第3章第2節 生活インフラ(交通・買物・インフラ・防災)

交通空白とは?地域公共交通・自動運転・インフラ老朽化対策|第2節 生活インフラ

人が減っていく地域でも、バスが走り、買物ができ、水道が使え、災害のときに守られる。第2節の前半「イ. 持続可能な生活インフラの実現」は、そんな暮らしの土台をどう守るかを書いた部分です。「交通空白」の解消、自動運転やドローン、地域くらしサービス拠点、インフラの老朽化対策、上下水道の広域連携、コンパクトなまちづくり、地域の防災力強化まで、施策とKPI(数値目標)・工程を原文と解説で読んでいきます。

原文の場所:第3章 第2節 イ p.31〜34国国土交通省都道府県市町村事業者住民消防団

このページの要点

  • 14-1第2節の目的は、人口が減っても人々が安心して暮らし続けられるよう、必要な生活機能を将来にわたって維持・改善すること。前半の「イ」は生活インフラ、後半の「ウ」は暮らしの満足感を扱う。
  • 14-2公共交通の維持の柱1は「交通空白」の解消。「取組方針2026」に基づき集中対策期間の先も見据えて取り組み、地域交通DX「COMmmmONS(コモンズ)」を推進する。
  • 14-3柱2は自動運転技術等を活用した新たなモビリティサービス。ドローン、デジタルライフラインの全国整備、小型無操縦者航空機の社会実装に向けた環境整備などを進める。
  • 14-4公共交通のKPIは、「交通空白」解消の目途が立っていない地区・地点数を2027年度に0にすること、モビリティ・ロードマップの先行的事業化地域10か所(2026年度)に施策を集中すること。
  • 14-5工程では、COMmmmONSの標準仕様の策定、運航管理システムのStep2拡大・Step3の検討、ドローン航路や自動運転サービス支援道の実装、2028年度以降の小型無操縦者航空機の商用運航に向けた環境整備などを進める。
  • 14-6買物環境の維持の柱は、将来を見据えた「地域くらしサービス拠点」の形成と、生活の維持に必要なサービス供給の持続性確保。
  • 14-7買物環境でも、ドローンや新たなモビリティサービスの施策が【再掲】として位置付けられている。
  • 14-8買物環境のKPIは、地域くらしサービス拠点の構想を作成した地方公共団体50団体(2030年度)、サービスの効率化を図る事業者50事業者(2028年度)。
  • 14-9工程では、地域くらしサービス拠点の構想づくりへの伴走支援とガイドラインの作成・普及、事業者への金融支援、事業継続コスト軽減支援の検討を進める。
  • 14-10インフラの維持では、分野横断型・広域型のPPP/PFIと「群マネ」で、広域連携・官民連携による老朽化対策を進める。
  • 14-11上下水道は、広域連携、施設の分散化、衛星データ等の活用で維持する。
  • 14-12まちづくりは、コンパクト・プラス・ネットワークの深化・発展と、連携中枢都市圏・定住自立圏などの広域連携で、住まい・都市機能・業務機能等を集約する。
  • 14-13インフラのKPIは、広域連携に取り組む水道760事業・下水道300事業、立地適正化計画の作成1,000都市(いずれも2030年度)など。
  • 14-14工程では、PPP/PFIの導入検討支援、群マネの推進、上下水道一体での検討、まちづくりの健康診断等による市町村支援、連携中枢都市圏の事例の横展開などを進める。
  • 14-15災害対応では、避難生活環境の抜本的改善や消防団員の確保を始め、緊急消防援助隊や消防団などの消防防災力を充実強化する。
  • 14-16あわせて、安心・安全、防災・減災・復興まちづくりを推進する。
  • 14-17防災のKPIは、地域未来交付金(地域防災緊急整備型)で整備した車両・資機材を活用した地方公共団体の割合100%、災害に強い市街地形成の対策の概成割合45%(いずれも2030年度)。
  • 14-18工程では、資機材の平時利活用と発災時活用、第1次国土強靱化実施中期計画に基づく消防防災力の強化、ハード・ソフト一体的な事前防災を進める。

14-1第2節の目的 ― 人口が減っても「暮らし続けられる」地域へ#

Q地域未来戦略の第2節「豊かな生活環境の実現」とは何ですか?

答え:第2節の目的は、人口が減少する中でも住む人々が安心して暮らし続けられるよう、必要な生活機能を将来にわたって維持・改善すること。前半「イ. 持続可能な生活インフラの実現」は、公共交通・買物環境・インフラ・災害対応の4分野。後半「ウ. 地域の暮らしの満足感向上」は、子育て・医療・介護・福祉とまちづくりを扱う。

原文 地域未来戦略 (p.31)

第2節 豊かな生活環境の実現に貢献する主な施策の推進

人口が減少する中でも、地域において、そこに住む人々が安心して暮らし続けられるようにするためには、必要な生活機能が将来にわたって維持・改善されていくことが重要である。

イ. 持続可能な生活インフラの実現

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

第1節が「強い地域経済」(稼ぐ力)の話だったのに対し、第2節は「豊かな生活環境」(暮らしやすさ)の話です。

原文の冒頭の一文がこの節の目的です。ポイントは次の3つです。

  • 人口が減少する中でも:人が減ることを前提にしている
  • 安心して暮らし続けられる:今だけでなく、これからも住み続けられる
  • 必要な生活機能が将来にわたって維持・改善:交通、買物、水道、医療、福祉などの機能を守り、さらに良くする

第2章の目標に「47都道府県のどこに住んでいても、安全に生活でき、必要な医療・福祉を受けられる」とありました。第2節は、その目標を具体的な施策に落とし込んだ部分だと考えるとわかりやすいでしょう。

第2節は大きく2つに分かれています。

区分 見出し 中身
イ 持続可能な生活インフラの実現 i 公共交通、j 買物環境、k インフラ、l 災害対応(このページ)
ウ 地域の暮らしの満足感向上 m 子育て・医療・介護・福祉、n 持続可能なまちづくり(次のページ)

道路や水道、バスなど「なくなったら暮らせなくなるもの」を守るのが「イ」、子育てや医療・介護など「この町に住んでよかった」と思えるようにするのが「ウ」です。

ポイント

  • 第2節の目的は、人口が減少する中でも住む人々が安心して暮らし続けられるよう、必要な生活機能を将来にわたって維持・改善すること。
  • 前半「イ. 持続可能な生活インフラの実現」は、公共交通・買物環境・インフラ・災害対応の4分野。
  • 後半「ウ. 地域の暮らしの満足感向上」は、子育て・医療・介護・福祉とまちづくりを扱う。

よくある疑問

Q第1節の産業クラスターと第2節の生活環境は、どう関係していますか?

