第3章第5節 その他の施策(強い地域経済)

ローカル・ゼブラ企業・GX・観光まで|地方創生のその他施策85項目(経済)

第3章の第1節〜第4節では、地域未来戦略の柱となる施策が、課題や支援策とあわせて詳しく書かれていました。第5節「その他の施策の推進」は、それ以外に各府省庁が進める施策を、施策名だけの一覧で示した部分です。このページでは、その前半「1.強い地域経済の構築」に並ぶ(1)〜(85)の85項目を、テーマごとのまとまりに分けて、表とやさしい解説で読みます。

原文の場所:第3章 第5節 1 p.45〜47国都道府県市町村中堅・中小企業小規模事業者地域金融機関スタートアップ

このページの要点

  • 18-1第5節は、第1節〜第4節以外の施策を施策名で列挙した部分。「強い地域経済」の最初は、賃上げ・中小企業の受注・ローカル・ゼブラ企業・建設業・海事産業・物流・港湾の生産性向上。
  • 18-2(10)〜(17)は、地方都市の再生と不動産投資、観光地の渋滞対策やクルーズ、産業遺産・図柄ナンバープレート、里業・森業・海業、ジビエ、地域の食品産業。
  • 18-3(18)〜(26)は、ゼロカーボンシティ、酒造り・伝統工芸品、刑事施設の作業、日本博・生活文化・文化芸術、ウォレット、サイクルツーリズム。
  • 18-4(27)〜(35)は、藻場・海藻によるCO2吸収、雪氷熱、地産地消の再エネ都市、脱炭素人材、省エネ支援、炭素除去クレジット、バッテリー再利用。
  • 18-5(36)〜(43)は、CNP・洋上風力などの港湾、国産SAF、資源循環、里山広葉樹と国産材、地域一体の防除、地域循環共生圏。
  • 18-6(44)〜(52)は、金融・資産運用特区、インパクト投資、地域金融機関、中小企業・小規模事業者の支援、対日直接投資、知的財産。
  • 18-7(53)〜(63)は、福島イノベーション・コースト構想、研究基盤、フュージョン(核融合)、スタートアップ、高精度測位、畜産クラスター、経済安全保障。
  • 18-8(64)〜(71)は、「新結合」、有機農業、事業承継、GX戦略地域とワット・ビット連携、量子暗号通信、流域資源、鳥獣被害対策。
  • 18-9(72)〜(77)は、i-Construction 2.0、国土情報基盤、マイナンバーカードと電子商取引、国際コンテナ戦略港湾、沖縄経済、GREEN×EXPO 2027。
  • 18-10(78)〜(85)は、人材の確保・育成、デジタル人材と職業訓練、サイバーセキュリティ、育成就労制度、都道府県と市町村のDX推進体制。

18-1第5節の位置付けと、賃上げ・建設・海事・物流 ― (1)〜(9)#

Q地域未来戦略の「その他の施策の推進」とは何ですか?ローカル・ゼブラ企業の創出とはどういう施策ですか?

答え:第5節「その他の施策の推進」は、第1節〜第4節以外の施策を施策名のみで列挙した部分で、「強い地域経済の構築」には(1)〜(85)の85項目が並ぶ。最初の項目は(1)賃上げ環境整備、(2)地元中小企業の受注機会の確保・拡大、(3)ローカル・ゼブラ企業の創出。ローカル・ゼブラ企業は、ビジネスの手法で地域課題の解決に取り組み、社会的インパクトを生み出しながら収益を確保する企業(注50)。

原文 地域未来戦略 (p.45)

第5節 その他の施策の推進

1. 強い地域経済の構築

(1) 賃上げ環境整備

(2) 地元中小企業の受注機会の確保・拡大

(3) ローカル・ゼブラ企業注50の創出

(4) 地域を支える建設産業の持続的な維持・発展

(5) 地域に根ざし、日本を支え、世界と競う海事産業の振興

(6) 国直轄工事への新規参入の拡大

(7) 地域を支える建設業と物流業の相互連携の推進

(8) 地域の産業振興等と連携した新モーダルシフトの強力な促進

(9) 「ヒトを支援する AI ターミナル」、「サイバーポート」等による港湾の生産性向上・労働環境改善・災害時等支援の高度化

脚注

注50ビジネスの手法で地域課題の解決にポジティブに取り組み、社会的インパクト(事業活動や投資によって生み出される社会的・環境的変化)を生み出しながら、収益を確保する企業。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

第5節は、これまでの節と書き方がまったく違います。第1節〜第4節では「課題」「支援策」「KPI」「工程」などが文章で書かれていましたが、第5節は施策の名前だけが番号つきで並ぶリストです。第1節〜第4節の柱には入らないものの、各府省庁が地方創生につながるものとして進める施策を、「強い地域経済」「豊かな生活環境」「選ばれる地方」の3つに分けて一覧にしています。

原文には施策名しか書かれていないので、このページの解説も名前から読み取れる範囲の一般的な説明にとどめます。予算や対象などの詳細は、所管府省庁の公表資料で確認してください。

