第3章第3節 若者・女性に選ばれる地方
若者・女性に選ばれる地方とは?関係人口・地域おこし協力隊・地方移住|第3節
第3節は、地域未来戦略の中で高校生・大学生にいちばん身近なページです。「地元に残るか、都会に出るか」「地方の大学で何が学べるか」「都会に住みながら地元と関わる方法はあるか」――こうした進学・就職・地元との関わりに直結する施策が並んでいます。キーワードは、若者や女性に「選ばれる」地方。働き方・職場の改革、思い込みをなくす教育、地方の大学、関係人口、地域おこし協力隊、地方移住まで、原文を区切って一つずつ解説します。
このページの要点
- 16-1若者や女性を始めとする東京圏への過度な一極集中を是正し、地方に魅力を感じる若者や女性を増やすことが第3節の目的。
- 16-2地方公共団体が中心となり、地域の働き方・職場を変えることから社会全体の変革につなげる「地域働き方・職場改革」を進める。
- 16-3アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)を含む意識改革のため、教育現場の意識改革と法教育を進める。
- 16-4女性の起業による新しい職場づくり、男女共同参画社会の形成、女性活躍推進を地域で加速する。
- 16-5若者・女性・高齢者など多様な人材が活躍できる機会をつくり、地域イノベーションを担うグローカル人材を育てる。
- 16-6KPIは、「地域働き方・職場改革」に参加する地方公共団体数(毎年前年度以上)、KPI設定・改善の割合(100%・2029年度時点)、若者・女性・高齢者等の起業・就業者数(21.7万人・2025〜2030年度累計)。
- 16-7工程は、地域働き方・職場改革の全国的波及、教員研修教材の改善、法教育モデル、(独)男女共同参画機構による支援、留学促進の奨学金の継続など。
- 16-8地方の高等教育を充実させるため、社会教育人材、地方大学・地域産業創生交付金、大学等の地方分散、産学連携、数理・データサイエンス・AI教育、半導体人材、エッセンシャルワーカー養成に取り組む。
- 16-9学校と地域が連携した教育、人づくりを進める。
- 16-10KPIは、地方大学・地域産業創生交付金の支援地域数(延べ)25地域(2026年度)。
- 16-11工程は、社会教育人材養成、国内留学、AI教育の高度化、半導体人材の持続的な輩出、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進など。
- 16-12関係人口の量的拡大・質的向上のため、ふるさと住民登録制度の創設、二地域居住、地方へのテレワーク、棚田地域振興などを進める。
- 16-13地域おこし協力隊、地域活性化起業人、特定地域づくり事業などで地域の担い手を支える。
- 16-14地域体験や域学連携(大学等と地域の連携)で若者や女性の地域交流を促す。
- 16-15プロフェッショナル人材事業や地域企業経営人材マッチング促進事業で、都市部の人材が地方で活躍できるようにする。
- 16-16KPIは、関係人口に取り組む地方公共団体1,200団体(2027年度)、地域おこし協力隊10,000人・地域活性化起業人2,000人(2029年度)、副業・兼業成約4,600件(2029年度)。
- 16-17工程は、ふるさと住民登録制度を2026年度中に開始、地域価値共創、協力隊のサポート強化、ふるさとワーキングホリデー、レビキャリ登録者1万人など。
- 16-18地方移住の更なる促進に取り組む。
- 16-19KPIは、東京圏から地方への移住者数10,000人(2027年度)。
- 16-20工程は、地方創生移住支援事業の実施・広報と、2027年度のKPI見直し。
16-1なぜ「選ばれる地方」なのか ― 東京一極集中の是正#
Q地域未来戦略の「選ばれる地方」とはどういう意味ですか?
答え:第3節は、若者や女性を始めとする東京圏への過度な一極集中を是正するための施策をまとめた節。地方が生きがいややりがいを感じられる場として「選ばれる」ためには、地方に魅力を感じる若者や女性が増えることが重要とされている。東京圏は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の4都県で、その転出入状況を把握しながら取り組む。
原文 地域未来戦略 (p.37)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
第3節の最初の段落は、短いけれど大事なことを2つ言っています。
- 東京圏への過度な一極集中を是正することが重要。とくに「若者や女性を始めとする」と書かれています。東京圏とは、脚注で埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の4都県とされています。
- 地方が生きがいややりがいを感じられる場として「選ばれる」ためには、地方に魅力を感じる若者や女性が増えることが重要。
ここでのポイントは「選ばれる」という言葉です。地方に住むことを誰かに強制するのではなく、若者や女性が自分の意思で「ここで働きたい」「ここで暮らしたい」と選びたくなる地方をつくる、という考え方です。
高校3年生の進路選択を思い浮かべてください。「地元が好きだけど、やりたい仕事がない」「地方の職場は古い考え方が残っていそう」――そんな理由で都会を選ぶ人もいるでしょう。第3節の施策は、まさにこうした理由を一つずつ減らしていくためのものです。
原文はこのあと、次の大きな柱で施策を整理しています。
ポイント
- 第3節は、若者や女性を始めとする東京圏への過度な一極集中を是正するための施策をまとめた節。
- 地方が生きがいややりがいを感じられる場として「選ばれる」ためには、地方に魅力を感じる若者や女性が増えることが重要とされている。
- 東京圏は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の4都県で、その転出入状況を把握しながら取り組む。
- 施策は「多様性に富んだ地方」「教育環境整備」「都市と地方の共生」「地方への移住推進」の4つの柱で整理されている。
よくある疑問
Qなぜ「若者や女性」と特に書かれているのですか?
原文は「若者や女性を始めとする東京圏への過度な一極集中」の是正が重要だとし、地方に魅力を感じる若者や女性が増えることが重要だと述べています。進学や就職をきっかけに地方を離れる若者や女性が多いことを踏まえた書き方だと読めます。転出入の具体的な数字は、脚注で示された総務省「住民基本台帳人口移動報告」で確認できます。
16-2地域の働き方・職場改革 ― 職場から社会を変える#
Q「地域働き方・職場改革」とは何ですか?
