上することです。例えば10月に始める事業の年間12か月分の経費が600万円なら、6か月分の300万円を計上します。翌年度以降は満額が必要になるため、後年度負担もあわせて確かめます(12-3参照)。
DXでぃーえっくす
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して、業務の進め方やサービスの提供の仕方そのものを変革することです。予算業務では、予算編成システムの導入やAIの活用による査定業務の効率化などが進んでいます(第15章参照)。
本文で読む序章 予算は「自治体の意思」(0-3)第8章 予算案の発表と議会審議(8-2)第14章 事業タイプ別の査定(14-6)
定例会ていれいかい
定例会とは、条例で定める回数、毎年定期的に招集される議会の会議です(地方自治法第102条第2項)。多くの自治体では年4回(3月・6月・9月・12月)開かれ、3月定例会で当初予算、9月定例会で決算認定を審議します。必要がある場合に事件を限って招集されるのは臨時会です。
デジタル活用推進事業債でじたるかつようすいしんじぎょうさい
デジタル活用推進事業債とは、地方財政法第33条の5の14に基づく「デジタル活用推進計画」に位置づけた事業に充てることができる地方債で、令和7年度に創設されました。総務省の令和8年4月1日付の事務連絡によると、地方単独事業の場合、充当率は90%、元利償還金に対する交付税措置率は50%で、償還年限は原則5年以内、事業期間は…
デジタル活用推進事業債とは?意味・根拠法令・関連語を詳しく見る →
本文で読む第15章 査定業務のDX(15-5)
投資的経費とうしてきけいひ
投資的経費とは、道路・学校・公園など社会資本の整備に充てる経費で、性質別分類では普通建設事業費、災害復旧事業費、失業対策事業費が該当します。支出の効果が将来にわたって残る点が特徴で、財源には地方債が多く活用されます。
本文で読む第3章 歳出の実態(3-3)第10章 予算をめぐる自治体のリアル(10-3)第13章 経費別の査定方法(13-6)
当初予算とうしょよさん
当初予算とは、年度開始前に議会の議決を経る、その年度の基本となる予算で、本予算とも呼ばれます。長は毎会計年度予算を調製し、年度開始前に議会の議決を経なければなりません。提出期限は遅くとも年度開始前、都道府県・指定都市は30日、その他の市町村は20日までです(地方自治法第211条第1項)。
特定財源とくていざいげん
特定財源とは、使途が特定されている財源で、国庫支出金、都道府県支出金、地方債、分担金・負担金などが該当します。対象事業以外には使えないため、事業の中止や縮小に伴って特定財源も減ります。予算要求では、事業費から特定財源を差し引いた「一般財源所要額」が査定の焦点になります。
特定目的基金とくていもくてききききん
特定目的基金とは、施設の整備や特定の事業など、あらかじめ決めた目的のために条例で設置する基金です。地方自治法第241条により、基金は条例で設置し、その目的のために運用しなければなりません。年度間の財源調整に使う財政調整基金や、地方債の償還に使う減債基金と区別されます。
特別会計とくべつかいけい
特別会計とは、特定の事業を行う場合や、特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に、条例で設置する会計です(地方自治法第209条第2項)。市町村では国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療などの特別会計が一般的で、法律で設置が義務付けられているものもあります。
特別交付税とくべつこうふぜい
特別交付税とは、地方交付税のうち、普通交付税の算定では捕捉されない災害などの特別な財政需要に対して交付されるものです。地方交付税の総額の6%が特別交付税に充てられます(地方交付税法第6条の2)。12月と3月に交付されます。
独立採算どくりつさいさん
独立採算とは、公営企業や特別会計の経費を、その事業の料金や保険料などの収入で賄うという原則です。地方公営企業法第17条の2第2項は、公営企業の経費を原則として事業の収入で賄うことを定めています。一般会計が負担するのは、繰出基準に定める経費に限られます。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-7)
トータルコストとーたるこすと
