第3章第1節 支援策③ 地場産業成長プラン(C)
地場産業への支援策とは?輸出支援・越境EC・観光・人材育成|地場産業成長プラン
市町村などが作る地場産業成長プラン(類型C)には、どんな国の支援があるのでしょうか。このページでは、5つの支援(事業主体へのきめ細かな支援・成長資金・環境整備・規制改革・人材育成)を「課題 → 対応方針 → 主な施策例」の順に読みます。輸出支援、観光、食、スポーツ、文化、脱炭素など、地場産業ならではの具体的なメニューが多いのが特徴です。
このページの要点
- 10-1Cの支援(1)きめ細かな支援:事業立ち上げ・販路開拓・デジタル化・省力化などのノウハウが足りないと成長が進まない。立ち上げ期・規模拡大期などの成長段階や業種の特性に応じて、きめ細かなソフト支援を提供する。施策例には高付加価値化・海外展開、一体的な輸出支援、スマート農林水産技術、スポーツビジネス、循環型ビジネスなど。
- 10-2Cの支援(2)成長資金:政府系金融機関等と地域金融機関の取組を強化し、地域ファンドの機能を高める。施策例はBと同じ4つ。
- 10-3Cの支援(3)環境整備:誘致や立ち上げ、地場産品の認知度向上、原材料の安定化、共同での販路開拓など地域の課題を把握し、インフラ・拠点を含めた環境整備を地域未来交付金等で支援。観光・歴史まちづくり・国立公園・文化資源・食の拠点・脱炭素が並ぶ。
- 10-4Cの支援(4)規制・制度改革:新しい事業の立ち上げや新技術の開発で既存の規制が障害になる場合、国家戦略特区制度等で地域活性化につながる改革を加速する。
- 10-5Cの支援(5)産業人材育成:需給のミスマッチと地域外人材への過度な依存を防ぐため計画的な人材育成・リスキリングを進める。施策例に地域一体の人材確保・育成・定着やコンテンツ分野の人材育成。
10-1Cの支援(1) 事業主体へのきめ細かな支援 ― 成長段階と業種に合わせたソフト支援#
Q地場産業成長プランでは、地元の事業者にどんな支援がありますか?
答え:地場産業では事業立ち上げ・販路開拓・デジタル化・省力化等の取組が求められるが、事業主体のノウハウが十分でないと成長が円滑に進まない場合がある。立ち上げ期・規模拡大期等の成長段階や業種固有の特性に応じて、きめ細かく適切なソフト支援を提供する。新たに輸出に取り組む事業者に、商社マッチング、国内外の商談会・展示会、越境EC、ハンズオン支援事業等を一体的に提供する。
原文 地域未来戦略 (p.21〜22)
3. C.地場産業成長プランにおける課題と主な支援施策
(1) 事業の状況に応じた事業主体へのきめ細かな支援
○課題
地場産業を含む地域の産業の育成において、事業の状況や業種に応じて、事業立ち上げや販路開拓、デジタル化、省力化等の追加的な取組や新たな取組が求められる。しかしながら、こうした取組に関する事業主体のノウハウが十分でない場合には、事業の成長が円滑に進まない場合がある。
○対応方針
立ち上げ期・規模拡大期等の事業の成長段階や業種固有の特性に応じて、きめ細かく適切なソフト支援を提供し、事業主体の成長を図る。
○主な施策例
✓地方公共団体主導による産業振興施策への支援
✓地域産品の高付加価値化・海外展開の支援
✓新たに輸出に取り組む事業者に対する商社マッチング、国内外の商談会・展示会、越境 EC、ハンズオン支援事業等の一体的な輸出支援の提供
✓地域金融機関・特定居住支援法人等による中堅・中小企業の人材確保への支援
✓スマート農林水産技術やフードテック、新品種等の新たな技術の社会実装の加速に向けた現場への導入実証の推進
✓地域活性化に資するスポーツビジネス等に係る人材獲得・育成及びスポーツリーグ等による海外ファンやインバウンドの需要獲得に対する取組等の支援