答え:地域の働き方・職場を変えることを起点に、社会全体の変革につなげる取組。「地域働き方・職場改革」は2025年度に始動し、地方公共団体が参加して進める。参加団体はKPIや目標を設定し、改善が見られるかを確かめる。
原文 地域未来戦略 (p.37)
o.多様性に富んだ地方の実現
(1) 地域の働き方・職場改革を起点とした社会変革への取組推進
①地域の働き方・職場改革を起点とした社会変革

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
最初の施策は「地域の働き方・職場改革を起点とした社会変革」です。原文の見出しは短いですが、言葉に込められた考え方は大きなものです。
- 起点:まず変えるのは、地域の「働き方」と「職場」。
- 社会変革:そこから地域社会全体の考え方や仕組みを変えていく。
若者や女性が地方を離れる理由として、「給料」だけでなく、「長時間労働」「休みにくい」「性別で仕事を決められる」といった職場の雰囲気が挙げられることがあります。どれだけ自然が豊かでも、働きにくい職場ばかりでは「選ばれる地方」にはなれません。
このあとのKPI(16-6)や工程(16-7)を見ると、「地域働き方・職場改革」は2025年度に始動し、地方公共団体が参加して取り組むものだとわかります。参加する自治体は、取組ごとにKPIや目標を設定して改善を確かめていきます。先行する自治体の成果を3〜5年程度かけて積み上げ、全国に広げることが目指されています。
ポイント
- 地域の働き方・職場を変えることを起点に、社会全体の変革につなげる取組。
- 「地域働き方・職場改革」は2025年度に始動し、地方公共団体が参加して進める。
- 参加団体はKPIや目標を設定し、改善が見られるかを確かめる。
よくある疑問
Q「地域働き方・職場改革」は企業だけの取組ですか?
原文のKPIは「『地域働き方・職場改革』への取組に参加している地方公共団体数」となっており、地方公共団体が参加する取組として位置付けられています。地域の企業や団体がどのように関わるかなどの具体的な仕組みは、原文には書かれていないため、所管府省庁の公表資料で確認してください。
16-3アンコンシャス・バイアスを含む意識改革への教育#
Qアンコンシャス・バイアスをなくすために学校で何をするのですか?
答え:アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)を含む意識改革のための教育を進める。具体的には、教育現場の意識改革と、「ともに生き、ともに社会をつくる力」を育む法教育の推進の2つ。教員研修教材を改善し、2027年度以降は教育委員会等へ普及啓発する(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.37)
(2) アンコンシャス・バイアスを含む意識改革への教育
①教育現場の意識改革
②「ともに生き、ともに社会をつくる力」を育む法教育の推進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
アンコンシャス・バイアスとは、「無意識の思い込み」のことです。原文の工程(16-7)でも「固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みの解消」と書かれています。
たとえば、次のような考えに心当たりはないでしょうか。
- 「理系は男子、文系は女子が向いている」
- 「家事や介護は女性がするもの」
- 「地元の会社の幹部は男性がなるもの」
本人に悪気がなくても、こうした思い込みが進路選びや職場の役割分担に影響し、結果として「この地域では自分らしく生きられない」と感じる人を生んでしまいます。
そこで原文は、2つの教育を挙げています。
- 教育現場の意識改革:先生自身の思い込みを見直す。工程では教員研修教材の改善を進め、2027年度以降は教育委員会等への普及啓発を行うとされています。
- 「ともに生き、ともに社会をつくる力」を育む法教育:法やルールを、単に守るものではなく、みんなで社会をつくるための道具として学ぶ教育です。
ポイント
- アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)を含む意識改革のための教育を進める。
- 具体的には、教育現場の意識改革と、「ともに生き、ともに社会をつくる力」を育む法教育の推進の2つ。
- 教員研修教材を改善し、2027年度以降は教育委員会等へ普及啓発する(工程)。
よくある疑問
Qなぜ地方創生の戦略に「意識改革の教育」が入っているのですか?
第3節の目的は、若者や女性に選ばれる地方をつくることです。固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みが残っていると、若者や女性が地域で活躍しにくくなります。そのため、子どものころからの教育と、教える側の先生の意識改革が、選ばれる地方の土台として位置付けられていると読めます。
16-4地域の男女共同参画・女性活躍の推進#
Q地方で女性が活躍するために、どんな施策がありますか?
答え:女性の起業を通じて新たな職場を創出する。地域における男女共同参画社会の形成を促進し、女性活躍推進を加速化する。2026年度に発足した(独)男女共同参画機構が、各地の男女共同参画センター等を支援する(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.37)
(3) 地域の男女共同参画・女性活躍の推進
①女性の起業を通じた新たな職場の創出
②地域における男女共同参画社会の形成の促進
③地域における女性活躍推進の加速化

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
この小見出しには3つの施策が並んでいます。
| 施策 | ねらい(著者の読み解き) |
|---|---|
| ①女性の起業を通じた新たな職場の創出 | 女性が自分で事業を起こし、そこが新しい「働く場所」になる |
| ②地域における男女共同参画社会の形成の促進 | 男女がともに地域の意思決定や活動に参加できる社会をつくる |
| ③地域における女性活躍推進の加速化 | 職場や地域で女性が力を発揮できるようにする |
①の「女性の起業」は、「職場を探す」だけでなく「職場をつくる」という発想です。たとえば地元の食材を使ったお店、子育ての経験をいかしたサービスなど、起業した人が働く場をつくり、そこにまた人が集まります。
工程(16-7)では、2026年度に発足した(独)男女共同参画機構が、2030年度までの中期目標に基づいて各地の男女共同参画センター等を強力に支援すること、また地域女性活躍推進交付金等により、男女共同参画センター等の連携・協働の取組や女性人材の育成を進めることが書かれています。男女共同参画センターは、多くの都道府県や市にある、男女共同参画を進めるための拠点施設です。
ポイント
- 女性の起業を通じて新たな職場を創出する。
- 地域における男女共同参画社会の形成を促進し、女性活躍推進を加速化する。
- 2026年度に発足した(独)男女共同参画機構が、各地の男女共同参画センター等を支援する(工程)。
よくある疑問
Q男女共同参画機構とは何ですか?
原文では「2026年度に発足した(独)男女共同参画機構」とされ、2030年度までを期間とする中期目標に基づいて各地の男女共同参画センター等を強力に支援すると書かれています。(独)は独立行政法人の略です。組織の詳しい業務内容は、所管府省庁の公表資料で確認してください。
16-5多様な人材が活躍できる機会の創出 ― グローカル人材#
Qグローカル人材とは何ですか?地方でどう育てるのですか?