A

第2章の基本的方向では、強い地域経済をつくる好循環を「豊かな生活環境」などで下支えするとされています。働く場所があっても、交通や買物、医療が成り立たなければ人は住み続けられません。稼ぐ力(第1節)と暮らしの土台(第2節)は車の両輪の関係です。

14-2「交通空白」の解消と地域交通DX「COMmmmONS」#

Q交通空白とは何ですか?国はどう解消しようとしていますか?

答え:公共交通の維持の柱1は、「交通空白」の解消と持続可能な地域公共交通の実現。「取組方針2026」(国土交通省「交通空白」解消本部決定、令和8年6月10日)に基づき、集中対策期間の先も見据えて取り組む。地域交通DX「COMmmmONS(コモンズ)」を推進する。

原文 地域未来戦略 (p.31)

i.公共交通の維持

(1) 「交通空白」の解消と持続可能な地域公共交通の実現

①「取組方針 2026」注22に基づき、集中対策期間の先も見据えた取組の推進

②地域交通 DX「COMmmmONS(コモンズ)」の推進

脚注

注22「「交通空白」解消に向けた取組方針 2026」(国土交通省「交通空白」解消本部決定(令和8年6月 10 日))。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

「交通空白」とは、バスや鉄道、タクシーなどの移動手段がなく、住民や観光客が移動したくても移動できない地域や場所のことです。たとえば、路線バスが廃止されて病院や買物に行けない集落や、駅から観光地までの足がない観光地などが当てはまります。

施策は2つです。

  1. 「取組方針2026」に基づく取組 注22にあるとおり、「取組方針2026」は国土交通省の「交通空白」解消本部が令和8年6月10日に決定した「「交通空白」解消に向けた取組方針2026」のことです。原文は「集中対策期間の先も見据えた」と書いています。一時的に穴を埋めるだけでなく、その後も続く仕組みをつくるという意味です。

  2. 地域交通DX「COMmmmONS(コモンズ)」の推進 DXはデジタル技術で仕組みを変えることです。バスの予約や配車、運行データの共有などをデジタルでつなぎ、少ない人手と費用で地域交通を回せるようにする取組だと考えるとイメージしやすいでしょう。具体的な中身は国土交通省の公表資料で確認してください。

高校生にとっても身近な話です。部活や塾の帰りにバスがない、免許を取るまで家族の送り迎えが頼り……。「交通空白」の解消は、運転できない人の自由を守る政策でもあります。

ポイント

  • 公共交通の維持の柱1は、「交通空白」の解消と持続可能な地域公共交通の実現。
  • 「取組方針2026」(国土交通省「交通空白」解消本部決定、令和8年6月10日)に基づき、集中対策期間の先も見据えて取り組む。
  • 地域交通DX「COMmmmONS(コモンズ)」を推進する。

よくある疑問

Q「交通空白」は田舎だけの問題ですか?

A

KPIでは「地域の足・観光の足」と2種類が示されています。住民の日常の移動(地域の足)だけでなく、観光客の移動(観光の足)も対象です。どの地区・地点が該当するかは、国土交通省の公表資料で確認してください。

14-3自動運転・ドローン・デジタルライフライン ― 新たなモビリティサービス#

Q自動運転やドローンを地域の交通にどう活用するのですか?

答え:自動運転技術等を活用した新たなモビリティサービスの社会実装を目指す。施策は①ドローンを活用した新たなサービスの導入 ②デジタルライフラインの全国整備 ③新たなモビリティサービスの社会実装 ④小型無操縦者航空機の社会実装に向けた環境整備。この施策の一部は、買物環境の維持(j)でも【再掲】されている。

原文 地域未来戦略 (p.31)

(2) 自動運転技術等を活用した新たなモビリティサービスの社会実装の実現

①ドローンを活用した新たなサービスの導入

②デジタルライフラインの全国整備

③新たなモビリティサービスの社会実装の実現

④小型無操縦者航空機の社会実装に向けた環境整備

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

運転手が足りない、利用者が少なくて採算がとれない。そんな地域では、人が運転するバスだけで交通を守るのは難しくなっています。そこで期待されているのが、自動運転技術等を活用した新たなモビリティサービスです。モビリティとは「移動の手段・仕組み」のことです。

原文の4つの施策を整理すると次のとおりです。

施策 かんたんに言うと
①ドローンを活用した新たなサービスの導入 空から荷物を運ぶなど、ドローンを生活サービスに使う
②デジタルライフラインの全国整備 自動運転やドローンが走る・飛ぶための「デジタルの道」を全国に整える
③新たなモビリティサービスの社会実装の実現 自動運転バスなどを実験で終わらせず、実際の暮らしで使えるようにする
④小型無操縦者航空機の社会実装に向けた環境整備 人が乗らない小型の航空機で貨物を運べるように、ルールや環境を整える

デジタルライフラインとは、電気・水道のような「ライフライン(生命線)」のデジタル版、というイメージの言葉です。工程(14-5)には、具体例として「ドローン航路」や「自動運転サービス支援道」が出てきます。

「社会実装」は、技術を研究や実証実験の段階から、社会の中で実際に使われる状態にすることです。

ポイント

  • 自動運転技術等を活用した新たなモビリティサービスの社会実装を目指す。
  • 施策は①ドローンを活用した新たなサービスの導入 ②デジタルライフラインの全国整備 ③新たなモビリティサービスの社会実装 ④小型無操縦者航空機の社会実装に向けた環境整備。
  • この施策の一部は、買物環境の維持(j)でも【再掲】されている。

よくある疑問

Qデジタルライフラインとは何ですか?

