概要3分でわかる地域未来戦略

地域未来戦略の要点を3分で|何が変わる?3つの計画・予算・2030年度目標

地域未来戦略は、令和8年(2026年)7月21日に閣議決定された、2030年度までの地方創生の国の総合戦略です。最大の特徴は、「何よりもまず強い地域経済」と言い切り、地方に大規模な投資を呼び込んで各地に産業クラスターをつくることを最優先にしたことです。このページでは、全52ページの戦略を3分で読めるように要点だけをまとめました。詳しくは各ページで原文と解説を読んでください。

原文の場所:全体の要約 全体(p.1〜52)国都道府県市町村企業金融機関教育機関住民

このページの要点

  • 0-1地域未来戦略=2030年度までの国の地方創生の総合戦略。まち・ひと・しごと創生法に基づく。
  • 0-2目標は「47都道府県のどこでも、安全に暮らし、医療・福祉と質の高い教育を受け、働く場所がある社会」。そのために何よりもまず強い地域経済。
  • 0-3柱は3つの計画:A 戦略産業クラスター計画(国)、B 地域産業クラスター計画(都道府県)、C 地場産業成長プラン(市町村又は都道府県)。
  • 0-4お金:「強く豊かな日本」投資枠、既存予算と別枠のインフラ整備、地域未来交付金の拡充、補助金の地域未来枠(検討)。当初予算で複数年度の見通しを。
  • 0-5経済だけでなく、生活インフラ・暮らしの満足感・選ばれる地方(若者・女性)も一体で進める。
  • 0-6KGI・KPI・5W1H、ロジックモデル、PDCAで、成果を数字で確かめながら進める。

0-1地域未来戦略とは ― 一言でいうと#

Q地域未来戦略を一言でいうと何ですか?

答え:2030年度までを計画期間とする国の地方創生の総合戦略(令和8年7月21日閣議決定)。新しい「強い地域経済」の取組と、これまでの地方創生の取組をまとめた全体戦略。日本成長戦略(同日閣議決定)と一体で進める。

原文 地域未来戦略 (p.2)

以上を踏まえ、強い地域経済の構築に重点を置いた新たな取組に加え、これまでの地方創生で進めてきた取組も含めた全体戦略として、2030 年度までを計画期間とする「地域未来戦略」注6(以下「本戦略」という。)を取りまとめる。

脚注

注6各地方公共団体においては、本戦略を勘案し、「地方版総合戦略の策定・効果検証のための手引き」(令和7年 12 月版)も参照しながら地域の実情に応じた地方版総合戦略を策定するよう努めるとともに、地方公共団体自らの創意工夫により、地域の特性をいかした取組を地域の多様なステークホルダーと連携しながら進めていく。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

一言でいうと、地域未来戦略は「地方に大きな投資を呼び込んで、稼ぐ力のある産業を各地に育て、その上に安心して暮らせる地域をつくる」ための国の総合戦略です。

これまでの地方創生も、移住の促進や子育て支援、観光振興など、さまざまな取組を進めてきました。地域未来戦略は、それらを引き継ぎつつ、「強い地域経済の構築」に重点を置いた新しい取組を加えた「全体戦略」です。計画期間は2030年度までです。

法律上は、まち・ひと・しごと創生法に基づく国の総合戦略で、令和7年12月23日に閣議決定された「地方創生に関する総合戦略」を変更して作られました(原文の注1)。同じ日に閣議決定された「日本成長戦略」と一体で進めます。

ポイント

  • 2030年度までを計画期間とする国の地方創生の総合戦略(令和8年7月21日閣議決定)。
  • 新しい「強い地域経済」の取組と、これまでの地方創生の取組をまとめた全体戦略。
  • 日本成長戦略(同日閣議決定)と一体で進める。

0-2目指す社会 ― 何よりもまず強い地域経済#

Q地域未来戦略は、どんな社会をつくることを目指していますか?

答え:目標:47都道府県のどこでも、安全・医療福祉・質の高い教育・働く場所がそろう社会。前提:何よりもまず強い地域経済の構築が不可欠。好循環:投資→雇用→所得→消費→投資。住民が実感できる変化を目指す。

原文 地域未来戦略 (p.4)

目標については、47 都道府県のどこに住んでいても、安全に生活することができ、必要な医療・福祉や質の高い教育を受けることができ、働く場所がある社会を実現することとする。そのためには、何よりもまず、強い地域経済の構築が不可欠である。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

目標は、どこに住んでいても「安全」「医療・福祉」「質の高い教育」「働く場所」がそろっている社会です。そして、それを実現する前提として「何よりもまず、強い地域経済の構築が不可欠」としています。