答え:若者・女性・高齢者等の多様な人材が活躍できる機会をつくる。地域イノベーションを担うグローカル人材(世界の視点を持ち地域で活躍する人材)を育成する。留学促進のため、海外大学との協定に基づく派遣・受入れや、海外での学位取得の奨学金を継続する(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.37)
(4) 多様な人材が活躍できる機会の創出
①多様な人材が活躍できる機会の創出
②地域イノベーションを担うグローカル人材の育成

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
ここでは2つの施策が挙がっています。
①多様な人材が活躍できる機会の創出 KPI(16-6)を見ると、対象は「若者・女性・高齢者等」です。これまで働く機会が少なかった人を「掘り起こし」て、起業や就業の機会をつくることが目指されています。たとえば、子育てがひと段落した人、定年後もまだ働きたい人、地元で自分の力を試したい若者などです。
②地域イノベーションを担うグローカル人材の育成 グローカルとは、「グローバル(世界)」と「ローカル(地域)」を組み合わせた言葉です。世界の視点を持ちながら、地域で新しいことを生み出す人をイメージするとわかりやすいでしょう。
工程(16-7)には、留学促進として、2026年度以降も「海外大学との協定に基づく学生の派遣・受入れ」や「日本人学生の海外での学位取得のための奨学金」を継続すると書かれています。大学生のみなさんにとっては、「地方の大学に進んでも、海外で学ぶチャンスはある」というメッセージでもあります。海外で学んだ経験を地元にいかす――それがグローカル人材の一つの形です。
ポイント
- 若者・女性・高齢者等の多様な人材が活躍できる機会をつくる。
- 地域イノベーションを担うグローカル人材(世界の視点を持ち地域で活躍する人材)を育成する。
- 留学促進のため、海外大学との協定に基づく派遣・受入れや、海外での学位取得の奨学金を継続する(工程)。
16-6[KPI] 多様性に富んだ地方の目標値#
Q「地域働き方・職場改革」のKPI(数値目標)は何ですか?
答え:「地域働き方・職場改革」に参加する地方公共団体数は毎年前年度以上を目指す。参加団体の取組でKPI又は目標を設定している割合と、改善が見られる割合は、2029年度時点で100%が目標。若者・女性・高齢者等の起業・就業者数は2025〜2030年度累計で21.7万人が目標。
原文 地域未来戦略 (p.37)
[KPI]
・「地域働き方・職場改革」への取組に関する指標
「地域働き方・職場改革」への取組に参加している地方公共団体数:毎年前年度以上
「地域働き方・職場改革」への取組で KPI 又は目標の設定がされている割合及び「地域働き方・職場改革」への取組で KPI 又は目標に改善が見られる割合:100%(2029 年度時点)
・新規就業者の掘り起こしにより活躍できる機会を得た若者・女性・高齢者等の起業・就業者数:21.7 万人(2025~2030 年度累計)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「o.多様性に富んだ地方の実現」の数値目標(KPI)を表に整理します。
| 指標 | 目標値 | 年度 |
|---|---|---|
| 「地域働き方・職場改革」への取組に参加している地方公共団体数 | 毎年前年度以上 | 毎年度 |
| 「地域働き方・職場改革」への取組でKPI又は目標の設定がされている割合 | 100% | 2029年度時点 |
| 「地域働き方・職場改革」への取組でKPI又は目標に改善が見られる割合 | 100% | 2029年度時点 |
| 新規就業者の掘り起こしにより活躍できる機会を得た若者・女性・高齢者等の起業・就業者数 | 21.7万人 | 2025〜2030年度累計 |
※原文では2つ目と3つ目は「設定がされている割合及び…改善が見られる割合:100%(2029年度時点)」と1行にまとめて書かれています。
読み解きのポイントは3つです。
- 参加自治体数は「毎年前年度以上」。一度に何団体と決めるのではなく、毎年少しずつでも増やしていく目標です。
- 「KPIを設定している割合」と「改善が見られる割合」の両方が100%。参加するだけでなく、目標を決めて、実際に良くなっているかまで問われます。KPIを使って取組を確かめるやり方は、3類型の計画と同じ考え方です。
- 21.7万人は6年間の累計。2025年度から2030年度までに起業・就業した若者・女性・高齢者等を足し合わせた数です。
ポイント
- 「地域働き方・職場改革」に参加する地方公共団体数は毎年前年度以上を目指す。
- 参加団体の取組でKPI又は目標を設定している割合と、改善が見られる割合は、2029年度時点で100%が目標。
- 若者・女性・高齢者等の起業・就業者数は2025〜2030年度累計で21.7万人が目標。
16-7[工程] 働き方改革・意識改革・男女共同参画・留学のスケジュール#
Q地域働き方・職場改革や男女共同参画の施策はいつまでに何をしますか?
答え:地域働き方・職場改革は、3〜5年程度の先行自治体の成果を蓄積して全国的波及を目指す。教員研修教材を改善し、2027年度以降に教育委員会等へ普及啓発する。2026年度発足の(独)男女共同参画機構が、2030年度までの中期目標に基づき各地の男女共同参画センター等を支援する。
原文 地域未来戦略 (p.37〜38)
[工程]
・2025 年度に始動した「地域働き方・職場改革」について、3~5年程度にわたる先行的な地方公共団体の成果等の蓄積を通じ、全国的波及を目指す。
・固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みの解消に向け、教員研修教材の改善を進め、2027 年度以降は教育委員会等への普及啓発を行う。
・効果的な法教育の推進に向け、毎年度、教員・児童生徒・有識者の意見を踏まえた施策見直し、地域の実情に応じた法教育モデルの展開を進める。
・2026 年度に発足した(独)男女共同参画機構が、2030 年度までを期間とする中期目標に基づき、各地の男女共同参画センター等を強力に支援する。
・地域女性活躍推進交付金等により、男女共同参画センター等が行う連携・協働の取組や女性人材の育成等の取組を推進する。
・若者・女性や高齢者等の新規就業等を支援するとともに、地域の実情に応じた優良な取組を実践事例として蓄積し、これを普及展開する。
・留学促進に向け、2026 年度以降も、海外大学との協定に基づく学生の派遣・受入れや、日本人学生の海外での学位取得のための奨学金を継続する。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
工程(いつ、何をするか)を、施策ごとに整理します。
| 施策 | 工程 |
|---|---|
| 地域働き方・職場改革 | 2025年度に始動。3〜5年程度、先行的な地方公共団体の成果等を蓄積し、全国的波及を目指す |
| 教育現場の意識改革 | 教員研修教材の改善を進め、2027年度以降は教育委員会等への普及啓発 |
| 法教育 | 毎年度、教員・児童生徒・有識者の意見を踏まえて施策を見直し、地域の実情に応じた法教育モデルを展開 |
| 男女共同参画 | 2026年度発足の(独)男女共同参画機構が、2030年度までの中期目標に基づき男女共同参画センター等を支援 |
| 女性活躍 | 地域女性活躍推進交付金等で、男女共同参画センター等の連携・協働や女性人材の育成を推進 |
| 多様な人材 | 若者・女性や高齢者等の新規就業等を支援し、優良な取組を実践事例として蓄積・普及展開 |
| 留学促進 | 2026年度以降も、海外大学との協定に基づく派遣・受入れと、海外での学位取得の奨学金を継続 |
法教育の工程で「児童生徒」の意見も踏まえるとされている点は注目です。教わる側の声を聞いて施策を見直す、という姿勢が示されています。
なお、原文の最後の行の末尾にある「p.教育環境整備の推進」は、次の柱の見出しです。PDFのレイアウトの関係で同じ行に続いて見えていますが、次の節(16-8)から始まる「教育環境整備」の大見出しです。
ポイント
- 地域働き方・職場改革は、3〜5年程度の先行自治体の成果を蓄積して全国的波及を目指す。
- 教員研修教材を改善し、2027年度以降に教育委員会等へ普及啓発する。
- 2026年度発足の(独)男女共同参画機構が、2030年度までの中期目標に基づき各地の男女共同参画センター等を支援する。
- 留学促進のための派遣・受入れと奨学金は2026年度以降も継続する。
16-8地方における高等教育の充実 ― 地方大学で学ぶ・育つ#
Q地方大学・地域産業創生交付金とは何ですか?地方の大学はどう変わりますか?