✓資源性廃棄物の再資源化等の循環型ビジネス創出に向けた取組等の支援

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
AとBの(1)は「設備投資」や「個別企業の支援」でしたが、Cの(1)は「事業の状況に応じた事業主体へのきめ細かな支援」です。お金だけでなく、ノウハウの支援に重点があるのが特徴です。
- 課題:地場産業では、事業の状況や業種に応じて、事業立ち上げ、販路開拓、デジタル化、省力化などの追加的な取組や新たな取組が求められる。でも、事業主体(企業・組合・個人事業主など)にそのノウハウが十分でないと、成長が円滑に進まない場合がある。
- 対応方針:立ち上げ期・規模拡大期などの成長段階や、業種固有の特性に応じて、きめ細かく適切なソフト支援を提供する。
たとえば、新しく加工品を作り始めた農家と、すでに売れていて工場を広げたい食品会社とでは、必要な助言がまったく違います。「同じ支援を全員に」ではなく、「その人の今の段階に合う支援を」という考え方です。
施策例は7つです(分類は記事の著者によるものです)。
| 分類 | 主な施策例 |
|---|---|
| 自治体の施策 | 地方公共団体主導による産業振興施策への支援 |
| 付加価値・海外 | 地域産品の高付加価値化・海外展開の支援 |
| 輸出 | 新たに輸出に取り組む事業者に対する商社マッチング、国内外の商談会・展示会、越境EC、ハンズオン支援事業等の一体的な輸出支援 |
| 人材確保 | 地域金融機関・特定居住支援法人等による中堅・中小企業の人材確保への支援 |
| 新技術 | スマート農林水産技術やフードテック、新品種等の新たな技術の社会実装の加速に向けた現場への導入実証 |
| スポーツ | スポーツビジネス等の人材獲得・育成、スポーツリーグ等による海外ファンやインバウンドの需要獲得の取組等 |
| 循環型 | 資源性廃棄物の再資源化等の循環型ビジネス創出に向けた取組等 |
輸出支援の「一体的な」という言葉に注目してください。商社マッチング(輸出を手伝ってくれる商社との出会い)、商談会・展示会、越境EC(インターネット通販で海外のお客さんに直接売ること)、ハンズオン支援(専門家が手取り足取り伴走する支援)を、バラバラではなくセットで提供するということです。初めて輸出する小さな事業者にとっては、何から始めればよいかわからないのが最大の壁なので、心強いメニューです。
ポイント
- 地場産業では事業立ち上げ・販路開拓・デジタル化・省力化等の取組が求められるが、事業主体のノウハウが十分でないと成長が円滑に進まない場合がある。
- 立ち上げ期・規模拡大期等の成長段階や業種固有の特性に応じて、きめ細かく適切なソフト支援を提供する。
- 新たに輸出に取り組む事業者に、商社マッチング、国内外の商談会・展示会、越境EC、ハンズオン支援事業等を一体的に提供する。
- ほかに、地域産品の高付加価値化・海外展開、スマート農林水産技術等の導入実証、スポーツビジネス、循環型ビジネス創出などの支援が挙げられている。
よくある疑問
Q小さな町の個人事業主でも輸出の支援を受けられますか?
施策例に「新たに輸出に取り組む事業者に対する」一体的な輸出支援が挙げられており、初めて輸出に挑戦する事業者が想定されています。地場産業成長プランでは個人事業主も核となる事業主体になり得ます。ただし、具体的な支援の窓口や対象要件は原文に書かれていないので、所管府省庁や支援機関の公表資料で確認してください。
10-2Cの支援(2) 成長資金への対応 ― 地場産業にもリスクマネーを#
Q地場産業成長プランの成長資金にはどんな支援がありますか?