トータルコストとは、事業にかかる事業費と、その事業に従事する職員の人件費を一体としたコストです。鳥取県は、費用対効果を判断する参考として予算資料に表記してきました。人件費を含めると、手作業の事業とシステム化した場合の費用を比べやすくなります(14-7参照)。
内示ないじ
内示とは、査定の終了後、財政課から各部局に査定結果(予算計上額)を公表前に伝えることです。法令上の手続ではなく運用で、多くの自治体では首長査定の後、2月上旬に内示を行い、同時期に予算書・予算説明書の印刷に入ります。内示に対して事業課が最終調整を求めることもありますが、変更は限られます。
肉付け予算にくづけよさん
肉付け予算とは、首長選挙の年に、当初予算を義務的経費や継続事業を中心とした骨格予算として編成し、選挙後に新しい政策的な経費を補正予算で追加することです。多くの場合、6月の補正予算で編成されます(8-7参照)。
二重計上にじゅうけいじょう
二重計上とは、同じ経費が2つの事業や2つの節に重ねて予算に計上されている誤りです。部局をまたぐ委託やシステムの利用料などで起きやすく、予算査定では費目ごとに全庁の一覧を作って確かめます(12-7参照)。
入札差金にゅうさつさきん
入札差金とは、入札によって契約額が予算額や予定価格を下回った場合に生じる差額です。法令上の用語ではなく実務上の呼び方です。不用額の主な原因の1つで、毎年同じ傾向が続く場合は、予算査定で単価の見直しにつながります(12-1参照)。
本文で読む第12章 査定の技法(12-1)
入札不調にゅうさつふちょう
入札不調とは、入札に参加する事業者がいない、またはすべての入札額が予定価格を上回るなどの理由で、落札者が決まらないことです。予算の単価が実勢より低すぎると起きやすいため、予算査定で単価を下げすぎないことも大切です(13-4参照)。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-4)
人工にんく
人工(にんく)とは、作業に必要な労働量を、1人が1日働く量を単位として表したものです。例えば3人で5日かかる作業は15人工です。委託料や工事費の積算では、人工×労務単価で人件費を計算します(13-4参照)。
ハルシネーションはるしねーしょん
ハルシネーションとは、生成AIが、存在しない情報や誤った内容をもっともらしく出力することです。予算業務では、法令の条番号、補助率、単価、統計値などを、必ず原典で確かめてから使います(18-2参照)。
比較検討表ひかくけんとうひょう
比較検討表とは、予算要求の事業について、現状維持・代替案・提案案を並べ、費用・効果・リスクを比べた表です。法令上の様式ではありません。「なぜこの方法なのか」を財政課に示す資料として使います(16-2参照)。
非裁量経費ひさいりょうけいひ
非裁量経費とは、法律で定められた扶助費など、事業の実施の可否や事業量を自治体が一義的には選べない経費です。財源配分では、人件費・公債費とともに優先して一般財源を配ります。大阪市などが予算編成でこの区分を用いています(11-1参照)。
本文で読む第11章 査定の設計(11-1)
非常勤特別職ひじょうきんとくべつしょく
非常勤特別職とは、審議会の委員、学校医など、特定の学識や経験に基づいて非常勤で就く特別職の地方公務員です(地方公務員法第3条第3項)。令和2年度の会計年度任用職員制度の導入にあわせて、範囲が厳格化されました。予算では報酬として計上し、査定では開催回数と単価が確かめられます。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-1)
費目担当ひもくたんとう
費目担当とは、財政課の査定で、委託料・情報システム・工事など経費の種類ごとに全庁を横断して確認する担当です。部局ごとの担当だけでは判断がばらつきやすい経費を、二重に確認するために置かれます(11-6参照)。
標準単価表ひょうじゅんたんかひょう
標準単価表とは、旅費、燃料費、会計年度任用職員の報酬など、多くの事業に共通する経費の単価を、財政課が一律に示す表です。予算単価表とも呼ばれます。事業課は予算要求の積算にこの単価を使い、査定担当者による判断のぶれを防ぎます。物価や最低賃金の変化に合わせて毎年見直します(11-3参照)。
費用対効果ひようたいこうか