A

原文には定義はありませんが、工程では「ドローン航路や自動運転サービス支援道の実装」がデジタルライフラインの整備促進の取組として挙げられています。自動運転車やドローンが安全に動けるよう、通信やデータ、専用の道筋などを整えるインフラだと考えるとよいでしょう。

14-4公共交通のKPI ― 「交通空白」を2027年度に0へ#

Q交通空白の解消にはどんな数値目標がありますか?

答え:「交通空白」解消の目途が立っていない地区・地点数(地域の足・観光の足)を2027年度に0にする。モビリティ・ロードマップの先行的事業化地域を10か所選定し、2026年度に施策を集中する。

原文 地域未来戦略 (p.31)

[KPI]

・「交通空白」解消の目途が立っていない地区・地点数(地域の足・観光の足):0地区・地点(2027 年度)

・モビリティ・ロードマップ注23の先行的事業化地域を選定し、施策を集中:

10 か所(2026 年度)

脚注

注23「モビリティ・ロードマップ 2025」(デジタル社会推進会議決定(令和7年6月 13 日))。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

公共交通の維持には、2つのKPI(数値目標)があります。

指標 目標値 年度
「交通空白」解消の目途が立っていない地区・地点数(地域の足・観光の足) 0地区・地点 2027年度
モビリティ・ロードマップの先行的事業化地域を選定し、施策を集中 10か所 2026年度

1つ目は「交通空白を0にする」ではなく、「解消の目途が立っていない地区・地点を0にする」という書き方です。2027年度までに、すべての交通空白について「いつ、どうやって解消するか」の見通しを立てる、という目標だと読めます。

2つ目のモビリティ・ロードマップは、注23にあるとおり「モビリティ・ロードマップ2025」(デジタル社会推進会議決定、令和7年6月13日)のことです。その「先行的事業化地域」、つまり新しいモビリティサービスを先頭を切って事業として成り立たせる地域を10か所選び、施策を集中させます。工程によると、この地域は2026年3月に選定されています。

ポイント

  • 「交通空白」解消の目途が立っていない地区・地点数(地域の足・観光の足)を2027年度に0にする。
  • モビリティ・ロードマップの先行的事業化地域を10か所選定し、2026年度に施策を集中する。

よくある疑問

Q先行的事業化地域はどこですか?

A

原文には具体的な地域名は書かれていません。工程に「2026年3月に選定した先行的事業化地域」とあるので、詳細は所管府省庁の公表資料で確認してください。

14-5公共交通の工程 ― 標準仕様・運航管理・商用運航へ#

Q自動運転やドローンの社会実装はいつごろ進むのですか?

答え:「取組方針2026」に基づき「交通空白」解消の取組等を深化・加速化し、地域や個人の機会損失等を防ぐ。「COMmmmONS」の標準仕様を策定し、2027年度以降は社会実装と自動運転社会実現に向けた環境整備に寄与する。小型無操縦者航空機は2026〜2027年度に有償実証飛行、2028年度以降の商用運航に必要な環境整備を行う。

原文 地域未来戦略 (p.31)

[工程]

・「取組方針 2026」に基づき、「交通空白」解消の取組等を深化・加速化し、集中対策期間の先も見据え、地域や個人の機会損失等を防ぎ成長力を発揮。

・地域交通の DX 推進に向け、「COMmmmONS」の標準仕様の策定等を行い、2027年度以降は社会実装、自動運転社会実現に向けた環境整備に寄与する。

・無人航空機の利用促進に向け、運航管理システム注24のStep2の拡大及びStep3の実現に係る検討を進め、2027 年度以降も必要な制度整備を進める。

・デジタルライフラインの整備促進に向け、引き続き、ドローン航路や自動運転サービス支援道の実装に向けた取組を行う。

・モビリティ・ロードマップを踏まえ 2026 年3月に選定した先行的事業化地域に対して、2026 年度から施策の集中及び検証を進める。

・小型無操縦者航空機の貨物輸送実現に向け 2026~2027 年度の開発機による有償実証飛行、2028 年度以降の商用運航に必要な環境整備を行う。

脚注

注24無人航空機同士並びに無人航空機及び有人機の近接や衝突を防止するため、無人航空機の運航を適切に管理するためのシステム。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

工程は「いつまでに、何をするか」の予定表です。6つの項目を年表風に整理します。

分野 2026年度ごろ 2027年度以降
「交通空白」 取組方針2026に基づき取組を深化・加速化 集中対策期間の先も見据える
地域交通DX 「COMmmmONS」の標準仕様の策定等 社会実装、自動運転社会実現に向けた環境整備に寄与
無人航空機 運航管理システムのStep2の拡大、Step3の実現に係る検討 必要な制度整備を進める
デジタルライフライン ドローン航路・自動運転サービス支援道の実装に向けた取組を継続 (引き続き)
先行的事業化地域 2026年3月に選定、2026年度から施策の集中及び検証 ―
小型無操縦者航空機 2026〜2027年度に開発機による有償実証飛行 2028年度以降の商用運航に必要な環境整備

運航管理システムとは、注24にあるとおり、無人航空機(ドローン)同士や、ドローンと人が乗る飛行機がぶつかったり近づきすぎたりしないよう、運航を管理するシステムです。空の「交通整理」の仕組みで、Step2、Step3と段階を追って広げていく計画になっています。

「交通空白」の工程にある「地域や個人の機会損失等を防ぎ成長力を発揮」という言葉にも注目してください。移動できないことで、通院や通学、仕事、観光のチャンスが失われる。それを防ぐことが地域の成長力にもつながる、という考え方です。

ポイント

  • 「取組方針2026」に基づき「交通空白」解消の取組等を深化・加速化し、地域や個人の機会損失等を防ぐ。
  • 「COMmmmONS」の標準仕様を策定し、2027年度以降は社会実装と自動運転社会実現に向けた環境整備に寄与する。
  • 小型無操縦者航空機は2026〜2027年度に有償実証飛行、2028年度以降の商用運航に必要な環境整備を行う。
  • ドローンの運航管理システムはStep2の拡大とStep3の実現を検討し、2027年度以降も制度整備を進める。

よくある疑問

Q「有償実証飛行」とは何ですか?

