第3章第6節・第7節 ロジックモデルとPDCA

ロジックモデルとは?わかりやすく|アウトプットとアウトカム・PDCA

地域未来戦略の最後の2節は、「たくさんの施策が、本当に目標につながっているのか」を確かめるための仕組みです。第6節では、目標と施策の因果関係をロジックモデルという形で整理し、「強い地域経済」「豊かな生活環境」「選ばれる地方」の3つの柱ごとに、インパクトKPIとアウトカムKPIという数値目標を置いています。第7節では、その数字を毎年確かめて、必要なら戦略そのものを見直すPDCAサイクルを定めています。

原文の場所:第3章 第6節・第7節 p.51〜53国内閣官房地域未来戦略本部事務局各府省庁都道府県市町村企業住民

このページの要点

  • 21-1ロジックモデルとは、目標と施策の「原因→結果」のつながりを整理した図。地域未来戦略では、第3章第1節〜第5節の施策と第2章の目標を結び付け、進捗や成果を客観的に測れるKPIを設定してPDCAサイクルを徹底する。
  • 21-2【強い地域経済の構築】のインパクトKPIは「東京圏以外の就業者一人当たり年間付加価値労働生産性の伸び率:東京圏以上(2030年)」。アウトカムKPIはGDP成長率、新設事業所の割合(54%→59%)、農林水産物・食品の輸出額とインバウンドの食関連消費額の合計(3倍)、訪日外国人旅行者数(6,000万人)など5つ。
  • 21-3【豊かな生活環境】のインパクトKPIは「地域での生活がこれから良くなっていくと思う人の割合:42%→46%(2030年)」。アウトカムKPIは「交通空白」地区0、買物に困難を感じる人19%、医療・介護等の満足70%、行政サービスの満足69%。
  • 21-4【選ばれる地方】のインパクトKPIは「東京圏以外で暮らすことを希望し実現できている若者・女性の割合」(若者40%→44%、女性45%→49%)。アウトカムKPIは「自分らしく過ごしている」と思う人、若者や女性の意見が尊重されていると思う人の割合、関係人口の濃淡別実人数。
  • 21-5内閣官房地域未来戦略本部事務局と各府省庁が毎年KPIの実績値を把握してロジックモデルを検証し、必要に応じて戦略を改訂する(PDCAサイクルの徹底)。

21-1ロジックモデルとは ― 施策と目標を「原因→結果」の鎖でつなぐ#

Qロジックモデルとは何ですか?地域未来戦略ではどう使われていますか?

答え:ロジックモデルとは、目標と各施策との因果関係を整理したもの。地域未来戦略では、第2章の目標と第3章第1節〜第5節の施策をロジックモデルで結び、進捗や成果を客観的かつ的確に把握できるKPIを設定する。その目的は、PDCAサイクルを徹底して戦略全体の実効性を高めること。

原文 地域未来戦略 (p.51)

第6節 本戦略の実効性を高めるためのロジックモデルの作成等

第2章の目標を実現するため、同章の基本的方向を踏まえつつ、第3章第1節から第5節までにおいて政府が講ずべき施策を具体化するとともに、以下のとおり目標と各施策との因果関係(ロジックモデル)の整理を行い、進捗や成果を客観的かつ的確に把握できる KPI の設定等を行うことにより、PDCA サイクルを徹底し、本戦略全体の実効性を高めていく。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

ロジックモデルとは、「この取組をすると、こういう結果が出て、最終的にこういう目標が達成される」という原因と結果のつながり(因果関係)を、順番に並べて整理したものです。政策の世界では、一般に次のような流れで書かれます。

段階 意味 部活動でたとえると
インプット(投入) お金・人・時間などの資源 練習時間、コーチ、用具
活動 実際に行う取組 毎朝の走り込み、練習試合
アウトプット(結果・産出) 活動から直接生まれたもの 練習試合を20回こなした
アウトカム(成果) 相手(人・社会)に起きた変化 部員の持久力が上がり、試合後半に失点しなくなった
インパクト(最終的な効果) 一番大きな目標の実現 県大会で優勝した

大事なのは、アウトプットとアウトカムの違いです。「練習試合を20回した」(アウトプット)だけでは、強くなったかどうかはわかりません。「持久力が上がった」(アウトカム)が確かめられて、はじめて意味があったといえます。政策でも同じで、「補助金を何件出した」だけでなく、「地域の稼ぐ力が上がったか」まで追いかける必要があります。