最初の9項目は、地域の会社と働く人、そして「ものを運ぶ・つくる」産業がテーマです。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(1) 賃上げ環境整備 地方の会社が賃金を上げやすい環境をつくる
(2) 地元中小企業の受注機会の確保・拡大 地元の中小企業が仕事を受けられる機会を増やす
(3) ローカル・ゼブラ企業の創出 地域課題の解決と収益を両立する企業を生み出す
(4) 地域を支える建設産業の維持・発展 道路・除雪・災害対応を担う建設業を守り育てる
(5) 海事産業の振興 造船・海運など海の産業を伸ばす
(6) 国直轄工事への新規参入の拡大 国が直接発注する工事に新しい会社も入りやすくする
(7) 建設業と物流業の相互連携 建設と物流が協力して人手不足などに対応する
(8) 新モーダルシフトの強力な促進 トラック中心の輸送を鉄道・船なども組み合わせた形へ
(9) AIターミナル・サイバーポート等による港湾の生産性向上 港の仕事をAIやデジタルで効率化し、災害時の支援も高度化

(3)のローカル・ゼブラ企業は、脚注(注50)で「ビジネスの手法で地域課題の解決にポジティブに取り組み、社会的インパクトを生み出しながら、収益を確保する企業」と説明されています。シマウマ(ゼブラ)の白と黒のように、社会への貢献ともうけの両方をあわせ持つ企業というイメージです。

(8)のモーダルシフトとは、貨物の運び方(モード)をトラックから鉄道や船などに切り替えることです。運転手不足や脱炭素への対応として注目されています。

ポイント

  • 第5節「その他の施策の推進」は、第1節〜第4節以外の施策を施策名のみで列挙した部分で、「強い地域経済の構築」には(1)〜(85)の85項目が並ぶ。
  • 最初の項目は(1)賃上げ環境整備、(2)地元中小企業の受注機会の確保・拡大、(3)ローカル・ゼブラ企業の創出。
  • ローカル・ゼブラ企業は、ビジネスの手法で地域課題の解決に取り組み、社会的インパクトを生み出しながら収益を確保する企業(注50)。
  • 建設産業・海事産業の振興、建設業と物流業の連携、新モーダルシフト、港湾のAIターミナル・サイバーポートなども挙げられている。

よくある疑問

Q第5節の施策は、第1節〜第4節の施策より重要度が低いのですか?

A

原文は重要度について何も書いていません。第5節は「その他の施策の推進」として、柱の施策とは別に、各府省庁が進める地方創生関連の施策を一覧にしたものです。個々の施策の中身や規模は、所管府省庁の公表資料で確認してください。

18-2地方都市・観光・農林水産業 ― (10)〜(17)#

Q地域未来戦略の「里業・森業・海業」やジビエの施策とは何ですか?

答え:(10)〜(17)は、地方都市の再生・不動産投資、インバウンドの受入環境、産業遺産、図柄ナンバープレート、里業・森業・海業、ジビエ、地域の食品産業に関する施策。観光地における渋滞対策やクルーズ振興など、インバウンド(訪日外国人)の受入環境整備が挙げられている。食料システム法(注51)の計画認定制度に基づき、地域の食品産業の持続的な発展を進める。

原文 地域未来戦略 (p.45)

(10) 地域の大切な資産のリノベーションや活用等の促進による個性ある地方都市再生

(11) 地方への不動産投資の促進

(12) 観光地における渋滞対策、クルーズ振興等のインバウンドの受入環境整備の推進

(13) 産業遺産を活用した地域の魅力増進

(14) 図柄ナンバープレート(地方版)を活用した地域活性化

(15) 里業・森業・海業の振興

(16) ジビエ利用の拡大に向けた取組の推進

(17) 食料システム法注51の計画認定制度に基づく地域の食品産業の持続的な発展の推進

脚注

注51食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律(平成3年法律第 59 号)。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この8項目は、まちの資産、観光、食と一次産業を地域の稼ぎにつなげる施策です。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(10) 地域の資産のリノベーション等による地方都市再生 古い建物などを改修・活用し、個性あるまちに
(11) 地方への不動産投資の促進 地方の建物や土地にお金が集まるようにする
(12) 観光地の渋滞対策、クルーズ振興等 外国人観光客を受け入れる環境を整える
(13) 産業遺産を活用した地域の魅力増進 鉱山・工場跡などを観光や学びに生かす
(14) 図柄ナンバープレート(地方版) ご当地デザインのナンバーで地域をPR
(15) 里業・森業・海業の振興 里山・森・海の資源を生かした新しい仕事づくり
(16) ジビエ利用の拡大 野生のシカやイノシシの肉を食材として活用
(17) 食料システム法の計画認定制度 地域の食品産業が長く続くよう、計画を国が認定

リノベーションは、古い建物を直して新しい価値を持たせることです。空き店舗を改修してカフェやシェアオフィスにする、といった取組がイメージしやすいでしょう。

(15)の里業・森業・海業は、農地のある里山、森林、海や漁港といった地域の資源を、農林水産業だけでなく観光や体験などにも幅広く生かす考え方の言葉です。具体的な制度の内容は所管府省庁の資料で確認してください。

(16)のジビエはフランス語で、狩猟でとった野生鳥獣の肉のことです。シカやイノシシの農作物被害が多い地域では、捕獲した動物を食材として利用することが、被害対策と地域の稼ぎの両方につながります。

(17)の食料システム法は、脚注(注51)にある「食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律」の略称です。

ポイント

  • (10)〜(17)は、地方都市の再生・不動産投資、インバウンドの受入環境、産業遺産、図柄ナンバープレート、里業・森業・海業、ジビエ、地域の食品産業に関する施策。
  • 観光地における渋滞対策やクルーズ振興など、インバウンド(訪日外国人)の受入環境整備が挙げられている。
  • 食料システム法(注51)の計画認定制度に基づき、地域の食品産業の持続的な発展を進める。

よくある疑問

Q図柄ナンバープレートで、どうして地域が活性化するのですか?