A

お金を受け取って実際に貨物を運びながら行う実証実験のことと読めます。無料の試験飛行より一歩進んで、事業として成り立つかを確かめる段階です。その後、2028年度以降に本格的な商用運航を目指す流れになっています。

14-6買物環境の維持 ― 地域くらしサービス拠点をつくる#

Q地域くらしサービス拠点とは何ですか?

答え:買物環境の維持の柱1は、将来を見据えた地域のサービス拠点づくり等。施策は①地域くらしサービス拠点の形成 ②生活の維持に必要なサービス供給の持続性確保。

原文 地域未来戦略 (p.32)

j.買物環境の維持

(1) 将来を見据えた地域のサービス拠点づくり等

①地域くらしサービス拠点の形成

②生活の維持に必要なサービス供給の持続性確保

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

近所のスーパーが閉店し、車がないと食料品も買えない。人口が減る地域では、こうした「買物環境」の問題が深刻になっています。

原文はその対策として、2つの施策を挙げています。

  1. 地域くらしサービス拠点の形成 買物をはじめ、暮らしに必要なサービスを一か所にまとめて提供する拠点、というイメージです。一つ一つのお店やサービスが単独で続けるのが難しくても、拠点にまとめれば続けやすくなります。

  2. 生活の維持に必要なサービス供給の持続性確保 お店などのサービスを提供する側が、これからも事業を続けられるようにすることです。KPI(14-8)では「合理化、多角化、広域化等」が手段として挙げられています。

見出しの「将来を見据えた」という言葉が大切です。今あるお店をなんとか残すだけでなく、10年後、20年後の人口を考えて、どこに、どんな形でサービスを集めるかを計画的に考える、という姿勢です。

ポイント

  • 買物環境の維持の柱1は、将来を見据えた地域のサービス拠点づくり等。
  • 施策は①地域くらしサービス拠点の形成 ②生活の維持に必要なサービス供給の持続性確保。

よくある疑問

Q地域くらしサービス拠点には何が入るのですか?

A

原文には拠点の具体的な中身は書かれていません。工程では、地方公共団体の構想づくりへの伴走支援とガイドラインの作成・普及が予定されています。詳細は所管府省庁の公表資料で確認してください。

14-7買物にもドローン・新たなモビリティ【再掲】#

Q買物が不便な地域で、ドローンや自動運転はどう役立つのですか?

答え:買物環境の維持でも、自動運転技術等を活用した新たなモビリティサービスの社会実装を進める。ドローンを活用した新たなサービスの導入と、新たなモビリティサービスの社会実装の実現が【再掲】されている。

原文 地域未来戦略 (p.32)

(2) 自動運転技術等を活用した新たなモビリティサービスの社会実装の実現

①ドローンを活用した新たなサービスの導入【再掲】

②新たなモビリティサービスの社会実装の実現【再掲】

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

ここは、公共交通(i)の(2)にあった施策のうち2つが、【再掲】(もう一度掲載)として買物環境にも位置付けられている部分です。

  • ①ドローンを活用した新たなサービスの導入【再掲】
  • ②新たなモビリティサービスの社会実装の実現【再掲】

同じ施策が2か所に出てくるのは、一つの技術が複数の課題を解決できるからです。自動運転の車やドローンは、人を運ぶ「交通」の道具であると同時に、商品を届ける「買物」の道具にもなります。

たとえば、お店まで行けない人のために商品を運ぶ、移動販売の車を少ない人手で走らせる、といった使い方が考えられます。「人が店に行く」だけでなく「モノが人のところに来る」仕組みも、買物環境を守る方法の一つです。

ポイント

  • 買物環境の維持でも、自動運転技術等を活用した新たなモビリティサービスの社会実装を進める。
  • ドローンを活用した新たなサービスの導入と、新たなモビリティサービスの社会実装の実現が【再掲】されている。

14-8買物環境のKPI ― 構想50団体・事業者50#

Q地域くらしサービス拠点にはどんな数値目標がありますか?

答え:「地域くらしサービス拠点」整備の構想を作成した地方公共団体を2030年度に50団体にする。合理化、多角化、広域化等で生活維持に必要なサービスの効率化を図る事業者を2028年度に50事業者にする。

原文 地域未来戦略 (p.32)

[KPI]

・「地域くらしサービス拠点」整備の構想が作成された地方公共団体数:50団体(2030 年度)

・合理化、多角化、広域化等により、生活維持に必要なサービスの効率化を図る事業者数:50 事業者(2028 年度)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

買物環境の維持のKPIは次の2つです。

指標 目標値 年度
「地域くらしサービス拠点」整備の構想が作成された地方公共団体数 50団体 2030年度
合理化、多角化、広域化等により、生活維持に必要なサービスの効率化を図る事業者数 50事業者 2028年度

1つ目は、拠点を「整備した数」ではなく、整備の「構想が作成された」数です。まずは各地域で「どこに、どんな拠点をつくるか」を考える段階から始める、という目標設定です。

2つ目の3つの言葉を言いかえると、次のようになります。

  • 合理化:むだを減らして効率よく運営する
  • 多角化:一つの店で、買物以外のサービスも一緒に提供する
  • 広域化:一つの町だけでなく、広い範囲をまとめてカバーする

ポイント

  • 「地域くらしサービス拠点」整備の構想を作成した地方公共団体を2030年度に50団体にする。
  • 合理化、多角化、広域化等で生活維持に必要なサービスの効率化を図る事業者を2028年度に50事業者にする。

14-9買物環境の工程 ― 伴走支援・ガイドライン・金融支援#

Q地域くらしサービス拠点づくりを国はどう支援しますか?