答え:地方の高等教育を充実させるため、社会教育人材養成、地方大学・地域産業創生交付金、大学等の地方分散など7つの施策を進める。地方大学・地域産業創生交付金は、地域の産官学が連携して大学の振興と中核的な産業の振興・専門人材育成を図る取組を支援する。数理・データサイエンス・AI教育、半導体人材の育成、エッセンシャルワーカー等の養成にも取り組む。
原文 地域未来戦略 (p.38)
p.教育環境整備の推進
(1) 地方における高等教育の充実
①社会教育人材養成の抜本的改革等を通じた地域コミュニティの基盤強化
②地方大学・地域産業創生交付金
③大学等の地方分散
④地方大学による産学連携・人材育成を通じた地方創生
⑤数理・データサイエンス・AI 教育の推進
⑥半導体人材育成拠点形成事業による高度専門人材の育成
⑦地域におけるエッセンシャルワーカー等の養成

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「p.教育環境整備の推進」の1つ目は、地方の高等教育(大学・短大・高専・専門学校など)の充実です。7つの施策が並んでいます。工程(16-11)とあわせて読むと、内容がわかります。
| 施策 | 工程などからわかること |
|---|---|
| ①社会教育人材養成の抜本的改革等 | 公民館などで地域の学びを支える人材を育て、地域コミュニティの基盤を強化 |
| ②地方大学・地域産業創生交付金 | 地域の産官学が連携し、大学の振興と、中核的な産業の振興・専門人材の育成を支援 |
| ③大学等の地方分散 | 都市と地方の連携による国内留学等を促進 |
| ④地方大学による産学連携・人材育成 | 地域の産学官の連携に向け、2026年度からモデル構築支援や伴走支援 |
| ⑤数理・データサイエンス・AI教育 | 大学等での教育を高度化し、高校・企業等との連携を強化 |
| ⑥半導体人材育成拠点形成事業 | 2025年度から育成拠点を形成し、2028年度から高度専門人材を持続的に輩出 |
| ⑦エッセンシャルワーカー等の養成 | 地域の暮らしに欠かせない仕事を担う人材を養成 |
進路を考える高校生にとって、ここから読み取れるメッセージは「地方の大学でも、地域の産業と結びついた最先端の学びができるようにする」ということです。たとえば、地元の半導体工場や産業と連携したプログラム、AI・データサイエンスの授業などです。国内留学とは、在籍する大学に籍を置いたまま、別の地域の大学で一定期間学ぶ仕組みのことで、都会の学生が地方で学ぶ、地方の学生が都会で学ぶ、といった交流を広げるものです。
エッセンシャルワーカーとは、医療・介護・保育・物流など、社会の暮らしを支えるのに欠かせない仕事をする人たちのことです。
ポイント
- 地方の高等教育を充実させるため、社会教育人材養成、地方大学・地域産業創生交付金、大学等の地方分散など7つの施策を進める。
- 地方大学・地域産業創生交付金は、地域の産官学が連携して大学の振興と中核的な産業の振興・専門人材育成を図る取組を支援する。
- 数理・データサイエンス・AI教育、半導体人材の育成、エッセンシャルワーカー等の養成にも取り組む。
よくある疑問
Q地方の大学に進学すると、地元の産業と関わる機会はありますか?
原文では、地方大学・地域産業創生交付金で地域の産官学が連携した取組を支援することや、地方大学による産学連携・人材育成を進めることが書かれています。どの大学でどんなプログラムがあるかは、各大学や自治体の公表情報で確認してください。
16-9学校と地域が連携した教育、人づくり#
Q学校と地域が連携した教育とは何ですか?
答え:学校と地域が連携した教育、人づくりを推進する。コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進する(工程)。2028年度から学校を核とした地域づくりへの発展に向けて取り組む(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.38)
(2) 学校と地域が連携した教育、人づくりの推進
①学校と地域が連携した教育、人づくりの推進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
2つ目は「学校と地域が連携した教育、人づくり」です。原文の見出しは1つだけですが、工程(16-11)に具体的な中身があります。
コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を引き続き推進し、2028年度から学校を核とした地域づくりへの発展に向け取り組む。(工程より要約)
- コミュニティ・スクール:保護者や地域住民が学校運営に参加する仕組みを持つ学校のことです。
- 地域学校協働活動:地域の人たちが学校の授業や行事を手伝ったり、子どもたちが地域の活動に参加したりする取組です。
この2つを一体で進め、さらに2028年度からは「学校を核とした地域づくり」へ発展させるとされています。学校が「子どもが勉強する場所」にとどまらず、地域の人が集まり、地域の未来を考える拠点になっていくイメージです。
地元の企業の人が授業に来てくれた、地域の課題をテーマに探究学習をした――そんな経験は、「この町でも面白いことができる」と気づくきっかけになります。それが将来、地元に戻る・関わり続ける理由の一つになるかもしれません。
ポイント
- 学校と地域が連携した教育、人づくりを推進する。
- コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進する(工程)。
- 2028年度から学校を核とした地域づくりへの発展に向けて取り組む(工程)。
16-10[KPI] 地方大学・地域産業創生交付金の支援地域数#
Q教育環境整備のKPIは何ですか?