A

原文には施策名しか書かれていませんが、一般に、地域の風景や名物をデザインしたナンバープレートは、車が走るたびに地域をPRする「動く広告」になります。地域の誇りや話題づくりにもつながります。具体的な仕組みは国土交通省の公表資料で確認してください。

18-3脱炭素のまちづくり・伝統産業・文化 ― (18)〜(26)#

Qゼロカーボンシティや伝統工芸品の販路開拓は、地域未来戦略でどう位置付けられていますか?

答え:(18)〜(26)は、ゼロカーボンシティ、酒造り・清酒文化、伝統工芸品・地場産業の販路開拓、刑事施設の作業、日本博・生活文化・文化芸術、ウォレット、サイクルツーリズムに関する施策。ゼロカーボンシティを目指すことを「魅力ある地域づくり」として位置付けている。文化(日本博・生活文化・文化芸術活動)も地方創生の施策として挙げられている。

原文 地域未来戦略 (p.45)

(18) ゼロカーボンシティを目指した魅力ある地域づくり

(19) 意欲と能力のある者により酒造りが始められる取組、伝統的な清酒産業・文化の持続的な発展・継承

(20) 伝統工芸品・地場産業の販路開拓等支援

(21) 刑事施設における作業等を通じた地方創生

(22) 日本博による文化コンテンツの拡充

(23) 生活文化等の振興による地方創生

(24) 地域における文化芸術活動の基盤強化による地方創生

(25) オンチェーンの基盤となるウォレットの活用に係る取組の推進

(26) サイクルツーリズムの推進等による自転車の活用の推進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この9項目は、脱炭素の地域づくり、伝統のものづくり、文化を地域の力にする施策です。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(18) ゼロカーボンシティを目指した地域づくり CO2排出の実質ゼロを目指すまちを魅力に
(19) 酒造りへの新規参入、清酒産業・文化の継承 意欲ある人が酒造りを始められるように
(20) 伝統工芸品・地場産業の販路開拓等支援 伝統工芸品などの売り先を広げる
(21) 刑事施設における作業等を通じた地方創生 刑務所での作業や職業訓練を地域づくりに生かす
(22) 日本博による文化コンテンツの拡充 日本の文化を発信する取組を広げる
(23) 生活文化等の振興 茶道・華道・食文化など暮らしの文化を生かす
(24) 地域の文化芸術活動の基盤強化 地域の芸術活動を支える仕組みを強くする
(25) ウォレットの活用(オンチェーン) デジタル上の「財布」を地域で活用する
(26) サイクルツーリズム等による自転車の活用 自転車旅行を観光の目玉に

ゼロカーボンシティとは、一般に、2050年までにCO2などの温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指すと表明した地方公共団体のことです。原文はこれを「魅力ある地域づくり」と結び付けています。

(25)のオンチェーンは、ブロックチェーン(取引の記録をみんなで共有して改ざんしにくくする技術)の上で取引や記録を行うことです。ウォレットは、そのデジタルな資産や証明書を入れておく「財布」にあたるものです。どのような地域での使い方を想定しているかは原文に書かれていないので、所管府省庁の資料で確認してください。

(20)は、第3章第1節の地場産業成長プランで対象産業の一つに挙げられていた「伝統的工芸品製造業」ともつながる施策です。

ポイント

  • (18)〜(26)は、ゼロカーボンシティ、酒造り・清酒文化、伝統工芸品・地場産業の販路開拓、刑事施設の作業、日本博・生活文化・文化芸術、ウォレット、サイクルツーリズムに関する施策。
  • ゼロカーボンシティを目指すことを「魅力ある地域づくり」として位置付けている。
  • 文化(日本博・生活文化・文化芸術活動)も地方創生の施策として挙げられている。

よくある疑問

Q刑事施設の作業が、なぜ地方創生の施策に入っているのですか?

A

原文には施策名しか書かれていません。一般に、刑務所の作業でつくられる製品の販売や、地域の産業と連携した職業訓練は、地域とのつながりや出所後の就労にも関わります。具体的な取組内容は法務省の公表資料で確認してください。

18-4再生可能エネルギーと脱炭素の地域モデル ― (27)〜(35)#

Q地域未来戦略で、藻場・雪氷熱・炭素除去などの脱炭素施策はどう書かれていますか?

答え:(27)〜(35)は、環境資源の活用、稼ぐ藻場・海藻によるCO2吸収、雪氷熱、地産地消の再エネ都市、脱炭素人材、省エネ支援、炭素除去クレジット、電動車バッテリーの再利用に関する施策。地産地消の再生可能エネルギー都市の形成は「シン・スマートシティ」と表現されている。地域脱炭素人材の確保・シェアリングや中小企業の省エネ支援体制の構築など、人と体制づくりも含まれる。

原文 地域未来戦略 (p.45〜46)

(27) 地域の環境資源等を最大限活用した付加価値創出等推進事業

(28) インフラをいかした「稼ぐ藻場」の形成や釣り文化振興等による地方創生

(29) 海藻等の保全・再生活動による CO2 吸収固定対策を通じた地域活性化

(30) 雪氷熱の利用促進に向けた体制構築

(31) 地産地消の再生可能エネルギー都市の形成(シン・スマートシティ)

