第3章第2節 暮らしの満足感(子育て・医療・介護・まちづくり)
子育て・医療・介護を地方で守るには?日本版CCRC|第2節 暮らしの満足感
「この町に住んでいてよかった」と思えるかどうかは、子育てのしやすさ、病院や介護の安心、地域のつながり、まちのにぎわい、豊かな自然で決まります。第2節の後半「ウ. 地域の暮らしの満足感向上」は、子育て・医療・介護・福祉・農福連携と、小さな拠点や地域運営組織(RMO)、日本版CCRC、中心市街地、デジタル技術、自然環境を生かしたまちづくりの施策をまとめた部分です。KPI(数値目標)と工程もあわせて、原文と解説で読んでいきます。
このページの要点
- 15-1「ウ. 地域の暮らしの満足感向上」の1つ目「m」は子育て・医療・介護・福祉。最初の柱は、子育て世帯に選ばれる地域となるための体制構築。
- 15-2医療は、地域医療構想・医師偏在対策の推進、地域医療提供体制の維持・確保、地域の医療需要に対応する医療人材の養成で守る。
- 15-3介護・福祉は、地域の介護・福祉サービス等を維持・確保する。
- 15-4相談対応の一体的実施等による包括的な福祉等の支援体制を構築し、縦割りや「支え手」「受け手」の関係を越えた地域共生社会を実現する。
- 15-5障害者等の多様な人材が農林水産業で活躍する農福連携を推進する。
- 15-6KPIは、保育機能の確保・強化のため計画的に多機能化に取り組む地方公共団体100団体(2026年度)、遠隔医療を実施する医療機関263件(2023〜2027年度累計)。
- 15-7工程は、保育機能の確保・強化、重点医師偏在対策支援区域での診療所の承継・開業支援、遠隔医療の通信機器等の整備支援、地域実習プログラム、介護保険制度の見直し、包括的支援体制のモデル事業と全国展開、農福連携等推進ビジョン。
- 15-8「n」持続可能なまちづくりの柱1は、小さな拠点、地域運営組織(RMO)、郵便局のコミュニティ・ハブ活用、農村RMO、地域生活圏による地域の拠点形成と運営体制構築。
- 15-9全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」(日本版CCRC)を展開する。
- 15-10中心市街地活性化制度で、多様な主体と連携して「まちの顔」となる中心市街地を活性化する。
- 15-11デジタル技術で地域課題を解決するため、地域生活ハブの整備、スマートシティ、電子渡航認証制度の導入を進める。
- 15-12自然資本を核としたネイチャーポジティブな地域づくりと、豊かな水環境の保全・活用を進める。
- 15-13KPIは、RMO形成数13,619件(2029年度)、小規模・地域共生ホーム型CCRC100か所(2028年度)、中心市街地活性化基本計画の目標指標の改善率70%、保護地域及びOECMの割合30%(いずれも2030年度)。
- 15-14工程は、小さな拠点への出資者への税制措置(2028年度まで)、RMOの形成・運営支援、郵便局の実証、日本版CCRCの普及、JESTAの2028年度中の導入、OECM面積の拡大など。
15-1子育て世帯に選ばれる地方 ― 暮らしの満足感向上のはじまり#
Q子育て世帯に選ばれる地域になるために国は何をしますか?
答え:「ウ. 地域の暮らしの満足感向上」は、m(子育て・医療・介護・福祉)とn(持続可能なまちづくり)の2分野。mの柱1は、子育て世帯に選ばれる地域となるための体制構築(子育て世帯に選ばれる地方)。KPIでは、人口減少地域における保育機能の確保・強化と多機能化が目標になっている。
原文 地域未来戦略 (p.34)
ウ. 地域の暮らしの満足感向上
m.満足できる子育て・医療・介護・福祉サービスの実現
(1) 子育て世帯に選ばれる地域となるための体制構築
①子育て世帯に選ばれる地方

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
第2節の後半「ウ. 地域の暮らしの満足感向上」が、ここから始まります。前半の「イ」(交通・水道・防災など)が「暮らしていくための最低限の土台」だとすれば、「ウ」は「ここで暮らしたい、暮らし続けたい」と思える満足感を高める施策です。
「ウ」は2つの分野に分かれています。
| 記号 | 見出し | 主な中身 |
|---|---|---|
| m | 満足できる子育て・医療・介護・福祉サービスの実現 | 子育て、医療、介護・福祉、包括的な支援体制、農福連携 |
| n | 持続可能なまちづくり | 小さな拠点・RMO、日本版CCRC、中心市街地、デジタル、自然環境 |
最初の施策は「子育て世帯に選ばれる地域となるための体制構築」です。「選ばれる」という言葉に注目してください。人口が減る中で、子育て世帯は「どこで子どもを育てるか」を選んでいます。保育や子育て支援の体制が整っている地域が選ばれる、という前提に立った書き方です。
KPI(15-6)を見ると、具体的には人口減少地域の保育機能を確保・強化し、保育所などを「多機能化」することが目標になっています。子どもが減っても保育の場を地域に残し、ほかの役割も一緒に担えるようにする、という方向です。
ポイント
- 「ウ. 地域の暮らしの満足感向上」は、m(子育て・医療・介護・福祉)とn(持続可能なまちづくり)の2分野。
- mの柱1は、子育て世帯に選ばれる地域となるための体制構築(子育て世帯に選ばれる地方)。
- KPIでは、人口減少地域における保育機能の確保・強化と多機能化が目標になっている。
よくある疑問
Q保育の「多機能化」とは何ですか?