費用対効果とは、事業にかかる費用に対して、どれだけの効果が得られるかという考え方です。予算査定では、事業の成果指標と費用を比べ、同じ効果をより少ない費用で得られる方法がないかを確かめます。人件費を含めたトータルコストで比べると、より実質的な判断ができます。
本文で読む第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-3)第14章 事業タイプ別の査定(14-5)第16章 査定を受ける側の実践(16-2)
部局内査定ぶきょくないさてい
部局内査定とは、枠配分方式の下で、部長などが中心となって部内の事業に財源を配り直す作業です。部内の全事業を一覧にし、拡充・維持・縮小・廃止を決めて、新規事業の財源を生み出します(11-5参照)。
本文で読む序章 予算は「自治体の意思」(0-4)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-6)第11章 査定の設計(11-5)
不計上ふけいじょう
不計上とは、予算要求された事業を、査定の結果、予算に計上しないことです。必要性や効果の説明がつかない場合や、財源が確保できない場合に判断されます。不計上の理由に応える新しい材料を示せば、部長査定や首長査定の段階、または翌年度に再び要求できます(12-4、16-4参照)。
本文で読む第12章 査定の技法(12-4)第16章 査定を受ける側の実践(16-4)第17章 ケーススタディ(17-4)
扶助費ふじょひ
扶助費とは、生活保護法、児童福祉法、障害者総合支援法などの法令や自治体独自の施策に基づき、社会保障制度の一環として住民に現金や現物で給付する経費です。生活保護費、児童手当、障害福祉サービス費などが該当します。性質別分類で義務的経費の一つとされ、高齢化や子育て支援の拡充で全国的に増加傾向にあります。
負担金ふたんきん
負担金とは、法令や契約に基づいて、自治体が国・他の自治体・団体などに支払う経費です。一部事務組合への負担金や、協議会への会費などが含まれます。法令に基づかない協議会の会費などは法令外負担金と呼ばれ、予算査定で必要性が見直されます(13-5参照)。
部長査定ぶちょうさてい
部長査定とは、財政課長査定の後に、財政を所管する部長などが行う段階の査定です。財政課長査定で保留とされた事業や、各部からの復活要求を中心に協議します。段階の名称や有無は自治体によって異なります(7-5参照)。
本文で読む第4章 予算の一年(4-3)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-6)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-5)
普通会計ふつうかいけい
普通会計とは、自治体ごとに異なる会計の範囲をそろえて全国比較するため、地方財政状況調査(決算統計)で用いる統計上の会計区分です。一般会計に、公営事業会計以外の特別会計を合算し、会計間の重複を除いて作成します。法令上の会計ではなく、総務省が全国統一の基準で定めたものです。
普通建設事業費ふつうけんせつじぎょうひ
普通建設事業費とは、道路・学校・公共施設などの建設や改修に使う経費で、投資的経費の大部分を占めます。国や都道府県の補助を受けて行う補助事業費と、自治体が独自に行う単独事業費に分かれます。
普通交付税ふつうこうふぜい
普通交付税とは、地方交付税の総額の94%を占め、基準財政需要額が基準財政収入額を超える自治体に、その財源不足額に応じて交付されるものです(地方交付税法第6条の2第2項・第10条第1項・第2項)。総務大臣は遅くとも毎年8月31日までに交付額を決定します(同条第3項)。
復活要求ふっかつようきゅう
復活要求とは、財政課の査定で減額・不計上とされた予算の計上を、事業課や部長が改めて求めることです。法令上の手続ではなく運用で、多くの自治体では財政課長査定の結果を受けて部長査定や首長査定の場で行われます。
本文で読む第4章 予算の一年(4-6)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-5)第16章 査定を受ける側の実践(16-4)
不用額ふようがく
不用額とは、予算額のうち年度内に使われずに残った額です。入札による契約額の減少(入札差金)、利用者数の見込み違い、事業の中止などで生じます。予算査定では、数年分の不用額とその理由を確かめ、翌年度の必要額を見込みます(12-1参照)。