(32) 地域脱炭素人材の確保・シェアリングの推進

(33) 地域の中小企業の省エネ支援体制の構築

(34) 炭素除去(CDR)等クレジット創出による地方創生

(35) 商用電動車の劣化バッテリーを再利用した再生可能エネルギーの地産地消モデルの推進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この9項目は、地域の自然やエネルギーを使って脱炭素と稼ぎを両立させる施策です。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(27) 地域の環境資源を活用した付加価値創出 自然や環境資源で新しい価値を生む
(28) 「稼ぐ藻場」の形成、釣り文化振興 海藻の茂る場所を増やし、漁業や釣りで稼ぐ
(29) 海藻等の保全・再生によるCO2吸収固定 海の植物にCO2を吸ってもらう(ブルーカーボン)
(30) 雪氷熱の利用促進 冬の雪や氷を夏の冷房・貯蔵に使う
(31) 地産地消の再エネ都市(シン・スマートシティ) 地域でつくった電気を地域で使うまち
(32) 地域脱炭素人材の確保・シェアリング 脱炭素の専門人材を複数地域で分け合う
(33) 中小企業の省エネ支援体制の構築 地域の中小企業の省エネを支える仕組み
(34) 炭素除去(CDR)等クレジット創出 CO2を取り除いた量を「クレジット」として売る
(35) 商用電動車の劣化バッテリーの再利用 古くなった電池を再エネの蓄電に使う

藻場(もば)は、海の中で海藻や海草がたくさん生えている場所です。魚のすみかや産卵場所になるうえ、海藻はCO2を吸収します。海の生き物が吸収・貯留する炭素は「ブルーカーボン」と呼ばれます。

雪氷熱は、雪国ならではのエネルギーです。冬に積もった雪を貯めておき、夏に冷房や農産物の保管に使う方法が知られています。

(34)のクレジットは、「CO2をこれだけ減らした・取り除いた」という量を証書にして、ほかの企業などと取引できるようにしたものです。CDRは Carbon Dioxide Removal(二酸化炭素除去)の略です。

このまとまりから読み取れるのは、脱炭素を「我慢やコスト」ではなく、地域の資源を使った新しい稼ぎ方として考える姿勢です。

ポイント

  • (27)〜(35)は、環境資源の活用、稼ぐ藻場・海藻によるCO2吸収、雪氷熱、地産地消の再エネ都市、脱炭素人材、省エネ支援、炭素除去クレジット、電動車バッテリーの再利用に関する施策。
  • 地産地消の再生可能エネルギー都市の形成は「シン・スマートシティ」と表現されている。
  • 地域脱炭素人材の確保・シェアリングや中小企業の省エネ支援体制の構築など、人と体制づくりも含まれる。

よくある疑問

Q「地産地消の再生可能エネルギー」とは何ですか?

A

地域でつくった太陽光・風力・バイオマスなどの電気や熱を、その地域の中で使うことです。エネルギーの代金が地域の外に出ていくのを減らし、地域の中でお金を回す効果が期待されます。原文の「シン・スマートシティ」の具体的な内容は、所管府省庁の公表資料で確認してください。

18-5港・空・森の脱炭素と資源循環 ― (36)〜(43)#

QCNP(カーボンニュートラルポート)や国産SAFは、地域未来戦略でどう書かれていますか?

答え:(36)〜(43)は、CNP・洋上風力などの港湾利用、国産SAF、資源循環、里山広葉樹、国産材サプライチェーン、地域一体の防除、地域循環共生圏、気候変動に対応した付加価値創出に関する施策。CNPは、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や水素等の受入環境の整備等を図る港湾(注52)。強靱な国産材サプライチェーンの構築を通じて「森の国・木の街」の実現を目指す。

原文 地域未来戦略 (p.46)

(36) CNP注52、気候変動対策、洋上風力、資源循環等の港湾利用・保全の取組

(37) 地域資源を活用した国産 SAF注53の利用環境の整備

(38) 地域資源の循環利用を通じた持続可能な地域づくり

(39) 里山広葉樹の利活用を通じた再生の取組

(40) 強靱な国産材サプライチェーン構築を通じた「森の国・木の街」実現

(41) 地域一体となった防除の実現

(42) 「地域循環共生圏」の創造による新たな成長の実現

(43) 気候変動にサステナブルな付加価値の創出

脚注

注52Carbon Neutral Port の略。脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や水素等の受入環境の整備等を図る港湾。

注53Sustainable Aviation Fuel の略。持続可能な航空燃料。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この8項目は、港・空港・森林・農業の分野で、脱炭素や資源の循環を進める施策です。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(36) CNP、洋上風力、資源循環等の港湾利用・保全 港を脱炭素や再エネの拠点にする
(37) 地域資源を活用した国産SAFの利用環境整備 国産の持続可能な航空燃料を使えるようにする
(38) 地域資源の循環利用 ごみや資源を地域の中で回して使う
(39) 里山広葉樹の利活用 里山のクヌギやナラなどを活用して森を再生
(40) 国産材サプライチェーンと「森の国・木の街」 国産の木を切る・加工する・使うまでをつなぐ
(41) 地域一体となった防除 病害虫などを地域ぐるみで防ぐ
(42) 「地域循環共生圏」の創造 地域資源を生かし、周りの地域と支え合う
(43) 気候変動にサステナブルな付加価値の創出 気候変動に対応した持続可能な価値をつくる

(36)のCNPは、脚注(注52)で「Carbon Neutral Port の略。脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や水素等の受入環境の整備等を図る港湾」と説明されています。港は船や大型トラック、工場が集まる場所なので、脱炭素の効果が大きいのです。