原文には詳しい定義はありませんが、KPIの「人口減少地域における保育機能確保・強化のためのモデル事業等により計画的に多機能化に取り組む」という書き方から、子どもが少ない地域でも保育の場を維持できるよう、保育以外の機能もあわせ持つ取組だと読めます。具体的な内容は所管府省庁の公表資料で確認してください。
15-2地域医療を守る ― 医師偏在対策と医療人材の養成#
Q地方の医師不足(医師偏在)にどう対応するのですか?
答え:地域の医療需要に対応するため、医療提供体制を維持・確保する。施策は①地域医療構想・医師偏在対策の推進 ②地域医療提供体制の維持・確保 ③医療人材の養成。工程では、重点医師偏在対策支援区域での診療所の承継・開業支援や、遠隔医療の通信機器等の整備支援が示されている。
原文 地域未来戦略 (p.34)
(2) 地域の医療需要に対応するための医療提供体制の維持・確保
①地域医療構想における取組・医師偏在対策の推進
②地域医療提供体制の維持・確保
③地域の医療需要に対応するための医療人材の養成

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「近くに病院がない」「専門のお医者さんが遠くの都市にしかいない」。地方では、医師が都市部に集まりやすく、地域によって医師の数に大きな差があります。これを「医師偏在」(医師がかたよって存在すること)といいます。
原文の3つの施策を整理します。
| 施策 | かんたんに言うと |
|---|---|
| ①地域医療構想における取組・医師偏在対策の推進 | 地域ごとに将来必要な医療の形を考え(地域医療構想)、医師のかたよりを減らす |
| ②地域医療提供体制の維持・確保 | 人口が減っても、地域で必要な医療を受けられる体制を守る |
| ③地域の医療需要に対応するための医療人材の養成 | 地域で働く医師や医療職を育てる |
工程(15-7)には、具体的に次の取組が書かれています。
- 重点医師偏在対策支援区域で、診療所の承継(引き継ぎ)や開業を支援する
- 遠隔病理診断やオンライン診療等の遠隔医療に必要な通信機器等の整備を支援する
- 医療人材の養成に向けて地域実習プログラムの構築を支援する
お医者さんが引退して診療所がなくなる前に、次の医師に引き継いでもらう。医師が来られない場所では、オンラインで診察する。こうした組み合わせで地域医療を守ろうとしています。
ポイント
- 地域の医療需要に対応するため、医療提供体制を維持・確保する。
- 施策は①地域医療構想・医師偏在対策の推進 ②地域医療提供体制の維持・確保 ③医療人材の養成。
- 工程では、重点医師偏在対策支援区域での診療所の承継・開業支援や、遠隔医療の通信機器等の整備支援が示されている。
よくある疑問
Q地方でもオンライン診療を受けられるようになりますか?
原文の工程には、遠隔病理診断やオンライン診療等の遠隔医療に必要な通信機器等の整備を支援することが書かれており、KPIでは遠隔医療を実施する医療機関の数が目標になっています。実際に利用できるかは地域の医療機関によるので、お住まいの地域の情報で確認してください。
15-3介護・福祉サービスの維持・確保#
Q人口減少地域で介護・福祉サービスをどう守るのですか?
答え:地域の介護・福祉サービス等を維持・確保する。工程では、介護保険制度の見直しに関する審議会等の議論を踏まえて検討し、2027年度以降に必要な制度改正等を施行するとされている。
原文 地域未来戦略 (p.34)
(3) 地域の介護・福祉サービス等の維持・確保
①地域の介護・福祉サービス等の維持・確保

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
高齢になって体が不自由になったとき、ホームヘルパーやデイサービス、介護施設などの介護・福祉サービスが地域にあるかどうかは、そこで暮らし続けられるかどうかに直結します。
しかし人口が減る地域では、利用者が点在して効率が悪くなったり、働く人が集まらなかったりして、サービスを続けることが難しくなっています。原文は「維持・確保」という言葉で、まずは今あるサービスを地域に残すことを目標にしています。
工程(15-7)では、「介護保険制度の見直しに関する審議会等における議論を踏まえて検討を進め、2027年度以降に必要な制度改正等を施行する」とされています。介護保険は、40歳以上の人が保険料を払い、介護が必要になったときにサービスを受けられる仕組みです。どのような見直しになるかは原文には書かれていないので、詳細は所管府省庁の公表資料で確認してください。
ポイント
- 地域の介護・福祉サービス等を維持・確保する。
- 工程では、介護保険制度の見直しに関する審議会等の議論を踏まえて検討し、2027年度以降に必要な制度改正等を施行するとされている。
15-4包括的な支援体制と地域共生社会#
Q地域共生社会とは何ですか?包括的な支援体制とは?