答え:教育環境整備のKPIは、地方大学・地域産業創生交付金の支援地域数(延べ)で、2026年度に25地域。支援する取組は、各年度効果検証しつつ進める(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.38)
[KPI]
・地方大学・地域産業創生交付金の支援地域数(延べ):25 地域(2026 年度)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「p.教育環境整備の推進」のKPIは1つです。
| 指標 | 目標値 | 年度 |
|---|---|---|
| 地方大学・地域産業創生交付金の支援地域数(延べ) | 25地域 | 2026年度 |
「延べ」とは、これまでに支援した地域を累計で数えるという意味です。2026年度の時点で、のべ25地域を支援することが目標です。
このKPIは「支援した地域の数」なので、取組の広がりを測る指標です。支援した取組の中身については、工程(16-11)に「各年度効果検証しつつ支援する」とあり、毎年度、効果を確かめながら進めることになっています。
ポイント
- 教育環境整備のKPIは、地方大学・地域産業創生交付金の支援地域数(延べ)で、2026年度に25地域。
- 支援する取組は、各年度効果検証しつつ進める(工程)。
16-11[工程] 高等教育・学校と地域の連携のスケジュール#
Q地方の大学や学校の施策はいつまでに何をしますか?
答え:社会教育人材は、2026年秋頃以降に中央教育審議会を踏まえた措置を進める。数理・データサイエンス・AI教育は、毎年度見直しを行いつつ高校、企業等との連携を強化する。半導体人材は2028年度から高度専門人材の持続的な輩出を図る。
原文 地域未来戦略 (p.38〜39)
[工程]
・社会教育の指導者の資質向上に向け、2026 年秋頃以降は中央教育審議会を踏まえた措置を進め、2030 年度以降は社会教育人材養成等を推進する。
・地域の産官学が連携し、大学の振興、これを通じた中核的な産業の振興や専門人材の育成を図る取組を、各年度効果検証しつつ支援する。
・都市と地方の連携による国内留学等の促進のため、教育プログラムの構築支援等を進め、順次その成果を踏まえ必要な措置を実施する。
・大学等における数理・データサイエンス・AI 教育の高度化のため、毎年度見直しを行いつつ、高校、企業等との連携強化、先進事例の普及を図る。
・半導体人材の育成に向け、2025 年度から育成拠点の形成を進めており、2028 年度からは高度専門人材の持続的な輩出を図る。
・地域の産学官の連携に向けて、2026 年度からモデル構築支援や伴走支援を進め、順次検証結果等を踏まえた必要な措置を検討する。
・コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を引き続き推進し、2028 年度から学校を核とした地域づくりへの発展に向け取り組む。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
教育環境整備の工程を、年度に注目して整理します。
| 施策 | 工程 |
|---|---|
| 社会教育人材 | 2026年秋頃以降、中央教育審議会を踏まえた措置。2030年度以降は社会教育人材養成等を推進 |
| 地方大学・地域産業創生交付金 | 産官学連携による大学振興・産業振興・専門人材育成を、各年度効果検証しつつ支援 |
| 国内留学等 | 教育プログラムの構築支援等を進め、成果を踏まえ必要な措置 |
| 数理・データサイエンス・AI教育 | 毎年度見直しながら、高校、企業等との連携強化、先進事例の普及 |
| 半導体人材 | 2025年度から育成拠点を形成。2028年度から高度専門人材の持続的な輩出 |
| 産学官連携 | 2026年度からモデル構築支援や伴走支援。検証結果等を踏まえ必要な措置を検討 |
| 学校と地域 | コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進。2028年度から学校を核とした地域づくりへ |
数理・データサイエンス・AI教育で「高校」との連携強化が書かれている点は、高校生のみなさんに直接関係します。大学に入る前から、データやAIを学ぶ機会が広がっていくことが期待されます。私は自治体向けのAIを開発していますが、地域の課題をデータで読み解ける人材は、どの地方でも本当に求められています。
なお、原文の最後の行の末尾にある「q.都市と地方の共生の実現」は、次の柱の大見出しです(16-12から)。
ポイント
- 社会教育人材は、2026年秋頃以降に中央教育審議会を踏まえた措置を進める。
- 数理・データサイエンス・AI教育は、毎年度見直しを行いつつ高校、企業等との連携を強化する。
- 半導体人材は2028年度から高度専門人材の持続的な輩出を図る。
- コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進し、2028年度から学校を核とした地域づくりへ発展させる。
16-12関係人口の量的拡大・質的向上 ― ふるさと住民登録制度#
Q関係人口とは何ですか?ふるさと住民登録制度とはどんな制度ですか?
答え:関係人口(地域と継続的に多様な形で関わる人)の量的拡大と質的向上を目指す。ふるさと住民登録制度を創設し、2026年度中に開始できるようアプリ等を開発する(工程)。不動産業者等の連携による地域価値共創、二地域居住、地方へのテレワーク、棚田地域振興も進める。
原文 地域未来戦略 (p.39)
q.都市と地方の共生の実現
(1) 関係人口の量的拡大・質的向上
①ふるさと住民登録制度の創設
②関係人口の創出・拡大のための環境整備
③不動産業者を始めとする多様なプレーヤーの連携による地域価値共創の推進
④スモールコンセッションや空き家等を活用した二地域居住の推進
⑤地方へのテレワークの浸透
⑥棚田地域振興による経済活性化

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「q.都市と地方の共生の実現」の最初は、関係人口です。
関係人口とは、その地域に住んでいる「定住人口」でも、観光で一度来るだけの「交流人口」でもなく、地域と継続的に多様な形で関わる人のことです。たとえば、
- 進学や就職で都会に出たけれど、地元のイベントを手伝い続けている人
- 都会に住みながら、ふるさと納税や副業で特定の町を応援している人
- 週末だけ地方で暮らす人
などが関係人口にあたります。「住む」か「住まない」かの二択ではなく、関わり方のグラデーションを認める考え方です。
原文は、関係人口の「量的拡大」(数を増やす)と「質的向上」(関わりを深める)の両方を掲げ、6つの施策を挙げています。
| 施策 | 工程などからわかること |
|---|---|
| ①ふるさと住民登録制度の創設 | 2026年度中に開始できるようアプリ等を開発。2027年度以降は機能充実と地方公共団体の活用 |
| ②関係人口の創出・拡大のための環境整備 | 関係人口創出・拡大のための対流促進事業を実施 |
| ③不動産業者を始めとする多様なプレーヤーの連携による地域価値共創 | 2026年10月以降、情報発信や協業のモデル事例を創出 |
| ④スモールコンセッションや空き家等を活用した二地域居住 | 特定居住支援法人の取組や官民連携プラットフォームでの普及啓発 |
| ⑤地方へのテレワークの浸透 | リモートワークを活用し、マッチングイベント・伴走支援等で地方への人流を創出 |
| ⑥棚田地域振興による経済活性化 | 棚田地域振興活動計画の策定等を支援 |
二地域居住とは、都会と地方など2つの地域に生活の拠点を持つ暮らし方です。スモールコンセッションは、空き家や使われていない公共施設などの小さな不動産を、民間の力で活用する取組を指す言葉です。
ポイント
- 関係人口(地域と継続的に多様な形で関わる人)の量的拡大と質的向上を目指す。
- ふるさと住民登録制度を創設し、2026年度中に開始できるようアプリ等を開発する(工程)。
- 不動産業者等の連携による地域価値共創、二地域居住、地方へのテレワーク、棚田地域振興も進める。
よくある疑問
Q都会に住んでいても、地元のために何かできますか?