本文で読む第2章 歳入の実態(2-6)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-7)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-6)
ふるさと納税ふるさとのうぜい
ふるさと納税とは、個人が自治体に寄附すると、2,000円を超える部分が一定の上限まで所得税・個人住民税から控除される制度です(地方税法第37条の2・第314条の7など)。受け入れた自治体では歳入の寄附金となり、住民が他の自治体に寄附すると住民税の減収になります。
プロポーザル方式ぷろぽーざるほうしき
プロポーザル方式とは、複数の事業者から企画や技術の提案を受け、内容を評価して契約の相手を選ぶ方法です。価格だけでなく提案の内容で選ぶ必要がある業務で使われ、選定後は随意契約で契約するのが一般的です(15-5参照)。
プロポーザル方式とは?意味・根拠法令・関連語を詳しく見る →
本文で読む第15章 査定業務のDX(15-5)
ベンダーロックインべんだーろっくいん
ベンダーロックインとは、特定の事業者のシステムやサービスに依存し、他の事業者の製品に乗り換えにくくなる状態です。データの取り出しが難しい、独自の仕様に合わせた改修が重なるなどで生じます。システム導入の予算査定では、契約終了時のデータの返却などを確かめます(14-9参照)。
法令外負担金ほうれいがいふたんきん
法令外負担金とは、法令に根拠がなく、自治体の任意の判断で支払っている負担金です。各種の協議会・連絡会の会費などが典型です。目的が不透明になったものや効果が低いものは、予算査定で脱退や減額が検討されます(13-5参照)。
本文で読む第13章 経費別の査定方法(13-5)
補助基本額ほじょきほんがく
補助基本額とは、補助金の額を算定する基礎となる額で、補助対象経費のうち補助の基準に基づいて認められる額です。補助基本額に補助率を掛けて補助金の額を計算します。実際の事業費が補助基本額を上回る部分は、自治体の負担になります(14-3参照)。
本文で読む第14章 事業タイプ別の査定(14-3)
補助金ほじょきん
補助金とは、特定の事業を助けるために交付するお金です。自治体が国や都道府県から受ける補助金(歳入)と、自治体が団体や個人に交付する補助金(歳出)があります。自治体は「公益上必要がある場合」に補助をすることができます(地方自治法第232条の2)。
補助事業ほじょじぎょう
補助事業とは、国や都道府県の補助金を財源の一部として、自治体が行う事業です。予算査定では、補助対象経費と対象外の経費、自治体の負担(裏負担)、採択の確実性、補助終了後の負担を分けて判断します(14-3参照)。
補助対象経費ほじょたいしょうけいひ
補助対象経費とは、補助事業の経費のうち、補助金の算定の対象となる経費です。対象外の経費は全額が自治体の負担になるため、予算査定では補助対象経費と対象外の経費を分けて確かめます(14-3参照)。
本文で読む第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-5)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-1)第14章 事業タイプ別の査定(14-3)
補助率ほじょりつ
補助率とは、補助の対象となる経費のうち、国や都道府県の補助金で賄われる割合です。例えば補助率2分の1の事業では、補助対象経費の半分が補助金、残りが自治体の負担(裏負担)になります。補助率は法令や補助金の交付要綱で定められます。
本文で読む第2章 歳入の実態(2-4)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-4)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-1)
補正予算ほせいよさん
補正予算とは、予算の調製後に生じた事由に基づき、既定の予算に追加その他の変更を加える予算です(地方自治法第218条第1項)。国の経済対策、災害、制度改正、給与改定などに対応して編成し、多くの自治体では6月・9月・12月・3月の各定例会に提出します。
民生費みんせいひ
民生費とは、歳出の目的別分類の1つで、児童福祉、高齢者福祉、障害者福祉、生活保護などの福祉に使う経費です。少子高齢化に伴って増え続けており、市町村の歳出の中で最も大きな割合を占める分野です。性質別に見ると、その多くは扶助費や繰出金です。