答え:相談対応の一体的実施等の包括的な福祉等の支援体制を構築し、地域共生社会を実現する。地域共生社会は、縦割りや「支え手」「受け手」の関係を越え、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域を共に創っていく社会(注28)。2026年度にモデル事業を実施・検証し、2027年度以降に全国展開を行う。
原文 地域未来戦略 (p.34)
(4) 相談対応の一体的実施等の包括的な福祉等の支援体制の構築
①包括的な福祉等の支援体制の構築による地域共生社会注28の実現
脚注
注28制度・分野ごとの「縦割り」や、「支え手」・「受け手」という関係を越えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を越えてつながることで、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域を共に創っていく社会を指す。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
困りごとは、一つの窓口にきれいに収まるとは限りません。たとえば「親の介護」と「子どもの不登校」と「家計の苦しさ」を同時に抱えている家庭があります。これまでは、介護は介護の窓口、子どもは子どもの窓口……と縦割りになりがちでした。
そこで「相談対応の一体的実施」、つまり相談をまとめて受け止める包括的な支援体制をつくり、地域共生社会を実現するとしています。
注28によると、地域共生社会とは、
- 制度・分野ごとの「縦割り」や、「支え手」「受け手」という関係を越えて、
- 地域住民や地域の多様な主体が参画し、
- 人と人、人と資源が世代や分野を越えてつながることで、
- 住民一人一人の暮らしと生きがい、地域を共に創っていく社会
のことです。「支える人」と「支えられる人」を分けずに、誰もが支え手にも受け手にもなる、という考え方がポイントです。
工程(15-7)では、2026年度にモデル事業を実施・検証し、2027年度以降にモデル事業を踏まえた全国展開を行う予定です。
ポイント
- 相談対応の一体的実施等の包括的な福祉等の支援体制を構築し、地域共生社会を実現する。
- 地域共生社会は、縦割りや「支え手」「受け手」の関係を越え、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域を共に創っていく社会(注28)。
- 2026年度にモデル事業を実施・検証し、2027年度以降に全国展開を行う。
よくある疑問
Q「包括的な支援体制」で何が変わるのですか?
原文の見出しから読み取れるのは、相談対応を一体的に行うことで、制度や分野ごとの縦割りを越えて支援できるようにすることです。具体的な体制の形は、2026年度のモデル事業の結果を踏まえて全国展開されます。
15-5農福連携 ― 農業と福祉がつながる#
Q農福連携とは何ですか?
答え:農福連携は、障害者等の多様な人材が農林水産業分野で活躍し、自信や生きがいを得て社会参画を実現する取組(注29)。農福連携等推進ビジョンに沿って推進し、2030年度以降はビジョンの改訂等を見据えて方向性を検討する。
原文 地域未来戦略 (p.34)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
農福連携は「農業」と「福祉」の連携です。注29によると、「障害者等の多様な人材の農林水産業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組」です。
この取組には、2つの側面があります。
| 側面 | 内容 |
|---|---|
| 福祉の側から | 障害のある人などが、農作業などを通じて働く場や役割、自信や生きがいを得る |
| 農業の側から | 人手不足の農林水産業に、新しい担い手が加わる |
「農林水産業分野」と書かれているので、田畑の仕事だけでなく、林業や漁業も対象に含まれます。
工程(15-7)では、「農福連携等推進ビジョン」に沿って推進し、2030年度以降はビジョンの改訂等を見据えて施策の方向性を検討するとされています。
ポイント
- 農福連携は、障害者等の多様な人材が農林水産業分野で活躍し、自信や生きがいを得て社会参画を実現する取組(注29)。
- 農福連携等推進ビジョンに沿って推進し、2030年度以降はビジョンの改訂等を見据えて方向性を検討する。
よくある疑問
Q農福連携の対象は障害者だけですか?
注29では「障害者等の多様な人材」と書かれています。「等」とあるとおり、障害者に限らず多様な人材の活躍が想定されています。
15-6子育て・医療のKPI ― 保育の多機能化100団体・遠隔医療263件#
Q子育てや遠隔医療にはどんな数値目標がありますか?
答え:人口減少地域で保育機能確保・強化のため計画的に多機能化に取り組む地方公共団体を2026年度に100団体にする。遠隔医療設備整備事業の補助を受けて患者へ遠隔医療を実施する医療機関を2023〜2027年度累計で263件にする。
原文 地域未来戦略 (p.34)
[KPI]
・人口減少地域における保育機能確保・強化のためのモデル事業等により計画的に多機能化に取り組む地方公共団体数:100 団体(2026 年度)
・遠隔医療設備整備事業の補助を受けて患者へ遠隔医療を実施する医療機関:263 件(2023~2027 年度累計)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「m」のKPIは2つです。
| 指標 | 目標値 | 年度 |
|---|---|---|
| 人口減少地域における保育機能確保・強化のためのモデル事業等により計画的に多機能化に取り組む地方公共団体数 | 100団体 | 2026年度 |
| 遠隔医療設備整備事業の補助を受けて患者へ遠隔医療を実施する医療機関 | 263件 | 2023〜2027年度累計 |
1つ目は保育です。子どもが減っている地域でも保育の場を守るため、モデル事業などを使って計画的に「多機能化」に取り組む地方公共団体を100団体にします。
2つ目は遠隔医療です。注意したいのは「2023〜2027年度累計」という期間です。地域未来戦略の決定(2026年)より前の2023年度から数えた、5年間の合計の目標になっています。国の補助(遠隔医療設備整備事業)を受けて機器をそろえ、実際に患者に遠隔医療を行った医療機関の数です。
介護・福祉、包括的な支援体制、農福連携には、この節では数値のKPIは示されていません。それらは工程(15-7)で進め方が示されています。
ポイント
- 人口減少地域で保育機能確保・強化のため計画的に多機能化に取り組む地方公共団体を2026年度に100団体にする。
- 遠隔医療設備整備事業の補助を受けて患者へ遠隔医療を実施する医療機関を2023〜2027年度累計で263件にする。
15-7子育て・医療・介護・福祉の工程#
Q子育て・医療・介護の施策はどんなスケジュールで進みますか?