原文の第6節は、まさにこの考え方です。第2章の目標と、第3章第1節〜第5節に書かれた施策の間の因果関係を整理し、進捗や成果を客観的かつ的確に把握できるKPIを設定する。そうすることでPDCAサイクルを徹底し、戦略全体の実効性(本当に効き目があること)を高める、と書かれています。

原文p.53には、ロジックモデルの図が載っています。図からは、右側に「アウトプット=関連施策の成果(政府が直接コントロールできる部分。地方公共団体の施策は含まない)」、その左に「アウトカム=国民・企業等の動き」と「インパクト=政策目標」が並び、左端に第2章の目標(47都道府県のどこに住んでいても……働く場所がある社会)が置かれている構成が読み取れます(図の細部は原文PDFで確認してください)。つまり、

施策の成果(アウトプット)→ 国民・企業の動き(アウトカム)→ 政策目標(インパクト)→ 第2章の目標

という鎖になっています。アウトプットにあたるのは、第1節〜第3節の「a.地域資源の活用促進」から「r.地方への移住推進」までの各施策のKPIです(詳しくは第1節のKPIと工程などのページ)。

ポイント

  • ロジックモデルとは、目標と各施策との因果関係を整理したもの。
  • 地域未来戦略では、第2章の目標と第3章第1節〜第5節の施策をロジックモデルで結び、進捗や成果を客観的かつ的確に把握できるKPIを設定する。
  • その目的は、PDCAサイクルを徹底して戦略全体の実効性を高めること。
  • 原文の図では、アウトプット(関連施策の成果)→アウトカム(国民・企業等の動き)→インパクト(政策目標)の順に整理されている。

よくある疑問

Qアウトプットとアウトカムの違いは何ですか?

A

アウトプットは「施策をどれだけ実施したか」という、行政が直接コントロールできる結果です。アウトカムは、その結果として「国民や企業がどう動いたか、社会がどう変わったか」です。原文の図でも、アウトプットは「関連施策の成果」、アウトカムは「国民・企業等の動き」と整理されています。

Qロジックモデルに自治体の施策は含まれますか?

A

原文p.53の図には「地方公共団体の施策は含まない」という注記があり、国の施策の成果を対象にした整理だと読めます。自治体が作る地域産業クラスター計画や地場産業成長プランでは、それぞれの計画の中でKGI・KPIを設定します(計画の目標値(KGI・KPI))。

21-2強い地域経済の構築 ― 東京圏以外の「稼ぐ力」を東京圏以上に#

Q地域未来戦略の「強い地域経済の構築」の数値目標(KPI)は何ですか?

答え:インパクトKPIは「東京圏以外の就業者一人当たり年間付加価値労働生産性の伸び率を、2030年に東京圏以上にする」こと。アウトカムKPIは、東京圏以外のGDP成長率(東京圏以上)、東京圏以外の新設事業所の割合(54%→59%)、農林水産物・食品の輸出額とインバウンド食関連消費額の合計(3倍)、訪日外国人旅行者数(6,000万人)と地方部延べ宿泊者数(1.3億人泊)、デジタル人材育成数(230万人)。目標年は主に2030年。デジタル人材育成数のみ2026年度末で、その後はデジタル庁で検討。

原文 地域未来戦略 (p.51〜52)

【強い地域経済の構築】

インパクト KPI 東京圏以外における就業者一人当たり年間付加価値労働生産性の伸び率:東京圏以上(2030 年)

アウトカム KPI ①東京圏以外の GDP の成長率:東京圏以上(2030 年)

②全国で新設された事業所のうち、東京圏以外で新設された事業所数の割合:54%(2025 年)から 59%に増加(2030 年)

③農林水産物・食品の輸出額とインバウンドによる食関連消費額の合計:3倍(2030 年)

※農林水産物・食品の輸出額については 2024 年、インバウンドによる食関連消費額については 2023 年を基準年とする。

④訪日外国人旅行者数:6,000 万人(2030 年)

訪日外国人旅行者の地方部における延べ宿泊者数:1.3 億人泊(2030 年)

⑤デジタル人材育成数:230 万人(2026 年度末)

※2027 年4月1日以降の目標については、今後デジタル庁で検討。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

