第3章第1節 産業クラスターと3つの計画

産業クラスターとは?わかりやすく|基本的考え方と3つの計画の全文と解説

ここから、地域未来戦略の本体である第3章が始まります。第1節「強い地域経済の構築」は、戦略全体の中でもっとも分量が多く、もっとも力が入った部分です。このページでは、その入口にあたる「基本的考え方」と、3つの類型の計画の共通ルールを読みます。

原文の場所:第3章 第1節 ア Ⅰ 1・2 p.5〜7国都道府県市町村中堅・中小企業

このページの要点

  • 3-15つの視点:国が一歩前に出て立地と投資を後押し/インフラと環境整備を一体で/地域全体の産業を強化/人材育成を産業政策と一体で/域外から稼げる産業を育てる。
  • 3-2限られた財政・人のリソースを成長分野へ。公共施設の集約・再配置や公共交通・物流の再構築を、成長投資と一体で進める。
  • 3-3地方を「AX(AIトランスフォーメーション)の始まりの場所」に。自治体と中堅・中小企業のAXを戦略的に後押し。
  • 3-4産業の規模や広がりに合わせて、A・B・Cの3つの型の計画を作る。
  • 3-5型ごとに、それぞれの特性や課題に応じた支援策を講じる。
  • 3-6計画には【目標】【道筋】【政策手段】を書き、KPIと5W1Hで進み具合を確認し、PDCAで実現性を担保する。
  • 3-8計画は定期的に新規分を公表し、誘発された官民投資は地図で見える化する。

3-1基本的考え方 ― 強い地域経済をつくる5つの視点#

Q地域未来戦略の「基本的考え方」の5つの視点とは何ですか?

答え:「国が一歩前に出て」立地と投資を後押しし、中堅・中小企業の役割を重視する。インフラ整備と環境整備を一体で行い、共同利用・共同事業などで地域全体の産業を強化する。産業人材の需要を明確にしたうえで、産業政策と人材戦略を一体で進める。

原文 地域未来戦略 (p.5)

第3章 政府が講ずべき本戦略に関する施策を総合的かつ計画

的に実施するために必要な事項注8

第1節 強い地域経済の構築に貢献する主な施策の推進

ア. 産業クラスターの形成に伴う高付加価値型産業創出

Ⅰ. 強い経済を実現するための基本的方向性【道筋】

1. 基本的考え方

強い地域経済の構築に向け、以下の視点から関連施策を展開していくこととする。

・17 の戦略分野について政府主導で官民投資を促進しつつ、地方公共団体と協力して具体的な立地を定め、同時に、地域の産業のサプライチェーンを支える中堅・中小企業の役割を重視し、戦略分野に関連する産業及び地域をけん引する産業の育成や地場産業を含む地域の産業の育成への地域主導のきめ細やかな取組・挑戦に対して国が一歩前に出て積極的な支援を行う。

・その際、必要となるインフラ整備や従来からの地方創生の取組も含めた環境整備を一体的に行う。

・個々の企業の育成支援だけでなく、施設等の共同利用・共同事業による効率化や、サプライチェーン上の機能で地域にないものを補完するための取組等の地域主導で地域全体の産業を強化する施策を支援する。

・各地域において産業クラスターや地場産業を含む地域の産業の形成・育成に必要となる産業人材の需要を明確化した上での戦略的な人材育成により、産業政策と人材戦略を一体的に推進する。

・競争優位を確立し、地域外、更には海外から持続的に収益を獲得可能な、又は地域での新たな生産により輸入を代替して持続的に収益を獲得可能な、真に地域経済に裨益する産業の育成を図る。

脚注

注8「政府が講ずべきまち・ひと・しごと創生に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項」(法第8条第2項第3号)を指す。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

見出しが何段も重なっていて驚いたかもしれません。「第3章 → 第1節(強い地域経済)→ ア.(産業クラスターの形成に伴う高付加価値型産業創出)→ Ⅰ.(基本的方向性【道筋】)→ 1.(基本的考え方)」という入れ子になっています。ここが第1節全体の「ものの考え方」を決める場所です。