答え:重点医師偏在対策支援区域で診療所の承継・開業を支援し、2027年度以降も実績調査を行いながら推進する。遠隔病理診断やオンライン診療等の遠隔医療に必要な通信機器等の整備を引き続き支援する。介護保険制度は審議会等の議論を踏まえ、2027年度以降に必要な制度改正等を施行する。
原文 地域未来戦略 (p.34〜35)
[工程]
・人口減少地域における保育機能の確保・強化に向け、2027 年度以降も進捗等を踏まえ必要な取組を進めていく。
・重点医師偏在対策支援区域における診療所の承継及び開業を支援しており、2027 年度以降も実績調査を行いながら事業を推進する。
・遠隔医療の推進に向け、毎年度実績を把握しつつ、引き続き、遠隔病理診断やオンライン診療等の遠隔医療に必要な通信機器等の整備を支援する。
・地域の医療需要に対応する医療人材の養成に向け地域実習プログラムの構築支援を行い、2029 年度以降は進捗等を踏まえた必要な措置を行う。
・介護保険制度の見直しに関する審議会等における議論を踏まえて検討を進め、2027 年度以降に必要な制度改正等を施行する。
・福祉等の包括的な支援体制の整備に向け、2026 年度にモデル事業を実施・検証した上で、2027 年度以降にモデル事業を踏まえた全国展開を行う。
・農福連携等推進ビジョンに沿って農福連携を推進し、2030 年度以降は、ビジョンの改訂等を見据えて施策の方向性を検討する。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
工程は7つです。分野ごとに整理します。
| 分野 | 工程の内容 |
|---|---|
| 保育 | 人口減少地域の保育機能の確保・強化。2027年度以降も進捗等を踏まえ取組 |
| 医師偏在 | 重点医師偏在対策支援区域での診療所の承継・開業を支援。2027年度以降も実績調査をしながら推進 |
| 遠隔医療 | 毎年度実績を把握し、遠隔病理診断やオンライン診療等に必要な通信機器等の整備を支援 |
| 医療人材 | 地域実習プログラムの構築支援。2029年度以降は進捗等を踏まえた措置 |
| 介護 | 介護保険制度の見直しの議論を踏まえ、2027年度以降に制度改正等を施行 |
| 包括的支援体制 | 2026年度にモデル事業を実施・検証し、2027年度以降に全国展開 |
| 農福連携 | 農福連携等推進ビジョンに沿って推進。2030年度以降はビジョン改訂等を見据え方向性を検討 |
地域実習プログラムは、医学生などが地域の病院や診療所で実習する仕組みだと読めます。若いうちに地域医療を経験してもらい、将来地域で働く人材を育てるねらいがあると考えられます。
多くの工程に「進捗等を踏まえ」「実績を把握しつつ」という言葉があります。やりっぱなしにせず、結果を見ながら次の手を考える、という進め方です。
ポイント
- 重点医師偏在対策支援区域で診療所の承継・開業を支援し、2027年度以降も実績調査を行いながら推進する。
- 遠隔病理診断やオンライン診療等の遠隔医療に必要な通信機器等の整備を引き続き支援する。
- 介護保険制度は審議会等の議論を踏まえ、2027年度以降に必要な制度改正等を施行する。
- 包括的な支援体制は2026年度にモデル事業を実施・検証し、2027年度以降に全国展開する。
15-8小さな拠点・地域運営組織(RMO)・郵便局・地域生活圏#
Q小さな拠点や地域運営組織(RMO)とは何ですか?