1つ目の柱「強い地域経済の構築」のKPIを、表に整理します。

種類 指標 目標
インパクトKPI 東京圏以外における就業者一人当たり年間付加価値労働生産性の伸び率 東京圏以上(2030年)
アウトカム① 東京圏以外のGDPの成長率 東京圏以上(2030年)
アウトカム② 全国の新設事業所のうち、東京圏以外で新設された割合 54%(2025年)→59%(2030年)
アウトカム③ 農林水産物・食品の輸出額+インバウンドによる食関連消費額 3倍(2030年)
アウトカム④ 訪日外国人旅行者数/地方部の延べ宿泊者数 6,000万人/1.3億人泊(2030年)
アウトカム⑤ デジタル人材育成数 230万人(2026年度末)

インパクトKPIの「一人当たり年間付加価値労働生産性」は、ざっくりいうと「働く人1人が1年間にどれだけの価値(もうけ)を生み出したか」です。人口が減っても、一人一人の稼ぐ力が上がれば、地域経済は強くなれます。目標は、その伸び率を東京圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)以上にすること。つまり「地方の稼ぐ力の伸びが、東京に負けない」状態を目指しています。

アウトカムKPIは、そこに至るまでの「国民・企業の動き」です。地方で会社や事業所が新しく生まれているか(②)、地方の食が海外やインバウンド(訪日外国人)に売れているか(③)、外国人旅行者が地方に泊まっているか(④)、デジタル人材が育っているか(⑤)。どれも、3つの計画や第1節の支援策がうまくいけば動くはずの数字です。

③の「3倍」の基準年は、輸出額が2024年、食関連消費額が2023年です。⑤は2026年度末までの目標で、2027年4月以降の目標は今後デジタル庁で検討するとされています。

ポイント

  • インパクトKPIは「東京圏以外の就業者一人当たり年間付加価値労働生産性の伸び率を、2030年に東京圏以上にする」こと。
  • アウトカムKPIは、東京圏以外のGDP成長率(東京圏以上)、東京圏以外の新設事業所の割合(54%→59%)、農林水産物・食品の輸出額とインバウンド食関連消費額の合計(3倍)、訪日外国人旅行者数(6,000万人)と地方部延べ宿泊者数(1.3億人泊)、デジタル人材育成数(230万人)。
  • 目標年は主に2030年。デジタル人材育成数のみ2026年度末で、その後はデジタル庁で検討。

よくある疑問

Q「東京圏以上」とはどういう意味ですか?

A

東京圏以外の伸び率(生産性やGDPの成長率)が、東京圏の伸び率と同じかそれを上回ることを目指す、という意味です。絶対額で東京を追い越すのではなく、「伸び方」で負けないことが目標になっています。

21-3豊かな生活環境 ― 「これから良くなる」と思える地域へ#

Q地域未来戦略の「豊かな生活環境」の数値目標(KPI)は何ですか?

答え:インパクトKPIは「地域での生活がこれから良くなっていくと思う人の割合」を42%(2026年)から46%(2030年)に高めること。アウトカムKPIは、「交通空白」地区を2,740地区から0地区に、買物に困難を感じる人を23%から19%に、医療・介護等への満足を66%から70%に、行政サービスへの満足を65%から69%にすること。「交通空白」地区0は、移動の足に関する困りごとの改善に進捗が見られない地区が0になることを指す(注58)。

原文 地域未来戦略 (p.52)

【豊かな生活環境】

インパクト KPI 生活インフラの質の維持や暮らしへの安心感により、地域で

の生活がこれから良くなっていくと思う人の割合:42%(2026年)から 46%に向上(2030 年)

アウトカム KPI ①「交通空白」地区:2,740 地区(2026 年)から0地区に減

少注58(2030 年)

②買物に困難を感じている人の割合:23%(2026 年)から 19%に減少(2030 年)

③医療・介護サービス等の地域の社会保障体制に満足している人の割合:66%(2026 年)から 70%に向上(2030 年)

④地域の行政サービスの提供体制に満足している人の割合:

65%(2026 年)から 69%に向上(2030 年)

脚注

注58「取組方針 2026」に記載のとおり、住民等の移動の足に関する日常生活の困りごとの改善に進捗が見られていない地区が0になることをいう。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

2つ目の柱「豊かな生活環境」は、住民の実感を測る指標が中心です。

種類 指標 2026年 → 2030年
インパクトKPI 地域での生活がこれから良くなっていくと思う人の割合 42% → 46%
アウトカム① 「交通空白」地区 2,740地区 → 0地区
アウトカム② 買物に困難を感じている人の割合 23% → 19%
アウトカム③ 医療・介護サービス等の地域の社会保障体制に満足している人の割合 66% → 70%
アウトカム④ 地域の行政サービスの提供体制に満足している人の割合 65% → 69%