答え:地場産業を含む地域の産業の育成に向けて、リスクマネーを含めた成長資金のニーズを踏まえた対応が必要とされている。政府系金融機関等の資金供給と地域金融機関の地域金融力を強化し、地域ファンドの機能強化を図る。施策例は、政府系金融機関等による投資・融資、官民金連携支援、地域未来金融アクションプランの策定、企業価値担保権の活用促進の4つ(Bと同じ)。
原文 地域未来戦略 (p.22)
(2) 成長資金への対応
○課題
地域における投資増大、資金循環を促進する観点から、地場産業を含む地域の産業の育成に向けて、リスクマネーを含めた成長資金のニーズを踏まえながら、対応を検討することが必要である。
○対応方針
地域における政府系金融機関等による資金供給の強化とともに、地域金融機関の地域金融力強化に向けた取組を更に推進する。また、地域金融機関による地域ファンドの活用状況をモニタリングしながら、ファンド運用人材の育成等を促し、地域ファンドの機能強化を図る。
○主な施策例
✓政府系金融機関等による投資・融資
✓民間投資の誘発・創出に向けた官民金連携支援
✓地域未来金融アクションプランの策定
✓企業価値担保権の活用促進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
課題・対応方針・施策例は、地域産業クラスター計画(B)とほぼ同じです。違いは、課題の対象が「地域産業クラスターの形成」ではなく「地場産業を含む地域の産業の育成」になっていることです。
- 課題:地域での投資増大と資金循環のため、リスクマネーを含めた成長資金のニーズを踏まえて対応を検討する必要がある。
- 対応方針:政府系金融機関等による資金供給の強化、地域金融機関の地域金融力の強化、地域ファンドの機能強化(活用状況のモニタリング、運用人材の育成等)。
| 主な施策例 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 政府系金融機関等による投資・融資 | 国の関係する金融機関がお金を出す・貸す |
| 民間投資の誘発・創出に向けた官民金連携支援 | 自治体・企業・金融機関が組んで民間の投資を呼び込む |
| 地域未来金融アクションプランの策定 | 地域の金融に関する行動計画をつくる(中身は原文に記載なし) |
| 企業価値担保権の活用促進 | 事業全体の価値を担保にお金を借りやすくする |
地場産業は、町工場や農林漁業、旅館など、土地や建物の担保が少ない事業者も多い分野です。企業価値担保権のように「事業の将来性」を評価する仕組みは、地場産業にとっても意味があると読めます。リスクマネー(成功すれば大きく返ってくる出資のお金)が、大企業だけでなく地場産業にも届くようにすることが、この節のねらいです。
ポイント
- 地場産業を含む地域の産業の育成に向けて、リスクマネーを含めた成長資金のニーズを踏まえた対応が必要とされている。
- 政府系金融機関等の資金供給と地域金融機関の地域金融力を強化し、地域ファンドの機能強化を図る。
- 施策例は、政府系金融機関等による投資・融資、官民金連携支援、地域未来金融アクションプランの策定、企業価値担保権の活用促進の4つ(Bと同じ)。
10-3Cの支援(3) 環境整備支援 ― 観光・文化・食・脱炭素で地域全体を底上げ#
Q地場産業成長プランで、地域全体の環境整備にどんな支援がありますか?