答え:地域住民等が主導した地域の拠点形成と、拠点の運営体制構築を進める。施策は①「小さな拠点」②地域運営組織(RMO)③コミュニティ・ハブとしての郵便局の利活用 ④農村RMOによるむらづくり ⑤地域生活圏の形成。KPIでは、地域運営組織(RMO)の形成数を2029年度に13,619件にすることが目標になっている。
原文 地域未来戦略 (p.35)
n.持続可能なまちづくり
(1) 地域住民等が主導した地域の拠点形成及び拠点の運営体制構築の推進
①地域住民が主導する「小さな拠点」の推進
②地域運営組織(RMO)等によるにぎやかで持続可能な地域づくりの推進
③デジタルとアナログのタッチポイントの機能を見据えた地域の持続性の確保に向けたコミュニティ・ハブとしての郵便局の利活用の推進
④農村 RMO注30の形成等による地域で支え合うむらづくりの推進
⑤地域生活圏の形成
脚注
注30農村型地域運営組織(農村 RMO:Region Management Organization)。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「n.持続可能なまちづくり」の最初の柱は、地域住民等が主導して、暮らしの拠点をつくり、それを運営する体制を整えることです。役所任せではなく、住民自身が主役になるのがポイントです。
| 施策 | かんたんに言うと |
|---|---|
| ①「小さな拠点」 | 集落の中心に、買物・医療・交流など暮らしに必要な機能を集めた拠点をつくる |
| ②地域運営組織(RMO) | 住民や地域の団体が集まり、地域の課題を自分たちで解決するために活動する組織 |
| ③コミュニティ・ハブとしての郵便局 | 全国にある郵便局を、デジタルとアナログ両方の「タッチポイント」(住民との接点)として地域に生かす |
| ④農村RMO | 農村型の地域運営組織(注30)。地域で支え合う「むらづくり」を進める |
| ⑤地域生活圏の形成 | 一つの町だけでなく、まとまった範囲で暮らしを支える「生活圏」をつくる |
RMOは、英語のRegion Management Organizationの頭文字です(注30)。草刈りや見守り、移動の手伝い、お店の運営など、行政や企業だけでは手が届かない仕事を、地域の人たちが自分たちで担う組織だとイメージしてください。
③の「デジタルとアナログのタッチポイント」という言葉は、スマホで手続きできる人もいれば、窓口で人に聞きたい人もいる、その両方に応える場所として郵便局を使う、という発想だと読めます。
ポイント
- 地域住民等が主導した地域の拠点形成と、拠点の運営体制構築を進める。
- 施策は①「小さな拠点」②地域運営組織(RMO)③コミュニティ・ハブとしての郵便局の利活用 ④農村RMOによるむらづくり ⑤地域生活圏の形成。
- KPIでは、地域運営組織(RMO)の形成数を2029年度に13,619件にすることが目標になっている。
よくある疑問
Q地域運営組織(RMO)には誰が参加するのですか?
原文の見出しでは「地域住民等が主導した」拠点形成と運営体制の構築とされています。具体的な構成員の決まりは原文に書かれていないので、詳細は所管府省庁の公表資料や各市町村の情報で確認してください。
15-9日本版CCRC「生涯活躍のまち」#
Q日本版CCRC(生涯活躍のまち)とは何ですか?
答え:全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」(日本版CCRC)を展開する。当初は都会の中高年齢者の地方移住の受け皿として創設され、その後、誰もが居場所と役割を持つコミュニティづくりへ発展した(注31)。「交流・居場所」「活躍・仕事」「住まい」「健康」「人の流れ」の視点で分野横断的・一体的に取り組む。
原文 地域未来戦略 (p.35)
(2) 全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」(日本版 CCRC)注31の展開
①全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」(日本版 CCRC)の展開
脚注
注31Continuing Care Retirement Community の略。都会の中高年齢者が地方に移り住み、健康状態に応じた継続的なケア環境の下、自立した社会生活を送ることができるような地域共同体として当初創設された。その後、移住者や関係人口と地元住民双方を対象とした「誰もが居場所と役割を持つコミュニティづくり」推進へと発展し、若者、女性、高齢者、障害者、こども等、誰もが居場所と役割を持って活躍できるコミュニティづくりとして、「交流・居場所」、「活躍・仕事」、「住まい」、「健康」、「人の流れ」という視点で分野横断的・一体的に取り組まれている。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
CCRCは、Continuing Care Retirement Communityの略です(注31)。注によると、もともとは都会の中高年齢者が地方に移り住み、健康状態に応じた継続的なケアを受けながら、自立した社会生活を送れる地域共同体として始まりました。
その後、考え方が大きく広がりました。注31をもとに整理すると次のとおりです。
| はじめ | 今 | |
|---|---|---|
| 対象 | 都会から移り住む中高年齢者 | 若者、女性、高齢者、障害者、こども等、誰もが |
| 目指すもの | 継続的なケアのある地域共同体 | 誰もが居場所と役割を持つコミュニティづくり |
| 視点 | ― | 「交流・居場所」「活躍・仕事」「住まい」「健康」「人の流れ」 |
見出しの「全世代・全員活躍型」は、まさにこの変化を表しています。高齢者向けの施設づくりではなく、移住者や関係人口と地元住民の双方が、世代を越えて活躍できるまちづくりです。
KPI(15-13)では、「小規模・地域共生ホーム型CCRC」を全国で100か所(2028年度)展開することが目標になっています。
ポイント
- 全世代・全員活躍型「生涯活躍のまち」(日本版CCRC)を展開する。
- 当初は都会の中高年齢者の地方移住の受け皿として創設され、その後、誰もが居場所と役割を持つコミュニティづくりへ発展した(注31)。
- 「交流・居場所」「活躍・仕事」「住まい」「健康」「人の流れ」の視点で分野横断的・一体的に取り組む。
よくある疑問
Q日本版CCRCは高齢者のための施設ですか?
当初は都会の中高年齢者が地方に移り住む地域共同体として創設されましたが、注31によると、現在は若者、女性、高齢者、障害者、こども等、誰もが居場所と役割を持って活躍できるコミュニティづくりへと発展しています。施設というより、まちづくりの考え方です。
15-10「まちの顔」となる中心市街地の活性化#
Q中心市街地活性化制度とは何ですか?