理由は第1章に書かれています。東京・大阪・名古屋などの都市圏の8都府県を除く39道県の「地方部」が、日本のGDPの半分程度を生み出しているのに、その地方部で人口減少が急速に進み、消費が減って地域経済が縮むおそれがあるからです。

戦略が描く好循環は、投資 → 良質な雇用 → 所得の増加 → 消費 → さらなる投資。その結果として、住民一人一人が「手取りが増えた」「質の高い教育が受けられる」と実感できる変化を目指します。

ポイント

  • 目標:47都道府県のどこでも、安全・医療福祉・質の高い教育・働く場所がそろう社会。
  • 前提:何よりもまず強い地域経済の構築が不可欠。
  • 好循環:投資→雇用→所得→消費→投資。住民が実感できる変化を目指す。

0-33つの計画 ― A・B・Cで地域の産業を応援#

Q地域未来戦略の3つの計画(3類型)の違いは何ですか?

答え:A:国が主導する、17の戦略分野の大規模投資から始まる計画。B:都道府県が主導する、域外から稼ぐ産業の計画。C:市町村又は都道府県が作る、地場産業の付加価値と販路を伸ばす計画。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

地域未来戦略の中心は、地域の産業を規模や作り手によって3つの型に分けた計画です。

A 戦略産業クラスター計画 B 地域産業クラスター計画 C 地場産業成長プラン
誰が作る 内閣官房・経済産業省(地方ブロックの素案+都道府県の提案) 都道府県(政令指定都市も可) 市町村又は都道府県
対象 17の戦略分野(AI・半導体、造船、宇宙など)の大規模投資 海外で稼げる・国内上位シェアを狙える産業 農林水産業・観光・スポーツ・伝統工芸・部品加工など地域に根ざす産業
国の関わり 国が一歩前に出て、別枠でインフラ・拠点を整備 地域未来交付金の拡充、伴走支援など 地域未来交付金の拡充、伴走支援など
必須KGI 官民設備投資額・人材育成数・付加価値増加額(2040年目標) 官民設備投資額・人材育成数・付加価値増加額 付加価値増加額
特徴的な要件 投資実現の確度、国際的な競争優位性 知事主体の伴走支援体制、撤退基準 相談窓口の設置、特定企業に過度に依存しない、撤退基準

3つの型の詳しい違いは3つの計画の比較表でまとめています。

ポイント

  • A:国が主導する、17の戦略分野の大規模投資から始まる計画。
  • B:都道府県が主導する、域外から稼ぐ産業の計画。
  • C:市町村又は都道府県が作る、地場産業の付加価値と販路を伸ばす計画。

0-4お金の仕組み ― 投資枠・別枠・交付金・地域未来枠#

Q地域未来戦略ではどんな予算が使われるのですか?

答え:新設の『「強く豊かな日本」投資枠』を活用。Aのインフラ・拠点・サプライチェーン投資は既存予算と別枠。BとCは地域未来交付金の拡充と、補助金の地域未来枠(検討)で後押し。

原文 地域未来戦略 (p.1〜2)

これらの計画を実現していくため、地域未来戦略に基づく投資は、新たに設ける『「強く豊かな日本」投資枠』も活用して強力に推進をしていく。また、戦略産業クラスター計画に関しては、「官民投資ロードマップ」に記載の「危機管理投資」、「成長投資」を起爆剤に、それを支えるインフラ整備や、産業クラスター形成に必要な鉄道や造船ドック、ロケット射場のような民間クラスター拠点の整備、17 の戦略分野を支えるサプライチェーン投資について、各計画地域から具体的に提案されるものについて、既存の予算とは別枠で大胆に進める。あわせて、地域発のアイデアに基づく、地域産業クラスター計画や地場産業成長プランを強力に推進するため、それを支えるインフラ整備を同様に進めるとともに、地域未来交付金を拡充して、地方公共団体が主体的に行う投資促進、販路拡大支援、経営力向上のためのソフト支援策等を支援し、地方公共団体と連携して地域発のアイデアを積極的に後押しするため、国の中堅・中小企業向け設備投資補助金や人材育成支援策に地域未来枠を設けるべく検討する。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

お金の流れは、次の4つで押さえましょう。

  1. 『「強く豊かな日本」投資枠』:新しく設ける投資の予算枠。
  2. 既存の予算とは別枠のインフラ・拠点・サプライチェーン投資:主に戦略産業クラスター計画(A)。道路・港・工業用水から、アクセス鉄道や造船ドック、ロケット射場のような拠点まで。
  3. 地域未来交付金の拡充:地域産業クラスター計画(B)と地場産業成長プラン(C)で、自治体が主体的に行う投資促進・販路拡大・経営力向上などのソフト支援を後押し。
  4. 地域未来枠(検討中):国の中堅・中小企業向け設備投資補助金や人材育成支援策の中に、地域の計画向けの枠を設ける方向。