5つの「・」を、一つずつかみくだきます。

  1. 国が一歩前に出る:17の戦略分野では、国が主導して官民投資を進め、自治体と一緒に「どこに工場や拠点を置くか(立地)」まで決めます。同時に、大企業を支える部品・材料メーカーなど中堅・中小企業の役割を重視し、地域の挑戦を国が積極的に支援します。「一歩前に出て」は、この戦略に何度も出てくる大事な言葉です。これまでの「自治体が考え、国は後ろから補助する」から、「国も前に出て一緒に汗をかく」への転換を表しています。
  2. インフラと環境整備を一体で:道路や港などのインフラと、これまでの地方創生の取組(住まいや子育て環境など)をバラバラではなくまとめて整えます。
  3. 地域全体の産業を強化:1社だけを応援するのではなく、施設の共同利用や共同事業で効率を上げたり、地域に足りない機能(たとえば検査設備や物流拠点)を補ったりして、地域ぐるみで強くします。
  4. 人材育成を産業政策と一体で:「この産業には、こういう技術を持った人が何人必要か」という需要をはっきりさせてから、学校や研修で戦略的に人を育てます。
  5. 域外から稼げる産業を育てる:地域の外や海外に売ってお金を稼げる産業、あるいは今まで輸入していたものを地域で作れるようにする(輸入代替)産業を育てます。原文の「裨益(ひえき)する」は「役に立つ・利益をもたらす」という意味です。

5つ目が特に重要です。地域の中だけでお金が回っていても、人口が減れば市場は縮みます。地域の外からお金を持ってこられる産業があってはじめて、地域経済は強くなるのです。

ポイント

  • 「国が一歩前に出て」立地と投資を後押しし、中堅・中小企業の役割を重視する。
  • インフラ整備と環境整備を一体で行い、共同利用・共同事業などで地域全体の産業を強化する。
  • 産業人材の需要を明確にしたうえで、産業政策と人材戦略を一体で進める。
  • 域外・海外から稼げる、又は輸入代替で稼げる産業を育てる。

よくある疑問

Q「サプライチェーン」とは何ですか?

A

製品が原材料から部品、組み立て、販売まで届くまでの「供給のつながり」のことです。たとえば船を造るには、鉄板、エンジン、クレーンなど多くの会社の製品が必要です。地域未来戦略では、大企業だけでなく、このつながりを支える中堅・中小企業の役割を重視しています。

3-2限られたリソースを成長分野へ ― 地域基盤の再構築#

Qなぜ地域未来戦略は公共施設の集約や地域交通の再構築を成長投資と一緒に進めるのですか?

答え:多くの市町村では、施設の老朽化・人口構造の変化・人手不足で、リソースが既存基盤の維持に取られている。公共施設の集約・再配置や、持続可能な地域公共交通・物流の実現を、成長分野への投資と一体で再構築する。この考え方は、地場産業成長プランの記載項目(地場産業を含む地域の産業を支える仕組みづくり)にもつながる。

原文 地域未来戦略 (p.5)

くわえて、人口減少社会において、地域経済の成長を実現するためには、限られた財政・人的リソースを成長分野に振り向ける必要がある。他方、多くの市町村では公共施設の老朽化、人口構造の変化、人手不足等により、多くのリソースが既存基盤の維持に費やされているのが現状である。このため、公共施設等の集約・再配置等の地域経済を支える基盤機能との連携、持続可能な地域公共交通・物流の実現を、地域の事情に合わせて成長分野への投資と一体的に再構築する取組も促進する。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この段落は、市町村役場の現実に正面から向き合っています。

人口が減る社会では、自治体のお金(財政)も職員(人的リソース)も限られます。本当は成長分野に力を入れたいのに、実際には、古くなった公共施設(学校、公民館、橋、上下水道など)の修理や、人口構造の変化への対応、人手不足のやりくりに、多くのお金と人が取られてしまっています。原文の「多くのリソースが既存基盤の維持に費やされている」という言葉は、そのことを率直に表しています。

そこで、次のような「地域基盤の再構築」を、成長分野への投資と一体で進めるよう促しています。

  • 公共施設等の集約・再配置:たとえば、使う人が減った複数の施設を1か所にまとめ、維持費を減らす。
  • 持続可能な地域公共交通・物流:バスや鉄道、配送の仕組みを、人口が減っても続けられる形に作り直す。

ポイントは「地域の事情に合わせて」と「一体的に」です。施設を減らすだけ、交通を削るだけではなく、浮いたお金や人を成長分野に回し、新しい産業の拠点づくりとセットで進める、という発想です。

ポイント

  • 多くの市町村では、施設の老朽化・人口構造の変化・人手不足で、リソースが既存基盤の維持に取られている。
  • 公共施設の集約・再配置や、持続可能な地域公共交通・物流の実現を、成長分野への投資と一体で再構築する。
  • この考え方は、地場産業成長プランの記載項目(地場産業を含む地域の産業を支える仕組みづくり)にもつながる。

3-3地方を「AXの始まりの場所」に#

Q地域未来戦略のAX(AIトランスフォーメーション)とは何ですか?