答え:地域の多様な主体と連携し、中心市街地活性化制度で「まちの顔」となる中心市街地を活性化する。中心市街地活性化制度は、市町村が策定した中心市街地活性化基本計画を内閣総理大臣が認定し、関係府省庁が支援する制度(注32)。KPIは、計画期間を終了した認定基本計画の目標指標の改善率を2030年度に70%にすること。
原文 地域未来戦略 (p.35)
(3) 地域の多様な主体と連携した、「まちの顔」となる中心市街地の活性化
①中心市街地活性化制度注32による「まちの顔」となる中心市街地の活性化
脚注
注32中心市街地の活性化に関する法律(平成 10 年法律第 92 号)に基づき、市町村が策定した中心市街地活性化基本計画を内閣総理大臣が認定し、関係府省庁が支援を行う制度。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
駅前の商店街や、昔からにぎわってきた町の中心部は、その町の「まちの顔」です。しかし、郊外の大型店に客が流れたり、人口が減ったりして、シャッターが閉まったままの店が増えている地域もあります。
この節は、中心市街地活性化制度を使って、まちの顔を元気にする施策です。注32によると、この制度は、
- 中心市街地の活性化に関する法律に基づき、
- 市町村が「中心市街地活性化基本計画」を作り、
- 内閣総理大臣が認定し、
- 関係府省庁が支援する
という仕組みです。
見出しの「地域の多様な主体と連携した」にも注目してください。役所だけでなく、商店街、企業、住民、学校など、いろいろな立場の人が一緒に取り組むことが前提になっています。工程(15-14)では、中心市街地活性化促進プログラム(注35)に基づき、多様な主体の連携や情報発信を進め、伴走支援で認定等のPDCAを回すとされています。
ポイント
- 地域の多様な主体と連携し、中心市街地活性化制度で「まちの顔」となる中心市街地を活性化する。
- 中心市街地活性化制度は、市町村が策定した中心市街地活性化基本計画を内閣総理大臣が認定し、関係府省庁が支援する制度(注32)。
- KPIは、計画期間を終了した認定基本計画の目標指標の改善率を2030年度に70%にすること。
15-11デジタルで地域課題を解決 ― 地域生活ハブ・スマートシティ・JESTA#
Qデジタル技術で地域の課題をどう解決するのですか?
答え:デジタル技術を活用した地域課題解決として、①地域生活ハブの整備 ②スマートシティ ③電子渡航認証制度の導入を進める。電子渡航認証制度(JESTA)は2028年度中の導入に向け、システム開発等を進める。2024年度に開始した交付金の支援を進め、2028年度まで各年度フォローアップを行う。
原文 地域未来戦略 (p.35)
(4) デジタル技術を活用した地域課題解決の推進
①デジタル技術を活用した地域生活ハブの整備推進
②スマートシティの推進
③電子渡航認証制度の導入による厳格・円滑な出入国審査の推進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
デジタル技術を使って、地域の困りごとを解決する施策です。3つの施策を整理します。
| 施策 | かんたんに言うと |
|---|---|
| ①デジタル技術を活用した地域生活ハブの整備推進 | デジタル技術を使って、暮らしのサービスが集まる「ハブ(中心)」を地域につくる |
| ②スマートシティの推進 | データやデジタル技術を使って、交通・エネルギー・医療などまち全体を便利で効率的にする |
| ③電子渡航認証制度の導入 | 外国から来る人の入国前の確認をオンラインで行い、厳格かつ円滑な出入国審査にする |
③は少し意外に見えるかもしれません。工程(15-14)によると、電子渡航認証制度の名前は「JESTA」で、2028年度中の導入を目指しています。外国人観光客などが日本に来る前にオンラインで情報を登録し、確認を受ける仕組みだと考えるとわかりやすいでしょう。出入国審査をスムーズにすることは、観光などを通じて地域にも関わってくるテーマです。
工程では、デジタルを活用した地域の課題解決について、2024年度に開始した交付金の支援を進め、2028年度まで各年度フォローアップを行うとされています。スマートシティは、科学技術・イノベーション基本計画(注36)の2030年度目標に向けて、先行事例の創出等を行います。
ポイント
- デジタル技術を活用した地域課題解決として、①地域生活ハブの整備 ②スマートシティ ③電子渡航認証制度の導入を進める。
- 電子渡航認証制度(JESTA)は2028年度中の導入に向け、システム開発等を進める。
- 2024年度に開始した交付金の支援を進め、2028年度まで各年度フォローアップを行う。
よくある疑問
Q地域生活ハブとは何ですか?
原文には詳しい定義は書かれていません。「デジタル技術を活用した地域生活ハブの整備推進」とあることから、デジタルを使って暮らしのサービスをつなぐ地域の拠点だと読めます。詳細は所管府省庁の公表資料で確認してください。
15-12自然資本・ネイチャーポジティブと水環境#
Qネイチャーポジティブな地域づくりとは何ですか?