無償トライアルむしょうとらいある
無償トライアルとは、事業者がシステムやAIサービスを、本格導入の前に一定期間無料で試せるように提供することです。予算がなくても始められますが、本予算につなげるには、検証する指標、比べる基準、終了後の扱い、扱ってよい情報を先に決めておくことが大切です(14-8参照)。
目玉事業めだまじぎょう
目玉事業とは、首長がその年度の予算で重点的に打ち出す新規事業や拡充事業の通称です。法令上の用語ではありません。多くの場合、首長査定で決まり、施政方針や予算の記者発表で中心的に紹介されます(8-2参照)。
本文で読む第4章 予算の一年(4-3)第7章 冬:財政課査定と首長査定(7-5)第8章 予算案の発表と議会審議(8-2)
目的別分類もくてきべつぶんるい
目的別分類とは、歳出を行政の目的(機能)によって分類する方法で、議会費、総務費、民生費、衛生費、農林水産業費、商工費、土木費、消防費、教育費、公債費などに区分します。歳出予算の款はこの目的別分類で構成されます(地方自治法第216条)。住民には「何の分野にいくら使うか」が分かりやすい分類です。
本文で読む第3章 歳出の実態(3-1)
予算よさん
予算とは、自治体の一会計年度の収入と支出の見積りで、議会の議決を経て長に支出の権限を与え、同時に制約するものです。予算は、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費、債務負担行為、地方債、一時借入金、歳出予算の各項の経費の金額の流用の7つの事項に関する定めから成ります(地方自治法第215条)。
予算案よさんあん
予算案とは、首長が調製し、議会の議決を経る前の予算です。内部の査定を通過した段階の予算はまだ予算案であり、議会の議決を経て初めて予算として成立します。多くの自治体では2月に予算案を発表し、議会に提出します(8-1、16-5参照)。
予算執行よさんしっこう
予算執行とは、議決された予算に基づいて、契約を結び、支出を行うことです。支出は、支出負担行為(契約など支出の原因となる行為)、支出命令、支出の順に進みます(地方自治法第232条の3、第232条の4)。予算が成立しても、執行には契約などの手続が必要です(9-1参照)。
予算特別委員会よさんとくべついいんかい
予算特別委員会とは、議会が当初予算案などを詳しく審査するために設置する特別委員会です。議会は条例で常任委員会・議会運営委員会・特別委員会を置くことができ(地方自治法第109条第1項)、予算特別委員会はその一つとして多くの自治体で設けられています。
予算に関する説明書よさんにかんするせつめいしょ
予算に関する説明書とは、首長が予算を議会に提出するときにあわせて提出しなければならない書類です(地方自治法第211条第2項)。内容は地方自治法施行令第144条に定められ、歳入歳出予算の事項別明細書、給与費の明細書、継続費や債務負担行為の支出見込みの調書、地方債の現在高の見込みの調書などが含まれます。
予算の配当よさんのはいとう
予算の配当とは、議決された予算を、首長が各部局や課に対して執行できる額として割り当てることです。事業課は、配当された額の範囲で契約や支出を行います。配当の手続は各自治体の財務規則で定められ、四半期ごとに配当したり、財源が確定するまで一部を保留したりする運用もあります。
本文で読む第5章 春〜夏:計画と評価(5-1)
予算編成よさんへんせい
予算編成とは、翌年度の予算を作る一連の作業です。首長が予算を調製して議会に提出する権限を持ち(地方自治法第211条第1項)、実務では、予算編成方針の通知、予算要求、財政課の査定、首長査定、予算案の確定の順に進みます。多くの自治体では10月から翌年1月が中心の時期です。
予算編成過程の公開よさんへんせいかていのこうかい
予算編成過程の公開とは、予算要求の内容や、財政課査定・首長査定などの段階ごとの査定結果を、予算案の決定前後に公表する取組です。鳥取県、名古屋市(条例に基づく)、東京都文京区などが行っています。法令上の義務ではありませんが、予算編成の透明性を高めます(7-5、11-4参照)。
予算編成システムよさんへんせいしすてむ
予算編成システムとは、予算要求、査定、内示、予算書の作成などの予算編成の事務を支援する情報システムです。差分の表示、査定の経緯の記録、行政評価との連動などの機能を持つものもあります(15-2〜15-4参照)。