答え:AX=AIトランスフォーメーション。AIの積極的な活用で仕事や組織を変えること。AIの活用は「人手不足を乗り越える飛躍的発展の好機」。地方公共団体と、現場現業型でスピード感のある中堅・中小企業のAXを戦略的に後押しする。

原文 地域未来戦略 (p.5〜6)

また、AI の積極的な活用は人手不足を乗り越える飛躍的発展の好機である。地方を AI トランスフォーメーション(以下「AX」という。)の始まりの場所とすべく、地方公共団体や現場現業型でスピード感のある中堅・中小企業の AXを戦略的に後押しする。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

ここでAX(AIトランスフォーメーション)という言葉が登場します。DX(デジタルトランスフォーメーション)がデジタル技術で仕事や社会を変えることだったのに対し、AXはAI(人工知能)を積極的に使って、仕事のやり方や組織そのものを変えることです。

原文は、AIの活用を「人手不足を乗り越える飛躍的発展の好機」と位置付けています。人手不足に一番困っているのは地方です。だからこそ、地方を「AXの始まりの場所」にしよう、という逆転の発想です。

後押しする対象は2つです。

  • 地方公共団体(自治体):窓口業務、書類の審査、議会答弁の下書きなど、役所の仕事にAIを取り入れる。
  • 現場現業型でスピード感のある中堅・中小企業:工場、建設現場、農業、物流など「現場」を持つ会社は、決断が速く、AIを取り入れた効果がすぐ現れやすい。

私自身、自治体向けのAIを開発していて感じるのは、地方の自治体や中小企業ほど、AIで変われる余地が大きいということです。職員や社員が少ないからこそ、一人がAIを使いこなすだけで、組織全体の仕事が大きく変わります。「AXの始まりの場所」という表現は、決して大げさではありません。

ポイント

  • AX=AIトランスフォーメーション。AIの積極的な活用で仕事や組織を変えること。
  • AIの活用は「人手不足を乗り越える飛躍的発展の好機」。
  • 地方公共団体と、現場現業型でスピード感のある中堅・中小企業のAXを戦略的に後押しする。

よくある疑問

QAXとDXは何が違うのですか?

A

DXはデジタル技術全般(クラウド、電子申請、データ活用など)で仕事や社会を変えることです。AXは、その中でも特にAIを使って業務や意思決定のやり方を変えることを指します。地域未来戦略では「AI トランスフォーメーション(以下「AX」という。)」と定義しています。

3-4なぜ計画を「3つの型」に分けるのか#

Qなぜ地域未来戦略は計画を3つの類型に分けているのですか?

答え:産業は製品・サービスの内容、事業規模、広域性などで形態が多様。だから課題も必要な支援も違う。A:17の戦略分野で世界共通の課題解決を目指す産業。国が一歩前に出る。B:17分野以外でも海外展開・国内トップシェアを目指す、都道府県主導の産業。

原文 地域未来戦略 (p.6)

2. 地域未来戦略に関する3つの類型の計画

地域経済を支える産業は、実現を目指す製品・サービス等の内容や事業規模、広域性等の観点から、多様な形態を有している。これらは、その特性に応じて、形成に当たっての課題や必要とされる支援の内容が大きく異なる。

具体的には、世界共通の課題解決に資する製品・サービス等を目指し、成長戦略における 17 の戦略分野に位置付けられる産業については、国が一歩前に出て大胆な投資を誘引し、戦略的に各地方に産業クラスターを形成する。

また、17 の戦略分野以外においても、海外市場への展開や国内トップシェアの獲得を目指し、地域経済をけん引する都道府県主導の産業クラスターが想定される。

くわえて、これらの産業クラスターと比べると規模は小さいものの、地域に複数存在し、地域資源を活用しながら付加価値を創出し、地域を面的に支える市町村単位の地場産業を含む地域の産業も重要な役割を担う。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

地域の産業は、大きさも、目指す市場も、さまざまです。世界と競う半導体工場と、町の名産品を作る小さな工房とでは、困っていることも、必要な支援もまったく違います。だから1つのやり方で全部を応援するのではなく、型に分けて、それぞれに合った支援をするのです。