「交通空白」とは、バスや鉄道などの移動手段がなく、住民や観光客が移動に困っている地区のことです。注58によると、ここでの「0地区」は、住民等の移動の足に関する日常生活の困りごとの改善に進捗が見られていない地区が0になることを指します。

インパクトKPIの「これから良くなっていくと思う人の割合」は、生活インフラの質の維持や暮らしへの安心感によって、住民が未来に希望を持てるかを測るものです。バスがなくならない、買い物に行ける、病院や介護が安心、役所のサービスが続く――アウトカム①〜④が改善すれば、「この町の暮らしはこれから良くなる」と思える人が増えるはず、という因果関係です。具体的な施策は持続可能な生活インフラと地域の暮らしの満足感向上のページで読めます。

ポイント

  • インパクトKPIは「地域での生活がこれから良くなっていくと思う人の割合」を42%(2026年)から46%(2030年)に高めること。
  • アウトカムKPIは、「交通空白」地区を2,740地区から0地区に、買物に困難を感じる人を23%から19%に、医療・介護等への満足を66%から70%に、行政サービスへの満足を65%から69%にすること。
  • 「交通空白」地区0は、移動の足に関する困りごとの改善に進捗が見られない地区が0になることを指す(注58)。

よくある疑問

Q割合の指標はどうやって測るのですか?

A

原文には調査方法までは書かれていません。基準値が2026年の数値として示されていることから、何らかの調査で把握していると考えられますが、詳細は内閣官房など所管府省庁の公表資料で確認してください。

21-4選ばれる地方 ― 若者や女性が「地方で暮らしたい」をかなえられるか#

Q地域未来戦略の「選ばれる地方」の数値目標(KPI)は何ですか?

答え:インパクトKPIは「東京圏以外で暮らすことを希望し実現できている若者や女性の割合」で、若者は40%→44%、女性は45%→49%(2030年)。アウトカムKPIは、自分らしく過ごしていると思う人の割合(73%→77%)、若者や女性の意見が尊重されていると思う人の割合(30%→34%)、関係人口の濃淡別実人数(増加)。関係人口の具体的な基準値・目標値は、2026年度中に実施予定の調査結果等を踏まえて設定する。

原文 地域未来戦略 (p.52)

【選ばれる地方】

インパクト KPI 東京圏以外で暮らすことを希望し実現できている、若者や女

性の割合:

若者 40%(2026 年)から 44%に向上(2030 年)

女性 45%(2026 年)から 49%に向上(2030 年)

アウトカム KPI ①東京圏以外において、自分らしく過ごしていると思う人の

割合:73%(2026 年)から 77%に向上(2030 年)

②東京圏以外において、地域や職場で若者や女性の意見が尊重されていると思う人の割合:30%(2026 年)から 34%に向上(2030 年)

③関係人口の濃淡別実人数:増加(2030 年)

※具体的な基準値及び目標値については、2026 年度中に実施予定の調査の結果等を踏まえて設定。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

3つ目の柱「選ばれる地方」のKPIです。

種類 指標 2026年 → 2030年
インパクトKPI 東京圏以外で暮らすことを希望し実現できている若者や女性の割合 若者40%→44%、女性45%→49%
アウトカム① 東京圏以外において、自分らしく過ごしていると思う人の割合 73% → 77%
アウトカム② 東京圏以外において、地域や職場で若者や女性の意見が尊重されていると思う人の割合 30% → 34%
アウトカム③ 関係人口の濃淡別実人数 増加(2030年)

インパクトKPIの言い方に注目してください。「地方に住む若者の数」ではなく、「地方で暮らすことを希望し、実現できている」割合です。地方に住みたいのに仕事がなくて都会に出ざるを得なかった、という人を減らし、希望がかなう地方にすることが目標です。

アウトカムの②「若者や女性の意見が尊重されていると思う人の割合」は、30%から34%へ。裏を返すと、今は多くの人が「尊重されている」とは感じていないということです。第3節の「地域の働き方・職場改革」や「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)」への取組は、この数字を動かすためのものです(選ばれる地方)。