(37)のSAFは、一般に Sustainable Aviation Fuel(持続可能な航空燃料)の略で、廃食用油や植物などを原料にした、飛行機用の燃料です。原文は「地域資源を活用した国産SAF」としているので、地域の原料を燃料に変えることが地域の産業につながる可能性があります。

(40)のサプライチェーンは「供給のつながり」のことです。山で木を切り、製材し、家や建物に使うまでの流れを強くすることで、国産の木材を安定して使えるようにします。

(42)の地域循環共生圏は、一般に、各地域が自然・食・エネルギーなどの資源を生かして自立しながら、都市と農山漁村などがお互いに資源を補い合う考え方を指します。

ポイント

  • (36)〜(43)は、CNP・洋上風力などの港湾利用、国産SAF、資源循環、里山広葉樹、国産材サプライチェーン、地域一体の防除、地域循環共生圏、気候変動に対応した付加価値創出に関する施策。
  • CNPは、脱炭素化に配慮した港湾機能の高度化や水素等の受入環境の整備等を図る港湾(注52)。
  • 強靱な国産材サプライチェーンの構築を通じて「森の国・木の街」の実現を目指す。

よくある疑問

QSAFが地域の施策に入っているのはなぜですか?

A

原文の施策名は「地域資源を活用した国産SAFの利用環境の整備」です。一般にSAFは廃食用油や植物などから作られるため、原料を集める・燃料に加工するといった仕事が地域で生まれる可能性があります。具体的な支援内容は所管府省庁の公表資料で確認してください。

18-6地域の金融と中小企業・小規模事業者 ― (44)〜(52)#

Q地域未来戦略で、インパクト投資や地域金融機関の役割はどう書かれていますか?

答え:(44)〜(52)は、金融・資産運用特区、インパクト投資、地域金融機関、成長加速マッチングサービス、中小企業・小規模事業者の支援、地方の国際連携、対日直接投資、知的財産に関する施策。地域におけるインパクト投資の機運醸成・裾野拡大を進める。地域金融機関には、地域資源の活用や地域課題の解決の役割が期待されている。

原文 地域未来戦略 (p.46)

(44) 金融・資産運用特区の実現・発展

(45) 地域におけるインパクト投資の機運醸成・裾野拡大

(46) 地域金融機関による地域資源の活用や地域課題の解決

(47) 成長加速マッチングサービスの利活用促進

(48) 再生フェーズ周辺の中小企業・小規模事業者の集約化促進

(49) 地域経済を支える小規模事業者への支援強化

(50) 地方の国際的取組との連携・協力(地方連携推進)

(51) 地方への対日直接投資の促進

(52) 知的財産の戦略的活用支援

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この9項目は、地域にお金を回す仕組みと、中小企業・小規模事業者の支えがテーマです。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(44) 金融・資産運用特区の実現・発展 金融や資産運用の拠点を地域に育てる
(45) インパクト投資の機運醸成・裾野拡大 社会をよくする事業への投資を広げる
(46) 地域金融機関による地域資源活用・課題解決 地元の銀行・信用金庫などが地域の課題に取り組む
(47) 成長加速マッチングサービスの利活用 成長したい企業と支援する人・会社を結びつける
(48) 再生フェーズ周辺の中小企業等の集約化 経営が苦しい会社の統合などを後押し
(49) 小規模事業者への支援強化 町の商店や小さな会社を支える
(50) 地方の国際的取組との連携・協力 地方の国際交流や海外展開と連携する
(51) 地方への対日直接投資の促進 海外企業が地方に投資・進出するよう促す
(52) 知的財産の戦略的活用支援 特許やブランドなどを稼ぐ力に変える

インパクト投資は、お金のもうけ(経済的リターン)だけでなく、社会や環境へのよい変化(インパクト)も同時に生み出すことを目的にした投資です。18-1の「ローカル・ゼブラ企業」の脚注に出てくる「社会的インパクト」と同じ考え方です。

地域金融機関は、地方銀行・信用金庫・信用組合など、地域に根ざした金融機関のことです。お金を貸すだけでなく、地域の会社の相談相手として期待されています。

(51)の対日直接投資は、海外の企業が日本に工場や拠点をつくったり、日本の会社に出資したりすることです。原文は「地方への」としているので、海外からの投資を東京だけでなく地方に呼び込むことが狙いだと読めます。

(48)の「再生フェーズ」は、経営が悪化して立て直しが必要な段階を指す言葉です。集約化とは、会社どうしが一緒になって経営を続けやすくすることと読めますが、具体的な対象や支援の方法は所管府省庁の資料で確認してください。

ポイント

  • (44)〜(52)は、金融・資産運用特区、インパクト投資、地域金融機関、成長加速マッチングサービス、中小企業・小規模事業者の支援、地方の国際連携、対日直接投資、知的財産に関する施策。
  • 地域におけるインパクト投資の機運醸成・裾野拡大を進める。
  • 地域金融機関には、地域資源の活用や地域課題の解決の役割が期待されている。

よくある疑問

Qインパクト投資と普通の投資は何が違うのですか?

A

普通の投資は主にお金のもうけを目的にしますが、インパクト投資は、もうけとあわせて社会や環境へのよい変化を生むことを意図して行い、その変化を測ることも重視する投資です。地域課題に取り組むローカル・ゼブラ企業などとの相性がよい考え方です。

18-7研究・スタートアップ・先端技術 ― (53)〜(63)#

Q地域未来戦略で、地方のスタートアップやフュージョン(核融合)拠点はどう書かれていますか?