答え:個別事業主体への支援のみでは地域の産業全体に効果が波及しない可能性があるため、地域の課題を把握したうえで、インフラ及び拠点整備等を含めた環境整備が必要不可欠。地域の課題の例として、新しい事業・産業の誘致や立ち上げ、地場産品の認知度向上、原材料の安定化、共同での販路開拓が挙げられている。地方公共団体の独自の取組等を地域未来交付金等において支援する。
原文 地域未来戦略 (p.22〜23)
(3) 環境整備支援
○課題
地場産業を含む地域の産業の育成においても、個別事業主体への支援のみでは地域の産業全体に効果が波及せず、地域経済としての成長には不十分となってしまう可能性があることから、新しい事業・産業の誘致や立ち上げ、地場産品の認知度向上、原材料の安定化、共同での販路開拓等、地域の課題を適切に把握した上で、地域の事情に合わせた、インフラ及び拠点整備等を含めた環境整備が必要不可欠である。
○対応方針
地方の暮らしの安定を実現し、地方公共団体による地場産業を含む地域の産業の形成・成長が真に地方の活力を最大化することにつながるように、地方公共団体の独自の取組等を地域未来交付金等において支援する。
○主な施策例
✓地域未来交付金、企業版ふるさと納税等を活用した、地域の事情に合わせたインフラを含めた環境整備
✓インバウンドを含む観光需要の取り込みによる地域での観光消費を拡大させるための取組等の支援
✓面的な歴史まちづくり、景観エリアリノベーション、国立公園等の高付加価値化による観光振興への支援
✓観光振興に資する、文化資源の保存・活用や博物館・劇場・音楽堂等の魅力向上の取組への支援
✓地域の食や食文化等をインバウンド・輸出の拡大につなげるための拠点の整備等の支援
✓地域主導での脱炭素化推進による地場産品の高付加価値化等に向けた設備投資や人材育成への支援

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
- 課題:個別の事業主体を支援するだけでは、効果が地域の産業全体に波及しないかもしれない。そこで、
- 新しい事業・産業の誘致や立ち上げ
- 地場産品の認知度向上
- 原材料の安定化
- 共同での販路開拓
といった地域の課題を適切に把握したうえで、インフラ及び拠点整備等を含めた環境整備が「必要不可欠」とされています。
- 対応方針:地方の暮らしの安定を実現し、地場産業を含む地域の産業の形成・成長が地方の活力を最大化することにつながるよう、自治体独自の取組等を地域未来交付金等で支援する。
Bの環境整備では「協調領域」という言葉でしたが、Cでは「認知度向上」「原材料の安定化」「共同での販路開拓」と、より地場産業の現場の悩みに近い言葉で課題が書かれています。たとえば、ある特産品の生産者が一軒ずつ都会の百貨店に営業に行くより、地域で共同ブランドを作って一緒に売り込む方が効果的、という場面です。
施策例は6つで、観光と文化が多いのがCの特徴です。
| 分野 | 主な施策例 |
|---|---|
| 地域の環境整備 | 地域未来交付金、企業版ふるさと納税等を活用した、地域の事情に合わせたインフラを含めた環境整備 |
| 観光消費 | インバウンドを含む観光需要の取り込みによる、地域での観光消費を拡大させるための取組等 |
| まちなみ・自然 | 面的な歴史まちづくり、景観エリアリノベーション、国立公園等の高付加価値化による観光振興 |
| 文化 | 文化資源の保存・活用や、博物館・劇場・音楽堂等の魅力向上の取組 |
| 食 | 地域の食や食文化等をインバウンド・輸出の拡大につなげるための拠点の整備等 |
| 脱炭素 | 地域主導での脱炭素化推進による地場産品の高付加価値化等に向けた設備投資や人材育成 |
最後の「脱炭素で地場産品の付加価値を高める」は、少し意外に感じるかもしれません。たとえば、地元の再生可能エネルギーで作った製品であることを示せれば、環境に配慮した商品を選びたいお客さんに選ばれやすくなる、という発想と読めます。
ポイント
- 個別事業主体への支援のみでは地域の産業全体に効果が波及しない可能性があるため、地域の課題を把握したうえで、インフラ及び拠点整備等を含めた環境整備が必要不可欠。
- 地域の課題の例として、新しい事業・産業の誘致や立ち上げ、地場産品の認知度向上、原材料の安定化、共同での販路開拓が挙げられている。
- 地方公共団体の独自の取組等を地域未来交付金等において支援する。
- 施策例には、観光消費の拡大、歴史まちづくり・景観エリアリノベーション・国立公園等の高付加価値化、文化資源や博物館等の魅力向上、食の拠点整備、地域主導の脱炭素化などが並ぶ。
よくある疑問
Q観光や文化の取組も「地場産業」の支援になるのですか?
