付録3つの計画の比較表

戦略産業クラスター計画・地域産業クラスター計画・地場産業成長プランの違い|比較表

戦略産業クラスター計画、地域産業クラスター計画、地場産業成長プラン。名前が似ていて混同しやすい3つの計画を、原文に書かれた内容をもとに1枚の表で比べます(表の整理は記事の著者によるものです。各項目の原文は、それぞれのページで確認できます)。

原文の場所:第3章 第1節 ア Ⅰ 2・3(比較のための整理) p.3, p.6〜14国都道府県政令指定都市市町村

このページの要点

  • 92-1主体:Aは国(内閣官房・経済産業省)、Bは都道府県(政令指定都市も可)、Cは市町村又は都道府県。
  • 92-2要件:Aは投資実現の確度と国際競争力、Bは知事主体の伴走支援と撤退基準、Cは相談窓口と特定企業への過度な依存の回避。
  • 92-3KGI:A・Bは投資額・人材育成数・付加価値増加額、Cは付加価値増加額(広域KGIも可)。
  • 92-4迷ったら:17の戦略分野の大規模投資があるならA、県として域外から稼ぐ産業を育てるならB、地元の産業の付加価値と販路を伸ばすならC。

92-1基本の比較 ― 誰が、何のために作るのか#

Q戦略産業クラスター計画・地域産業クラスター計画・地場産業成長プランの違いは何ですか?

答え:Aは国が作る計画、Bは都道府県が作る計画、Cは市町村又は都道府県が作るプラン。対象は、Aが17の戦略分野、Bが域外から稼げる産業、Cが地域に根ざす多様な産業。いずれも区域をまたぐ共同での作成・提案ができる。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

比較項目 A 戦略産業クラスター計画 B 地域産業クラスター計画 C 地場産業成長プラン
策定する主体 内閣官房及び経済産業省(地方ブロックの素案と都道府県の候補プロジェクト提案を基に策定) 都道府県(知事が主導)。政令指定都市も独自に策定可 市町村又は都道府県
起点・対象 17の戦略分野に関連する企業の大規模投資 海外輸出で外貨を獲得し得る、又は国内市場で上位シェアを目指し得る産業 農林水産業、観光業、スポーツ産業、伝統的工芸品製造業、部品加工業など地域住民の生活を支える多様な産業
目指すこと 世界をリードする産業の定着。日本経済全体の成長への貢献 地域全体としての産業競争力の底上げ 付加価値の創出と域外・海外需要の獲得。面的に地域経済を支える
規模のイメージ 最大(一定の大規模投資) 中(地域経済をけん引) 個々は小規模でも数が多い
区域 地理的集積が原則。サプライチェーンで密接不可分なら飛び地も一体。複数都道府県の共同提案可 同左。複数都道府県の共同作成可 複数の地方公共団体による共同作成可
国の確認 国が策定 事前確認 → 知事が公表 → 正式提出 → 国が要件確認・公表 事前確認 → 首長が公表 → 正式提出 → 国が要件確認・公表
進捗確認 半年に1回程度、5W1Hに基づき確認。関係副大臣等会議に報告・公表 KGI・KPIで定期的に確認(PDCAメカニズム) 同左

ポイント

  • Aは国が作る計画、Bは都道府県が作る計画、Cは市町村又は都道府県が作るプラン。
  • 対象は、Aが17の戦略分野、Bが域外から稼げる産業、Cが地域に根ざす多様な産業。
  • いずれも区域をまたぐ共同での作成・提案ができる。

92-2要件の比較#

Q3類型の計画の要件はどう違うのですか?

答え:Aは「国の戦略との整合」と「投資実現の確度」が特に重視される。Bは「知事が主体の伴走支援体制」、Cは「相談窓口の設置」が自治体のコミットメントの要件。BとCは、KPI未達時の撤退基準の設定が要件。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

