第3章第1節 計画の目標値(KGI・KPI)

KGIとKPIの違いとは?付加価値増加額・撤退基準・5W1H|計画の目標値

3つの型の計画には、必ず数字の目標を書きます。このページでは、計画の最終年度に達成を目指す「KGI」と、途中の進み具合を測る「KPI」、そして計画を少しずつ良くしていく「PDCAメカニズム」を読みます。数字の目標は、計画が本当に地域を豊かにしているかを、住民や議会が確かめるための「ものさし」です。

原文の場所:第3章 第1節 ア Ⅰ 3 p.14内閣官房経済産業省都道府県市町村

このページの要点

  • 7-1各計画の策定主体は、最終年度に達成を目指すKGIを設定し、KPIと5W1Hを記載する。定期的に数値を確認して計画を具体化・高度化する(PDCAメカニズム)ことで、計画の信頼性を確保する。
  • 7-2必須のKGI:AとBは「官民設備投資額」「産業ニーズに即した人材育成数」「付加価値増加額」の3つ。Cは「付加価値増加額」。Cでは域外も含めた雇用創出数のような広域的なKGIも設定できる。各計画で独自のKGIを追加することも可能。

7-1KGI・KPI・5W1HとPDCAメカニズム#

Q地域未来戦略の計画で設定するKGIとKPIとは何ですか?

答え:各計画の策定主体は、計画の最終年度に達成を目指すKGIを設定する。KGI達成に向けた政策手段の進捗管理のため、計画の特性に合わせたKPIを設定し、5W1Hを記載する。定期的に数値の現状を確認し、計画を具体化・高度化する(PDCAメカニズム)ことで、計画の信頼性を確保する。

原文 地域未来戦略 (p.14)

3. 個別計画で設定すべき目標値等

戦略産業クラスター計画、地域産業クラスター計画及び地場産業成長プランの各計画の策定主体は、計画の最終年度において達成を目指す目標値(KGI)を設定する。その達成に向け、政策手段の進捗管理を行うための KPI を計画の特性に合わせて設定し、5W1H を記載する。定期的な進捗確認において、数値の現状を確認し、実行状況を踏まえた計画の具体化・高度化を行う(以下「PDCA メカニズム」という。)。こうした一連のプロセスにより個別計画の信頼性を確保していく。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この段落には、計画の数字に関する言葉が4つ出てきます。整理しておきましょう。

言葉 意味 部活動でたとえると
KGI(重要目標達成指標) 計画の最終年度に達成を目指す目標値 「県大会でベスト4」
KPI(重要業績評価指標) KGIに向けて、政策手段が進んでいるかを管理するための目標 「毎月の練習試合で勝率6割」「シュート成功率50%」
5W1H 施策の意義、内容、期限、担当部署、検討の場及び進め方 「誰が、いつまでに、どこで、どんな練習をするか」
PDCAメカニズム 定期的に数値を確認し、実行状況を踏まえて計画を具体化・高度化すること 「試合の結果を見て、練習メニューを見直す」

原文では、KPIを「計画の特性に合わせて設定」すると書かれています。半導体の大規模投資と、町の伝統工芸とでは、途中で確認すべき数字が違うからです。

最後の一文、「こうした一連のプロセスにより個別計画の信頼性を確保していく」が大切です。国が別枠の予算や交付金を出す以上、「その計画は本当に実現するのか」を誰もが確かめられなければなりません。数字で目標を示し、定期的に確認して見直す。この仕組みそのものが、計画を信頼できるものにしているのです。

ポイント

  • 各計画の策定主体は、計画の最終年度に達成を目指すKGIを設定する。
  • KGI達成に向けた政策手段の進捗管理のため、計画の特性に合わせたKPIを設定し、5W1Hを記載する。
  • 定期的に数値の現状を確認し、計画を具体化・高度化する(PDCAメカニズム)ことで、計画の信頼性を確保する。

よくある疑問

QKGIとKPIはどう違うのですか?