地場産業成長プランの対象には観光業も含まれています。この節の施策例でも、観光消費の拡大、歴史まちづくりや国立公園等の高付加価値化、文化資源の保存・活用、博物館・劇場・音楽堂等の魅力向上が挙げられており、観光や文化を地域の産業の成長につなげる支援が位置付けられています。
10-4Cの支援(4) 規制・制度改革 ― 地域活性化のための特区活用#
Q地場産業で新しい事業を始めるとき、規制が壁になったらどうするのですか?
答え:地場産業を含む地域の産業で、新しい事業の立ち上げや新技術の開発に取り組む際、既存の規制・制度が障害になる場合がある。国家戦略特区制度等を活用し、地域活性化につながる規制・制度改革を加速化する。地域限定の特例措置化の提案や法制化が必要な大胆な提案を優先し、データ収集・調査・実証と一体的な財政・金融支援で特区制度の活用を後押しする。
原文 地域未来戦略 (p.23)
(4) 規制・制度改革
○課題
地場産業を含む地域の産業において、新しい事業の立ち上げや新技術の開発等に取り組もうとする際に、既存の規制・制度が障害になる場合がある。
○対応方針
国家戦略特区制度等を活用し、地域活性化につながる規制・制度改革を加速化する。地域特性を踏まえ地域を限定して実施することを目指す特例措置化に係る提案や大胆な改革を実現するために特例措置の法制化が必要な提案を優先的に取り扱うとともに、それらを含め、新たな規制・制度改革に必要なデータ等の収集や先進的な取組の調査・実証等と一体的な財政・金融支援等により、特区制度の活用を徹底して後押ししていく。
○主な施策例
✓国家戦略特区制度等を活用した規制・制度改革

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
- 課題:地場産業を含む地域の産業で、新しい事業の立ち上げや新技術の開発に取り組もうとするとき、既存の規制・制度が障害になる場合がある。
- 対応方針:国家戦略特区制度等を活用し、地域活性化につながる規制・制度改革を加速化する。
対応方針の後半は、A・Bと同じ文章です。地域を限定した特例措置化の提案や、法制化が必要な大胆な提案を優先的に取り扱い、データ収集・調査・実証と一体的な財政・金融支援で特区制度の活用を後押しします。
A・B・Cで、規制・制度改革の「目的」の書き方を比べると、計画の性格の違いがよくわかります。
| 類型 | 課題の対象 | 改革の目的 |
|---|---|---|
| A 戦略産業クラスター計画 | 17の戦略分野の技術の社会実装、クラスター形成 | 戦略的な投資促進や産業クラスターの形成等 |
| B 地域産業クラスター計画 | 新たな分野への参入、新技術の開発 | 産業クラスターの形成等 |
| C 地場産業成長プラン | 新しい事業の立ち上げ、新技術の開発 | 地域活性化 |
Cでは「地域活性化」が目的になっています。大きな産業クラスターでなくても、町の新しい事業のためにルールの見直しを提案できる、ということです。
ポイント
- 地場産業を含む地域の産業で、新しい事業の立ち上げや新技術の開発に取り組む際、既存の規制・制度が障害になる場合がある。
- 国家戦略特区制度等を活用し、地域活性化につながる規制・制度改革を加速化する。
- 地域限定の特例措置化の提案や法制化が必要な大胆な提案を優先し、データ収集・調査・実証と一体的な財政・金融支援で特区制度の活用を後押しする。
よくある疑問
Q市町村でも規制改革を提案できますか?
原文は、地域特性を踏まえ地域を限定して実施することを目指す特例措置化の提案を優先的に取り扱うとしています。提案の手続や提案できる主体は原文に書かれていないので、国家戦略特区制度を所管する内閣府の公表資料で確認してください。
10-5Cの支援(5) 産業人材育成 ― 地域一体の人材確保とコンテンツ人材#
Q地場産業成長プランでは、人材育成にどんな支援がありますか?