できます。原文は、地域に住んでいなくても継続的に関わる「関係人口」の拡大を掲げ、ふるさと住民登録制度の創設、二地域居住、地方へのテレワークなどを進めるとしています。ふるさと住民登録制度の具体的な登録方法や内容は、制度の開始時に公表される情報で確認してください。
16-13地域おこし協力隊等、地域の担い手支援#
Q地域おこし協力隊や地域活性化起業人とは何ですか?
答え:地域おこし協力隊、地域活性化起業人、特定地域づくり事業等を推進し、地域の担い手を支援する。地域おこし協力隊の隊員数は2029年度に10,000人、地域活性化起業人は2029年度に2,000人が目標(KPI)。制度周知やサポート強化、特定地域づくり事業協同組合の設立支援を引き続き実施する(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.39)
(2) 地域おこし協力隊等、地域の担い手支援
①地域おこし協力隊、地域活性化起業人、特定地域づくり事業等の推進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
ここでは、地域で実際に活動する「担い手」を支える3つの制度が挙がっています。
| 制度 | どんなもの(一般的な説明) |
|---|---|
| 地域おこし協力隊 | 都市部などから地方へ移り住み、地域の自治体から委嘱を受けて、地域おこしの活動に取り組む人 |
| 地域活性化起業人 | 企業の社員が、その会社に所属したまま一定期間地方の自治体で働き、専門的な知識や経験をいかす制度 |
| 特定地域づくり事業 | 地域の事業者が協同組合をつくって人を雇い、季節ごとに忙しい複数の仕事に派遣することで、年間を通じた働く場をつくる仕組み |
地域おこし協力隊は、大学を卒業したばかりの若者が応募することもあります。農業、観光、移住促進、空き家活用など、活動内容は地域によってさまざまです。
KPI(16-16)では、地域おこし協力隊の隊員数10,000人、地域活性化起業人2,000人(いずれも2029年度)が目標です。工程(16-17)では、隊員や起業人を増やすための制度周知やサポート強化、特定地域づくり事業協同組合の設立支援を引き続き行うとされています。
ポイント
- 地域おこし協力隊、地域活性化起業人、特定地域づくり事業等を推進し、地域の担い手を支援する。
- 地域おこし協力隊の隊員数は2029年度に10,000人、地域活性化起業人は2029年度に2,000人が目標(KPI)。
- 制度周知やサポート強化、特定地域づくり事業協同組合の設立支援を引き続き実施する(工程)。
よくある疑問
Q地域おこし協力隊にはどうすれば参加できますか?
地域おこし協力隊は、各自治体が隊員を募集します。応募の条件や任期、待遇は制度や自治体ごとに定められているため、総務省や各自治体の募集情報で確認してください。地域未来戦略では、隊員を増やすための制度周知やサポート強化を進めるとしています。
16-14地域体験や域学連携 ― 若者・女性の地域交流#
Q域学連携とは何ですか?ふるさとワーキングホリデーとは?
答え:地域体験や域学連携(地域と大学の連携)を進め、若者や女性の地域交流を促進する。ふるさとワーキングホリデーの更なる制度周知を進める(工程)。大学等と地方公共団体との連携を促進する(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.39)
(3) 地域体験や域学連携の推進による若者や女性の地域交流促進
①地域体験や域学連携の推進による若者や女性の地域交流促進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
域学連携とは、「地域」と「大学」が連携し、大学生や教員が地域に入って、地域の人と一緒に課題解決や地域づくりに取り組むことです。ゼミで町の観光プランを提案する、学生が農村に滞在して商品開発を手伝う、といった活動がイメージしやすいでしょう。
工程(16-17)には、若者や女性の地域交流を進めるために、
- ふるさとワーキングホリデーの更なる制度周知
- 大学等と地方公共団体との連携促進
を進めると書かれています。ふるさとワーキングホリデーは、都市部の若者などが一定期間地方に滞在し、地域で働きながら、地域の人との交流や学びの機会を得る取組です。
大学生のみなさんにとって、域学連携やワーキングホリデーは「住む前に、地域を体験する」チャンスです。いきなり移住や就職を決めるのは不安でも、短い期間の体験なら気軽に挑戦できます。そこでの出会いが、関係人口として関わり続けたり、将来その地域で働いたりするきっかけになります。
ポイント
- 地域体験や域学連携(地域と大学の連携)を進め、若者や女性の地域交流を促進する。
- ふるさとワーキングホリデーの更なる制度周知を進める(工程)。
- 大学等と地方公共団体との連携を促進する(工程)。
よくある疑問
Q域学連携に参加するには、地方の大学に通う必要がありますか?
原文は「大学等と地方公共団体との連携促進」を進めるとしており、大学の所在地は限定していません。都市部の大学が地方の自治体と連携する例もあります。どの大学がどの地域と連携しているかは、各大学や自治体の情報で確認してください。
16-15プロフェッショナル人材事業 ― 都市部人材の地方での活躍#
Qプロフェッショナル人材事業とは何ですか?