原文の3つの段落は、そのまま3つの型に対応しています。

原文の段落 型 特徴
「具体的には、世界共通の課題解決に資する…」 A 戦略産業クラスター 17の戦略分野。国が一歩前に出て大胆な投資を誘引
「また、17 の戦略分野以外においても…」 B 地域産業クラスター 海外展開や国内トップシェアを狙う。都道府県が主導
「くわえて、これらの産業クラスターと比べると…」 C 地場産業(成長プラン) 規模は小さいが地域に複数あり、地域を「面的に」支える。市町村単位

Cの説明にある「面的に支える」という言葉に注目してください。Aのような巨大な拠点は「点」で地域を引っぱりますが、地場産業は町のあちこちに散らばって、地域全体を「面」で支えている、という意味です。どちらも欠かせない、というのが地域未来戦略の考え方です。

ポイント

  • 産業は製品・サービスの内容、事業規模、広域性などで形態が多様。だから課題も必要な支援も違う。
  • A:17の戦略分野で世界共通の課題解決を目指す産業。国が一歩前に出る。
  • B:17分野以外でも海外展開・国内トップシェアを目指す、都道府県主導の産業。
  • C:規模は小さくても地域資源で付加価値を生み、地域を面的に支える市町村単位の産業。

3-53つの計画と、それぞれに合った支援策#

Q3類型の計画はそれぞれ何を目指しているのですか?

答え:3つの類型の計画(A〜C)を定め、それぞれの特性や課題に応じた支援策を講じる。

原文 地域未来戦略 (p.6)

こうした多様な産業クラスターや地場産業を含む地域の産業の形成を進めるため、以下 A~C のとおり3つの類型の計画を定め、それぞれの特性や課題に応じた支援策を講じていく。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

一文だけの短い段落ですが、「型を決めて、型ごとに支援策を講じる」という第1節全体の構造を宣言しています。このあと原文では、

  • Ⅰ-2のA〜C:それぞれの計画の位置付け・要件・記載項目・策定プロセス
  • Ⅰ-3:計画で必ず設定する目標値(KGI)
  • Ⅱ-1〜3:A・B・Cそれぞれの課題と主な支援施策

という順に、型ごとの説明が続きます。このサイトでも、A 戦略産業クラスター計画、B 地域産業クラスター計画、C 地場産業成長プランと、ページを分けて解説しています。3つを並べて比べたいときは3つの計画の比較表が便利です。

ポイント

  • 3つの類型の計画(A〜C)を定め、それぞれの特性や課題に応じた支援策を講じる。

3-6計画に書くこと ― 【目標】【道筋】【政策手段】とKPI・5W1H#

Q地域未来戦略の計画には何を書く必要がありますか?

答え:計画には【目標】【道筋】【政策手段】の3つを書く。目標だけでなく、競争優位性の確立と収益性確保に向けた道筋、課題と政策手段を明確にすることが重要。KPIと5W1H(意義・内容・期限・担当部署・検討の場・進め方)を設定し、定期的に進捗を確認する。

原文 地域未来戦略 (p.6)

計画策定に当たっては、当該分野や地域産業の現状認識と目指す姿である【目標】を整理し、産業クラスター形成で重点的に集積等を図る製品・サービス等の特定に加え、投資の具体像と定量的インパクトの見込みである【道筋】を示した上で、実行に向けた課題を整理し、これを解決するために必要な政策である【政策手段】を記載する。その際、単に目標を設定するだけでなく、競争優位性の確立及び収益性確保に向けた道筋に加え、課題及び必要な政策手段を明確化することが重要である。その政策手段が実際に進んでいるかを把握するため、KPI 及び 5W1H(「施策の意義、内容、期限、担当部署、検討の場及び進め方」をいう。以下同じ。)を設定し、定期的に進捗を確認する。進捗が芳しくない場合にはボトルネックを特定して解消を図るとともに、必要に応じて追加施策を講ずる等の PDCA により実現性を担保していく。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

この段落は、3つの型すべてに共通する「計画の書き方」です。自治体の職員が計画を作るときに、いちばん参考になる部分といえます。

計画には、次の3つの柱を書きます。

柱 何を書くか たとえると
【目標】 今の産業の状況(現状認識)と、目指す姿 「どこへ行くか」
【道筋】 重点的に集める製品・サービス、投資の具体像、数字で見た効果(定量的インパクト) 「どの道を通るか」
【政策手段】 実行するうえでの課題と、それを解決するために必要な政策 「どんな乗り物・道具を使うか」

そして、原文は「単に目標を設定するだけでなく」とくぎを刺しています。「○○産業で日本一に」と目標を掲げるだけの計画では足りず、どうやって他より強くなるのか(競争優位性)、どうやってもうけを出すのか(収益性)まで、道筋をはっきり書く必要があります。