答え:2026年度以降、地域くらしサービス拠点の構想づくりへの伴走支援とガイドラインの作成・普及を進める。法律に基づく事業者への金融支援を講じ、事業継続コスト軽減支援を検討する。無人航空機の運航管理システムと先行的事業化地域の工程が【再掲】されている。

原文 地域未来戦略 (p.32)

[工程]

・地域くらしサービス拠点推進事業について、2026 年度以降、構想づくりへの伴走支援及びガイドライン作成・普及を進める。

・法律に基づく事業者への金融支援を講ずるとともに、事業継続コスト軽減支援を検討する。

・無人航空機の利用促進に向け、運航管理システムのStep2の拡大及びStep3の実現に係る検討等を進め、2027 年度以降も必要な制度整備を進める。【再掲】

・モビリティ・ロードマップを踏まえ 2026 年3月に選定した先行的事業化地域に対して、2026 年度から施策の集中及び検証を進める。【再掲】

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

買物環境の工程は4つです(後半2つは公共交通の工程の【再掲】)。

工程 内容
地域くらしサービス拠点推進事業 2026年度以降、構想づくりへの伴走支援とガイドラインの作成・普及
事業者への支援 法律に基づく金融支援、事業継続コスト軽減支援の検討
無人航空機【再掲】 運航管理システムのStep2拡大・Step3の検討、2027年度以降も制度整備
先行的事業化地域【再掲】 2026年度から施策の集中及び検証

伴走支援とは、国がお金を出すだけでなく、地方公共団体と一緒に走るように、構想づくりの相談や助言を続ける支援のことです。

事業者への支援は「法律に基づく金融支援」と書かれていますが、どの法律かは原文に書かれていません。詳細は所管府省庁の公表資料で確認してください。

なお、整形した原文の最後の行の末尾に「k.インフラの維持」という見出しがつながっています。これはPDFのレイアウト上、前の行とくっついて抽出されたもので、次の節(14-10)からが「k.インフラの維持」の中身です。

ポイント

  • 2026年度以降、地域くらしサービス拠点の構想づくりへの伴走支援とガイドラインの作成・普及を進める。
  • 法律に基づく事業者への金融支援を講じ、事業継続コスト軽減支援を検討する。
  • 無人航空機の運航管理システムと先行的事業化地域の工程が【再掲】されている。

14-10インフラ老朽化対策 ― 広域型PPP/PFIと「群マネ」#

Qインフラ老朽化対策で「群マネ」とは何ですか?

答え:インフラ老朽化対策は、広域連携と官民連携で進める。施策は①分野横断型・広域型PPP/PFI事業の推進 ②群マネ(地域インフラ群再生戦略マネジメント)による老朽化対策。

原文 地域未来戦略 (p.32)

k.インフラの維持

(1) 広域連携、官民連携でのインフラ老朽化対策

①分野横断型・広域型 PPP/PFI 事業の推進

②群マネ注25によるインフラの老朽化対策

脚注

注25地域インフラ群再生戦略マネジメントの略。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

道路、橋、トンネル、水道管、公共施設……。日本のインフラの多くは高度経済成長期に一斉に造られ、老朽化(古くなること)が進んでいます。一方で、人口が減って税収も職員も減っていきます。一つの市町村だけで、すべてを直し続けるのは大変です。

そこで原文は、「広域連携」(近くの自治体と力を合わせる)と「官民連携」(役所と民間企業が協力する)の2つで対策するとしています。

①分野横断型・広域型PPP/PFI事業 PPPは「官民連携」、PFIは「民間の資金やノウハウを使って公共施設を整備・運営する方法」のことです。「分野横断型」は道路・公園・施設など分野をまとめて、「広域型」は複数の自治体をまとめて、民間に任せるイメージです。まとめることで、民間企業にとっても仕事の規模が大きくなり、効率よく管理できます。

②群マネによるインフラの老朽化対策 注25にあるとおり、群マネは「地域インフラ群再生戦略マネジメント」の略です。工程(14-14)では「広域・多分野のインフラを群として捉え、効率的・効果的にマネジメントする」と説明されています。橋1本ずつではなく、地域のインフラを「群(グループ)」として見て、どれを優先して直すかを考える方法です。

ポイント

  • インフラ老朽化対策は、広域連携と官民連携で進める。
  • 施策は①分野横断型・広域型PPP/PFI事業の推進 ②群マネ(地域インフラ群再生戦略マネジメント)による老朽化対策。

よくある疑問

Q群マネを使うと何が変わるのですか?

A

原文の工程では、広域・多分野のインフラを群として捉えて効率的・効果的にマネジメントし、持続可能なインフラメンテナンスを実現するとされています。自治体ごと・分野ごとにバラバラに管理するより、まとめて計画的に点検・修繕できるようになることが期待されます。

14-11上下水道の広域連携・施設の分散化・衛星データ#

Q上下水道の広域連携とは何ですか?