要件の観点 A(7要件) B(7要件) C(6要件)
国の戦略との整合 ①官民投資ロードマップ等との整合性、⑤有識者検討会の素案に候補として明記 ― ―
市場・競争力 ②国際的な競争優位性 ①有望度(市場ニーズ、域外から持続的に収益) ①有望度(市場ニーズ、付加価値向上又は販路拡大)
実現の確かさ ③実現可能性(補助金等の採択等で確度が保証) ③実現可能性(核となる企業。誘致予定も可) ③実現可能性(核となる事業主体=企業・組合・個人事業主等。誘致予定も可)
規模・効率 ④投資の規模(一定の大規模投資) ⑤費用対効果(高い付加価値) ―
地域への波及・雇用 ⑥良質な雇用の創出・維持 ②域内への波及(域内取引額・売上額・労働環境) ②域内への波及(同、目標値を設定)
依存リスク ― ④外部依存リスクの低減(必須・高付加価値の部品・技術・工程を域内又は国内で) ④外部依存リスクの低減(大企業・フランチャイザー等に過度に依存しない)
自治体の本気度 ― ⑥都道府県のコミットメント(知事主体の継続的な伴走支援、地域金融機関・商工会等) ⑤地方公共団体のコミットメント(相談窓口の設置)
インフラ ⑦インフラ・分野特有の拠点整備との一体的な開発 ― ―
目標値 (記載項目でKGI・KPIを設定) ⑦KGI・KPI・撤退基準 ⑥KGI・KPI・撤退基準

ポイント

  • Aは「国の戦略との整合」と「投資実現の確度」が特に重視される。
  • Bは「知事が主体の伴走支援体制」、Cは「相談窓口の設置」が自治体のコミットメントの要件。
  • BとCは、KPI未達時の撤退基準の設定が要件。

92-3KGIと記載項目の比較#

Q3類型の計画で必須のKGIと記載項目はどう違うのですか?

答え:3類型すべてに共通する必須KGIは「付加価値増加額」。どの計画も【目標】【道筋】【政策手段】の3本柱で書く。Cだけに「地場産業を含む地域の産業を支える仕組みづくり」(公共施設の集約・再配置や地域公共交通)の項目がある。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

比較項目 A B C
必須KGI 官民設備投資額、人材育成数、付加価値増加額(2040年目標) 官民設備投資額、人材育成数、付加価値増加額 付加価値増加額(域外も含めた雇用創出数のような広域的なKGIも可)
【目標】 計画の構想(目指す姿、KGIと根拠・効果検証方法) 現状認識と目指すべき姿 現状認識と目指すべき姿
【道筋】 核となる大規模投資案件、課題と対策 勝ち筋の特定と投資の具体像、定量的インパクト 付加価値を増す道筋の特定と定量的インパクト
【政策手段】 計画実行に当たり活用が想定される政策 投資促進に向けた課題と講ずべき政策・KPI 事業推進に向けた課題と講ずべき政策・KPI、地域の産業を支える仕組みづくり
現地化 ― 現地化の取組 現地化の取組

ポイント

  • 3類型すべてに共通する必須KGIは「付加価値増加額」。
  • どの計画も【目標】【道筋】【政策手段】の3本柱で書く。
  • Cだけに「地場産業を含む地域の産業を支える仕組みづくり」(公共施設の集約・再配置や地域公共交通)の項目がある。

92-4どの計画を目指すか ― 判断の目安#

Q自分の地域はどの計画を目指せばよいですか?

答え:大規模投資の確度があればA、県として域外から稼ぐ産業ならB、地場産業の付加価値と販路ならC。1つの地域でA・B・Cが重なることもある。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

原文の要件をもとに、最初の判断の目安をフローにしてみました(記事の著者による整理です。最終的には国の公募要領や事前確認で確認してください)。

  1. 17の戦略分野に関連する企業の大規模投資が、地域で実際に決まっている(補助金の採択など)か? → はい:都道府県を通じて A 戦略産業クラスター計画の候補プロジェクトとして、地方ブロックの素案との整合を確認する。

  2. 都道府県として、海外輸出で稼げる、又は国内上位シェアを狙える産業と、その核となる企業があるか? 知事を中心に、地域金融機関なども巻き込んだ伴走支援体制を組めるか? → はい:B 地域産業クラスター計画(政令指定都市は独自策定も可)。

  3. 地域資源をいかして、付加価値を高めたり販路を広げたりできる地場産業と、その核となる事業主体(企業・組合・個人事業主など)がいるか? → はい:C 地場産業成長プラン(近隣自治体と共同作成も可)。

1つの地域に複数の型が重なることもあります。たとえば、県内の大規模投資をAで進めながら、その部品を作る県内企業群をBで育て、さらに市町村が地元の食や観光をCで伸ばす、といった組み合わせです。

ポイント

  • 大規模投資の確度があればA、県として域外から稼ぐ産業ならB、地場産業の付加価値と販路ならC。
  • 1つの地域でA・B・Cが重なることもある。

出典・参考資料

出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。

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