答え:(53)〜(63)は、福島イノベーション・コースト構想、先端研究基盤、フュージョン拠点、スタートアップとイノベーション・エコシステム、高精度測位、畜産クラスター、特定重要物資の安定供給に関する施策。スタートアップと地方公共団体の連携・調達の促進が挙げられている。経済安全保障推進法(注54)に基づく特定重要物資の安定供給確保も地方の施策として位置付けられている。

原文 地域未来戦略 (p.46)

(53) 福島イノベーション・コースト構想を核とした福島県浜通り地域等の産業発展

(54) 先端研究基盤の全国ネットワーク化による地方の研究力強化

(55) 早期実現と産業化を目指したフュージョン(核融合)拠点の形成

(56) 産学官共創やスタートアップ創出のイノベーション・エコシステムの構築

(57) スタートアップを核としたオープンイノベーションの推進

(58) スタートアップと地方公共団体の連携・調達の促進

(59) 地域における ICT スタートアップ創出による地域経済の発展

(60) GX・環境領域のディープテック・スタートアップの更なる推進

(61) 高精度測位サービスの活用促進によるスマートシティ、スマート農業実現への貢献

(62) 畜産クラスター事業を活用した地域経済・社会の維持・強化

(63) 経済安全保障推進法注54に基づく特定重要物資の安定供給確保

脚注

注54経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律(令和4年法律第 43 号)。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この11項目は、研究・スタートアップ・先端技術を地方で育てる施策が中心です。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(53) 福島イノベーション・コースト構想を核とした産業発展 福島県浜通り地域等に新しい産業を
(54) 先端研究基盤の全国ネットワーク化 研究設備を全国でつなぎ、地方の研究力を強化
(55) フュージョン(核融合)拠点の形成 未来のエネルギー技術の拠点をつくる
(56) 産学官共創・スタートアップ創出のエコシステム 大学・企業・行政が一緒に新しい事業を生む
(57) スタートアップを核としたオープンイノベーション 新しい会社と既存企業が協力して新技術を
(58) スタートアップと地方公共団体の連携・調達 自治体がスタートアップのサービスを使う
(59) 地域のICTスタートアップ創出 情報通信の分野で地方発の新しい会社を
(60) GX・環境領域のディープテック・スタートアップ 脱炭素の高度な技術をもつ新しい会社を伸ばす
(61) 高精度測位サービスの活用 位置を精密に測る技術でスマートシティ・スマート農業
(62) 畜産クラスター事業の活用 地域の畜産関係者が連携して経営を強くする
(63) 経済安全保障推進法の特定重要物資の安定供給 国民生活や産業に欠かせない物資を確保

スタートアップは、新しい技術やアイデアで短い期間に大きく成長することを目指す若い会社です。エコシステムは、もともと「生態系」の意味で、ここでは大学・企業・投資家・行政などが互いに支え合い、新しい事業が次々と生まれる環境のことです。

(58)は、自治体がスタートアップの製品やサービスを調達する(買って使う)ことを後押しする施策です。自治体が最初のお客さんになることで、地方発の会社が実績をつくりやすくなります。

ディープテックは、研究開発に時間がかかるけれど、社会を大きく変える可能性がある科学技術のことです。フュージョン(核融合)は、太陽が光るのと同じしくみでエネルギーを取り出す技術で、実現に向けた研究が進められています。

(63)の経済安全保障推進法は、脚注(注54)にある「経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保の推進に関する法律」です。特定重要物資とは、半導体や蓄電池など、国民の生活や経済に欠かせず、外国に頼りすぎると困る物資として国が指定するものです。

ポイント

  • (53)〜(63)は、福島イノベーション・コースト構想、先端研究基盤、フュージョン拠点、スタートアップとイノベーション・エコシステム、高精度測位、畜産クラスター、特定重要物資の安定供給に関する施策。
  • スタートアップと地方公共団体の連携・調達の促進が挙げられている。
  • 経済安全保障推進法(注54)に基づく特定重要物資の安定供給確保も地方の施策として位置付けられている。

よくある疑問

Q自治体がスタートアップから「調達」するとはどういうことですか?

A

自治体が、スタートアップが開発したアプリやサービス、機器などを、業務のために購入・契約して使うことです。行政の課題解決とスタートアップの成長の両方につながると考えられています。具体的な制度は所管府省庁の公表資料で確認してください。

18-8新結合・事業承継・GX・農山村 ― (64)〜(71)#

Q地域未来戦略の「GX戦略地域制度」や「ワット・ビット連携」とは何ですか?

答え:(64)〜(71)は、「新結合」、有機農業、事業承継、地域金融機関の事業者支援、GX戦略地域制度・ワット・ビット連携、量子暗号通信、流域資源、鳥獣被害防止対策に関する施策。地域金融機関による経営改善・事業再生・事業承継支援等の取組を推進する。量子暗号通信(注55)網の社会実装は、拠点分散の促進に資するものとして挙げられている。

原文 地域未来戦略 (p.47)

(64) 「新結合」を全国各地で生み出す取組

(65) 有機農業を通じた魅力的な地域づくりの推進

(66) 地域における事業承継の担い手の確保

(67) 地域金融機関の事業者支援の取組推進(経営改善・事業再生、事業承継支援等)