答え:自然資本を核としたネイチャーポジティブな地域づくりを進める。ネイチャーポジティブは、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること(注33)。豊かな水環境の保全と活用による地域活性化を進める。
原文 地域未来戦略 (p.35)
(5) 豊かな自然環境・自然景観づくりの推進
①自然資本を核としたネイチャーポジティブ注33な地域づくり
②豊かな水環境の保全と活用による地域活性化
脚注
注33「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを指し、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)において採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」で示された考え方。国際的組織として TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)が立ち上がる等、民間企業の価値創造の観点から重要性が増している。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
きれいな川や海、森、田園の景色は、地方の大きな魅力です。この節は、そうした自然環境・自然景観を、地域づくりの中心に置く施策です。
①自然資本を核としたネイチャーポジティブな地域づくり 自然資本とは、森や水、土、生き物など、自然を「私たちに恵みをもたらす資本(財産)」としてとらえる言葉です。 ネイチャーポジティブは、注33によると「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことです。生き物の種類や数が減り続けている状況を止めて、プラス(ポジティブ)に転じさせるという考え方です。注33では、国際会議(COP15)で採択された枠組で示された考え方であり、企業の価値創造の観点からも重要性が増していると説明されています。
②豊かな水環境の保全と活用による地域活性化 川や湖、地下水などの水環境を守るだけでなく、活用して地域を元気にすることが目指されています。
KPI(15-13)では、「保護地域及びOECMの占める割合」を2030年度に30%にすることが目標です。工程では「自然共生サイトの認定」などでOECMの面積を広げるとしています。
ポイント
- 自然資本を核としたネイチャーポジティブな地域づくりを進める。
- ネイチャーポジティブは、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること(注33)。
- 豊かな水環境の保全と活用による地域活性化を進める。
15-13まちづくりのKPI ― RMO13,619件・CCRC100か所・OECM30%#
Q地域運営組織や日本版CCRCにはどんな数値目標がありますか?
答え:地域運営組織(RMO)の形成数を2029年度に13,619件にする。小規模・地域共生ホーム型CCRCを2028年度に全国で100か所展開する。計画期間を終了した認定中心市街地活性化基本計画の目標指標の改善率を2030年度に70%にする。
原文 地域未来戦略 (p.36)
[KPI]
・地域運営組織(RMO)の形成数:13,619 件(2029 年度)
・小規模・地域共生ホーム型 CCRC の展開数:全国で 100 か所(2028 年度)
・計画期間を終了した認定中心市街地活性化基本計画の目標指標の改善率:
70%(2030 年度)
・我が国における保護地域及び OECM注34の占める割合:30%(2030 年度)
脚注
注34Other Effective area-based Conservation Measures の略。保護地域以外で生物多様性保全に資する地域。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「n.持続可能なまちづくり」のKPIは4つです。
| 指標 | 目標値 | 年度 |
|---|---|---|
| 地域運営組織(RMO)の形成数 | 13,619件 | 2029年度 |
| 小規模・地域共生ホーム型CCRCの展開数 | 全国で100か所 | 2028年度 |
| 計画期間を終了した認定中心市街地活性化基本計画の目標指標の改善率 | 70% | 2030年度 |
| 我が国における保護地域及びOECMの占める割合 | 30% | 2030年度 |
それぞれのKPIが、どの施策に対応しているかを確認しましょう。
- RMO 13,619件 → 15-8 地域住民主導の拠点形成と運営体制
- CCRC 100か所 → 15-9 日本版CCRC
- 改善率 70% → 15-10 中心市街地の活性化。計画を作るだけでなく、計画期間が終わったときに目標の指標が実際に良くなったかを見ています
- 保護地域及びOECM 30% → 15-12 自然環境
OECMは、注34によると「Other Effective area-based Conservation Measures」の略で、保護地域以外で生物多様性保全に資する地域のことです。国立公園などの保護地域だけでなく、企業の森や里山など、結果として生き物を守っている場所も数に入れて、国土の30%を守ろうという目標です。
ポイント
- 地域運営組織(RMO)の形成数を2029年度に13,619件にする。
- 小規模・地域共生ホーム型CCRCを2028年度に全国で100か所展開する。
- 計画期間を終了した認定中心市街地活性化基本計画の目標指標の改善率を2030年度に70%にする。
- 我が国における保護地域及びOECMの占める割合を2030年度に30%にする。
よくある疑問
QOECMとは何ですか?
Other Effective area-based Conservation Measuresの略で、保護地域以外で生物多様性保全に資する地域のことです(注34)。工程では、自然共生サイトの認定やインセンティブ施策等でOECMの面積を広げるとしています。
15-14まちづくりの工程 ― 税制措置・郵便局の実証・JESTA導入#
Q小さな拠点や日本版CCRCの施策はどんなスケジュールで進みますか?
