人口減少下でも“強い経済”と“豊かな生活環境”を両立へ
政府は、新しい地方経済・生活環境創生会議(第9回)で「地方創生2.0 基本構想(骨子案)」を示しました。計画期間は2035年度末までの10年間で、2029年度に中間見直しを行います。目標は「新しい日本・楽しい日本」の実現です。
解説の動画
現状と課題
- 人口動向
2008年をピークに減少に転じ、直近10年間で約340万人減。2024年の東京圏転入超過は約12万人(10~20代が約13万人、女性が約6.5万人)です。 - 地域経済
コロナ禍から持ち直す一方、生産性と実質賃金の伸び悩みが続き、都市と地方の格差が拡大しています。 - 社会情勢
若者・女性の流出と人手不足が深刻化する一方、インバウンド拡大やリモートワークの普及、AI・デジタル技術の進化が好機となっています。
骨子案の柱(5本柱)
- 安心して働き、暮らせる生活環境の創生
買い物・医療・介護・防災の体制を維持し、若者・女性流出を抑制します。 - 付加価値創出型の新しい地方経済
地域資源と新技術を組み合わせ、観光・輸出・スタートアップを強化します。 - 人・企業の地方分散
政府機関や本社機能の移転、関係人口拡大と副業・兼業を推進します。 - 新時代のインフラとAI・デジタル活用
GX産業立地、ドローン物流、スマート農林水産業を展開します。 - 広域リージョン連携
県域を超えた産業・観光・インフラを一括支援します。
目指す社会像(KPI例)
- 若者が地方にとどまる・戻る流れの創出
- 医療・買い物難民ゼロ
- 観光産業の労働生産性向上
- 工芸品・日本産酒類の輸出額拡大
今後の工程
政府は年内に総合戦略を策定し、財政・人材・情報支援を強化します。市町村はステークホルダーと総合戦略を見直し、都道府県は連携と人材育成を主導します。企業や大学、金融機関も連携し「みんなで取り組む地方創生」を掲げます。
論評
骨子案は「人口減少を前提とした成長モデル」への転換を鮮明にしました。従来の「人口維持」を前提とした地方創生1.0から一歩踏み込み、縮小社会でも稼げる経済と持続可能な生活基盤をどう作るかが焦点です。AI・デジタルの社会実装と「新結合」を軸に据えた点は、地方を課題解決の場から価値創造の場へと引き上げる意欲が感じられます。
一方、若者・女性に選ばれる地域づくりには賃金水準やキャリア機会の確保が欠かせません。副業・兼業を含む関係人口拡大も、都市部企業の評価制度改革や地方側の受け皿整備が不可欠です。財政的裏付けとKPIの実効性をどう担保するか――これが10年後の「新しい日本・楽しい日本」実現の鍵となるでしょう。
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上記はこちらの内容をAIがまとめたものです。