A

KGIは計画の最終年度に達成を目指す「ゴールの数字」、KPIはそのゴールに向けて政策手段が進んでいるかを途中で確認するための「途中経過の数字」です。地域未来戦略の計画では、両方を設定し、5W1Hもあわせて記載します。

7-2必ず設定するKGI ― 投資額・人材育成数・付加価値増加額#

Q3類型の計画で必ず設定しなければならないKGIは何ですか?

答え:A・Bの必須KGI:官民設備投資額、産業ニーズに即した人材育成数、付加価値増加額。Cの必須KGI:付加価値増加額。域外も含めた雇用創出数のような広域的なKGIも設定可能。全計画で独自のKGIを追加設定できる。必須KGIは必ずフォローアップを行う。

原文 地域未来戦略 (p.14)

以下の KGI は必ず設定し、フォローアップを行うものとするが、各計画において、必要に応じて独自の KGI を設定することも可能とする。

A. 戦略産業クラスター計画

○官民設備投資額の増加

✓当該計画による官民設備投資額

○地域の人材力強化

✓当該計画による産業ニーズに即した人材育成数

○地方における付加価値向上

✓当該計画による付加価値増加額

B. 地域産業クラスター計画

○官民設備投資額の増加

✓当該計画による官民設備投資額

○地域の人材力強化

✓当該計画による産業ニーズに即した人材育成数

○地方における付加価値向上

✓当該計画による付加価値増加額

C. 地場産業成長プラン

○地方における付加価値向上

✓当該プランによる付加価値増加額

※地場産業を含む地域の産業においても、域外の雇用・物流等のリソースに依拠することも多いため、域外も含めた雇用創出数のような広域的なKGI の設定も可能とする。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

必ず設定するKGIを表にまとめます。

KGI A 戦略産業クラスター B 地域産業クラスター C 地場産業成長プラン
官民設備投資額(官民設備投資額の増加) 必須 必須 ―
産業ニーズに即した人材育成数(地域の人材力強化) 必須 必須 ―
付加価値増加額(地方における付加価値向上) 必須 必須 必須
独自のKGI 追加できる 追加できる 追加できる(域外も含めた雇用創出数のような広域的なKGIも可)

3つの型すべてに共通する必須KGIは、「付加価値増加額」だけです。

付加価値とは、会社や産業が新しく生み出した価値(もうけ)のことです。ざっくり言うと「売上から、材料費や仕入れなど外から買ったものの費用を引いた額」で、そこから給料や利益、税金が生まれます。売上が大きくても、材料費がほとんどなら地域に残るお金は少ない。だから、地域未来戦略では「どれだけ売れたか」ではなく「どれだけ地域で価値を生んだか」を共通のものさしにしているのです。

Cの※印も大切です。地場産業は、域外の雇用や物流などのリソースに頼っていることが多いので、自分の町だけでなく域外も含めた雇用創出数のような広い範囲のKGIを設定することもできます。たとえば、隣の市の工場で加工する、都市部の物流会社を使う、といった実態に合わせられるわけです。

ポイント

  • A・Bの必須KGI:官民設備投資額、産業ニーズに即した人材育成数、付加価値増加額。
  • Cの必須KGI:付加価値増加額。域外も含めた雇用創出数のような広域的なKGIも設定可能。
  • 全計画で独自のKGIを追加設定できる。必須KGIは必ずフォローアップを行う。

よくある疑問

Q付加価値増加額とは何ですか?

A

計画によって新たに生み出される付加価値(売上から外部から購入した材料費などを差し引いた、企業や地域が新しく生み出した価値)の増加分です。地域未来戦略では、3類型すべての計画で必ず設定するKGIになっています。具体的な算定方法は、計画の策定時に国が示す方法や手引きで確認してください。

出典・参考資料

出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。

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