そして、これらは当初予算で大胆かつ計画的に、複数年度にわたって見通しの立つ形で措置するとされています。企業も自治体も、来年の予算があるかどうかわからない状態では、大きな投資を決められないからです。

ポイント

  • 新設の『「強く豊かな日本」投資枠』を活用。
  • Aのインフラ・拠点・サプライチェーン投資は既存予算と別枠。
  • BとCは地域未来交付金の拡充と、補助金の地域未来枠(検討)で後押し。
  • 当初予算で、予見可能性の高い複数年度の措置。

0-5経済だけではない ― 暮らし・選ばれる地方・横断的施策#

Q地域未来戦略には産業政策以外に何が含まれていますか?

答え:第3章は第1節(経済)〜第7節(PDCA)の7節構成。生活インフラ、子育て・医療・福祉、若者・女性に選ばれる地方なども一体で進める。ロジックモデルとPDCAで効果を検証しながら進める。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

地域未来戦略は「経済の戦略」と思われがちですが、第3章は7つの節でできていて、暮らしに関わる内容もたくさん入っています。

節 テーマ 主な内容(例)
第1節 強い地域経済の構築 3類型の計画、支援策、地域基盤の再構築、AX、国の伴走支援、KPIと工程
第2節 豊かな生活環境 「交通空白」の解消、自動運転、地域のサービス拠点、インフラ老朽化対策、上下水道の広域連携、防災、子育て・医療・介護・福祉、地域の拠点、中心市街地
第3節 選ばれる地方 若者や女性に選ばれる働き方・職場改革、地方の高等教育、関係人口、地域おこし協力隊、地方移住
第4節 横断的施策 人的支援・人材育成、情報支援・デジタル、規制・制度改革、財政・金融による支援
第5節 その他の施策 経済・生活環境・選ばれる地方の3分野で、各府省庁の多数の個別施策
第6節 ロジックモデル 目標と施策のつながりを図にして、効果を検証できるようにする
第7節 PDCAサイクル 定期的に効果を検証し、戦略を見直す

つまり、稼ぐ力(第1節)を太い柱にしながら、暮らし(第2節)と人(第3節)で支え、全体を数字で確かめる(第6・7節)という構成です。

ポイント

  • 第3章は第1節(経済)〜第7節(PDCA)の7節構成。
  • 生活インフラ、子育て・医療・福祉、若者・女性に選ばれる地方なども一体で進める。
  • ロジックモデルとPDCAで効果を検証しながら進める。

0-6立場別 ― 誰が何をすればよいか#

Q自治体・企業・住民は地域未来戦略をどう使えばよいですか?

答え:都道府県はB、市町村はC、Aは国と都道府県の提案が中心。企業は自治体の計画に位置付けられるかがカギ。金融機関と教育機関も、計画を支える重要なプレーヤー。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説

立場ごとに、この戦略との関わり方をまとめました(記事の著者による整理です。具体的な手続は国の公表資料で確認してください)。

  • 都道府県の職員:地域産業クラスター計画(B)の候補になる産業を探し、知事を中心とした伴走支援体制(地域金融機関、商工会・商工会議所を含む)を設計する。戦略産業クラスター計画(A)の候補プロジェクトがあれば、地方ブロックの素案との整合を確認して提案を準備する。
  • 市町村の職員:地元の地場産業を棚卸しし、地場産業成長プラン(C)の候補を考える。事業者の相談窓口を整え、近隣自治体との共同作成も検討する。あわせて地方版総合戦略の見直しを進める。
  • 企業・事業者:自社の投資計画が、地域の計画(A・B・C)に位置付けられる可能性があるかを自治体に相談する。補助金の地域未来枠など、今後の公募情報に注目する。
  • 金融機関:地域産業クラスター計画では、地域金融機関を巻き込んだ伴走支援が要件に入っている。成長資金の供給や地域ファンドの活用など、計画づくりの段階から参加する。
  • 高校生・学生:高専、専門学校、専門高校を含む実業系の教育機関と地域の産業をつなぐ人材育成が重視されている。地元の成長産業で働く道が、これから広がる可能性がある。

ポイント

  • 都道府県はB、市町村はC、Aは国と都道府県の提案が中心。
  • 企業は自治体の計画に位置付けられるかがカギ。
  • 金融機関と教育機関も、計画を支える重要なプレーヤー。

出典・参考資料

出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。

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