予算編成システムとは?意味・根拠法令・関連語を詳しく見る →
本文で読む第15章 査定業務のDX(15-1)
予算編成方針よさんへんせいほうしん
予算編成方針とは、翌年度予算の編成にあたって首長の考え方、財政の見通し、重点施策、要求の基準(シーリングや枠配分)、事務の日程などを示し、各部局に通知する文書です。法令上の手続ではなく運用で、多くの自治体では10月上旬に通知し、職員向け説明会を開きます。
予算要求よさんようきゅう
予算要求とは、事業課が翌年度に実施する事業に必要な経費を見積もり、予算要求書として財政課に提出することです。法令上の手続ではなく運用で、多くの自治体では予算編成方針に従い、事業目的・必要性・効果・積算根拠・財源・後年度負担などを記載します。積算は節ごとに単価×数量で行い、参考見積書などの根拠資料を添付します。
予算要求書よさんようきゅうしょ
予算要求書とは、事業課が財政課に予算を要求するために作る書類です。事業調書とも呼ばれ、多くの自治体では財務会計システムに入力して作ります。事業の目的と根拠、必要性、積算、財源、成果指標、後年度負担などを記載します(6-4参照)。
予定価格よていかかく
予定価格とは、入札や随意契約で、自治体が契約金額の上限としてあらかじめ定める価格です。入札では、予定価格の範囲内で最も有利な価格を示した者が落札者になります。予算額は予定価格を賄える額で計上します。
予備費よびひ
予備費とは、予算外の支出や予算超過の支出に充てるため、歳入歳出予算に計上する経費です。一般会計には予備費を計上しなければならず(特別会計は計上しないことができます)、予備費は議会の否決した費途に充てることができません(地方自治法第217条第1項・第2項)。予備費を使うことを「充用」といい、長の権限で行います。
ライフサイクルコストらいふさいくるこすと
ライフサイクルコストとは、施設や設備を企画・設計・建設してから、維持管理、修繕、解体・処分するまでにかかる費用の総額です。建設費よりも完成後の維持管理費の方が総額で大きくなることもあるため、施設の建設や更新の予算査定ではライフサイクルコストで判断します(13-6参照)。
RAGらぐ
RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)とは、生成AIが回答する前に、関連する文書を検索して、その内容を根拠に回答を作る仕組みです。査定調書や予算に関する資料を知識ベースにすると、過去の経緯を短時間で調べられます(15-6、18-2参照)。
本文で読む序章 予算は「自治体の意思」(0-3)第15章 査定業務のDX(15-6)第18章 これからの予算づくり(18-2)
落札率らくさつりつ
落札率とは、入札で、自治体が契約の上限として定めた予定価格に対する落札額の割合です。例えば予定価格1,000万円の工事を900万円で落札すれば、落札率は90%です。法令上の用語ではなく実務上の指標です。
本文で読む第12章 査定の技法(12-2)
流用りゅうよう
流用とは、予算の執行段階で、ある経費の予算額を他の経費に融通して使うことです。歳出予算の款の間や項の間では原則として流用できませんが、各項の経費の金額は、予算の執行上必要がある場合に限り、予算の定めるところにより流用できます(地方自治法第220条第2項)。
本文で読む序章 予算は「自治体の意思」(0-2)第1章 予算の基本(1-6)第6章 秋:予算編成方針と予算要求(6-7)
臨時会りんじかい
臨時会とは、必要がある場合に、付議する事件をあらかじめ告示して招集される議会の会議です(地方自治法第102条第3項・第4項)。年4回程度の定例会とは別に、急ぎの補正予算などを審議するために開かれます。
臨時財政対策債りんじざいせいたいさくさい
臨時財政対策債(臨財債)とは、地方交付税の原資不足を補うため、本来交付税として交付されるべき額の一部を、各自治体が地方債を発行して賄う仕組みです。2001年度(平成13年度)に創設され、元利償還金の全額が後年度の基準財政需要額に算入されます。使途の制限がなく一般財源と同様に扱います。
臨時的経費りんじてきけいひ
臨時的経費とは、施設の修繕、備品の更新、記念事業など、特定の年度に一時的に支出される経費です。予算査定では、年次計画上の優先順位と、その年度に実施する必要があるかが確かめられます(11-2参照)。