答え:上下水道は、広域連携、施設の分散化、衛星データ等の活用で維持する。KPIでは、広域連携に取り組む水道事業数・下水道事業数の目標が示されている(14-13)。

原文 地域未来戦略 (p.32)

(2) 上下水道の広域連携、施設の分散化と衛星データ等の活用

①上下水道の広域連携、施設の分散化と衛星データ等の活用

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

水道と下水道は、蛇口をひねれば水が出て、トイレの水が流れる、暮らしに欠かせないインフラです。しかし、利用者が減ると料金収入が減り、古い管を取り替える費用をまかなうのが難しくなります。

この節の見出しには、3つの対策が並んでいます。

対策 意味
上下水道の広域連携 複数の市町村の水道事業・下水道事業が協力したり一緒に運営したりして、人やお金を効率よく使う
施設の分散化 大きな施設と長い管で遠くまでつなぐのではなく、地域に合った小さな施設を分けて置く考え方
衛星データ等の活用 人工衛星から得られるデータなどを使って、点検や管理を効率化する

「広域化」(まとめる)と「分散化」(分ける)が同時に書かれているのが面白いところです。運営はまとめて効率化し、施設は地域の実情に合わせて分ける、という組み合わせだと読めます。

ポイント

  • 上下水道は、広域連携、施設の分散化、衛星データ等の活用で維持する。
  • KPIでは、広域連携に取り組む水道事業数・下水道事業数の目標が示されている(14-13)。

14-12コンパクト・プラス・ネットワークと連携中枢都市圏#

Qコンパクト・プラス・ネットワークとは何ですか?

答え:広域的な視点で住まい・都市機能・業務機能等を集約したまちづくりを進める。人口減少を踏まえたコンパクト・プラス・ネットワークの深化・発展で、都市の持続性の確保や地域の稼ぐ力の強化を図る。連携中枢都市圏・定住自立圏を始めとした広域連携を推進する。

原文 地域未来戦略 (p.32)

(3) 広域的な視点で住まい・都市機能・業務機能等を集約したまちづくり

①人口減少を踏まえたコンパクト・プラス・ネットワークの深化・発展による都市の持続性の確保や地域の稼ぐ力の強化

②連携中枢都市圏注26・定住自立圏を始めとした広域連携の推進

脚注

注26地方圏において、原則として、昼夜間人口比率おおむね1以上の指定都市・中核市と、社会的、経済的に一体性を有する近隣市町村とが連携し、経済成長のけん引等に取り組む圏域。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

人口が減ると、町の中に空き家や空き地が点々と増え、バスやお店、病院が成り立たなくなります。そこで、住まいや病院、お店などの都市機能をある程度まとめる(コンパクト)と同時に、まとまった拠点どうしを公共交通などでつなぐ(ネットワーク)考え方が「コンパクト・プラス・ネットワーク」です。

原文の施策は2つです。

①コンパクト・プラス・ネットワークの深化・発展 目的は「都市の持続性の確保」と「地域の稼ぐ力の強化」です。まちをまとめることは、暮らしの便利さだけでなく、地域経済の強さにもつながると位置付けられています。

②連携中枢都市圏・定住自立圏を始めとした広域連携 注26によると、連携中枢都市圏は、地方圏で、昼夜間人口比率がおおむね1以上の指定都市・中核市と、社会的・経済的に一体性がある近隣の市町村が連携し、経済成長のけん引等に取り組む圏域です。中心となる大きな市と周りの町が「チーム」を組むイメージです。定住自立圏も、広域連携の仕組みの一つとして並べられています。

見出しの「広域的な視点で」が大事です。一つの市町村の中だけでまとめるのではなく、市町村の境界を越えて、住まい・都市機能・業務機能の配置を考えるということです。

ポイント

  • 広域的な視点で住まい・都市機能・業務機能等を集約したまちづくりを進める。
  • 人口減少を踏まえたコンパクト・プラス・ネットワークの深化・発展で、都市の持続性の確保や地域の稼ぐ力の強化を図る。
  • 連携中枢都市圏・定住自立圏を始めとした広域連携を推進する。

よくある疑問

Q「まちをまとめる」と、郊外に住む人は引っ越さなければいけないのですか?

A

原文には、住民に移転を求めるとは書かれていません。KPI(14-13)では「居住誘導区域内人口割合が維持・増加している市町村の割合」が指標になっており、時間をかけて居住を誘導していく考え方です。具体的な運用は各市町村の立地適正化計画などで確認してください。

14-13インフラ・まちづくりのKPI ― 水道760事業・立地適正化計画1,000都市#

Q上下水道の広域連携や立地適正化計画の目標値はいくつですか?

答え:広域連携に取り組むこととした水道事業を760事業、下水道事業を300事業にする(2030年度)。立地適正化計画を作成した都市を1,000都市、作成済み都市に居住する人口割合を75%にする(2030年度)。居住誘導区域内人口割合が維持・増加している市町村の割合を毎年度66.6%以上にする。

原文 地域未来戦略 (p.33)

[KPI]

・広域連携に取り組むこととした水道事業数:760 事業(2030 年度)

・広域連携に取り組むこととした下水道事業数:300 事業(2030 年度)

・立地適正化計画に関する指標

立地適正化計画を作成した都市数:1,000 都市(2030 年度)

立地適正化計画作成済み都市に居住する人口割合:75%(2030 年度)居住誘導区域内人口割合が維持・増加している市町村の割合:66.6%以上(毎年度)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

インフラの維持のKPIは、上下水道と立地適正化計画の2つのグループに分かれています。

指標 目標値 年度
広域連携に取り組むこととした水道事業数 760事業 2030年度
広域連携に取り組むこととした下水道事業数 300事業 2030年度
立地適正化計画を作成した都市数 1,000都市 2030年度
立地適正化計画作成済み都市に居住する人口割合 75% 2030年度
居住誘導区域内人口割合が維持・増加している市町村の割合 66.6%以上 毎年度

立地適正化計画とは、市町村が「住む場所」や「病院・お店などを集める場所」を定めて、コンパクトなまちづくりを進めるための計画です。その中で、人に住んでもらいたい区域が「居住誘導区域」です。

3つ目〜5つ目は、①計画を作った都市の数、②その都市に住む人の割合、③計画どおり居住誘導区域に人が集まっているか、と段階を追って効果を確かめるつくりになっています。とくに最後の指標は「毎年度」です。計画を作って終わりではなく、毎年、実際に人の住む場所がどう変わったかをチェックします。

ポイント

  • 広域連携に取り組むこととした水道事業を760事業、下水道事業を300事業にする(2030年度)。
  • 立地適正化計画を作成した都市を1,000都市、作成済み都市に居住する人口割合を75%にする(2030年度)。
  • 居住誘導区域内人口割合が維持・増加している市町村の割合を毎年度66.6%以上にする。

14-14インフラ・まちづくりの工程 ― PPP/PFI支援・群マネ・まちづくりの健康診断#

Qインフラ老朽化対策やコンパクトなまちづくりを国はどう支援しますか?