(68) GX 戦略地域制度、ワット・ビット連携の推進

(69) 拠点分散促進に資する量子暗号通信注55網の社会実装

(70) 中山間地域の活性化の一翼を担う流域資源の活用

(71) 農作物の鳥獣被害防止対策の高度化

脚注

注55量子コンピュータの大規模化に伴う既存の暗号の解読リスクに対し、量子力学の性質を利用し、暗号鍵を送受信者間で安全に共有する技術。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この8項目は、新しい組み合わせで価値を生むこと、会社を次の世代につなぐこと、エネルギーとデジタル、農山村の資源がテーマです。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(64) 「新結合」を全国各地で生み出す取組 異なるものを組み合わせて新しい価値を
(65) 有機農業を通じた地域づくり 農薬や化学肥料に頼らない農業で地域の魅力を
(66) 事業承継の担い手の確保 後継ぎのいない会社を引き継ぐ人を見つける
(67) 地域金融機関の事業者支援 経営改善・事業再生・事業承継を金融機関が支える
(68) GX戦略地域制度、ワット・ビット連携 脱炭素電源とデータセンターなどを一体で配置
(69) 量子暗号通信網の社会実装 解読されにくい通信で拠点の分散を後押し
(70) 中山間地域の流域資源の活用 川の上流から下流までの資源を生かす
(71) 鳥獣被害防止対策の高度化 シカ・イノシシ等による農作物被害を新技術で防ぐ

(64)の新結合は、経済学者シュンペーターが「イノベーション」の本質として使った言葉として知られています。すでにある技術・資源・人を新しく組み合わせて、これまでにない価値を生み出すことです。

(66)の事業承継は、会社の経営を次の人に引き継ぐことです。地方では、黒字なのに後継ぎがいないために廃業する会社もあると言われています。

(68)のGXはグリーン・トランスフォーメーション(脱炭素に向けた経済・社会の変革)の略です。ワット・ビット連携は、電力(ワット)とデータ・通信(ビット)を一体で考えることを表す言葉で、たとえば再生可能エネルギーなどの電源の近くにデータセンターを置くといった考え方が想定されます。制度の詳細は所管府省庁の資料で確認してください。

(69)の量子暗号通信は、脚注(注55)で「量子力学の性質を利用し、暗号鍵を送受信者間で安全に共有する技術」と説明されています。量子コンピュータの大規模化で今の暗号が解読されるリスクに備えるものです。原文はこれを「拠点分散促進に資する」施策としています。

ポイント

  • (64)〜(71)は、「新結合」、有機農業、事業承継、地域金融機関の事業者支援、GX戦略地域制度・ワット・ビット連携、量子暗号通信、流域資源、鳥獣被害防止対策に関する施策。
  • 地域金融機関による経営改善・事業再生・事業承継支援等の取組を推進する。
  • 量子暗号通信(注55)網の社会実装は、拠点分散の促進に資するものとして挙げられている。

よくある疑問

Q事業承継が地域経済の施策に入っているのはなぜですか?

A

地域の会社が後継ぎ不在で廃業すると、雇用や技術、取引先とのつながりが失われます。原文は「地域における事業承継の担い手の確保」と「地域金融機関の事業承継支援等」を挙げており、地域の会社を次の世代につなぐことを地域経済の施策として位置付けています。

18-9建設DX・港湾・沖縄・GREEN×EXPO ― (72)〜(77)#

Qi-Construction 2.0とは何ですか?地域未来戦略でどう位置付けられていますか?

答え:(72)〜(77)は、i-Construction 2.0、国土情報基盤によるDX、マイナンバーカードと民間電子商取引、国際コンテナ戦略港湾、沖縄経済、GREEN×EXPO 2027に関する施策。国土情報基盤の強化により、建設・農林水産分野等のDXを進め、人手不足に対応する。「GREEN×EXPO 2027」を契機に、花き・花木・盆栽の需要喚起を図る。

原文 地域未来戦略 (p.47)

(72) i-Construction 2.0 の推進

(73) 国土情報基盤の強化による建設・農林水産分野等のDX推進と人手不足への対応

(74) マイナンバーカードによる民間電子商取引の発展

(75) 国際コンテナ戦略港湾政策による地方立地企業の輸出入等ビジネス環境の向上

(76) 強い沖縄経済の実現

(77) 「GREEN×EXPO 2027」を契機とした花き・花木・盆栽の需要喚起

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この6項目は、建設・国土のデジタル化、輸出入の拠点、特定の地域やイベントをきっかけにした施策です。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(72) i-Construction 2.0の推進 建設現場をデジタル・自動化で効率化
(73) 国土情報基盤の強化によるDX推進 地図・地形などのデータで建設・農林水産業の人手不足に対応
(74) マイナンバーカードによる民間電子商取引の発展 ネット取引の本人確認などにカードを活用
(75) 国際コンテナ戦略港湾政策 地方の企業が輸出入しやすい環境を
(76) 強い沖縄経済の実現 沖縄の経済を強くする
(77) 「GREEN×EXPO 2027」を契機とした花き等の需要喚起 博覧会をきっかけに花や盆栽の需要を増やす

(72)のi-Construction(アイ・コンストラクション)は、ICT(情報通信技術)を使って建設現場の生産性を高める国土交通省の取組の名前です。「2.0」は、その取組を自動化などでさらに進める段階であることを示しています。ドローンで測量したり、建設機械を自動で動かしたりする現場をイメージするとよいでしょう。18-1で見た「建設産業の持続的な維持・発展」とも関係します。