労務単価ろうむたんか
労務単価とは、公共工事の予定価格の積算に用いる職種ごとの労働者の賃金単価です。国土交通省と農林水産省が「公共工事設計労務単価」として毎年度公表します。工事費や委託料の積算・査定で、労務単価の改定を反映しているかが確かめられます(13-4参照)。
ロジックモデルろじっくもでる
ロジックモデルとは、投入(予算・人員)→活動→産出(活動指標)→成果(成果指標)という、事業が成果を生むまでの因果の流れを図にしたものです。EBPMの基本の道具で、予算要求の段階で目的と手段のつながりを示すために使われます(18-1参照)。
枠配分方式わくはいぶんほうしき
枠配分方式とは、財政課があらかじめ部局ごとに一般財源の配分額(枠)を示し、その範囲内で各部局が事業の優先順位を判断して予算を要求・編成する方式です。法令上の制度ではなく運用です。事業を財政課が個別に審査する一件査定方式に比べ、現場の裁量と責任が大きくなり、財政課の作業も軽減されます。
参考資料・出典
- e-Gov法令検索「地方自治法」(昭和22年法律第67号)https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000067
- e-Gov法令検索「地方自治法施行令」(昭和22年政令第16号)https://laws.e-gov.go.jp/law/322CO0000000016
- e-Gov法令検索「地方自治法施行規則」(昭和22年内務省令第29号)https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000008029
- e-Gov法令検索「地方財政法」(昭和23年法律第109号)https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000109
- e-Gov法令検索「地方交付税法」(昭和25年法律第211号)https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000211
- e-Gov法令検索「地方税法」(昭和25年法律第226号)https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
- e-Gov法令検索「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」(平成19年法律第94号)https://laws.e-gov.go.jp/law/419AC0000000094
- e-Gov法令検索「地方公営企業法」(昭和27年法律第292号)https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC0000000292
- 総務省「地方交付税」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/kouhu.html
- 総務省 報道資料「令和8年度 普通交付税の算定結果等」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei04_02000188.html
- 総務省 報道資料「令和7年度市町村普通会計決算の概要(速報)」(令和8年9月29日)https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei07_02000458.html
- 総務省 報道資料「令和8年度地方団体の歳入歳出総額の見込額」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zaisei02_02000413.html
- 総務省「令和8年度地方財政計画のポイント」(令和8年2月)https://www.soumu.go.jp/main_content/001056680.pdf
- 総務省「令和8年度地方財政対策の概要」(令和7年12月26日)https://www.soumu.go.jp/main_content/001048685.pdf
- 総務省「令和7年度地方財政対策のポイント」https://www.soumu.go.jp/main_content/000984941.pdf