答え:PPP/PFIの導入検討支援や広域型地域プラットフォームへの支援を進め、2027年度以降は支援の見直しを行う。群マネを推進し、持続可能なインフラメンテナンスを実現する。上下水道の広域連携の計画に基づく取組を支援し、上下水道一体での検討を促進する。

原文 地域未来戦略 (p.33)

[工程]

・引き続き公共施設等運営事業等の導入検討支援や広域型地域プラットフォームへの支援等を推進し、2027 年度以降はこれら支援の見直しを行う。

・広域・多分野のインフラを群として捉え、効率的・効果的にマネジメントする群マネを推進し、持続可能なインフラメンテナンスを実現する。

・上下水道の広域連携の計画に基づく取組の支援や上下水道一体での検討を促進し、進捗や施策効果を踏まえ広域連携の推進に取り組む。

・コンパクト・プラス・ネットワークの推進に向け、まちづくりの健康診断等による市町村への支援、市町村域を越えた連携体制の構築を行う。

・連携中枢都市圏構想の推進に向けて事例の横展開等を進め、2027 年度に各圏域の取組を充実させ、2028 年度以降は進捗等を踏まえて取り組む。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

工程は5つです。

分野 工程の内容
PPP/PFI 公共施設等運営事業等の導入検討支援、広域型地域プラットフォームへの支援。2027年度以降は支援の見直し
群マネ 広域・多分野のインフラを群として捉えてマネジメントし、持続可能なインフラメンテナンスを実現
上下水道 広域連携の計画に基づく取組の支援、上下水道一体での検討の促進
コンパクト・プラス・ネットワーク まちづくりの健康診断等による市町村への支援、市町村域を越えた連携体制の構築
連携中枢都市圏 事例の横展開。2027年度に各圏域の取組を充実させ、2028年度以降は進捗等を踏まえて取り組む

「まちづくりの健康診断」という言葉がわかりやすいですね。人が健康診断で体の状態を調べるように、まちの状態をデータなどで調べて、どこに課題があるかを見つけて支援する、というイメージです。

「事例の横展開」は、うまくいった地域のやり方を、ほかの地域にも広げることです。

なお、整形した原文の最後の行の末尾に「l.災害対応の強化の促進」という見出しがつながっています。PDFのレイアウト上くっついて抽出されたもので、次の節(14-15)からが災害対応の中身です。

ポイント

  • PPP/PFIの導入検討支援や広域型地域プラットフォームへの支援を進め、2027年度以降は支援の見直しを行う。
  • 群マネを推進し、持続可能なインフラメンテナンスを実現する。
  • 上下水道の広域連携の計画に基づく取組を支援し、上下水道一体での検討を促進する。
  • まちづくりの健康診断等で市町村を支援し、連携中枢都市圏は事例の横展開を進める。

14-15地域の防災力強化 ― 避難生活環境の改善と消防団員の確保#

Q避難生活環境の抜本的改善とは何ですか?

答え:避難生活環境の抜本的改善や消防団員の確保を始めとした地域の防災力強化を進める。緊急消防援助隊や消防団を始めとした消防防災力を充実強化する。

原文 地域未来戦略 (p.33)

l.災害対応の強化の促進

(1) 避難生活環境の抜本的改善や消防団員の確保を始めとした地域の防災力強化

①避難生活環境の抜本的改善を始めとした地域の防災力強化

②緊急消防援助隊や消防団を始めとした消防防災力の充実強化

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

「l.災害対応の強化の促進」の一つ目の柱は、地域の防災力強化です。

①避難生活環境の抜本的改善を始めとした地域の防災力強化 大きな災害のあと、体育館などの避難所で長く暮らすことになると、寒さや暑さ、トイレ、食事、プライバシーの問題で体調を崩す人が出ます。「抜本的改善」とは、少し良くするのではなく、根本から大きく改善するという意味です。

②緊急消防援助隊や消防団を始めとした消防防災力の充実強化

  • 緊急消防援助隊:大きな災害のときに、全国の消防本部から被災地に駆けつける部隊
  • 消防団:ふだんは別の仕事をしている地域の住民が、火事や災害のときに活動する組織

見出しに「消防団員の確保」と書かれているのは、人口減少の中で、地域の防災を担う人を確保することが課題になっているからだと読めます。

ポイント

  • 避難生活環境の抜本的改善や消防団員の確保を始めとした地域の防災力強化を進める。
  • 緊急消防援助隊や消防団を始めとした消防防災力を充実強化する。

よくある疑問

Q高校生でも消防団に入れますか?

A

原文には入団条件は書かれていません。消防団の入団条件は市町村ごとに定められているので、お住まいの市町村や消防本部の情報で確認してください。

14-16安心・安全、防災・減災・復興まちづくり#

Q防災・減災・復興まちづくりとは何ですか?