(75)の国際コンテナ戦略港湾は、海外との大量の貨物を扱う拠点として国が重点的に整備する港のことです。原文は「地方立地企業の輸出入等ビジネス環境の向上」としており、地方の工場などから海外へ製品を送りやすくすることがねらいと読めます。

(77)のGREEN×EXPO 2027は、2027年に開催が予定されている国際園芸博覧会の呼び名です。花き(観賞用の花や植物)・花木・盆栽の需要を高めることで、それらを生産する地域の産業を後押しします。

ポイント

  • (72)〜(77)は、i-Construction 2.0、国土情報基盤によるDX、マイナンバーカードと民間電子商取引、国際コンテナ戦略港湾、沖縄経済、GREEN×EXPO 2027に関する施策。
  • 国土情報基盤の強化により、建設・農林水産分野等のDXを進め、人手不足に対応する。
  • 「GREEN×EXPO 2027」を契機に、花き・花木・盆栽の需要喚起を図る。

よくある疑問

Qi-Construction 2.0で建設現場はどう変わるのですか?

A

原文には施策名しか書かれていません。一般に、i-Constructionは測量・設計・施工・検査をICTでつなぎ、少ない人数でも工事ができるようにする取組です。2.0での具体的な目標や内容は、国土交通省の公表資料で確認してください。

18-10人材育成・サイバーセキュリティ・DX推進体制 ― (78)〜(85)#

Q地域未来戦略で、デジタル人材やサイバーセキュリティ人材の育成はどう書かれていますか?

答え:(78)〜(85)は、人材の確保・育成、デジタル人材、職業訓練のデジタル重点化、サイバーセキュリティ人材と対策、育成就労制度、都道府県と市町村が連携したDX推進体制に関する施策。官民や事業者間で連携した人材確保と、事業者間で共通した技術系人材の訓練・育成を進める。都道府県と市町村が連携してDX推進体制を構築する。

原文 地域未来戦略 (p.47)

(78) 官民や事業者間で連携した人材の確保及び事業者間で共通した技術系人材の訓練・育成

(79) 地域人材の自律的な育成に向けたモデル構築

(80) 企業 DX 推進に資するデジタル人材育成

(81) 職業訓練のデジタル分野の重点化の推進

(82) 地域のサイバーセキュリティ人材の育成

(83) 地域におけるサイバーセキュリティ対策の促進

(84) 育成就労制度の適正かつ円滑な運用

(85) 都道府県と市町村が連携した DX 推進体制の構築

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

「強い地域経済の構築」の最後の8項目は、人材とデジタルがテーマです。

番号 施策名(要約) ひと言でいうと
(78) 官民・事業者間連携での人材確保、技術系人材の訓練・育成 会社どうしで協力して技術者を育てる
(79) 地域人材の自律的な育成モデル構築 地域が自分たちで人を育てる仕組み
(80) 企業DXに資するデジタル人材育成 会社のデジタル化を担う人を育てる
(81) 職業訓練のデジタル分野の重点化 公的な職業訓練でデジタルを重点的に
(82) 地域のサイバーセキュリティ人材の育成 ネットの安全を守る人を地域で育てる
(83) 地域のサイバーセキュリティ対策の促進 地域の企業や団体のサイバー対策を進める
(84) 育成就労制度の適正かつ円滑な運用 外国人材を育てながら受け入れる制度を適切に
(85) 都道府県と市町村が連携したDX推進体制 県と市町村が一緒にデジタル化を進める

(78)の「事業者間で共通した技術系人材」とは、ある会社だけでなく、同じ業界や地域の複数の会社で役に立つ技術を持った人のことと読めます。1社では研修をまかなえない中小企業でも、一緒に育てれば効率がよいという考え方です。第3章第1節の基本的考え方にあった「人材育成を産業政策と一体で」ともつながります。

(82)(83)のサイバーセキュリティは、コンピュータやネットワークを不正アクセスやウイルスから守ることです。地方の中小企業が攻撃されると、取引先の大企業にも被害が広がることがあり、地域全体の対策が大切です。

(84)の育成就労制度は、外国人が日本で働きながら技能を身につけることを目的にした制度です。人手不足の地域産業にとって関わりの深い制度ですが、制度の詳細は所管府省庁の資料で確認してください。

(85)のDX(デジタル・トランスフォーメーション)は、デジタル技術を使って仕事やサービスのやり方そのものを変えることです。職員の少ない市町村では、都道府県と連携して体制をつくることが現実的な方法になります。

ポイント

  • (78)〜(85)は、人材の確保・育成、デジタル人材、職業訓練のデジタル重点化、サイバーセキュリティ人材と対策、育成就労制度、都道府県と市町村が連携したDX推進体制に関する施策。
  • 官民や事業者間で連携した人材確保と、事業者間で共通した技術系人材の訓練・育成を進める。
  • 都道府県と市町村が連携してDX推進体制を構築する。

よくある疑問

Q市町村のDXに、なぜ都道府県との連携が必要なのですか?

A

原文には施策名しか書かれていませんが、一般に、小さな市町村ではデジタルの専門人材を一つの自治体だけで確保するのが難しいため、都道府県が人材や仕組みを共有して支える方法がとられます。具体的な体制のあり方は所管府省庁の公表資料で確認してください。

出典・参考資料

  • 内閣官房「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)本文 p.45〜47: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf
  • 第5節は施策名のみの一覧です。各施策の内容・予算・対象は、所管府省庁の公表資料で確認してください。
  • 第5節の続き「2.豊かな生活環境」「3.選ばれる地方」は、それぞれ別ページで解説しています。

出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。

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