答え:地場産業を含む地域の産業の成長に当たり、高度な専門人材の需要増で需給のミスマッチが発生し得る。地域外人材の過度な活用は地域への裨益を減らすおそれがある。育成が必要な産業人材の需要を明確化し、中長期の計画的な人材育成及びリスキリングを進める。施策例は、地方大学・産業創生法の検討結果を踏まえた措置、地域一体となった人材確保・育成・定着の取組への支援、産業界が必要とするコンテンツ分野の人材育成への支援の3つ。
原文 地域未来戦略 (p.23〜24)
(5) 産業人材育成
○課題
地場産業を含む地域の産業の成長に当たり、当該地域において、これまでと異なる種類の高度な専門性を持った産業人材の需要が増加し、需給のミスマッチが発生し得る。地域の産業の成長を担う人材の不足が成長を阻害するだけでなく、地域外人材の過度な活用により地域への裨益が減少するおそれがある。
○対応方針
育成が必要となる産業人材の需要を明確化し、それを踏まえた中長期にわたる計画的な人材育成及びリスキリングを進める。
くわえて、地方大学・産業創生法の施行状況等を踏まえ、地域における若者の修学及び就業の促進に関する支援等の在り方について検討する。
○主な施策例
✓地方大学・産業創生法に基づく、施行状況等についての検討結果を踏まえた措置の推進
✓地域一体となった人材確保・育成・定着を行う取組への支援
✓産業界が必要とするコンテンツ分野の人材育成への支援

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
- 課題:地場産業を含む地域の産業の成長に当たり、これまでと異なる種類の高度な専門人材の需要が増え、需給のミスマッチが起こり得る。人材不足は成長を妨げ、地域外人材の過度な活用は地域への裨益(恩恵)を減らすおそれがある。
- 対応方針:人材の需要を明確にして、中長期の計画的な人材育成とリスキリングを進める。地方大学・産業創生法の施行状況等を踏まえ、若者の修学・就業を促す支援の在り方を検討する。
課題と対応方針はA・Bとほぼ同じですが、主語が「産業クラスターの形成」から「地場産業を含む地域の産業の成長」に変わっています。小さな町の地場産業でも、デジタル化や海外展開を進めれば、これまでいなかった専門人材が必要になる、という認識です。
施策例は3つです。
| 主な施策例 | A・Bとの関係 |
|---|---|
| 地方大学・産業創生法に基づく、施行状況等についての検討結果を踏まえた措置の推進 | A・Bと共通 |
| 地域一体となった人材確保・育成・定着を行う取組への支援 | Bと共通 |
| 産業界が必要とするコンテンツ分野の人材育成への支援 | Cで新たに登場 |
Cで加わった「コンテンツ分野」の人材育成は、アニメ、ゲーム、映像などの分野を想定していると読めます。戦略産業クラスター計画の支援策にも「アニメ等のコンテンツを核とした拠点」が出てきましたが、地場産業の側でも、コンテンツを作る人材を育てることが支援メニューに入っています。地元を舞台にした作品づくりや、地場産品のPR動画づくりなど、地場産業とコンテンツは相性のよい組み合わせです。
ポイント
- 地場産業を含む地域の産業の成長に当たり、高度な専門人材の需要増で需給のミスマッチが発生し得る。地域外人材の過度な活用は地域への裨益を減らすおそれがある。
- 育成が必要な産業人材の需要を明確化し、中長期の計画的な人材育成及びリスキリングを進める。
- 施策例は、地方大学・産業創生法の検討結果を踏まえた措置、地域一体となった人材確保・育成・定着の取組への支援、産業界が必要とするコンテンツ分野の人材育成への支援の3つ。
出典・参考資料
- 内閣官房「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)本文 p.21〜24: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf
- 地場産業成長プランの位置付け・要件は、本文 p.11〜13「C. 地場産業成長プラン」に書かれています。
- 支援施策の全体像は本文 p.15、戦略産業クラスター計画への支援策は本文 p.15〜18、地域産業クラスター計画への支援策は本文 p.18〜21 に書かれています。
- 地域基盤の再構築など「地域の産業クラスター・地場産業を支える仕組みづくり」は、本文 p.24 以降に書かれています。
出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。