答え:「小さな拠点」は2028年度までの間、拠点形成に資する事業への出資者への税制措置を実施しつつ、継続的に支援する。郵便局をコミュニティ・ハブとして活用する実証で、毎年度効果や課題を把握しながら利活用を推進する。日本版CCRCは2026年度に普及等を図り、2027〜2028年度に必要な施策を実施する。
原文 地域未来戦略 (p.36)
[工程]
・「小さな拠点」の形成推進に向け、2028 年度までの間は拠点形成に資する事業への出資者への税制措置を実施しつつ、継続的に拠点形成支援を行う。
・地域の暮らしを守る地域運営組織(RMO)について、引き続き、関連施策の一体的推進等により、その形成及び持続的な運営を支援する。
・郵便局をコミュニティ・ハブとして活用する実証において、毎年度効果や課題の把握を行いながら事例の創出等を図り、郵便局の利活用を推進する。
・農村 RMO の形成に向けた取組を推進し、2030 年度以降は食料・農業・農村基本計画の進捗等を踏まえ施策の方向性を検討する。
・地域生活圏形成に向け民間主体への信頼付与の仕組みや資金等を呼び込む環境の整備を始め、その後の主体・事業・地域連携につなげる。
・「生涯活躍のまち」(日本版 CCRC)について、2026 年度に普及等を図った上で、その進捗を踏まえ 2027~2028 年度に必要な施策を実施する。
・中心市街地活性化促進プログラム注35に基づき、各年度多様な主体の連携や情報発信等を進め、伴走支援により認定等 PDCA を適切に実施、拡充する。
・デジタルを活用した地域の課題解決等に向け、2024 年度に開始した交付金の支援を進めるとともに、2028 年度まで各年度フォローアップを行う。
・スマートシティについて、科学技術・イノベーション基本計画注36の 2030 年度目標に向けて、スマートシティ関連事業による先行事例の創出等を行う。
・電子渡航認証制度(JESTA)について、2028 年度中の導入に向け、引き続き着実なシステム開発等を進め、制度導入後も円滑な運用を行う。
・自然共生サイトの認定やインセンティブ施策等による OECM 面積の拡大を促進し、2030 年度以降は新たな目標を踏まえながら取組を進める。
・良好な水環境の保全・活用に向け、モデル事業等に引き続き取り組み、2026年度以降は施策事例集等の整理も実施する。
脚注
注35中心市街地活性化本部決定(令和8年3月 24 日)。
注36第7期「科学技術・イノベーション基本計画」(令和8年3月 27 日閣議決定)。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
工程は12項目あります。施策ごとに整理します。
| 施策 | 工程の内容 |
|---|---|
| 小さな拠点 | 2028年度まで、拠点形成に資する事業への出資者への税制措置を実施しつつ、継続的に拠点形成を支援 |
| 地域運営組織(RMO) | 関連施策の一体的推進等で、形成と持続的な運営を支援 |
| 郵便局 | コミュニティ・ハブとして活用する実証で、毎年度効果や課題を把握し事例を創出 |
| 農村RMO | 形成に向けた取組を推進。2030年度以降は食料・農業・農村基本計画の進捗等を踏まえ検討 |
| 地域生活圏 | 民間主体への信頼付与の仕組みや資金等を呼び込む環境の整備 |
| 日本版CCRC | 2026年度に普及等を図り、2027〜2028年度に必要な施策を実施 |
| 中心市街地 | 中心市街地活性化促進プログラム(注35)に基づき、多様な主体の連携や情報発信、伴走支援で認定等のPDCAを実施・拡充 |
| デジタル | 2024年度に開始した交付金の支援を進め、2028年度まで各年度フォローアップ |
| スマートシティ | 科学技術・イノベーション基本計画(注36)の2030年度目標に向け、先行事例の創出等 |
| JESTA | 2028年度中の導入に向けてシステム開発等を進め、導入後も円滑に運用 |
| OECM | 自然共生サイトの認定やインセンティブ施策等で面積を拡大。2030年度以降は新たな目標を踏まえ取組 |
| 水環境 | モデル事業等に取り組み、2026年度以降は施策事例集等も整理 |
「小さな拠点」の税制措置は、拠点づくりにお金を出す人の税金を軽くして、民間のお金が集まりやすくする仕組みだと読めます。地域生活圏の「信頼付与の仕組み」も、地域の担い手となる民間の主体が信用を得て、資金を集めやすくするための工夫と考えられます。
自然共生サイトは、民間などの取組で生物多様性の保全が図られている場所を認定するもので、OECMの面積を広げる手段として位置付けられています。
ポイント
- 「小さな拠点」は2028年度までの間、拠点形成に資する事業への出資者への税制措置を実施しつつ、継続的に支援する。
- 郵便局をコミュニティ・ハブとして活用する実証で、毎年度効果や課題を把握しながら利活用を推進する。
- 日本版CCRCは2026年度に普及等を図り、2027〜2028年度に必要な施策を実施する。
- 電子渡航認証制度(JESTA)は2028年度中の導入に向けてシステム開発等を進める。
よくある疑問
Q小さな拠点づくりに出資すると税金が安くなるのですか?
原文の工程には「2028年度までの間は拠点形成に資する事業への出資者への税制措置を実施」と書かれています。対象となる事業や出資の条件などの詳細は原文に書かれていないので、所管府省庁の公表資料で確認してください。
出典・参考資料
- 内閣官房「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)本文 p.34〜36: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf
- 中心市街地活性化促進プログラム(中心市街地活性化本部決定、令和8年3月24日)、第7期「科学技術・イノベーション基本計画」(令和8年3月27日閣議決定)は、原文の注に挙げられている関連文書です。
- 第2節の前半「イ. 持続可能な生活インフラの実現」(交通空白・自動運転・インフラ老朽化対策・防災)は前のページで解説しています。
出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。