答え:プロフェッショナル人材事業等で、都市部人材の地方での活躍を推進する。地域企業経営人材マッチング促進事業(レビキャリ)は、REVICのデータベースを活用した地域金融機関経由のマッチング事業で、2027年度までに登録者1万人を目指す。プロフェッショナル人材戦略拠点全体の副業・兼業成約件数は2029年度に4,600件が目標。
原文 地域未来戦略 (p.39)
(4) プロフェッショナル人材事業等、都市部人材の地方での活躍推進
①地域企業経営人材マッチング促進事業の活用
②プロフェッショナル人材事業

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
ここでは、都会で経験を積んだ人材が、地方の企業で力を発揮できるようにする2つの事業が挙がっています。
①地域企業経営人材マッチング促進事業 工程(16-17)に出てくる「レビキャリ」がこれにあたります。脚注によると、レビキャリは「株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)のデータベースを活用した地域金融機関経由でのマッチング事業」です。地方の企業が経営を担う人材を見つけられるよう、地域の銀行などが間に入って人材と企業を結びつけます。2027年度までに登録者1万人を目指しています。
②プロフェッショナル人材事業 地方の企業が、専門的な知識や経験を持つ人材(プロフェッショナル人材)を活用できるよう支援する事業です。各地に「プロフェッショナル人材戦略拠点」があり、KPI(16-16)では拠点全体での副業・兼業の成約件数4,600件(2029年度)が目標とされています。
ここで注目したいのは「副業・兼業」です。都会の会社で働きながら、週に何日か、あるいはオンラインで地方の企業を手伝う、という関わり方です。地方に引っ越さなくても地方の企業の力になれるので、16-12の関係人口とも重なる考え方です。
ポイント
- プロフェッショナル人材事業等で、都市部人材の地方での活躍を推進する。
- 地域企業経営人材マッチング促進事業(レビキャリ)は、REVICのデータベースを活用した地域金融機関経由のマッチング事業で、2027年度までに登録者1万人を目指す。
- プロフェッショナル人材戦略拠点全体の副業・兼業成約件数は2029年度に4,600件が目標。
16-16[KPI] 関係人口・地域おこし協力隊・プロ人材の目標値#
Q地域おこし協力隊の目標人数は何人ですか?
答え:関係人口の創出・拡大に取り組む地方公共団体数は2027年度に1,200団体が目標。地域おこし協力隊の隊員数は2029年度に10,000人、地域活性化起業人の人数は2029年度に2,000人が目標。プロフェッショナル人材戦略拠点全体における副業・兼業成約件数は2029年度に4,600件が目標。
原文 地域未来戦略 (p.39)
[KPI]
・関係人口の創出・拡大に取り組む地方公共団体数:1,200 団体(2027 年度)
・地域おこし協力隊の隊員数:10,000 人(2029 年度)
地域活性化起業人の人数:2,000 人(2029 年度)
・プロフェッショナル人材戦略拠点全体における副業・兼業成約件数:4,600件(2029 年度)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「q.都市と地方の共生の実現」のKPIを表に整理します。
| 指標 | 目標値 | 年度 |
|---|---|---|
| 関係人口の創出・拡大に取り組む地方公共団体数 | 1,200団体 | 2027年度 |
| 地域おこし協力隊の隊員数 | 10,000人 | 2029年度 |
| 地域活性化起業人の人数 | 2,000人 | 2029年度 |
| プロフェッショナル人材戦略拠点全体における副業・兼業成約件数 | 4,600件 | 2029年度 |
この表から、「都市と地方の共生」を4つの数字で測ろうとしていることがわかります。
- 自治体側の取組の広がり:関係人口に取り組む地方公共団体の数
- 地方に入って活動する人:地域おこし協力隊、地域活性化起業人
- 都会にいながら地方の企業を支える人:副業・兼業の成約件数
「移住」だけでなく、さまざまな距離感で地方と関わる人を増やすことが目標になっているのが、この柱の特徴です。
ポイント
- 関係人口の創出・拡大に取り組む地方公共団体数は2027年度に1,200団体が目標。
- 地域おこし協力隊の隊員数は2029年度に10,000人、地域活性化起業人の人数は2029年度に2,000人が目標。
- プロフェッショナル人材戦略拠点全体における副業・兼業成約件数は2029年度に4,600件が目標。
16-17[工程] 関係人口・協力隊・域学連携・プロ人材のスケジュール#
Qふるさと住民登録制度はいつ始まりますか?
答え:ふるさと住民登録制度は2026年度中に開始できるようアプリ等を開発し、2027年度以降は機能充実や地方公共団体による活用を進める。地域価値共創は2026年9月までに環境整備、2026年10月以降に情報発信やモデル事例の創出を進める。地域おこし協力隊や地域活性化起業人の増加に向け、制度周知やサポート強化を引き続き実施する。
原文 地域未来戦略 (p.39〜40)
[工程]
・ふるさと住民登録制度について、2026 年度中に開始できるようアプリ等を開発し、2027 年度以降は機能充実や地方公共団体による活用を進める。
・関係人口創出・拡大のための対流促進事業について、事業を実施し、2029年度以降 KPI の達成状況等を踏まえ今後の方向性を検討する。
・地域価値共創の推進のため、2026 年9月までに環境整備を進め、2026 年10 月以降は情報発信や、協業の取組のモデル事例の創出等を推進する。
・人材シェアに向けた特定居住支援法人の取組の推進や官民連携プラットフォームでの普及啓発を継続し、案件の形成やその後の横展開を図る。
・リモートワークを活用し官民共創で地方への人流を創出するため、マッチングイベント、伴走支援等を実施し、毎年度成果を検証する。
・棚田地域振興活動計画の策定等の働き掛け及び取組実施を支援し、2029 年度に、棚田地域振興法注39の運用状況等を踏まえて施策の方向性を検討する。
・引き続き、地域おこし協力隊や地域活性化起業人の増加に向けた制度周知やサポート強化、特定地域づくり事業協同組合の設立支援等を実施する。
・引き続き、若者や女性の地域交流促進に向け、ふるさとワーキングホリデーの更なる制度周知や、大学等と地方公共団体との連携促進等を推進する。
・地域企業の経営人材確保を後押しするため、2027 年度までのレビキャリ注40登録者1万人達成に向け、引き続き周知広報等の取組を実施する。
・地方におけるプロフェッショナル人材の活用促進に向けて事業を継続し、2029 年度以降は事業の進捗を踏まえ今後の方向性を検討する。
脚注
注39令和元年法律第 42 号。
注40株式会社地域経済活性化支援機構(REVIC)のデータベースを活用した地域金融機関経由でのマッチング事業。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
「都市と地方の共生」の工程を、施策ごとに整理します。
| 施策 | 工程 |
|---|---|
| ふるさと住民登録制度 | 2026年度中に開始できるようアプリ等を開発。2027年度以降は機能充実や地方公共団体による活用 |
| 関係人口の対流促進事業 | 事業を実施し、2029年度以降はKPIの達成状況等を踏まえて方向性を検討 |
| 地域価値共創 | 2026年9月までに環境整備。2026年10月以降は情報発信や協業のモデル事例の創出等 |