さらに、計画が本当に進んでいるかを確かめるため、次のものを設定します。

  • KPI(重要業績評価指標):途中の進み具合を測る数字。
  • 5W1H:施策の「意義、内容、期限、担当部署、検討の場及び進め方」。誰が・いつまでに・どこで・何を・なぜ・どうやって、をはっきりさせることです。

進み具合が良くなければ、どこが詰まっているか(ボトルネック)を特定して取り除き、必要なら追加の施策を打ちます。この「計画(Plan)→実行(Do)→確認(Check)→改善(Act)」のくり返しがPDCAです。

ポイント

  • 計画には【目標】【道筋】【政策手段】の3つを書く。
  • 目標だけでなく、競争優位性の確立と収益性確保に向けた道筋、課題と政策手段を明確にすることが重要。
  • KPIと5W1H(意義・内容・期限・担当部署・検討の場・進め方)を設定し、定期的に進捗を確認する。
  • 遅れたらボトルネックを特定して解消し、追加施策も講じる(PDCA)。

よくある疑問

Q5W1Hとは、ふつうの「いつ・どこで・誰が…」と同じですか?

A

考え方は同じですが、地域未来戦略では「施策の意義、内容、期限、担当部署、検討の場及び進め方」と具体的に定義しています。計画に書いた施策ごとに、なぜやるのか、何をするのか、いつまでに、どの部署が、どの会議などで検討し、どう進めるのかを決めておく、ということです。

Q計画が予定どおり進まなかったらどうなるのですか?

A

まずボトルネック(進まない原因)を特定して解消を図り、必要に応じて追加の施策を講じます。なお、地域産業クラスター計画と地場産業成長プランでは、KPIが達成できなかったときの「撤退基準」もあらかじめ設定することが要件になっています。

3-7分野横断的な課題 ― スタートアップ・金融・人材育成#

Q地域未来戦略と日本成長戦略の分野横断的課題はどう関係していますか?

答え:スタートアップ、金融、人材育成などは成長戦略の分野横断的課題で、地域経済にも共通する課題。成長戦略の取組を通じて、3類型の計画の下での官民投資を加速し、全国に広げる。

原文 地域未来戦略 (p.6)

成長戦略におけるスタートアップ、金融、人材育成等の分野横断的課題は、地域経済においても共通する課題であり、成長戦略の分野横断的課題へ対応していく取組を通じて、3つの類型の計画の下での官民投資を加速するとともに、日本全国に拡大させていく。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

日本成長戦略には、17の戦略分野とは別に、どの分野にも共通する「分野横断的課題」があります。原文では例として、スタートアップ(新しい技術やアイデアで急成長を目指す若い会社)、金融(投資や融資などのお金の流れ)、人材育成が挙げられています。

これらは地方でも同じように大きな課題です。だから、成長戦略で分野横断的課題に取り組むことが、そのまま3類型の計画の下での官民投資を加速させ、日本全国に広げることにつながる、と書かれています。国全体の成長戦略と地方の戦略が、ここでもつながっているわけです。

ポイント

  • スタートアップ、金融、人材育成などは成長戦略の分野横断的課題で、地域経済にも共通する課題。
  • 成長戦略の取組を通じて、3類型の計画の下での官民投資を加速し、全国に広げる。

3-8計画の定期公表と、投資の「地図での見える化」#

Q3類型の計画はどのように公表されるのですか?

答え:3類型の計画は定期的に新規計画を取りまとめて公表し、既存計画の進捗も確認する。誘発された官民投資は地図上に図示して可視化する。

原文 地域未来戦略 (p.6〜7)

また、3つの類型の計画について、定期的に新規計画を取りまとめて公表するとともに、既存計画の進捗状況の確認を行う。その際、地域未来戦略の取組により誘発された各地域における官民投資について、地図上に図示する形で可視化を進める。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

3つの型の計画は、一度作って終わりではありません。国は定期的に新しい計画を取りまとめて公表し、すでにある計画の進み具合も確認します。

さらに、地域未来戦略の取組によって生まれた(誘発された)官民投資を、地図の上に示して見える化します。第1章の「国内投資マップ」と同じ考え方です。どの地域に、どんな投資が、どれくらい集まっているかが一目でわかれば、住民や企業、ほかの自治体にとっても大きな刺激になります。

ポイント

  • 3類型の計画は定期的に新規計画を取りまとめて公表し、既存計画の進捗も確認する。
  • 誘発された官民投資は地図上に図示して可視化する。

出典・参考資料

出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。

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