③の関係人口は、移住はしていないけれど、ふるさと納税や副業、通いなどで地域と関わる人のことです。「濃淡別」とは、関わりの深さ(濃い・薄い)ごとに数えるという意味です。具体的な基準値と目標値は、2026年度中に実施予定の調査の結果等を踏まえて設定するとされています。

ポイント

  • インパクトKPIは「東京圏以外で暮らすことを希望し実現できている若者や女性の割合」で、若者は40%→44%、女性は45%→49%(2030年)。
  • アウトカムKPIは、自分らしく過ごしていると思う人の割合(73%→77%)、若者や女性の意見が尊重されていると思う人の割合(30%→34%)、関係人口の濃淡別実人数(増加)。
  • 関係人口の具体的な基準値・目標値は、2026年度中に実施予定の調査結果等を踏まえて設定する。

よくある疑問

Qなぜ「若者や女性」なのですか?

A

第3節の冒頭で、東京圏への過度な一極集中を是正するには、地方に魅力を感じる若者や女性が増えることが重要だとされているためです。そのため、選ばれる地方のKPIは若者や女性の希望の実現や、意見の尊重に焦点を当てています。

21-5PDCAサイクルの徹底 ― 毎年数字で確かめ、戦略も見直す#

Q地域未来戦略のPDCAサイクルとは?誰がいつ検証するのですか?

答え:第6節のロジックモデルについて、内閣官房地域未来戦略本部事務局と各府省庁が、毎年KPIの実績値を把握して検証する。検証の結果、必要に応じて本戦略を改訂する。戦略全体のPDCAサイクルと、各計画のPDCAメカニズムの二重の仕組みで実効性を確保する。

原文 地域未来戦略 (p.52)

第7節 PDCA サイクルの徹底

第6節 で示したロジックモデルについて、内閣官房地域未来戦略本部事務局及

び各府省庁において、毎年 KPI の実績値を把握することにより検証を行い、必要

に応じて本戦略の改訂等を実施する。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

第7節は短い一文ですが、戦略全体の「最後の締め」です。ポイントは3つです。

  1. 誰が:内閣官房地域未来戦略本部事務局と各府省庁
  2. いつ・何を:毎年、KPIの実績値を把握して、ロジックモデルを検証する
  3. どうする:必要に応じて、戦略そのものを改訂する

PDCAとは、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のくり返しです。地域未来戦略に当てはめると、次のようになります。

PDCA 地域未来戦略では
Plan ロジックモデルで目標と施策のつながりを整理し、KPIを設定(第6節)
Do 第1節〜第5節の施策を実行
Check 毎年KPIの実績値を把握し、ロジックモデルを検証(第7節)
Act 必要に応じて本戦略を改訂

ここで「ロジックモデルを検証する」意味が大切です。たとえば、施策の数字(アウトプット)は順調なのに、住民の実感(アウトカム)が少しも動かないなら、「その施策は目標につながっていなかったのでは?」と因果関係そのものを疑うことができます。ロジックモデルを作っておくと、「どこで鎖が切れているか」を見つけやすくなるのです。

なお、3つの計画(A・B・C)の中でも、KGI・KPI・5W1Hによる「PDCAメカニズム」が回されます(計画の目標値(KGI・KPI))。戦略全体のPDCAと、個々の計画のPDCAの二重の仕組みで、成果を確かめながら進めるのが地域未来戦略の特徴です。私は自治体向けのAIを開発していますが、数字で振り返る仕組みがあらかじめ組み込まれている戦略は、データを使った改善とも相性がよいと感じます。

ポイント

  • 第6節のロジックモデルについて、内閣官房地域未来戦略本部事務局と各府省庁が、毎年KPIの実績値を把握して検証する。
  • 検証の結果、必要に応じて本戦略を改訂する。
  • 戦略全体のPDCAサイクルと、各計画のPDCAメカニズムの二重の仕組みで実効性を確保する。

よくある疑問

QKPIが達成できなかったら、どうなるのですか?

A

原文では、毎年KPIの実績値を把握して検証し、「必要に応じて本戦略の改訂等を実施する」とされています。どの施策をどう見直すかの具体的な基準までは書かれていません。

Q地域未来戦略の内容は2030年度まで変わらないのですか?

A

計画期間は2030年度までですが、毎年の検証を踏まえて必要に応じて改訂するとされているため、途中で内容が見直される可能性があります。最新の内容は内閣官房の公表資料で確認してください。

出典・参考資料

出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。

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