| 二地域居住(人材シェア) | 特定居住支援法人の取組と官民連携プラットフォームでの普及啓発を継続し、案件形成・横展開 |
| 地方へのテレワーク | マッチングイベント、伴走支援等を実施し、毎年度成果を検証 |
| 棚田地域振興 | 棚田地域振興活動計画の策定等を支援。2029年度に棚田地域振興法の運用状況等を踏まえ方向性を検討 |
| 地域おこし協力隊・地域活性化起業人 | 制度周知やサポート強化、特定地域づくり事業協同組合の設立支援等 |
| 域学連携 | ふるさとワーキングホリデーの更なる制度周知、大学等と地方公共団体との連携促進 |
| 地域企業経営人材マッチング | 2027年度までのレビキャリ登録者1万人達成に向け周知広報 |
| プロフェッショナル人材事業 | 事業を継続し、2029年度以降は進捗を踏まえて方向性を検討 |
ふるさと住民登録制度は、2026年度中の開始を目指してアプリ等が開発されます。スマートフォンのアプリを通じて地域とつながる仕組みになると読めますが、具体的な使い方は開始時の公表情報を確認してください。
「人材シェア」という言葉も出てきます。二地域居住をする人が、2つの地域でそれぞれ力を発揮することで、人材を地域どうしで「シェア」するという考え方です。
ポイント
- ふるさと住民登録制度は2026年度中に開始できるようアプリ等を開発し、2027年度以降は機能充実や地方公共団体による活用を進める。
- 地域価値共創は2026年9月までに環境整備、2026年10月以降に情報発信やモデル事例の創出を進める。
- 地域おこし協力隊や地域活性化起業人の増加に向け、制度周知やサポート強化を引き続き実施する。
- レビキャリ登録者を2027年度までに1万人とすることを目指す。
16-18地方移住の更なる促進#
Q地域未来戦略では地方移住をどう進めるのですか?
答え:地方への移住推進として、地方移住の更なる促進に取り組む。中心となる事業は地方創生移住支援事業で、事業実施と制度等の広報・周知を行う(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.40)
r.地方への移住推進
(1) 地方移住の更なる促進
①地方移住の更なる促進

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
第3節の最後の柱は「r.地方への移住推進」です。原文の見出しは「地方移住の更なる促進」の一つだけですが、工程(16-20)を見ると、中心となるのは「地方創生移住支援事業」です。
ここまでの流れをふり返ると、第3節は地方との関わり方を段階的にとらえていることがわかります。
- 体験する:地域体験、域学連携、ふるさとワーキングホリデー(16-14)
- 関わり続ける:関係人口、ふるさと住民登録、副業・兼業(16-12、16-15)
- 暮らしを2つに:二地域居住、テレワーク(16-12)
- 移り住む:地域おこし協力隊、地方移住(16-13、この節)
移住はゴールの一つですが、いきなりそこを目指すのではなく、体験や関わりを積み重ねた先に移住がある、と考えると、第3節全体がつながって見えてきます。
ポイント
- 地方への移住推進として、地方移住の更なる促進に取り組む。
- 中心となる事業は地方創生移住支援事業で、事業実施と制度等の広報・周知を行う(工程)。
よくある疑問
Q地方に移住するとき、国の支援はありますか?
原文では「地方創生移住支援事業」を実施し、制度等の広報・周知を行うとされています。支援の対象者や金額などの詳細は原文には書かれていないため、所管府省庁や移住先の自治体の公表資料で確認してください。
16-19[KPI] 東京圏から地方への移住者数#
Q地方移住のKPI(目標人数)は何人ですか?
答え:地方移住のKPIは、東京圏から地方への移住者数を2027年度に10,000人とすること。東京圏は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の4都県。このKPIは2027年度に見直しを行うこととされている(工程)。
原文 地域未来戦略 (p.40)
[KPI]
・東京圏から地方への移住者数:10,000 人(2027 年度)

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
| 指標 | 目標値 | 年度 |
|---|---|---|
| 東京圏から地方への移住者数 | 10,000人 | 2027年度 |
東京圏は、16-1の脚注のとおり、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の4都県です。このKPIは、その東京圏から地方へ移住する人の数を、2027年度に10,000人にすることを目標としています。
ここで注意したいのは、このKPIが「地方への移住推進」の柱の目標値であることです。第3節全体の目的である東京一極集中の是正は、移住だけでなく、働き方改革、教育、関係人口など、ここまで見てきた多くの施策を組み合わせて目指すものです。
ポイント
- 地方移住のKPIは、東京圏から地方への移住者数を2027年度に10,000人とすること。
- 東京圏は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の4都県。
- このKPIは2027年度に見直しを行うこととされている(工程)。
16-20[工程] 地方創生移住支援事業のスケジュール#
Q地方創生移住支援事業はこれからどうなりますか?
答え:地方創生移住支援事業を実施し、制度等の広報・周知を行う。2027年度にKPIの見直しを行う。
原文 地域未来戦略 (p.40)
[工程]
・地方創生移住支援事業について、事業実施及び制度等の広報・周知を行うとともに、2027 年度に KPI の見直しを行う。

地域未来AIの開発者・記事の著者の解説
地方移住の工程は1行です。
- 地方創生移住支援事業を実施する。
- 事業や制度等の広報・周知を行う。
- 2027年度にKPIの見直しを行う。
KPI(16-19)の目標年度が2027年度で、その年度にKPIそのものを見直すとされている点がポイントです。目標を達成できたか、移住の状況はどう変わったかを確かめ、そのあとの目標を改めて考えるという流れです。これは地域未来戦略全体に共通する、数値で確かめて見直す(PDCA)考え方の一つです。
ここで第3節は終わり、次のページの第4節「横断的施策の推進」に続きます。
ポイント
- 地方創生移住支援事業を実施し、制度等の広報・周知を行う。
- 2027年度にKPIの見直しを行う。
出典・参考資料
- 内閣官房「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)本文 p.37〜40: https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf
- 東京圏の転出入の状況は、脚注で示された総務省「住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果」(令和8年2月3日)で確認できます。
出典:「地域未来戦略」(令和8年7月21日閣議決定)(内閣官房ホームページ)(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/chiikimirai/pdf/20260721_honbun.pdf)を加工して作成。「原文」欄は原文のまま掲載し(改行・脚注の位置のみ読みやすく整理)、見出し・解説・ポイント・Q&Aは村井宗明/日本DX応援団が作成しました。