答え:安心・安全、防災・減災・復興まちづくりを推進する。KPIでは、災害に強い市街地形成に関する対策の概成割合が目標になっている(14-17)。

原文 地域未来戦略 (p.33)

(2) 安心・安全、防災・減災・復興まちづくりの推進

①安心・安全、防災・減災・復興まちづくりの推進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

災害対応の二つ目の柱は、まちそのものを災害に強くすることです。3つの言葉を整理しましょう。

言葉 意味
防災 災害による被害を防ぐこと
減災 被害をゼロにできなくても、できるだけ小さくすること
復興 被災したまちを立て直すこと

「復興まちづくり」が「防災・減災」と並んでいるのがポイントです。災害が起きてから考えるのではなく、起きる前から「被災したらどう立て直すか」も考えておく、という発想です。工程(14-18)には「ハード・ソフト一体的な事前防災」という言葉が出てきます。ハードは堤防や避難タワーなどの施設、ソフトは避難計画や訓練などの仕組みのことです。

ポイント

  • 安心・安全、防災・減災・復興まちづくりを推進する。
  • KPIでは、災害に強い市街地形成に関する対策の概成割合が目標になっている(14-17)。

14-17防災のKPI ― 資機材の活用100%・市街地対策45%#

Q地域の防災力強化にはどんな数値目標がありますか?

答え:地域未来交付金(地域防災緊急整備型)で整備した車両・資機材を、平時の利活用や発災時の避難生活環境改善に活用した地方公共団体の割合を2030年度に100%にする。災害に強い市街地形成の対策を優先的に必要とする569市区町村(2023年度時点)のうち、対策が概成した割合を2030年度に45%にする。

原文 地域未来戦略 (p.33)

[KPI]

・地域未来交付金(地域防災緊急整備型)により整備した車両・資機材について、平時の利活用や発災時の避難生活環境改善への活用を実施した地方公共団体の割合:100%(2030 年度)

・災害に強い市街地形成に関する対策を優先的に必要とする地域(569 市区町村(2023 年度時点))のうち、対策(津波避難タワー等の整備、不燃化促進、緊急車両アクセス向上、防災機能強化等)が概成した割合:45%(2030年度)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

災害対応の強化のKPIは次の2つです。

指標 目標値 年度
地域未来交付金(地域防災緊急整備型)により整備した車両・資機材について、平時の利活用や発災時の避難生活環境改善への活用を実施した地方公共団体の割合 100% 2030年度
災害に強い市街地形成に関する対策を優先的に必要とする地域(569市区町村(2023年度時点))のうち、対策が概成した割合 45% 2030年度

1つ目は、地域未来交付金で買った車両や資機材を「買って終わり」にしないための目標です。災害のときだけでなく平時(ふだん)にも使うことが求められています。ふだんから使い慣れていれば、いざというときにも役立ちます。

2つ目の「概成」は「おおむね完成した」という意味です。対策の例として、原文には次のものが挙がっています。

  • 津波避難タワー等の整備
  • 不燃化促進(燃えにくいまちにする)
  • 緊急車両アクセス向上(消防車や救急車が入りやすくする)
  • 防災機能強化等

ポイント

  • 地域未来交付金(地域防災緊急整備型)で整備した車両・資機材を、平時の利活用や発災時の避難生活環境改善に活用した地方公共団体の割合を2030年度に100%にする。
  • 災害に強い市街地形成の対策を優先的に必要とする569市区町村(2023年度時点)のうち、対策が概成した割合を2030年度に45%にする。

14-18防災の工程 ― 国土強靱化と事前防災#

Q地域の防災力強化はどんなスケジュールで進みますか?

答え:2026年度までに地域未来交付金で資機材等の整備を支援し、平時の利活用や発災時の避難生活環境改善への活用を進める。第1次国土強靱化実施中期計画に基づき、消防防災力の充実強化を推進する。ハード・ソフト一体的な事前防災を推進し、2031年度以降は更なる取組を進める。

原文 地域未来戦略 (p.34)

[工程]

・2026 年度までに地域未来交付金で資機材等の整備を支援し、その平時の利活用や発災時の避難生活環境改善への活用を進める。

・第1次国土強靱化実施中期計画注27に基づき、消防防災力の充実強化を推進する。

・安心・安全、防災・減災・復興まちづくりの推進に向け、ハード・ソフト一体的な事前防災を推進し、2031 年度以降は更なる取組を進める。

脚注

注27令和7年6月6日閣議決定。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

災害対応の工程は3つです。

分野 工程の内容
資機材の整備 2026年度までに地域未来交付金で資機材等の整備を支援し、平時の利活用や発災時の避難生活環境改善への活用を進める
消防防災力 第1次国土強靱化実施中期計画に基づき、充実強化を推進
防災まちづくり ハード・ソフト一体的な事前防災を推進し、2031年度以降は更なる取組を進める

国土強靱化とは、大きな災害が起きても致命的な被害を受けず、すばやく回復できる、しなやかで強い国づくりのことです。注27にあるとおり、第1次国土強靱化実施中期計画は令和7年6月6日に閣議決定されています。

事前防災は、災害が起きる前に備えておくことです。地域未来戦略の計画期間は2030年度までですが、防災まちづくりの工程には「2031年度以降」も書かれています。防災は長い時間をかけて続ける取組だということがわかります。

ポイント

  • 2026年度までに地域未来交付金で資機材等の整備を支援し、平時の利活用や発災時の避難生活環境改善への活用を進める。
  • 第1次国土強靱化実施中期計画に基づき、消防防災力の充実強化を推進する。
  • ハード・ソフト一体的な事前防災を推進し、2031年度以降は更なる取組を進める。

よくある疑問

Q地域未来交付金は防災にも使えるのですか?

A

原文のKPIと工程には「地域未来交付金(地域防災緊急整備型)」で車両・資機材等の整備を支援することが書かれています。対象や要件などの詳細は、所管府省庁の公表資料で確認してください。

出典・参考資料

  • 内閣官房「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)本文 p.31〜34: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf
  • 「交通空白」解消に向けた取組方針2026(国土交通省「交通空白」解消本部決定、令和8年6月10日)、モビリティ・ロードマップ2025(デジタル社会推進会議決定、令和7年6月13日)、第1次国土強靱化実施中期計画(令和7年6月6日閣議決定)は、原文の注に挙げられている関連文書です。
  • 第2節の後半「ウ. 地域の暮らしの満足感向上」(子育て・医療・介護・まちづくり)は次のページで解説しています。

出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。

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